53 / 145
亡霊共
死闘
しおりを挟む
時空壊は既に発動している。
が、彼もそれに迫る勢いで追いかけて来た。
アルテマと凛月が激突し、その度に激しい音を立てる。
噴水を隔て、追い越したところで俺たちは同時に術式を発動していた。
---land crusher---
---紅電---
地面から突き上がる岩石を、真紅の刃が斬り裂き、ドミニクを斬り裂く。
確かに攻撃は、彼の急所へと届いたが、彼の身体は時間が巻き戻るように再生させれる。
「さぁさぁもっと楽しもう!! もっとお互いを共有し合うんだ!! この痛みで!! 」
「キメエんだよ死に損ないが!! さっさと死ね!! 」
ドミニクは俺に急接近すると、俺の肩に噛み付いた。
「そうだそうだ!! その痛みに耐える顔!! 痛みこそこの世界の真理だ!! そしてお前はこの世界で唯一、その真理を共有できる人間だ。」
「狂ってやがる。」
俺は正直、奴の豹変っぷりに引いていた。
そして屋敷の壁を走り、跳び上がり、彼へ向けて回し蹴りを放つ。
ドミニクは地面にアルテマを突き立てると、地面を隆起させ、尖った土塊を召喚する。
---ground spear---
俺は空中でそれを交わすと、足に電撃を込めた。
---雷弦---
俺の足が三日月を描き、ドミニクの顔を跡形もなく吹き飛ばす。
脳が吹き飛んでも、彼は綺麗さっぱり治ってしまう。
彼の再生は吸血鬼や鬼などのそれとは比較にならないほど早く、正確だった。
「ウォォォール・トラップゥゥゥゥゥゥゥゥ。」.
外壁から無数の針が出現し、俺とドミニクを串刺しにする。
"やはり、障害物の多い場所で奴と戦うのは悪手か……"
俺は凛月の小太刀を地面に突き刺すと、チャクラムのコイルを操作し、空中に飛び上がる。
俺をアルテマが発生させた土塊が、生き物のようにうねりながら追撃して来る。
俺は砂漠の平地に着地すると、刺さった針をポキポキと抜き取る。
そこにもう再生済みのドミニクが剣を突き下ろし、急降下してくる。
「シネェェェェェェェェ。」
バックステップ、すぐさま身体を反時計回りに回し、攻撃を避ける。
大勢を低くし、水平斬を交わす。
回し蹴りで奴の足を掬う。
砂地から違和感を感じて、両手で飛び上がる。
地面が隆起する。
バックステップ、これまたバックステップ。
俺の目の前に次々とトラップが出現する。
「おいおい、逃げてるだけじゃ俺には勝てねえぞ。」
彼の言う通りだ。
---影結---
俺の影が体と融合し、薄黒く染まる。
奴の攻撃は、確かに俺の体を貫いたが、俺の体は液体のように弾けると、また元通りになる。
---影丸---
小太刀から手を離し、ホルスターから銃鬼を取り出すと、奴に向けて引き金を引く。
漆黒の狼が銃口から飛び出し、ドミニクを追尾する。
---黒龍丸---
続いて、虚数電子の塊が、銃口から発車されて、左右からドミニクを挟み撃ちにした。
俺は銃鬼を宙に放り投げると、小太刀を握りなおし、彼へと接近した。
---雷核---
二匹の幻影に、シールドを付与した。
彼らの攻撃の隙を見て、俺も激撃を加える。
俺は幻影たちと目の前の、理解し難い嫌悪感までも感じる狂人を殴り殺した。
殺して生き返り、生き返りは殺して、一方的に彼を攻撃する。
顔が潰れても再生し、首がもげても元通りにくっつく。
心臓を潰されて絶頂し、両足をもぐと慈しみの眼差しを俺に向ける。
俺は気持ち悪くなり、至近距離で最後の大技を放った。
---rail gun---
チャクラムでアンペールの法則が完成し、鎖が勢いよく突き出される。
小太刀が亜光速で突き出され、幻影たちは、それを察すると後ろに引いた。
小太刀はドミニクを地中深くまで吹き飛ばすと、マントルに押し当てる。
「はぁはぁ。」
怒りに任せてドミニクを殺した俺は、疲弊した顔で後ろを振り返る。
そこには一人の女が立っていた。
「ドミニク・ブレイクは、本当に桐生慎二郎を殺したのかな? 」
俺は状況も忘れて、女に食いかかる。
「奴は丹楓村を襲った。奴は確かに父さんの頭を踏んづけて不敵に笑っていた。」
「母さんは、聖に犯し殺された。奴が殺したようなもんだ。」
「後ろ、未だ彼は生きているよ。」
全身が炭化し、それは本当に人間だった物なのか分からない。
「あー良い!! 良いぞ!! もっとだもっとだ!! もっと俺を楽しませろ!! 」
