59 / 101
第57話 おとり作戦
しおりを挟む
結局、アルドはイーリスを見つけられないまま陽が暮れてしまった。
「もう陽が暮れたね」
クララがそう言った時、アルドは夕暮れを見上げながらイーリスのことを想った。もし、自分が空を飛べたのならば、空中駆け巡ってでもイーリスを探すと言うのに。地に足を付けている生き物の限界を感じてしまう。
「時間的にはもう遅い。夜に出歩きまわるのも危険だ。特にこの辺りは治安が悪いからな。アルドさん心配なのはわかるが、今日は一旦切り上げた方が良いだろう」
ミラはアルドの気持ちを汲みながらも一旦は退く選択肢を与える。
「……でも、イーリスは」
「もし、イーリスちゃんを連れ去った誘拐犯と戦闘をするとなった時、ボロボロの体ではどうしようもない。そういう時のためにきっちり休むべきなのではないか?」
ミラに説得されてアルドはうなずく。気持ちの上ではかなり焦っているけれど、無理に捜査を続行するわけにもいかない。
「わかった。今日は一旦引き上げようか……それと、ミラ。そろそろホルン君が連れ去られてしまう可能性がある。しっかりと守ってあげてくれ」
「うん。そうだな。忠告ありがとう」
アルド、クララ、ミラの3人はそれぞれの自宅へと戻った。アルドは自分のベッドで眠る。やけに静まり返った我が家。家が軋む音が虚しく響き渡る。イーリスがいない。その事実だけで、アルドの心の中にぽっかりと穴が開き、いつも感じている静寂がより強く身に沁みてしまう。
本当は休んだ方が良い。それはアルドもわかっている。けれど、イーリスのことが心配過ぎて、アルドはひたすらに天井を見上げることしかできない。
「眠れるわけないだろ……」
ぼそっと呟いてアルドは寝返りをうつ。ベッドの軋む音が耳に残り続ける。
◇
「お姉ちゃん。もう夜なのにコーヒー飲むの?」
マグカップ片手にしているミラを見てホルンが不思議そうに見つめている。
「ああ。なんか飲みたくなってな」
「そうなの? でも、こんな時間に飲んだら眠れなくなっちゃうじゃない?」
「はは、そうかもな」
ミラは心の中で「今日は眠るわけにはいかないからな」と付け加えた。ミラはホルンをなんとしても守りたい。そう思っていた。イーリスのように寝ている間に連れ去られてしまっては、後悔してもしきれない。アルドの様子を見ているだけでも、最愛の守るべき存在がいなくなってしまうのは辛いことだと痛いほどに伝わってしまう。
その日、ミラはホルンと一緒に眠ることにした。ホルンはすやすやとミラの隣で寝息を立てている。愛らしいホルンの寝顔を見てミラがふっと微笑みかける。その時だった。
ホルンがガバっと起き上がった。
「呼んでる……」
ミラの心が身構えた。ついに来た。ホルンは誰かに呼ばれた様子ではあるが、ミラにはその声が全く聞こえない。この声の主は何者なのか。それを知るチャンスが来たのだ。
「大丈夫。ホルン。お姉ちゃんが守ってあげるから」
ミラは立ち上がり、ベッド近くに隠してあった杖を手にとり、ホルンの後をつけた。
「ごめん……ホルン。でも、アタシがやるしかないんだ」
ミラはホルンをおとりにして、謎の呼び声の正体を突き止めようとした。ホルンを危険に晒すのはわかっている。だからこそ、ミラは何度も何度も心の中で葛藤をした。連れ去られる弟の手を取らないで、そのまま黙っている。姉として最低なことをしているのかもしれない。でも、アルドにホルンを守れと言われた時に思いついてしまったのだ。もし、ホルンが連れ去られた時に、自分がその跡を付けていれば……他に誘拐された子供を……イーリスを助けるチャンスが訪れるのではないかと……
ホルンが玄関を開けて外に出た。ミラも慌ててそれを追う。
「ライト!」
