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転界を目指す者たち
カリバーン
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「フフフ、ハアハァ。鬼畜生如きが、手間をかけさせてくれたわね。」
瓦礫に亀裂が入る。
中から現れたのは……
俺だ。
そう桐生慎二。
カリバーンを手に携えた。
数分前。
「慎二、どうした?怖気ついたか? 」
七本の剣を携えたボロボロの男が俺に話しかけた。
「ちょっと唖然としちまっただけっすよ。ああも完璧に技を真似られるとね。」
「なぜ極東に帰ってきた? 」
「安心して下さい。ハムサの邪魔をしてやろうと思ってきたんですよ。別に極東を助けようと思って来たわけでは無いので。」
男は力無く笑った。
「そうか、その言葉を聞いて安心した。」
「慎二。」
「なんですか? 」
「極東を頼む。」
男は七本の剣を両手に束ねると、俺に差し出して来た。
「隊長はどうするんですか? 」
「そうだな… 」
「しばらく眠りたい。」
「疲れたんですね。散々働いたから。」
「ああ。」
「おやすみなさい。俺たちの隊長。」
男は俺に手を差し出した。
「ちょっとまて。」
「なんですか、この剣たちに心残りがあるとか? 返しますよそれなら。コレは貴方の魂が宿っている。」
「転界に、草薙の剣がある。いや、あるはずなんだ。」
「それを隊長に…… 」
「任せて下さいよ。」
「俺は英雄の息子なんですから。」
返事は無かった。
彼は眠ったのだ。
力を使い果たして。
肉がどんどん削ぎ落ちていく。
代償による浸食を時の剣で意図的に止めていたのだ。
生身の人間が、残りカスとはいえ、七本の聖剣を従え続けることなど不可能なはずなのだ。
彼はそれをやってのけた。
十一の剣が光り輝き、一本の剣を作り出す。
金色に輝くそれは、芯のない不完全な剣、カリバーンへと姿を変えた。
---キリちゃんがいないから、不完全だけど---
---私たちだってやれるわよ---
---頑張ろうね~同志ぃ~---
---行くよ慎二!! みんなを助けるんでしょ---
聖剣の心が聞こえてくる。
俺と彼らの魂が繋がったような気がした。
俺は剣を振り払うと、アルテマで作っていた土壁をぶち壊した。
空には陽を浴び、輝く天使の姿。
顔は、影になっていてよく見えない。
が、不敵に笑っている。
彼女ならそうしているだろう。
俺は地面を蹴って、彼女の前まで跳躍する。
カリバーンを両手に持つと、横回転。
からの水平斬りで彼女を地面にはたき落とした。
「お前には地上の方がお似合いだ。堕天使。」
「チッ、しぶとい奴ね。次から次へと。」
---疾風迅雷---
羽々斬の能力、身体に風の力を纏い、光に迫る速度で極東の空を疾走し始めた。
俺が彼女に歩調を合わせると、横からカリバーンで追撃する。
俺と彼女は二筋の流れ星となった。
ぶつかっては離れ、曲がっては垂直上昇し、大気圏で再び武器を交える。
捻れ、回転し、視界が反転する。
が、慎二郎が力を貸してくれたおかげで、どうにか自分の状態を把握し続けることが出来た。
彼女の胸元が青白く変色し始める。
空気が薄いせいだ。
「貧弱な器ねぇッ。」
彼女は宿主に対して、そのようにコメントした。
動きが鈍り始めた彼女にカリバーンを一発お見舞いする。
---シャイニング・スプラッシュ---
本来存在するはずのない剣、本来存在するはずのない技。
その斬撃は、確かに彼女へと命中した。
「まだ終わりじゃないわよ!! 」
俺たちは地球の引力に引かれ、捻れながら斬り合う。
奴の短剣が俺の身体に傷をつけ、俺のカリバーンが彼女の身体に傷を増やす。
そのまま地上に激突し、離れると、再び対峙した。
---雷刃---
凛月の未知術。
---虚空斬---
カリバーンに影を宿し、虚空を斬る。
---千羽鶴---
麻川の能力が吸われている。
---雷核---
俺は自分の周りに電磁フィールドを貼った。
一気にケリをつける。
彼女は両腕を前に差し出している。
無量光明の構えだ。
俺も、カリバーンを右後ろに引きつけると、剣に電子も虚数電子も、ありとあらゆる全てを注ぎ込んだ。
カリバーンが俺に答え始める。
---慎二!! その技は!! ---
アウラが俺を止めようとしている。
---やめなさい。危ないわ---
そうだ。不完全なこの剣で。
---んー頑張れ慎二ぃ---
不可能ではない。
---オラッ下僕!!魔力が足りないぃ!! もっと寄越せよ ---
トライドランに鼓舞される。
「言われなくてもやってる。」
---ナマイキね。まぁ許してあげるわよ。今だけは---
剣に充満したエネルギーが一気に放出される。
---無量光明---
---無量光明---