炭化した部分がペリペリと剥がれ、ドミニクのアルテマまで、自身の赤黒い頭身を爆発させ、今は真っ赤に炎を宿している。
---magma feast---
あちこちからマグマが噴き上げる。
溶岩に当てられて、幻影たちが消滅する。
地面が焼けるように熱くなったのを確認し、火柱から逃げる。
「ハハハハハ愛してるぜフイナンセッ。」
彼は吹き上げた火柱から全てを吸収し、自分の周りに集める。
おそらくマントルのエネルギーを全て吸収している。
"このままでは世界の法則が乱れる。"
---氷雷---
俺の未知術が及ぶ、ギリギリの箇所で、未知術を使い空気を圧縮する。
それをドミニクの周りで無理矢理引き伸ばした。
空気が凍る。彼の元に集まって来ていたエネルギー体は、冷気によって冷え固まる。
「んがんがんがんがかここくこけけこここく。」
奴が必死に能力を発動させているのが分かる。
俺も負けずと、未知術の発動を続けた。
マグマは、黒く固まっていき、やがて効力を無くすと、地面に激突した。
どうやらマグマが完全に固まり、窒息したようだ。
俺はその黒い球体に接近し、岩石を真っ二つにする。
---雷刃---
中で、潰されて、中身が飛び出ているドミニクだったものを見た。
---陰牙烈斬---
対象を影ごと葬り去り、この世から消し去る外道の呪術。
俺が彼の首を落とすところで、再び女が俺に問いかけた。
「残念なら、君の父を瀕死の状態にしたのは、彼じゃないよ。」
なぜ、この女はそれを知っているんだ?
俺は振り返り、正体不明の女に対して半ば怒鳴る形で質問を投げつける。
「だったら誰が殺したって言うんだ!! 」
「本人に直接聞いてみたらどうかな? 」
聞くまでもなく、顔を再生させたドミニクが話し出した。
「そうだ。慎二郎は、俺が来た頃には、瀕死の状態にされていた。俺は村を襲ったが、慎二郎には攻撃していない。」
「だったらなぜ俺にッ! 」
「慎二ぃいいいいいい。」
陰牙烈斬を発動させている凛月の刃を、ドミニクが再生させた腕で自らの首に引きつける。
「おい、辞めろ!! 」
「俺を殺して俺と一つになれェェェェェェェェェ。」
「話せ気狂いめガァ。」
俺たちは転がりながら、凛月を右に左に動かす。
「そして弟ともう一度戦うんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
「俺と一緒に憎き弟を殺すんだあぁぁぁぁぁぁぁ。」
「アイツを殺せるのはお前だけだ。」
「唯一俺に感情を向けてくれたお前だけだぁぁぁぁぁぁ。」
「お前と一緒になりたい。お前と痛みを共有したい。」
「お前と一緒に弟に傷つけられたい。」
「俺はお前に消されて、初めて人生をはじめられるんだぁぁぁぁぁぁ。」
全身を回復させたドミニクが、凛月を自分の方へと引っ張る。
影の力は後10秒は継続する。
それまでに刃が少しでも彼に触れれば、俺は彼を殺したことになる。
「おい、鬼影!! 止めろッ。」
---ソイツは無理な注文だな慎二。コイツは俺の仇を横取りした張本人だ。俺がこの手でッ---
「鬼影ッ。」
そして俺の陰牙烈斬が、彼の首を斬り裂いた。
ドス黒い血が、影のようになって地中に飲み込まれていく。
「ヒハヒハハハハハハ。これで、これでカーミラを殺せる。この手で、憎きカーミラを。」
「兄さん……」
俺はその聞き覚えのある声を聞いて、戦慄を覚える。
最悪だ。よりによってアイツが来るなんて。
カーミラは膝を突き、泣き崩れると、憎しみのこもった眼差しを俺に向けた。
「なんで……兄さんを殺したんだ!! 」
俺もその言葉に怒りを覚えた。
「兄が、兄さんを殺しただよ。テメェは、これまでにどれだけの人間を殺めて来た? ソイツ一人一人にも家族がいたんだっ!! お前はソイツら一人一人の名前を覚えていんのかよ。俺は母親をお前らに殺された。斥は家族と幼なじみを、槍馬のオヤジは、右腕を!! 」
「先に手を出して来たのはテメーらの方じゃねえか。」
「被害者になったときだけ、都合よくキレてんじゃねえぞ。このクソ偽善者。」
「台与鬼子ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」
「カーーミ~ラぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
俺は全ての憎しみを彼へとぶつけた。
が、彼もそれに迫る勢いで追いかけて来た。
