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第15話 女神様の吐息
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「明日も日雇いか?」
「いえ、明日は日数上限の都合で休みです」
「そうか、なら明日は空き缶集めをするのはどうじゃ?」
俺とセラフィーラさんは顔を見合わせて首を傾げる。
「その空き缶はどうしたんじゃ?」
「こちらは、はやとさんに購入していただいたコーンポタージュです!」
セラフィーラさんは、今も大切そうに両手で空き缶を持っている。
「捨てないんですか?」
「はい! 宝物ですから!」
セラフィーラさんは笑顔で答えた。
「買い取り業者に出せば、金に変えられるぞ」
山田さんの一言で、セラフィーラさんは目を見開いて固まってしまった。
「セ、セラフィーラさん?」
セラフィーラさんは、虚ろな目で俺と缶を交互に見る。
「ま、まぁ無理にとは言わんのじゃが……」
「いいえ、お金のためなら仕方ありません」
セラフィーラさんは缶を見つめたまま動かなくなってしまった。
分かりやすく落ち込んでる……。
「わ、わかりました! 明日は一緒に街を巡って、たくさん缶を集めましょう! セラフィーラさん! 街ですよ! 街! まだ一度もゆっくり見てませんよね!?」
「明日は1日ずっと一緒ですか?」
上目遣いで問われた。
「あーー、すみません。実は午前中にコンビニバイトの面接を入れました……稼ぎ口を増やしたくて……」
「そうですか……私がお力になれないばっかりに申し訳ございません」
セラフィーラさんは体育座りでうずくまってしまった。
サプライズとして言いたかったのに、どうしてこうなった。
`___ ♪ ∧∧ ∩
/∥ ̄∥ r(^ω^)ノ
L∥_∥ └┐ レ―、
| ̄\三/ ̄/ _ノ⌒
| |/ /(_( ♪
「言い忘れておったんじゃが、明日と明後日、わしはここを留守にする。公園は、お前さんたちに託した」
「え!? 俺たちだけですか!?」
「その通りじゃ」
「そんな……」
せめて1ヶ月くらい経ってからにして欲しかった。
畳み掛けるように、山田さんから試練を与えられてしまうのであった。
◇
二人でトボトボと段ボールテントまで戻ってきた。
「はやとさん、本日は申し訳ございませんでした。怒ったり、泣いたり、落ち込んだり、私はダメな女神です」
「ダメな女神じゃないですよ! むしろ素をさらけ出してくれて嬉しいです! もっと俺を頼ってください! 抱え込まずに協力しましょうって約束したじゃないですか」
俺の本心だ。
「……こんな、私でも受け入れてくれますか?」
「はい!」
「ありがとうございます。いつか私もお仕事をして、はやとさんを支えられるようになります。それまでの間、よろしくお願いします」
「はい!」
流石に今の無垢なセラフィーラさんを社会に放り出すのは怖すぎる。
レジ打ちなんてもってのほかだ。
「明日の面接、頑張ってください!」
「頑張ります! 午後は一緒に街をまわりながら空き缶回収しましょうね」
「はい! 楽しみにしています!」
セラフィーラさんが元気を取り戻してくれたようで本当によかった。
明日は空き缶回収とのことだが、これって実質デートだよな。楽しみすぎる。
「それでは、そろそろ時間なので、寝ましょうか」
「そうですね。はやとさん。それでは、おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
流れるように床についた。
昨日は緊張で一睡もできなかったが、美少女と添い寝をしているという意識さえしなければなんとか寝れるだろう。
しまった。今意識しちゃった。
「セラフィーラさん、まだ起きてますか?」
「はい? なんでしょう?」
「実は俺、昨日は緊張で一睡もできなくて、睡眠薬とかありませんか?」
「お薬はございませんが、睡眠魔法ならございます」
「あのー、もしできたらでいいんですけど、俺にその魔法をかけてもらうことってできませんか?」
まぁ、「残念ながら、この世界で魔法は使えません」と言われるのが、オチなのだが、ダメ元で提案した。
「本当ですか!? 私もはやとさんのお力になれるのですね!? ぜひ使わせてください!」
「えぇ!? お願いします!」
まさかの即答。急激に体温が上がる。
「それでは」
セラフィーラさんは、コホンと咳払いをして耳元でささやいた。
「解析、作成、最適化、生成」
ASMRでは摂取できない女神様の吐息。
