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第2章 隣の席のあの子
第2章 第8話 価値観
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『人それぞれ価値観が違います。』
今日の道徳は、価値観についての授業だった。
『みんなそれぞれ違うものが好きであり、それが個性というの物を生み出すのです。それから・・』
CDプレイヤーから、無感動な声が教室に響いている。
俺は道徳の時間が嫌いだ。
どうしても、無意味な事を言っているとしか思えない。
もし、価値観が皆一緒なら、この世から戦争や紛争は起きないはずだ。
もし、価値観に囚われなければ、皆仲良く出来るであろう。
でも、そんな人生はとてもつまらない。
それを、無理やり矯正させるような言い方をする、だから俺は道徳は好きになれない。
一方、隣の席のあの子はというと、修学旅行がよほど楽しみなのか、それとも、ただ、道徳が好きなのか分からないが、目をキラキラさせて、CDを聴いている。
とても真剣な横顔を横目に、俺は彼女から教わる事があるんだなと思った。
きっと、彼女は極度の人見知りだから、この授業の内容は心に刺さるのかも知れない。
それに比べ、俺は心に刺さるものなんてない。
いじめ体験談とかそういうのは人一倍刺さる気がする。
将来、そうだな。
大学生になったら、いじめ防止のサークルを作るのもありかもしれない。
『・・・人には必ずしも、弱い心があります。それに漬け込んで、価値観を狂わす等あってはなりません。
この世界からいじめが無くならないのはこの価値観を狂わす人間がいるからです。』
俺は『いじめ』という単語に反応した。
そして、花園さんはハッとした顔をしていた。
俺同様の反応したのだろう。
そうだと思う。
意見の食い違いもそうだ。
それがなければ、花園さんはいじめられる事は無かった。
あの可愛い純粋なあの子がいじめられ、自殺をする事は無かったはずだ。
『誰が、価値観を狂わすのか、誰のせいでその人の一生を無くしたのか、もう一度考え直してみてください。』
という言葉で、CDの音は止まった。
「三島君?」
と言われたので、横を振り向くと、花園さんがきょとんとしてこちらを見ていた。
「何?」
と答えると、花園さんは「大丈夫?」と言った。
続けて、
「君、泣いてるよ」と言われた。
泣いてる?俺が?
と、頬の辺りに触れると確かに濡れていた。
俺は無意識に泣いていた。
すぐさま、涙を拭くと、花園さんは心配そうに、俺を見ていた。
「この話を聞いて感動したの?悲しい事思い出したの?」と聞かれたので、どっちなのか考える。
多分、両方だ。
そして、何故か、
「俺は、君の事も思い出したんだ。」と言ってしまった。
一瞬、花園さんは「?」とフリーズしていたが、すぐさま、悲しそうな顔をして、ごめんねと言った。
俺は大丈夫あれは事故だからと言い、君の助けになれて良かったと言った。
俺はこれからは誰かを悲しませない。
すぐに、小説のアイデアが思い付いた。
これはいいアイデアだ。
家に帰ってから描こう。
今日の道徳は、価値観についての授業だった。
『みんなそれぞれ違うものが好きであり、それが個性というの物を生み出すのです。それから・・』
CDプレイヤーから、無感動な声が教室に響いている。
俺は道徳の時間が嫌いだ。
どうしても、無意味な事を言っているとしか思えない。
もし、価値観が皆一緒なら、この世から戦争や紛争は起きないはずだ。
もし、価値観に囚われなければ、皆仲良く出来るであろう。
でも、そんな人生はとてもつまらない。
それを、無理やり矯正させるような言い方をする、だから俺は道徳は好きになれない。
一方、隣の席のあの子はというと、修学旅行がよほど楽しみなのか、それとも、ただ、道徳が好きなのか分からないが、目をキラキラさせて、CDを聴いている。
とても真剣な横顔を横目に、俺は彼女から教わる事があるんだなと思った。
きっと、彼女は極度の人見知りだから、この授業の内容は心に刺さるのかも知れない。
それに比べ、俺は心に刺さるものなんてない。
いじめ体験談とかそういうのは人一倍刺さる気がする。
将来、そうだな。
大学生になったら、いじめ防止のサークルを作るのもありかもしれない。
『・・・人には必ずしも、弱い心があります。それに漬け込んで、価値観を狂わす等あってはなりません。
この世界からいじめが無くならないのはこの価値観を狂わす人間がいるからです。』
俺は『いじめ』という単語に反応した。
そして、花園さんはハッとした顔をしていた。
俺同様の反応したのだろう。
そうだと思う。
意見の食い違いもそうだ。
それがなければ、花園さんはいじめられる事は無かった。
あの可愛い純粋なあの子がいじめられ、自殺をする事は無かったはずだ。
『誰が、価値観を狂わすのか、誰のせいでその人の一生を無くしたのか、もう一度考え直してみてください。』
という言葉で、CDの音は止まった。
「三島君?」
と言われたので、横を振り向くと、花園さんがきょとんとしてこちらを見ていた。
「何?」
と答えると、花園さんは「大丈夫?」と言った。
続けて、
「君、泣いてるよ」と言われた。
泣いてる?俺が?
と、頬の辺りに触れると確かに濡れていた。
俺は無意識に泣いていた。
すぐさま、涙を拭くと、花園さんは心配そうに、俺を見ていた。
「この話を聞いて感動したの?悲しい事思い出したの?」と聞かれたので、どっちなのか考える。
多分、両方だ。
そして、何故か、
「俺は、君の事も思い出したんだ。」と言ってしまった。
一瞬、花園さんは「?」とフリーズしていたが、すぐさま、悲しそうな顔をして、ごめんねと言った。
俺は大丈夫あれは事故だからと言い、君の助けになれて良かったと言った。
俺はこれからは誰かを悲しませない。
すぐに、小説のアイデアが思い付いた。
これはいいアイデアだ。
家に帰ってから描こう。
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