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サウスランドへ
4人目の仲間
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僕とアスピが運び屋を解放しようとすると、ドレイクは血相を変えて怒鳴った。
「おい、またウチらに襲いかかって来たらどうするつもりじゃワレ。」
「生け取りにしてくれていたことは感謝する。」
「だけど、この扱いはあんまりじゃ無いか? 」
___僕の額に曲刀の鋒があった。
遅れて風圧がやって来る。
「オノレどういうつもりじゃ、ウチらは何も悪いことはしちゃあ居らん。無法者いうて、そっちが勝手に喧嘩ふっかけて来よったんやろ。そうやって生かして貰えているだけ良えと思えボケナス。」
「ごめん…… 」
あまりの覇気に本能的に謝ってしまった。
ノースランドへの航海の途中で戦った彼女とはまるで違う。
本気で怒っていた。
「ドレイク姉さん。冒険者以外は誰も殺していないの? 」
「姉さん? 」
ドレイクが丸太椅子から転げ落ちる。
アスピが、名簿と遭難者の人相を照らし合わせている。
「ああ、誓って殺しはやっとらん。」
ドレイクは再び丸太に飛びつくと、その上にドッシリ座った。
「どうやって見分けた? 」
フォースが鋭い眼光でドレイクを睨んだ。
ドレイクは顔を真っ赤にすると、厠と書かれた部屋へと駆け込んでいった。
「姐さんのカンに狂いはねえ。俺たちが保証するぜ。ドレイク姐さんには何度も助けられた。」
フォースは法衣から十字架を取り出すと、銃口を彼らに向ける。
「俗物の言うことなど信用できんな。」
下っ端たちは、両手を上げて、主を求めた。
「「助けてくれぇ姐さん。」」
「フォースぅ? 銃を下ろしてぇ? 全員生きてる。」
フォースは肩を撫で下ろすと、身体の緊張をほぐし、座り込むと、胡座をかき始めた。
こんな姿のフォースを見るのは初めてだ。
「どうやら彼女はホンモノらしい。いや、悪いな。私は今でも、その勘とやら運という非魔術的な要素に懐疑心を抱いている人間だ。『この世界は魔術が全て。』そう教わって来たからな。」
彼は立ち上がると、下っ端たちに頭を下げた。
「疑ってすまなかった。」
「オメエら、何ウチの許婚に頭下げさせとるんや、いつから偉くなった? 言ってみい? ええ? 」
「「さーせんでした。」」
フォースが、ドレイクを止めさせる。
「いや、私が悪かった。だけど、そう簡単に信じられまい。なんだか変な気持ちなんだ。自分の常識が壊されたようで。」
彼は言葉を濁している。
やっぱりフォースは何かおかしい。
そしてこう付け加えた。
「でも、嫌な気持ちでは無い。」
「おいぃ、勇者。」
ドレイクは反応に困っている。
フォースも困っている。
彼女の存在以前に、彼は、自分が信じて来たモノをこの短期間で否定され続けたのだ。
そして裏切られた。
気持ちの整理が付いていないまま、ここに来てしまった。
混濁してしまうのは分かる。
「フォースは、大事な人を亡くしたんだ。」
場が静まり返ってしまう。
僕のせいだ。
だから僕は話題を変えるべく奮闘した。
「というか、ドレイクって、なんで山賊やってんの? 」
彼女は腕を腰に当てると、堂々と宣言した。
「海賊は下品だからな。上品な山賊になった。」
したっぱ達は、それと同時に項垂れる。
「も、もちろん今まで通り海運らしきこともやっているぞ。」
「それって。」
僕はドレイクをじっと見る。
「オイオイ、そんな怖い顔すんなや。略奪行為からは足を洗った。今は作った酒やら山で取れた魔物やらを加工してツマミを作っとるんじゃ。それを村に売って生計を立てとる。」
「魔物を? 」
「そや、草食動物やらは村人の食糧になるからなぁ。獣害は奴ら狩人に対応させちょる。」
「魔物はその分、幾ら獲っても怒られん。というか逆に殺し続けな奴らが困る。ちゃんと調理すれば他の食いもんに引けをとらんし。」
「シッ!! 」
何かの気配を感じ、僕らは一斉に黙る。
鷹だ。
足には紙が括り付けられている。
伝書鳩ならぬ伝書鷹と言ったところか。
「おい、お前やな、村見張っとけって言いつけちょったんは。」
「ヒッ。」
「お仕置きは後や。」
僕は手紙を読もうと、ドレイクの手元を覗き込む。
「お前らには関係無い。」
フォースが、ドレイクの手元から手紙を抜き取ると、法衣の下から短剣を取り出した。
「たく…… 」
今度はドレイクが肩を撫で下ろし、呆れた顔でフォースを見た。
「お前ら、分かっとるな。ウチらの商売相手が唾かけられた。どうするか。」
「「「アイアイサー!! 」」」
僕は、フォースの後を追うべく、したっぱ達に続いた。
「アスピ、失踪者達の保護と回復を頼む。」
「ホント、男ってこんなのばっかり。」
何が起こったかは分からない。
だけど、フォースが人相を変えて、洞窟の奥に消えていったということは……
多分察するに村が魔族達に襲われているのだと思う。
アスピには申し訳ないけど、村の人たちを放ってはおけない。
僕は『勇者』を遂行すべく。
『勇者』に成るべく。
洞窟の奥地へと進んだ。
「おい、またウチらに襲いかかって来たらどうするつもりじゃワレ。」
「生け取りにしてくれていたことは感謝する。」
「だけど、この扱いはあんまりじゃ無いか? 」
___僕の額に曲刀の鋒があった。
遅れて風圧がやって来る。
「オノレどういうつもりじゃ、ウチらは何も悪いことはしちゃあ居らん。無法者いうて、そっちが勝手に喧嘩ふっかけて来よったんやろ。そうやって生かして貰えているだけ良えと思えボケナス。」
「ごめん…… 」
あまりの覇気に本能的に謝ってしまった。
ノースランドへの航海の途中で戦った彼女とはまるで違う。
本気で怒っていた。
「ドレイク姉さん。冒険者以外は誰も殺していないの? 」
「姉さん? 」
ドレイクが丸太椅子から転げ落ちる。
アスピが、名簿と遭難者の人相を照らし合わせている。
「ああ、誓って殺しはやっとらん。」
ドレイクは再び丸太に飛びつくと、その上にドッシリ座った。
「どうやって見分けた? 」
フォースが鋭い眼光でドレイクを睨んだ。
ドレイクは顔を真っ赤にすると、厠と書かれた部屋へと駆け込んでいった。
「姐さんのカンに狂いはねえ。俺たちが保証するぜ。ドレイク姐さんには何度も助けられた。」
フォースは法衣から十字架を取り出すと、銃口を彼らに向ける。
「俗物の言うことなど信用できんな。」
下っ端たちは、両手を上げて、主を求めた。
「「助けてくれぇ姐さん。」」
「フォースぅ? 銃を下ろしてぇ? 全員生きてる。」
フォースは肩を撫で下ろすと、身体の緊張をほぐし、座り込むと、胡座をかき始めた。
こんな姿のフォースを見るのは初めてだ。
「どうやら彼女はホンモノらしい。いや、悪いな。私は今でも、その勘とやら運という非魔術的な要素に懐疑心を抱いている人間だ。『この世界は魔術が全て。』そう教わって来たからな。」
彼は立ち上がると、下っ端たちに頭を下げた。
「疑ってすまなかった。」
「オメエら、何ウチの許婚に頭下げさせとるんや、いつから偉くなった? 言ってみい? ええ? 」
「「さーせんでした。」」
フォースが、ドレイクを止めさせる。
「いや、私が悪かった。だけど、そう簡単に信じられまい。なんだか変な気持ちなんだ。自分の常識が壊されたようで。」
彼は言葉を濁している。
やっぱりフォースは何かおかしい。
そしてこう付け加えた。
「でも、嫌な気持ちでは無い。」
「おいぃ、勇者。」
ドレイクは反応に困っている。
フォースも困っている。
彼女の存在以前に、彼は、自分が信じて来たモノをこの短期間で否定され続けたのだ。
そして裏切られた。
気持ちの整理が付いていないまま、ここに来てしまった。
混濁してしまうのは分かる。
「フォースは、大事な人を亡くしたんだ。」
場が静まり返ってしまう。
僕のせいだ。
だから僕は話題を変えるべく奮闘した。
「というか、ドレイクって、なんで山賊やってんの? 」
彼女は腕を腰に当てると、堂々と宣言した。
「海賊は下品だからな。上品な山賊になった。」
したっぱ達は、それと同時に項垂れる。
「も、もちろん今まで通り海運らしきこともやっているぞ。」
「それって。」
僕はドレイクをじっと見る。
「オイオイ、そんな怖い顔すんなや。略奪行為からは足を洗った。今は作った酒やら山で取れた魔物やらを加工してツマミを作っとるんじゃ。それを村に売って生計を立てとる。」
「魔物を? 」
「そや、草食動物やらは村人の食糧になるからなぁ。獣害は奴ら狩人に対応させちょる。」
「魔物はその分、幾ら獲っても怒られん。というか逆に殺し続けな奴らが困る。ちゃんと調理すれば他の食いもんに引けをとらんし。」
「シッ!! 」
何かの気配を感じ、僕らは一斉に黙る。
鷹だ。
足には紙が括り付けられている。
伝書鳩ならぬ伝書鷹と言ったところか。
「おい、お前やな、村見張っとけって言いつけちょったんは。」
「ヒッ。」
「お仕置きは後や。」
僕は手紙を読もうと、ドレイクの手元を覗き込む。
「お前らには関係無い。」
フォースが、ドレイクの手元から手紙を抜き取ると、法衣の下から短剣を取り出した。
「たく…… 」
今度はドレイクが肩を撫で下ろし、呆れた顔でフォースを見た。
「お前ら、分かっとるな。ウチらの商売相手が唾かけられた。どうするか。」
「「「アイアイサー!! 」」」
僕は、フォースの後を追うべく、したっぱ達に続いた。
「アスピ、失踪者達の保護と回復を頼む。」
「ホント、男ってこんなのばっかり。」
何が起こったかは分からない。
だけど、フォースが人相を変えて、洞窟の奥に消えていったということは……
多分察するに村が魔族達に襲われているのだと思う。
アスピには申し訳ないけど、村の人たちを放ってはおけない。
僕は『勇者』を遂行すべく。
『勇者』に成るべく。
洞窟の奥地へと進んだ。
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