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第5話 職場復帰
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アルドは夢を見ていた。アルドはここではない別の世界にて、営業職をしていた。成績は可もなく不可もなく、典型的な普通のサラリーマン。妻と結婚して、その間に娘が1人。人並の幸せを手に入れた人生だった。
しかし、ある日を境に"彼”の幸せは終わりを告げた。妻子の訃報。それを聞いた時、"彼”の人生は変わった。そして、終わりのカウントダウンの始まりでもあった。
「うわあ!」
アルドは目を覚ました。夢の中で見た光景。それは夢にしては、ここではない異世界の話とあまりにも荒唐無稽で、そしてその割にはあまりにも現実的すぎた。まるでアルドが実際に体験したかのような……そんなリアリティがあった。
「お、お父さん!?」
アルドの叫び声でイーリスがビクっと目を覚ましてしまった。アルドに少し慣れたとはいえ、やはりアルドの大声にトラウマを持っているイーリス。それは中々払しょくされるものではなかった。
「ご、ごめん。イーリス。なんでもない。イーリスは何も悪くない。だから安心してくれ」
「うん……」
自分は何も悪くない。その言葉に安堵するイーリス。良かった。また、アルドからなにか虐待を受けるんじゃないかと、そんな考えが一瞬よぎってしまった。
でも、そんなことはなく、アルドの表情は少し憔悴はしていたものの、昨日までの優しい表情だった。
アルドは起きて仕事に行く準備を始めた。記憶を喪失していても、仕事はしなければならない。身支度と必要な道具を持ってアルドは玄関へと向かった。
「それじゃあ、イーリス。行ってくる。知らない人が家を訪ねて来ても開けるんじゃないぞ」
「うん。わかったよ。お父さん」
ここは危険なスラム街である。アルドが住んでいる地区はいきなり強盗が押し掛けるほど危険ではないが、それでも用心に越したことはない。
アルドは娘を留守番させて仕事に向かう。道中で何度も心配で胸が張り裂けそうだったが、なんとか職場についた。
スラム街から少し離れたところにある炭鉱。この辺の地区で最も稼ぎが良い仕事である。そこに集められたのは、いかにも屈強を絵に描いた"オトコ”たちである。腕、胸筋、腹筋、脚。全部がぶっとい規格外の力自慢たちが集められている。
アルドも一般人に比べたら、そこそこ体格は良い方ではあるが、ここでは細い方に分類されてしまう。
「よお、アルド。オレのことを覚えているか?」
頭頂部がハゲ散らかしているひげ面の男性がアルドに話しかけてきた。当然、アルドには身に覚えがない。
「えーと……すみません」
「ぎゃはは。オマエが敬語なんて使うような奴かよ。親方のオレにも生意気な口聞くような奴だったのに。記憶を失くしたってのは本当のようだな」
「親方……えっと。記憶をなくす前の僕が失礼なことをしたようで」
「良いってことよ。それにしても、体型だけじゃなくて、態度まで弱っちくなっちまったなあ。おい!」
バシーンと親方がアルドの背中を叩いた。アルドはそれで、ビシっと反射的に起立をしてしまう。
「いたた……」
「おっと。気合いを入れるつもりがやりすぎちまったみたいだ。すまねえ。病み上がりだって言うのによ」
「いえ。それよりも、休暇を頂きありがとうございます」
「お前、本当に変わっちまったな。オレが見舞いに行った時は、オマエが寝ている時だったからな。記憶をなくしたって聞いたときは結構心配したんだぜ。久々に会えて嬉しいぜ」
親方が見舞いに来た時に医者から事情を聞いて、退院してから数日は休暇を出すと医者に言伝をしていたのだ。
「えっと……お忙しい中、お見舞いに来てくださって本当にありがとうございます」
「もう、そういう堅苦しいのは無しにしようぜ? な?」
親方は強引にアルドと肩を組んだ。「がはは」と笑う親方と「あはは」と愛想笑いをするアルド。
「さあ、みんな! アルドも戻って来たことだし、今日も張りっ切って働くぞ! それとみんなも事故には気をつけろよ。特に頭をぶつけてアルドみたいに記憶喪失になんなよ。がはは」
親方の軽いジョークに笑う一同。イマイチまだノリについていけてないアルドだが、彼らが本質的には良い人たちだということは理解した。
そんな始業の挨拶が終わり、仕事を始めるアルド。しかし、記憶喪失なので仕事の仕方も当然忘れていて、スムーズにできることは何もなかった。
「えっと、親方。これはどうすればいいんですか?」
「ん? ああ。ちょっと貸してみろ。これはだな……」
だが、親方や周りの炭鉱夫たちは嫌な顔1つせずにアルドに仕事を教えていた。普通ならば、ここは喜ぶべきことだ。だが、アルドにはある疑念があった。
休憩時間。アルドは1人で一息をついていた。だが、親方がそんなアルドに話しかける。
「よお。どうした。アルド浮かない顔をして」
