武術家、新たな肉体を手に入れる

レクス

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プロローグ

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静謐な雰囲気の漂う空間
同時に木材と染み付いた鍛錬の臭いが漂っている
窓という窓が開け放たれた其処は、道場
風が木々の揺れる音を乗せて道場を駆け抜ける

その空間の中心
1つの影が佇んでいた
それは突如として動き出す
ただ音も無く、拳を突き出した

その挙動は誰にも捉えられないだろう
極限までに、否 もはや無駄の存在しない拳打はことわりを突き抜ける
突き出した拳を悠々と引き付けて元に戻す
直後、人影を包み込むように燐光の柱が建つ

「来たか」

人影は、彼 神道シンドウ紅碧クレア
遂に5000年にも及ぶ歴史に終止符を打った
完成された武術を創る、という一族の歴史に

「良くやりましたね、下界の…いえ、武神」

「お前が、言い伝えの神とやらか」

「ええ、貴方も今や神ですよ」

「だろうな、様々な知識が流れ込んで来てる」

筆舌に尽くし難い程に美しい花園
そこに聳える神殿、その内部
先程まで道場に居た彼と、もう1人
否、もう1神 と言うべきだろう

彼女は、最高神ユミル
原初にして全ての生みの親である神
5000年前という遠い昔、武神となる存在が力試しにユミルへと挑んだ
トールと名乗る武神は数秒で、詳しく語ればユミルの弾指デコピンで消滅した

それ故に、初代となる 神道 誠
彼に武神となる人物を生み出すように頼み込んだ
5000年とは神からすれば3分程にしか感じられないだろう
だが、確りと彼ら一族の努力を見届けてきた

そして、今ここに新たな武神の誕生である

「と、言いたい所なんだけど 未だ君は武神とは認められない」

「どうすれば?」

「君達の居た地球には存在しない、魔力という物を扱えないからだよ」

「ならば何故、我が一族に?」

「1番武術への適性が高かったからね、頼んだの」

「魔力は、どうすれば扱える?」

「取り敢えず、魔力が存在する異世界に行ってもらうわ」

「分かった」

「そして、君は未だ人間の体 それも地球人
魔力も扱えなければ、神力も使えない
だから、向こうに行く次いでに肉体も作り変えるわ」

「それだけか?」

「そうよ、じゃあ早速 行ってらっしゃーい」

移り変わる視界
彼の物語は、ここからだ


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