ミラは黄の魔法。光を出す魔法を唱えた。夜は暗い。これがなければホルンを見失ってしまう。夜の街の光景が映し出される。昼間の景色は見慣れているが、夜になるとその様相が異なって見える……どころの話ではない。子供たちが一斉にある方向に向かって歩いている。
「なるほど……」
そう言ってミラはホルンの手を掴んだ。そして――
「ハーデン!」
ホルンの足を石に変えた。対象の移動を一時的に制限させる赤の魔法。これでホルンは歩けなくなってしまう。その状態でミラはホルンを担いで家の中に入れた。
「ごめん。ホルン。ちょっとだけ待ってて」
ミラはホルンを安全な家の中において、他の子供たちの跡をつけた。他の子供を尾行すればわざわざホルンを危険に晒すこともない。そう判断してのことだ。
年齢は3歳くらいから12歳くらいまでの子供たち。男女問わず一定の方向に歩いている。彼らもなにかに呼ばれているのではないかとミラが判断した。そして、その呼んでいる何かの正体。それは……やせこけた女性だった。
「あれは……人の形をしている」
ミラは慎重に様子をうかがっていた。やせこけた女性。多少老け込んではいるが、年齢は30歳後半くらいだろうかとミラは判断する。目がギョロっとした感じだが、どこか虚ろでぶつぶつと何かを呟いている。
その周囲には街から集められた子供たちがいて、子供たちが集まったのを確認すると女性はどこかへと歩いていく。
「正体はなんなんだ?」
人の形をした邪霊、精霊はいる。だから、見た目が人間だからと言って、その正体が人間とは限らない。だが、ミラはなにかこの女性に違和感めいたものを持っている。女性が着用しているもの。それは、女性用のディガーウェア。動きやすい恰好で主に前線で戦うタイプのディガーが着用する服装である。クララが着用しているものだが、色味や細かいデザインが異なる。
ミラは女性の後をついていく。そして、女性は……街から少し外れたところにあるとある屋敷に入っていった。暗くて遠いから屋敷の外見はよく確認できない。後に続き子供たちもその屋敷の中に入っていく。
「あの屋敷に子供たちを閉じ込めているのか……」
ミラは屋敷に近づく。もちろん、まだ入るつもりはない。偵察のつもりだ。だが。ミラは屋敷に近づいた時にあることに気づいた。
「この屋敷……ダンジョン化している!」
屋敷から漏れる邪霊と精霊の入り混じったマナ。それがこの屋敷がダンジョン化していることを物語っている。この瞬間、女性の正体が確定した。なぜならば、既に閉じられているダンジョンに精霊と邪霊が出入りすることができない。精神体が出入りするためには、ボスの邪霊を倒して精霊を解放する必要がある。
つまり、ダンジョンに入れることができるのは実体を持つものだけ。
「あの女……人間だったのか」
ミラは杖をぐっと握った。今すぐ、あの女をどうにかして子供たちを助けたい。そう思っていても、無策に1人で入ることはできない。
「みんな。待ってて。今は無理だけど、すぐに助けてあげるから」
ミラはそう言い残して街へと戻っていく。アルド、クララ、2人の協力を得て攻略した方が良い。1人で突っ込んでしまって、もしミラの身に何かがあれば、この情報を誰にも共有できなくなってしまう。それだけは絶対に避けなければならない。
ミラの判断は極めて冷静だった。もし、ホルンがこの屋敷の中に入った場合、ここまで冷静でいられる保証はどこにもなかった。ホルンを助けようとして何も考えずに突っ込む可能性は否定できない。そう考えるとホルンを安全な家に閉じ込めたのは実にファインプレーと言える。
「なにが目的か知らないけれど……他人の子供たちを誘拐するなんて許せない」
ミラは必ず謎の女を倒して子供たちを助け出すことを誓った。
