中二病の高校生は、異世界で勇者(笑)と呼ばれるようです

yoshikei

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異世界へ

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 扉の向こうには、かなり広い部屋があった。
 隅には柱が並び、そこには騎士たちが数名ずつ左右に分かれて立っている。
 余談だが、鎧が同じだという事もあり、俺をここまで連れてきた人も騎士だったことが分かった。
 正面には床が高くなっている部分があり、その上には豪華な椅子が置いてある。その椅子には40代後半に見える、スラっとした男性が座っていた。

「下がってよい」

 椅子に座った男性がそう言うと、近くにいた騎士は礼をして部屋から出た。
 すると、扉が閉まる音が響いた。
 俺が入ってきたときにはそこまで大きな音はしなかったが、今回は違ったようだ。なにかギミックでも付いているのだろうか。
 音が収まると、椅子に座っている男性はゆっくりと立ち上がった。
 同時に、左右に並んでいる騎士たちが立膝をつき、頭を下げる。
 俺はそれを見て、なんとなく同じように動いた。周りに合わせようとしてしまうのは、日本人のさがなのだろうか。
 頭の片隅でそんなことを考えながら、ピリピリとし始めた空間を、誰かが打開してくれないかと願った。

「面を上げよ。名を申せ」
「は、はい」

 強力な威圧感と周りには俺以外いないことから、顔を上げ、自分の名前と事情を話した
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