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
世界を激しく白い光が襲った。
瓦礫に亀裂が入る。
中から現れたのは……
俺だ。
そう桐生慎二。
カリバーンを手に携えた。
数分前。
「慎二、どうした?怖気ついたか? 」
七本の剣を携えたボロボロの男が俺に話しかけた。
「ちょっと唖然としちまっただけっすよ。ああも完璧に技を真似られるとね。」
「なぜ極東に帰ってきた? 」
「安心して下さい。ハムサの邪魔をしてやろうと思ってきたんですよ。別に極東を助けようと思って来たわけでは無いので。」
男は力無く笑った。
「そうか、その言葉を聞いて安心した。」
「慎二。」
「なんですか? 」
「極東を頼む。」
男は七本の剣を両手に束ねると、俺に差し出して来た。
「隊長はどうするんですか? 」
「そうだな… 」
「しばらく眠りたい。」
「疲れたんですね。散々働いたから。」
「ああ。」
「おやすみなさい。俺たちの隊長。」
男は俺に手を差し出した。
「ちょっとまて。」
「なんですか、この剣たちに心残りがあるとか? 返しますよそれなら。コレは貴方の魂が宿っている。」
「転界に、草薙の剣がある。いや、あるはずなんだ。」
「それを隊長に…… 」
「任せて下さいよ。」
「俺は英雄の息子なんですから。」
返事は無かった。
彼は眠ったのだ。
力を使い果たして。
肉がどんどん削ぎ落ちていく。
代償による浸食を時の剣で意図的に止めていたのだ。
生身の人間が、残りカスとはいえ、七本の聖剣を従え続けることなど不可能なはずなのだ。
彼はそれをやってのけた。
十一の剣が光り輝き、一本の剣を作り出す。
金色に輝くそれは、芯のない不完全な剣、カリバーンへと姿を変えた。
---キリちゃんがいないから、不完全だけど---
---私たちだってやれるわよ---
---頑張ろうね~同志ぃ~---
---行くよ慎二!! みんなを助けるんでしょ---
聖剣の心が聞こえてくる。
俺と彼らの魂が繋がったような気がした。
俺は剣を振り払うと、アルテマで作っていた土壁をぶち壊した。
空には陽を浴び、輝く天使の姿。
顔は、影になっていてよく見えない。
が、不敵に笑っている。
彼女ならそうしているだろう。
俺は地面を蹴って、彼女の前まで跳躍する。
カリバーンを両手に持つと、横回転。
からの水平斬りで彼女を地面にはたき落とした。
「お前には地上の方がお似合いだ。堕天使。」
「チッ、しぶとい奴ね。次から次へと。」
---疾風迅雷---
羽々斬の能力、身体に風の力を纏い、光に迫る速度で極東の空を疾走し始めた。
俺が彼女に歩調を合わせると、横からカリバーンで追撃する。
俺と彼女は二筋の流れ星となった。
ぶつかっては離れ、曲がっては垂直上昇し、大気圏で再び武器を交える。
捻れ、回転し、視界が反転する。
が、慎二郎が力を貸してくれたおかげで、どうにか自分の状態を把握し続けることが出来た。
彼女の胸元が青白く変色し始める。
空気が薄いせいだ。
「貧弱な器ねぇッ。」
彼女は宿主に対して、そのようにコメントした。
動きが鈍り始めた彼女にカリバーンを一発お見舞いする。
---シャイニング・スプラッシュ---
本来存在するはずのない剣、本来存在するはずのない技。
その斬撃は、確かに彼女へと命中した。
「まだ終わりじゃないわよ!! 」
俺たちは地球の引力に引かれ、捻れながら斬り合う。
奴の短剣が俺の身体に傷をつけ、俺のカリバーンが彼女の身体に傷を増やす。
そのまま地上に激突し、離れると、再び対峙した。
---雷刃---
凛月の未知術。
---虚空斬---
カリバーンに影を宿し、虚空を斬る。
---千羽鶴---
麻川の能力が吸われている。
---雷核---
俺は自分の周りに電磁フィールドを貼った。
一気にケリをつける。
彼女は両腕を前に差し出している。
無量光明の構えだ。
俺も、カリバーンを右後ろに引きつけると、剣に電子も虚数電子も、ありとあらゆる全てを注ぎ込んだ。
カリバーンが俺に答え始める。
---慎二!! その技は!! ---
アウラが俺を止めようとしている。
---やめなさい。危ないわ---
そうだ。不完全なこの剣で。
---んー頑張れ慎二ぃ---
不可能ではない。
---オラッ下僕!!魔力が足りないぃ!! もっと寄越せよ ---
トライドランに鼓舞される。
「言われなくてもやってる。」
---ナマイキね。まぁ許してあげるわよ。今だけは---
剣に充満したエネルギーが一気に放出される。
---無量光明---
---無量光明---
「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
世界を激しく白い光が襲った。
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