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大陸遠征
出航
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俺たちはついに昨日、出港した。
聖はと言うと、一時は植物状態の危篤な状態であったが、馬田や霧島、麻川や羽々斬のお陰で、何とか一命を取り留めた。(そのあと上官たちから、みっちり怒られた。)
が、彼が心まで回復することは無く、精神を崩壊させたまま、椅子に縛り付けられている。
彼は普段、ヨダレを垂らして宙を見ているが、俺を見ると急に暴れ出す。
斥のように術を暴走させ、他人の精神に干渉しようとする事もあった。
俺は思わず「因果応報だな。」と呟いてしまい。
「反省していない。」
と見做された俺は今、帆の調整と警備を任されている訳だ。
「ストレートフラッシュ。」
下で上官たちの楽しそうな声が聞こえて来る。
「はぁ。暇だし疲れるし、寝たいけど寝たら怒られるし。早くメリゴ大陸に着かないかな? 」
水平線の向こうから何かが飛んでくる。
俺は思わず眉を顰めた。
"空を飛ぶ文明を持つのは、叢雲のカケラを所持していた極東ぐらいだし、渡鳥の群鳥かな? "
それは近づくにつれて、次第にその姿を表してき、空を飛んでいる風呂敷のようなモノが大量にこちらへと向かって来ていた。
すると、先頭に立っていた男が、空から飛び降り、海へと急降下する。
アレがドミニク・ブレイク?
俺は奴を憎むことを忘れて、その不可解な行動に唖然としていた。
当然だ。彼の能力は大地を操ること。ここは見渡す限り、海、海、海。
彼が水面へと足をつけるその瞬間。
彼は腰の剣を引き抜くと、海へと突き刺した。
---Uplift---
サファイアの輝きは、中心から同心円上に干上がっていく。
海が消えた俺たちの船は、推進力を失い、物凄い衝撃と共に、地面に激突した。
「敵襲!! 」
俺は慌ててブザーに電流を流し、警告する。
が既に遅し。
聖たちが次々と母なる大地に降り立つ。
神聖魔術の扱いを間違えたモノや、上から降りて来るモノに踏み潰された聖が、幾つも見られた。
干上がった大地が今度は赤色に染まる。
グランディル兵たちは、暗礁に乗り上げた(暗礁などないが。)俺たちの船を、その兵力で囲むと、メイジ隊と、弓兵が攻撃準備に入った。
どうやら火で俺たちを丸焼きにするらしい。
炎が一斉に点火される。
「オイ、お前らは引っ込んでろ。」
ドミニクのその言葉で、火が一斉に消える。
「お前らはそこで見てろ。そしてオヤジに報告しろ。次期皇帝に相応しいのは第一王子の俺だってな。」
そこに病み上がりの斥が甲板に上がってきて叫んだ。
「おい止めろ!! 」
俺の声も虚しく、彼はドミニク目掛けて未知術を放った。
---スーパー・グラビティ---
術は確かに成功した。俺の持っていたコンパスが少しばかり狂ったからだ。
「なるほど、法則を書き換えるのがお前の能力か……」
斥は甲板に尻を着くと、ズルズルと引き下がった。
「俺の能力が効かない? 」
「だが浅い、浅い、浅すぎる!! 」
「俺が俺こそが、この世界の法則だ!! 」
彼は甲板へと急降下し、スケートのように滑走すると斥を船の帆柱へと吹き飛ばした。
もの凄い轟音と共に帆柱が崩れる。
俺の横を風のような物が通り過ぎる。
七宝だ。
彼は風の剣と時の剣の力を同時にかけ、火の剣でエネルギーを爆発させながら、ドミニクの喉仏に水の剣を突き当てていた。
がドミニクは動けなかったと言うよりは、動かなかったと言う調子で口を開いた。
「なるほど。お前が七英雄の力と契約したと言うデザイナーズチャイルドか。」
「彼らの無念を晴らしてやるのも良いが、正直俺は恨んでいないしどうでも良い。アイシャ姉さんには感謝しているがね。」
「俺が興味あるのは王位のみ。そんな紛い物の剣に興味があるのは、あの腰抜けのみだ!! 」
---Prostration---
七つの剣たちは、まるでドミニクの言葉を理解したように力を失わせると、そのまま動かなくなった。
七宝はその場にガタリと崩れ落ちる。
「ハハハ、コレだよ!! この全能感。コレこそが支配するモノに与えられるリワードだ!! 」
俺はそこでようやく正気を取り戻した。
"何をビビっている。奴は俺の仇だ。ずっと探していた相手だ。ずっと殺したかった相手。この時、この瞬間のためにこの七年間を生きてきた。ただそれだけのために。鍛錬で倒れそうになった時も、任務で死にそうになった時も、憎しみだけが俺の拠り所だった。今を逃せば、もうこのようなチャンスは転がり込んでこないだろう。"
俺は静かに銃鬼を側頭へと持ち上げると、引き金を引いた。
---疾風---
聖はと言うと、一時は植物状態の危篤な状態であったが、馬田や霧島、麻川や羽々斬のお陰で、何とか一命を取り留めた。(そのあと上官たちから、みっちり怒られた。)
が、彼が心まで回復することは無く、精神を崩壊させたまま、椅子に縛り付けられている。
彼は普段、ヨダレを垂らして宙を見ているが、俺を見ると急に暴れ出す。
斥のように術を暴走させ、他人の精神に干渉しようとする事もあった。
俺は思わず「因果応報だな。」と呟いてしまい。
「反省していない。」
と見做された俺は今、帆の調整と警備を任されている訳だ。
「ストレートフラッシュ。」
下で上官たちの楽しそうな声が聞こえて来る。
「はぁ。暇だし疲れるし、寝たいけど寝たら怒られるし。早くメリゴ大陸に着かないかな? 」
水平線の向こうから何かが飛んでくる。
俺は思わず眉を顰めた。
"空を飛ぶ文明を持つのは、叢雲のカケラを所持していた極東ぐらいだし、渡鳥の群鳥かな? "
それは近づくにつれて、次第にその姿を表してき、空を飛んでいる風呂敷のようなモノが大量にこちらへと向かって来ていた。
すると、先頭に立っていた男が、空から飛び降り、海へと急降下する。
アレがドミニク・ブレイク?