「いえ……なんかみんな親切だなって」
「親切? オレたちがか?」
「はい。僕は記憶を失くして仕事の仕方も忘れてみんなに迷惑をかけたっていうのに」
「がはは。確かに、オマエがいけ好かない野郎だったら、ここまで丁寧に仕事は教えなかったかもな。でも、オマエは気の良い奴だった。だから、オレたちもそんなオマエを支えてやろうって思うのさ。まあ、困った時はお互い様ってことだ」
「そう……なんですか」
アルドはその言葉に違和感を覚えた。自分は、周囲の人間には好かれていたらしい。飲み仲間の友人も見舞いに来てくれて、退院後も家まで一緒についてきてくれた。
そして、職場でも悪い扱いを一切受けていない。そんな気の良い人物がどうして、娘であるイーリスを虐待していたのか。それがアルドにはどうしても理解できなかった。
外面だけは良くて、家庭では暴君。そんな人間は少なからずいる。アルドもそういうタイプだったのではないか。そう解釈すれば、矛盾はなくなるが、それにしてもイーリスとそれ以外で周囲の態度が変わりすぎるのは、どうしても引っ掛かりや違和感はある。
◇
「よし、今日の仕事はここまでだ。みんなお疲れー!」
「おつかれー!」
親方の合図で炭鉱夫たちは一斉に片付けを始めて帰宅の準備をした。
「どうだ? アルド。久しぶりに飲まねえか?」
親方がジェスチャーで酒を飲む仕草を見せる。だが、アルドには飲みに行くという選択は取れなかった。心苦しいけれど、親方の誘いは断らなければならない。
「すみません、親方。娘が僕の帰りを待っているので」
「あー。そうか。でも、オマエが飲みの誘いを断るなんて珍しいな。娘はしっかり者だし、最近反抗期になってきて『お父さんと一緒にいたくない』って言われたって毎晩飲みに歩いていたのに」
「そ、そうなんですか?」
なんて最低な父親なんだろう。アルドは自分を恥じた。月に数回程度だったらまだ擁護できたが、毎晩飲み歩くのは流石に父親としてダメすぎる。
「まあ、そういうことなら仕方ねえなあ。娘さんの反抗期がなおったってことだろ?」
「ええ、まあ。そうですね」
「良かったじゃねえか。まあ、こんなむさ苦しいおっさんより、可愛い娘さんの方を大事にしてやんな」
また親方がバシーンとアルドの背中を叩いた。アルドはそれでまた気を付けをしてしまう。
「あだだ」
「おっと、すまねえ。またやりすぎちまったな。前までのオマエはこれくらい屁でもなかったんだがなあ」
「あはは。入院して体がなまったのかもしれませんね」
「がはは。そうか。それは悪かったな」
アルドは親方と円満にわかれた後にイーリスが待つ自宅へと戻った。錠を開けて家の中にはいるアルド。
「ただいまー」
「おかえりー!」
イーリスはばたばたと走って玄関までアルドを迎えにいく。イーリスの笑顔を見て、アルドは早く帰って来て良かったと思うのであった。
しかし、ある日を境に"彼”の幸せは終わりを告げた。妻子の訃報。それを聞いた時、"彼”の人生は変わった。そして、終わりのカウントダウンの始まりでもあった。
「うわあ!」
アルドは目を覚ました。夢の中で見た光景。それは夢にしては、ここではない異世界の話とあまりにも荒唐無稽で、そしてその割にはあまりにも現実的すぎた。まるでアルドが実際に体験したかのような……そんなリアリティがあった。
「お、お父さん!?」
アルドの叫び声でイーリスがビクっと目を覚ましてしまった。アルドに少し慣れたとはいえ、やはりアルドの大声にトラウマを持っているイーリス。それは中々払しょくされるものではなかった。
「ご、ごめん。イーリス。なんでもない。イーリスは何も悪くない。だから安心してくれ」
「うん……」
自分は何も悪くない。その言葉に安堵するイーリス。良かった。また、アルドからなにか虐待を受けるんじゃないかと、そんな考えが一瞬よぎってしまった。
でも、そんなことはなく、アルドの表情は少し憔悴はしていたものの、昨日までの優しい表情だった。
アルドは起きて仕事に行く準備を始めた。記憶を喪失していても、仕事はしなければならない。身支度と必要な道具を持ってアルドは玄関へと向かった。
「それじゃあ、イーリス。行ってくる。知らない人が家を訪ねて来ても開けるんじゃないぞ」
「うん。わかったよ。お父さん」
ここは危険なスラム街である。アルドが住んでいる地区はいきなり強盗が押し掛けるほど危険ではないが、それでも用心に越したことはない。
アルドは娘を留守番させて仕事に向かう。道中で何度も心配で胸が張り裂けそうだったが、なんとか職場についた。
スラム街から少し離れたところにある炭鉱。この辺の地区で最も稼ぎが良い仕事である。そこに集められたのは、いかにも屈強を絵に描いた"オトコ”たちである。腕、胸筋、腹筋、脚。全部がぶっとい規格外の力自慢たちが集められている。
アルドも一般人に比べたら、そこそこ体格は良い方ではあるが、ここでは細い方に分類されてしまう。
「よお、アルド。オレのことを覚えているか?」