「もう陽が暮れたね」
クララがそう言った時、アルドは夕暮れを見上げながらイーリスのことを想った。もし、自分が空を飛べたのならば、空中駆け巡ってでもイーリスを探すと言うのに。地に足を付けている生き物の限界を感じてしまう。
「時間的にはもう遅い。夜に出歩きまわるのも危険だ。特にこの辺りは治安が悪いからな。アルドさん心配なのはわかるが、今日は一旦切り上げた方が良いだろう」
ミラはアルドの気持ちを汲みながらも一旦は退く選択肢を与える。
「……でも、イーリスは」
「もし、イーリスちゃんを連れ去った誘拐犯と戦闘をするとなった時、ボロボロの体ではどうしようもない。そういう時のためにきっちり休むべきなのではないか?」
ミラに説得されてアルドはうなずく。気持ちの上ではかなり焦っているけれど、無理に捜査を続行するわけにもいかない。
「わかった。今日は一旦引き上げようか……それと、ミラ。そろそろホルン君が連れ去られてしまう可能性がある。しっかりと守ってあげてくれ」
「うん。そうだな。忠告ありがとう」
アルド、クララ、ミラの3人はそれぞれの自宅へと戻った。アルドは自分のベッドで眠る。やけに静まり返った我が家。家が軋む音が虚しく響き渡る。イーリスがいない。その事実だけで、アルドの心の中にぽっかりと穴が開き、いつも感じている静寂がより強く身に沁みてしまう。
本当は休んだ方が良い。それはアルドもわかっている。けれど、イーリスのことが心配過ぎて、アルドはひたすらに天井を見上げることしかできない。
「眠れるわけないだろ……」
ぼそっと呟いてアルドは寝返りをうつ。ベッドの軋む音が耳に残り続ける。
◇
「お姉ちゃん。もう夜なのにコーヒー飲むの?」
マグカップ片手にしているミラを見てホルンが不思議そうに見つめている。
「ああ。なんか飲みたくなってな」
「そうなの? でも、こんな時間に飲んだら眠れなくなっちゃうじゃない?」
「はは、そうかもな」
ミラは心の中で「今日は眠るわけにはいかないからな」と付け加えた。ミラはホルンをなんとしても守りたい。そう思っていた。イーリスのように寝ている間に連れ去られてしまっては、後悔してもしきれない。アルドの様子を見ているだけでも、最愛の守るべき存在がいなくなってしまうのは辛いことだと痛いほどに伝わってしまう。
その日、ミラはホルンと一緒に眠ることにした。ホルンはすやすやとミラの隣で寝息を立てている。愛らしいホルンの寝顔を見てミラがふっと微笑みかける。その時だった。
ホルンがガバっと起き上がった。
「呼んでる……」
ミラの心が身構えた。ついに来た。ホルンは誰かに呼ばれた様子ではあるが、ミラにはその声が全く聞こえない。この声の主は何者なのか。それを知るチャンスが来たのだ。
「大丈夫。ホルン。お姉ちゃんが守ってあげるから」
ミラは立ち上がり、ベッド近くに隠してあった杖を手にとり、ホルンの後をつけた。
「ごめん……ホルン。でも、アタシがやるしかないんだ」
ミラはホルンをおとりにして、謎の呼び声の正体を突き止めようとした。ホルンを危険に晒すのはわかっている。だからこそ、ミラは何度も何度も心の中で葛藤をした。連れ去られる弟の手を取らないで、そのまま黙っている。姉として最低なことをしているのかもしれない。でも、アルドにホルンを守れと言われた時に思いついてしまったのだ。もし、ホルンが連れ去られた時に、自分がその跡を付けていれば……他に誘拐された子供を……イーリスを助けるチャンスが訪れるのではないかと……
ホルンが玄関を開けて外に出た。ミラも慌ててそれを追う。
「ライト!」