俺は奴を憎むことを忘れて、その不可解な行動に唖然としていた。
当然だ。彼の能力は大地を操ること。ここは見渡す限り、海、海、海。
彼が水面へと足をつけるその瞬間。
彼は腰の剣を引き抜くと、海へと突き刺した。
---Uplift---
サファイアの輝きは、中心から同心円上に干上がっていく。
海が消えた俺たちの船は、推進力を失い、物凄い衝撃と共に、地面に激突した。
「敵襲!! 」
俺は慌ててブザーに電流を流し、警告する。
が既に遅し。
聖たちが次々と母なる大地に降り立つ。
神聖魔術の扱いを間違えたモノや、上から降りて来るモノに踏み潰された聖が、幾つも見られた。
干上がった大地が今度は赤色に染まる。
グランディル兵たちは、暗礁に乗り上げた(暗礁などないが。)俺たちの船を、その兵力で囲むと、メイジ隊と、弓兵が攻撃準備に入った。
どうやら火で俺たちを丸焼きにするらしい。
炎が一斉に点火される。
「オイ、お前らは引っ込んでろ。」
ドミニクのその言葉で、火が一斉に消える。
「お前らはそこで見てろ。そしてオヤジに報告しろ。次期皇帝に相応しいのは第一王子の俺だってな。」
そこに病み上がりの斥が甲板に上がってきて叫んだ。
「おい止めろ!! 」
俺の声も虚しく、彼はドミニク目掛けて未知術を放った。
---スーパー・グラビティ---
術は確かに成功した。俺の持っていたコンパスが少しばかり狂ったからだ。
「なるほど、法則を書き換えるのがお前の能力か……」
斥は甲板に尻を着くと、ズルズルと引き下がった。
「俺の能力が効かない? 」
「だが浅い、浅い、浅すぎる!! 」
「俺が俺こそが、この世界の法則だ!! 」
彼は甲板へと急降下し、スケートのように滑走すると斥を船の帆柱へと吹き飛ばした。
もの凄い轟音と共に帆柱が崩れる。
俺の横を風のような物が通り過ぎる。
七宝だ。
彼は風の剣と時の剣の力を同時にかけ、火の剣でエネルギーを爆発させながら、ドミニクの喉仏に水の剣を突き当てていた。
がドミニクは動けなかったと言うよりは、動かなかったと言う調子で口を開いた。
「なるほど。お前が七英雄の力と契約したと言うデザイナーズチャイルドか。」
「彼らの無念を晴らしてやるのも良いが、正直俺は恨んでいないしどうでも良い。アイシャ姉さんには感謝しているがね。」
「俺が興味あるのは王位のみ。そんな紛い物の剣に興味があるのは、あの腰抜けのみだ!! 」
---Prostration---
七つの剣たちは、まるでドミニクの言葉を理解したように力を失わせると、そのまま動かなくなった。
七宝はその場にガタリと崩れ落ちる。
「ハハハ、コレだよ!! この全能感。コレこそが支配するモノに与えられるリワードだ!! 」
俺はそこでようやく正気を取り戻した。
"何をビビっている。奴は俺の仇だ。ずっと探していた相手だ。ずっと殺したかった相手。この時、この瞬間のためにこの七年間を生きてきた。ただそれだけのために。鍛錬で倒れそうになった時も、任務で死にそうになった時も、憎しみだけが俺の拠り所だった。今を逃せば、もうこのようなチャンスは転がり込んでこないだろう。"
俺は静かに銃鬼を側頭へと持ち上げると、引き金を引いた。
---疾風---
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