「我が加護を受け取りたまえ。ブライア ローズ」
俺は、深い眠りに落ちた。
「いえ、明日は日数上限の都合で休みです」
「そうか、なら明日は空き缶集めをするのはどうじゃ?」
俺とセラフィーラさんは顔を見合わせて首を傾げる。
「その空き缶はどうしたんじゃ?」
「こちらは、はやとさんに購入していただいたコーンポタージュです!」
セラフィーラさんは、今も大切そうに両手で空き缶を持っている。
「捨てないんですか?」
「はい! 宝物ですから!」
セラフィーラさんは笑顔で答えた。
「買い取り業者に出せば、金に変えられるぞ」
山田さんの一言で、セラフィーラさんは目を見開いて固まってしまった。
「セ、セラフィーラさん?」
セラフィーラさんは、虚ろな目で俺と缶を交互に見る。
「ま、まぁ無理にとは言わんのじゃが……」
「いいえ、お金のためなら仕方ありません」
セラフィーラさんは缶を見つめたまま動かなくなってしまった。
分かりやすく落ち込んでる……。
「わ、わかりました! 明日は一緒に街を巡って、たくさん缶を集めましょう! セラフィーラさん! 街ですよ! 街! まだ一度もゆっくり見てませんよね!?」
「明日は1日ずっと一緒ですか?」
上目遣いで問われた。
「あーー、すみません。実は午前中にコンビニバイトの面接を入れました……稼ぎ口を増やしたくて……」
「そうですか……私がお力になれないばっかりに申し訳ございません」
セラフィーラさんは体育座りでうずくまってしまった。
サプライズとして言いたかったのに、どうしてこうなった。
`___ ♪ ∧∧ ∩
/∥ ̄∥ r(^ω^)ノ
L∥_∥ └┐ レ―、
| ̄\三/ ̄/ _ノ⌒
| |/ /(_( ♪
「言い忘れておったんじゃが、明日と明後日、わしはここを留守にする。公園は、お前さんたちに託した」
「え!? 俺たちだけですか!?」
「その通りじゃ」
「そんな……」
せめて1ヶ月くらい経ってからにして欲しかった。
畳み掛けるように、山田さんから試練を与えられてしまうのであった。
◇
二人でトボトボと段ボールテントまで戻ってきた。
「はやとさん、本日は申し訳ございませんでした。怒ったり、泣いたり、落ち込んだり、私はダメな女神です」
「ダメな女神じゃないですよ! むしろ素をさらけ出してくれて嬉しいです! もっと俺を頼ってください! 抱え込まずに協力しましょうって約束したじゃないですか」
俺の本心だ。
「……こんな、私でも受け入れてくれますか?」
「はい!」
「ありがとうございます。いつか私もお仕事をして、はやとさんを支えられるようになります。それまでの間、よろしくお願いします」
「はい!」
流石に今の無垢なセラフィーラさんを社会に放り出すのは怖すぎる。
レジ打ちなんてもってのほかだ。
「明日の面接、頑張ってください!」
「頑張ります! 午後は一緒に街をまわりながら空き缶回収しましょうね」
「はい! 楽しみにしています!」
セラフィーラさんが元気を取り戻してくれたようで本当によかった。
明日は空き缶回収とのことだが、これって実質デートだよな。楽しみすぎる。
「それでは、そろそろ時間なので、寝ましょうか」
「そうですね。はやとさん。それでは、おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
流れるように床についた。
昨日は緊張で一睡もできなかったが、美少女と添い寝をしているという意識さえしなければなんとか寝れるだろう。
しまった。今意識しちゃった。
「セラフィーラさん、まだ起きてますか?」
「はい? なんでしょう?」
「実は俺、昨日は緊張で一睡もできなくて、睡眠薬とかありませんか?」
「お薬はございませんが、睡眠魔法ならございます」
「あのー、もしできたらでいいんですけど、俺にその魔法をかけてもらうことってできませんか?」
まぁ、「残念ながら、この世界で魔法は使えません」と言われるのが、オチなのだが、ダメ元で提案した。
「本当ですか!? 私もはやとさんのお力になれるのですね!? ぜひ使わせてください!」
「えぇ!? お願いします!」
まさかの即答。急激に体温が上がる。
「それでは」
セラフィーラさんは、コホンと咳払いをして耳元でささやいた。
「解析、作成、最適化、生成」
ASMRでは摂取できない女神様の吐息。
「我が加護を受け取りたまえ。ブライア ローズ」
俺は、深い眠りに落ちた。
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