ミラは黄の魔法。光を出す魔法を唱えた。夜は暗い。これがなければホルンを見失ってしまう。夜の街の光景が映し出される。昼間の景色は見慣れているが、夜になるとその様相が異なって見える……どころの話ではない。子供たちが一斉にある方向に向かって歩いている。
「なるほど……」
そう言ってミラはホルンの手を掴んだ。そして――
「ハーデン!」
ホルンの足を石に変えた。対象の移動を一時的に制限させる赤の魔法。これでホルンは歩けなくなってしまう。その状態でミラはホルンを担いで家の中に入れた。
「ごめん。ホルン。ちょっとだけ待ってて」
ミラはホルンを安全な家の中において、他の子供たちの跡をつけた。他の子供を尾行すればわざわざホルンを危険に晒すこともない。そう判断してのことだ。
年齢は3歳くらいから12歳くらいまでの子供たち。男女問わず一定の方向に歩いている。彼らもなにかに呼ばれているのではないかとミラが判断した。そして、その呼んでいる何かの正体。それは……やせこけた女性だった。
「あれは……人の形をしている」
ミラは慎重に様子をうかがっていた。やせこけた女性。多少老け込んではいるが、年齢は30歳後半くらいだろうかとミラは判断する。目がギョロっとした感じだが、どこか虚ろでぶつぶつと何かを呟いている。
その周囲には街から集められた子供たちがいて、子供たちが集まったのを確認すると女性はどこかへと歩いていく。
「正体はなんなんだ?」
人の形をした邪霊、精霊はいる。だから、見た目が人間だからと言って、その正体が人間とは限らない。だが、ミラはなにかこの女性に違和感めいたものを持っている。女性が着用しているもの。それは、女性用のディガーウェア。動きやすい恰好で主に前線で戦うタイプのディガーが着用する服装である。クララが着用しているものだが、色味や細かいデザインが異なる。
ミラは女性の後をついていく。そして、女性は……街から少し外れたところにあるとある屋敷に入っていった。暗くて遠いから屋敷の外見はよく確認できない。後に続き子供たちもその屋敷の中に入っていく。
「あの屋敷に子供たちを閉じ込めているのか……」
ミラは屋敷に近づく。もちろん、まだ入るつもりはない。偵察のつもりだ。だが。ミラは屋敷に近づいた時にあることに気づいた。
「この屋敷……ダンジョン化している!」
屋敷から漏れる邪霊と精霊の入り混じったマナ。それがこの屋敷がダンジョン化していることを物語っている。この瞬間、女性の正体が確定した。なぜならば、既に閉じられているダンジョンに精霊と邪霊が出入りすることができない。精神体が出入りするためには、ボスの邪霊を倒して精霊を解放する必要がある。
つまり、ダンジョンに入れることができるのは実体を持つものだけ。
「あの女……人間だったのか」
ミラは杖をぐっと握った。今すぐ、あの女をどうにかして子供たちを助けたい。そう思っていても、無策に1人で入ることはできない。
「みんな。待ってて。今は無理だけど、すぐに助けてあげるから」
ミラはそう言い残して街へと戻っていく。アルド、クララ、2人の協力を得て攻略した方が良い。1人で突っ込んでしまって、もしミラの身に何かがあれば、この情報を誰にも共有できなくなってしまう。それだけは絶対に避けなければならない。
ミラの判断は極めて冷静だった。もし、ホルンがこの屋敷の中に入った場合、ここまで冷静でいられる保証はどこにもなかった。ホルンを助けようとして何も考えずに突っ込む可能性は否定できない。そう考えるとホルンを安全な家に閉じ込めたのは実にファインプレーと言える。
「なにが目的か知らないけれど……他人の子供たちを誘拐するなんて許せない」
ミラは必ず謎の女を倒して子供たちを助け出すことを誓った。
21
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる