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第一章 【葦永 吟撫(あしなが ぎんな)】
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時は経ち――
【吟撫】は16の歳を迎えようとしていた。
その頃には、じゃじゃ馬だった彼女もすっかりなりを潜め、髪の長いおしとやかな女性に育っていた。
元々、美しかったと言うのもあって、彼女に告白する者は後を絶たなかった。
今日も、
「ちょっと……良いですか?
あ、あの……葦永さん……
ずっと前から好きでした。
良かったら、僕と付き合ってください。
付き合って貰えたら、絶対後悔させません。
毎日プレゼントします。
毎日サプライズします。
尽くします。
へりくだります。
贅沢させてあげます。
後悔はさせません。
だから、付き合ってください」
と告白されていた。
【吟撫】は、
「そうですか……
ありがとうございます。
それで、あなたは私の何処が好きなんですか?
良かったら聞かせてくださいませんか?」
と聞いた。
告白した男は、
「それはもちろん顔です。
スタイルも良い。
胸もほどよく大きいし、腰回りも好きだ。
声も気に入っている。
金持ちの僕にふさわしい相手だと思っています。
付き合った暁には、たくさんプレゼントしますよ。
ホントに後悔はさせません」
と言った。
【吟撫】は、
(……そうじゃ、無いのよねぇ~……
そんなんじゃ……)
と思いつつ、
「ごめんなさい。
私じゃ、あなたに釣り合わないわ。
あなたにはもっと良い女の子が居るはずです。
そういう子の方があなたにはお似合いだわ。
私なんかを相手にするよりもその方がよっぽど有意義ですよ」
と返事をした。
告白した男は、
「いや……
大丈夫です。
あなたは僕にふさわしいです。
僕の隣に居る資格があります。
他の女なんてどうでも良い。
あなたに比べたらゴミですよ。
ゴミ。
僕にはあなたこそふさわしい。
だから、僕と付き合ってください」
と言った。
【吟撫】は、
(はぁ……
この男……女を物か何かと勘違いしているようね。
付き合ってられないわ……)
と思いつつ、
「【高峯(たかみね)】さん……
申し訳ないんですけど……私……
好きな人いますので……
ごめんなさい。
それでは……」
と言って立ち去ろうとする。
告白しようとした男、【高峯】は、
「ちょっと待て。
だ、誰だ?
誰なんだそいつは?
そんな奴が君を幸せに出来る訳がない。
僕は大金持ちだぞ。
そんな僕より幸せに出来るはずがない……」
と言った。
【吟撫】は、
「【高峯】さん……
人の気持ちはお金じゃ動きませんよ。
お金が大好きという人も居るかも知れませんが、少なくとも私はそれでは動きません。
もう少し、人生を勉強なさってからいらしてください」
と言った。
【高峯】は、
「うわぁぁぁぁぁ……
女の……
女のくせにぃ~……
僕を振るつもりかぁ~っ」
と言って【吟撫】に殴りかかった。
【吟撫】は【高峯】を軽くいなし、
「よっと……
女に暴力で何とかしようとする男は最低ですよ。
まぁ……私はそれでもかまいませんが……
では、ごめんあそばせ……」
と言って、立ち去った。
後には地べたに這い蹲された、【高峯】がぽか~んと取り残された。
【吟撫】は、
「はぁ……
ろくな男が居ない……」
とつぶやくのだった。
【葦永 吟撫(あしなが ぎんな)】もうすぐ16歳。
彼女に釣り合う男は現れて居なかった。
【吟撫】は16の歳を迎えようとしていた。
その頃には、じゃじゃ馬だった彼女もすっかりなりを潜め、髪の長いおしとやかな女性に育っていた。
元々、美しかったと言うのもあって、彼女に告白する者は後を絶たなかった。
今日も、
「ちょっと……良いですか?
あ、あの……葦永さん……
ずっと前から好きでした。
良かったら、僕と付き合ってください。
付き合って貰えたら、絶対後悔させません。
毎日プレゼントします。
毎日サプライズします。
尽くします。
へりくだります。
贅沢させてあげます。
後悔はさせません。
だから、付き合ってください」
と告白されていた。
【吟撫】は、
「そうですか……
ありがとうございます。
それで、あなたは私の何処が好きなんですか?
良かったら聞かせてくださいませんか?」
と聞いた。
告白した男は、
「それはもちろん顔です。
スタイルも良い。
胸もほどよく大きいし、腰回りも好きだ。
声も気に入っている。
金持ちの僕にふさわしい相手だと思っています。
付き合った暁には、たくさんプレゼントしますよ。
ホントに後悔はさせません」
と言った。
【吟撫】は、
(……そうじゃ、無いのよねぇ~……
そんなんじゃ……)
と思いつつ、
「ごめんなさい。
私じゃ、あなたに釣り合わないわ。
あなたにはもっと良い女の子が居るはずです。
そういう子の方があなたにはお似合いだわ。
私なんかを相手にするよりもその方がよっぽど有意義ですよ」
と返事をした。
告白した男は、
「いや……
大丈夫です。
あなたは僕にふさわしいです。
僕の隣に居る資格があります。
他の女なんてどうでも良い。
あなたに比べたらゴミですよ。
ゴミ。
僕にはあなたこそふさわしい。
だから、僕と付き合ってください」
と言った。
【吟撫】は、
(はぁ……
この男……女を物か何かと勘違いしているようね。
付き合ってられないわ……)
と思いつつ、
「【高峯(たかみね)】さん……
申し訳ないんですけど……私……
好きな人いますので……
ごめんなさい。
それでは……」
と言って立ち去ろうとする。
告白しようとした男、【高峯】は、
「ちょっと待て。
だ、誰だ?
誰なんだそいつは?
そんな奴が君を幸せに出来る訳がない。
僕は大金持ちだぞ。
そんな僕より幸せに出来るはずがない……」
と言った。
【吟撫】は、
「【高峯】さん……
人の気持ちはお金じゃ動きませんよ。
お金が大好きという人も居るかも知れませんが、少なくとも私はそれでは動きません。
もう少し、人生を勉強なさってからいらしてください」
と言った。
【高峯】は、
「うわぁぁぁぁぁ……
女の……
女のくせにぃ~……
僕を振るつもりかぁ~っ」
と言って【吟撫】に殴りかかった。
【吟撫】は【高峯】を軽くいなし、
「よっと……
女に暴力で何とかしようとする男は最低ですよ。
まぁ……私はそれでもかまいませんが……
では、ごめんあそばせ……」
と言って、立ち去った。
後には地べたに這い蹲された、【高峯】がぽか~んと取り残された。
【吟撫】は、
「はぁ……
ろくな男が居ない……」
とつぶやくのだった。
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彼女に釣り合う男は現れて居なかった。
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