頭頂部がハゲ散らかしているひげ面の男性がアルドに話しかけてきた。当然、アルドには身に覚えがない。
「えーと……すみません」
「ぎゃはは。オマエが敬語なんて使うような奴かよ。親方のオレにも生意気な口聞くような奴だったのに。記憶を失くしたってのは本当のようだな」
「親方……えっと。記憶をなくす前の僕が失礼なことをしたようで」
「良いってことよ。それにしても、体型だけじゃなくて、態度まで弱っちくなっちまったなあ。おい!」
バシーンと親方がアルドの背中を叩いた。アルドはそれで、ビシっと反射的に起立をしてしまう。
「いたた……」
「おっと。気合いを入れるつもりがやりすぎちまったみたいだ。すまねえ。病み上がりだって言うのによ」
「いえ。それよりも、休暇を頂きありがとうございます」
「お前、本当に変わっちまったな。オレが見舞いに行った時は、オマエが寝ている時だったからな。記憶をなくしたって聞いたときは結構心配したんだぜ。久々に会えて嬉しいぜ」
親方が見舞いに来た時に医者から事情を聞いて、退院してから数日は休暇を出すと医者に言伝をしていたのだ。
「えっと……お忙しい中、お見舞いに来てくださって本当にありがとうございます」
「もう、そういう堅苦しいのは無しにしようぜ? な?」
親方は強引にアルドと肩を組んだ。「がはは」と笑う親方と「あはは」と愛想笑いをするアルド。
「さあ、みんな! アルドも戻って来たことだし、今日も張りっ切って働くぞ! それとみんなも事故には気をつけろよ。特に頭をぶつけてアルドみたいに記憶喪失になんなよ。がはは」
親方の軽いジョークに笑う一同。イマイチまだノリについていけてないアルドだが、彼らが本質的には良い人たちだということは理解した。
そんな始業の挨拶が終わり、仕事を始めるアルド。しかし、記憶喪失なので仕事の仕方も当然忘れていて、スムーズにできることは何もなかった。
「えっと、親方。これはどうすればいいんですか?」
「ん? ああ。ちょっと貸してみろ。これはだな……」
だが、親方や周りの炭鉱夫たちは嫌な顔1つせずにアルドに仕事を教えていた。普通ならば、ここは喜ぶべきことだ。だが、アルドにはある疑念があった。
休憩時間。アルドは1人で一息をついていた。だが、親方がそんなアルドに話しかける。
「よお。どうした。アルド浮かない顔をして」
「いえ……なんかみんな親切だなって」
「親切? オレたちがか?」
「はい。僕は記憶を失くして仕事の仕方も忘れてみんなに迷惑をかけたっていうのに」
「がはは。確かに、オマエがいけ好かない野郎だったら、ここまで丁寧に仕事は教えなかったかもな。でも、オマエは気の良い奴だった。だから、オレたちもそんなオマエを支えてやろうって思うのさ。まあ、困った時はお互い様ってことだ」
「そう……なんですか」
アルドはその言葉に違和感を覚えた。自分は、周囲の人間には好かれていたらしい。飲み仲間の友人も見舞いに来てくれて、退院後も家まで一緒についてきてくれた。
そして、職場でも悪い扱いを一切受けていない。そんな気の良い人物がどうして、娘であるイーリスを虐待していたのか。それがアルドにはどうしても理解できなかった。
外面だけは良くて、家庭では暴君。そんな人間は少なからずいる。アルドもそういうタイプだったのではないか。そう解釈すれば、矛盾はなくなるが、それにしてもイーリスとそれ以外で周囲の態度が変わりすぎるのは、どうしても引っ掛かりや違和感はある。
◇
「よし、今日の仕事はここまでだ。みんなお疲れー!」
「おつかれー!」
親方の合図で炭鉱夫たちは一斉に片付けを始めて帰宅の準備をした。
「どうだ? アルド。久しぶりに飲まねえか?」
親方がジェスチャーで酒を飲む仕草を見せる。だが、アルドには飲みに行くという選択は取れなかった。心苦しいけれど、親方の誘いは断らなければならない。
「すみません、親方。娘が僕の帰りを待っているので」
「あー。そうか。でも、オマエが飲みの誘いを断るなんて珍しいな。娘はしっかり者だし、最近反抗期になってきて『お父さんと一緒にいたくない』って言われたって毎晩飲みに歩いていたのに」
「そ、そうなんですか?」
なんて最低な父親なんだろう。アルドは自分を恥じた。月に数回程度だったらまだ擁護できたが、毎晩飲み歩くのは流石に父親としてダメすぎる。
「まあ、そういうことなら仕方ねえなあ。娘さんの反抗期がなおったってことだろ?」
「ええ、まあ。そうですね」
「良かったじゃねえか。まあ、こんなむさ苦しいおっさんより、可愛い娘さんの方を大事にしてやんな」
また親方がバシーンとアルドの背中を叩いた。アルドはそれでまた気を付けをしてしまう。
「あだだ」
「おっと、すまねえ。またやりすぎちまったな。前までのオマエはこれくらい屁でもなかったんだがなあ」
「あはは。入院して体がなまったのかもしれませんね」
「がはは。そうか。それは悪かったな」
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