アルテマと凛月が激突し、その度に激しい音を立てる。
噴水を隔て、追い越したところで俺たちは同時に術式を発動していた。
---land crusher---
---紅電---
地面から突き上がる岩石を、真紅の刃が斬り裂き、ドミニクを斬り裂く。
確かに攻撃は、彼の急所へと届いたが、彼の身体は時間が巻き戻るように再生させれる。
「さぁさぁもっと楽しもう!! もっとお互いを共有し合うんだ!! この痛みで!! 」
「キメエんだよ死に損ないが!! さっさと死ね!! 」
ドミニクは俺に急接近すると、俺の肩に噛み付いた。
「そうだそうだ!! その痛みに耐える顔!! 痛みこそこの世界の真理だ!! そしてお前はこの世界で唯一、その真理を共有できる人間だ。」
「狂ってやがる。」
俺は正直、奴の豹変っぷりに引いていた。
そして屋敷の壁を走り、跳び上がり、彼へ向けて回し蹴りを放つ。
ドミニクは地面にアルテマを突き立てると、地面を隆起させ、尖った土塊を召喚する。
---ground spear---
俺は空中でそれを交わすと、足に電撃を込めた。
---雷弦---
俺の足が三日月を描き、ドミニクの顔を跡形もなく吹き飛ばす。
脳が吹き飛んでも、彼は綺麗さっぱり治ってしまう。
彼の再生は吸血鬼や鬼などのそれとは比較にならないほど早く、正確だった。
「ウォォォール・トラップゥゥゥゥゥゥゥゥ。」.
外壁から無数の針が出現し、俺とドミニクを串刺しにする。
"やはり、障害物の多い場所で奴と戦うのは悪手か……"
俺は凛月の小太刀を地面に突き刺すと、チャクラムのコイルを操作し、空中に飛び上がる。
俺をアルテマが発生させた土塊が、生き物のようにうねりながら追撃して来る。
俺は砂漠の平地に着地すると、刺さった針をポキポキと抜き取る。
そこにもう再生済みのドミニクが剣を突き下ろし、急降下してくる。
「シネェェェェェェェェ。」
バックステップ、すぐさま身体を反時計回りに回し、攻撃を避ける。
大勢を低くし、水平斬を交わす。
回し蹴りで奴の足を掬う。
砂地から違和感を感じて、両手で飛び上がる。
地面が隆起する。
バックステップ、これまたバックステップ。
俺の目の前に次々とトラップが出現する。
「おいおい、逃げてるだけじゃ俺には勝てねえぞ。」
彼の言う通りだ。
---影結---
俺の影が体と融合し、薄黒く染まる。
奴の攻撃は、確かに俺の体を貫いたが、俺の体は液体のように弾けると、また元通りになる。
---影丸---
小太刀から手を離し、ホルスターから銃鬼を取り出すと、奴に向けて引き金を引く。
漆黒の狼が銃口から飛び出し、ドミニクを追尾する。
---黒龍丸---
続いて、虚数電子の塊が、銃口から発車されて、左右からドミニクを挟み撃ちにした。
俺は銃鬼を宙に放り投げると、小太刀を握りなおし、彼へと接近した。
---雷核---
二匹の幻影に、シールドを付与した。
彼らの攻撃の隙を見て、俺も激撃を加える。
俺は幻影たちと目の前の、理解し難い嫌悪感までも感じる狂人を殴り殺した。
殺して生き返り、生き返りは殺して、一方的に彼を攻撃する。
顔が潰れても再生し、首がもげても元通りにくっつく。
心臓を潰されて絶頂し、両足をもぐと慈しみの眼差しを俺に向ける。
俺は気持ち悪くなり、至近距離で最後の大技を放った。
---rail gun---
チャクラムでアンペールの法則が完成し、鎖が勢いよく突き出される。
小太刀が亜光速で突き出され、幻影たちは、それを察すると後ろに引いた。
小太刀はドミニクを地中深くまで吹き飛ばすと、マントルに押し当てる。
「はぁはぁ。」
怒りに任せてドミニクを殺した俺は、疲弊した顔で後ろを振り返る。
そこには一人の女が立っていた。
「ドミニク・ブレイクは、本当に桐生慎二郎を殺したのかな? 」
俺は状況も忘れて、女に食いかかる。
「奴は丹楓村を襲った。奴は確かに父さんの頭を踏んづけて不敵に笑っていた。」
「母さんは、聖に犯し殺された。奴が殺したようなもんだ。」
「後ろ、未だ彼は生きているよ。」
全身が炭化し、それは本当に人間だった物なのか分からない。
「あー良い!! 良いぞ!! もっとだもっとだ!! もっと俺を楽しませろ!! 」
炭化した部分がペリペリと剥がれ、ドミニクのアルテマまで、自身の赤黒い頭身を爆発させ、今は真っ赤に炎を宿している。
---magma feast---
あちこちからマグマが噴き上げる。
溶岩に当てられて、幻影たちが消滅する。
地面が焼けるように熱くなったのを確認し、火柱から逃げる。
「ハハハハハ愛してるぜフイナンセッ。」
彼は吹き上げた火柱から全てを吸収し、自分の周りに集める。
おそらくマントルのエネルギーを全て吸収している。
"このままでは世界の法則が乱れる。"
---氷雷---
俺の未知術が及ぶ、ギリギリの箇所で、未知術を使い空気を圧縮する。
それをドミニクの周りで無理矢理引き伸ばした。
空気が凍る。彼の元に集まって来ていたエネルギー体は、冷気によって冷え固まる。
「んがんがんがんがかここくこけけこここく。」
奴が必死に能力を発動させているのが分かる。
俺も負けずと、未知術の発動を続けた。
マグマは、黒く固まっていき、やがて効力を無くすと、地面に激突した。
どうやらマグマが完全に固まり、窒息したようだ。
俺はその黒い球体に接近し、岩石を真っ二つにする。
---雷刃---
中で、潰されて、中身が飛び出ているドミニクだったものを見た。
---陰牙烈斬---
対象を影ごと葬り去り、この世から消し去る外道の呪術。
俺が彼の首を落とすところで、再び女が俺に問いかけた。
「残念なら、君の父を瀕死の状態にしたのは、彼じゃないよ。」
なぜ、この女はそれを知っているんだ?
俺は振り返り、正体不明の女に対して半ば怒鳴る形で質問を投げつける。
「だったら誰が殺したって言うんだ!! 」
「本人に直接聞いてみたらどうかな? 」
聞くまでもなく、顔を再生させたドミニクが話し出した。
「そうだ。慎二郎は、俺が来た頃には、瀕死の状態にされていた。俺は村を襲ったが、慎二郎には攻撃していない。」
「だったらなぜ俺にッ! 」
「慎二ぃいいいいいい。」
陰牙烈斬を発動させている凛月の刃を、ドミニクが再生させた腕で自らの首に引きつける。
「おい、辞めろ!! 」
「俺を殺して俺と一つになれェェェェェェェェェ。」
「話せ気狂いめガァ。」
俺たちは転がりながら、凛月を右に左に動かす。
「そして弟ともう一度戦うんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
「俺と一緒に憎き弟を殺すんだあぁぁぁぁぁぁぁ。」
「アイツを殺せるのはお前だけだ。」
「唯一俺に感情を向けてくれたお前だけだぁぁぁぁぁぁ。」
「お前と一緒になりたい。お前と痛みを共有したい。」
「お前と一緒に弟に傷つけられたい。」
「俺はお前に消されて、初めて人生をはじめられるんだぁぁぁぁぁぁ。」
全身を回復させたドミニクが、凛月を自分の方へと引っ張る。
影の力は後10秒は継続する。
それまでに刃が少しでも彼に触れれば、俺は彼を殺したことになる。
「おい、鬼影!! 止めろッ。」
---ソイツは無理な注文だな慎二。コイツは俺の仇を横取りした張本人だ。俺がこの手でッ---
「鬼影ッ。」
そして俺の陰牙烈斬が、彼の首を斬り裂いた。
ドス黒い血が、影のようになって地中に飲み込まれていく。
「ヒハヒハハハハハハ。これで、これでカーミラを殺せる。この手で、憎きカーミラを。」
「兄さん……」
俺はその聞き覚えのある声を聞いて、戦慄を覚える。
最悪だ。よりによってアイツが来るなんて。
カーミラは膝を突き、泣き崩れると、憎しみのこもった眼差しを俺に向けた。
「なんで……兄さんを殺したんだ!! 」
俺もその言葉に怒りを覚えた。
「兄が、兄さんを殺しただよ。テメェは、これまでにどれだけの人間を殺めて来た? ソイツ一人一人にも家族がいたんだっ!! お前はソイツら一人一人の名前を覚えていんのかよ。俺は母親をお前らに殺された。斥は家族と幼なじみを、槍馬のオヤジは、右腕を!! 」
「先に手を出して来たのはテメーらの方じゃねえか。」
「被害者になったときだけ、都合よくキレてんじゃねえぞ。このクソ偽善者。」
「台与鬼子ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。」
「カーーミ~ラぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
俺は全ての憎しみを彼へとぶつけた。
0
あなたにおすすめの小説
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる