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第16話 焼きおにぎり
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テントの隙間から、朝日の光が差し込む。
熟睡、というよりかは気絶に近かったが、セラフィーラさんの魔法のおかげでよく眠ることができた。
俺は軽くなった体を起こす。
セラフィーラさんは今日も女神様スタイルで眠っている。
今日の予定はバイト面接と空き缶収集だけなので、もう少し寝かせておいても問題ないだろう。
暇つぶしに公園の散歩でもしていよう。
改めて自分の足で歩くと、非常に広い公園だということを実感する。
公園内のドッグランは、早朝から多くの人と犬で賑わっていた。
ケヤキ並木や大きな池だけでなく、様々な施設が公園内に点在している。
最も特徴的なのは、保育園だ。
子どもたちが自然と触れ合いながら、伸び伸びと成長できる環境として佐々木公園に設立したのだそうだ。
セラフィーラさんは園児たちにも好かれそうだな、などと妄想しながら、公園を一周して段ボールテントまで戻ってきた。
「セラフィーラさん、そろそろ起きてくださ......」
テントの中は、既にもぬけの殻だった。
入れ違いになってしまったようだ。
「あれ?」
床に一つの羽根が落ちていた。風で飛ばされてきたのだろうか。
光沢があり、キラキラした珍しい羽根だったので、何気なく拾い上げてそのままテントを後にした。
セラフィーラさんは池のほとりで祈りを捧げていた。俺たちが再会した場所だ。
「おはようございます。セラフィーラさん。そこで何してるんですか?」
「はやとさん、おはようございます。今は池の中の神器のメンテナン......!!!」
セラフィーラさんの顔が赤くなってく。
「そ、それはどうしたのですか?」
セラフィーラさんは俺の手元を指差した。
「あーこれですか。さっきテントに落ちてたんですよ」
「いただいてもよいですか?」
「あーどうぞ」
「こちらで処分しておきますね!」
え、処分。
セラフィーラさんはそそくさと羽根をしまってしまった。
「では、朝ご飯にしましょう!」
何か大事な単語が聞こえた気がするが、勢いで押し切られてしまった。
◇
山田さんは既に出発してしまったようで、手書きのメモとお米と七輪が用意されていた。
ということで、二人で朝食を作る流れになった。
セラフィーラさんは乗り気だ。
俺もほとんど自炊はしたことないけれど、セラフィーラさんに作れるかが、心配だ。
爆発とかしないよな。
「では読み上げますね。えーと、【まず、そこにある七輪に炭を入れろ】」
「はい、入れました!」
セラフィーラさんは手際良く炭を入れた。
「【握り飯を作れ。崩れないように硬めにしろ】」
「おむすびですね! お任せください! 昨日の朝食の際に、山田様から教わったのです!」
俺が昨日ドタキャンした朝食はおにぎりだったらしい。
二人でおにぎりを量産した。
セラフィーラさんは「おむすびころころ、おむすびこ~。お池にはまって、さぁ大変♪」と摩訶不思議な歌を歌いながらおにぎりを握っていた。池にハマったら手遅れだろうに。
「次は、【炭に火をつけて、網の表面に油を塗れ】」
「解析、作成、最適化」
「あっ、チャッカマンがありますよ、ここに」
恐らく炎系の魔法を発動しようとしていた。ちょっと怖いので制止した。
「【握り飯を弱火で焦げ目がつくまで素焼きしろ】これ、焼きおにぎりですね」
「そのままでも美味しいのに焼いてしまうのですね」
セラフィーラさんは焼きおにぎりを乗せ、七輪をまじまじと見つめる。
「【ひっくり返して両面に焦げ目がついたら、醤油とみりんのタレを塗れ】」
「はい!」
まるで料理番組みたいだ。
ちなみに焦げ目のない状態で先にタレを塗ってしまうと、ボロボロ崩れてしまうらしいので要注意。
「とてもいい匂いがしてきました!」
焼きおにぎりの香りが食欲をそそる。
「【握り飯の全体をじっくり焦がしたら完成】」
「完成しました! 私が昨日食べたおむすびは、完全体ではなかったのですね」
焼くのはたぶんキャンプくらい。
外はカリカリ、中はふっくらの焼きおにぎりの出来上がり。
「できました!」
セラフィーラさんはひとしきり拍手していた。かわいい。
「それでは、いただきます」
「はい、いただきます」
二人で向かい合って合掌。
俺が望んでいた幸せが今ここにある。
「外のお焦げがカリッと香ばしくて美味しいです! 昨日のおむすびより食べ応えがあります」
「本当だ、うまい。ホームレスってことを忘れてキャンプ気分になりますね」
焼きすぎてしまったおむすびもあったが、味にばらつきが出て、食べ比べる楽しさがあった。
二人ともあっという間に焼きおにぎりを完食してしまった。
「では、そろそろコンビニバイトの面接に行ってきますね」
「いってらっしゃいませ。はやとさん、応援しています! 私は図書館での調査を継続しますね」
「では、お昼になったら再集合しましょう!」
カキモト建設は、戸籍がない関係で1ヶ月しか働くことができないので、早急に次の仕事を見つけなくてはいけない。
◇
俺は、昨夜買った履歴書を持参してバイト面接にやってきた。
一通りの質疑応答ののち、面接官が一言。
「えーとね、君、不採用」
「え……」
俺はまたしても、厳しい現実を突きつけられたのであった。
次回、『女神様と初デート?』
熟睡、というよりかは気絶に近かったが、セラフィーラさんの魔法のおかげでよく眠ることができた。
俺は軽くなった体を起こす。
セラフィーラさんは今日も女神様スタイルで眠っている。
今日の予定はバイト面接と空き缶収集だけなので、もう少し寝かせておいても問題ないだろう。
暇つぶしに公園の散歩でもしていよう。
改めて自分の足で歩くと、非常に広い公園だということを実感する。
公園内のドッグランは、早朝から多くの人と犬で賑わっていた。
ケヤキ並木や大きな池だけでなく、様々な施設が公園内に点在している。
最も特徴的なのは、保育園だ。
子どもたちが自然と触れ合いながら、伸び伸びと成長できる環境として佐々木公園に設立したのだそうだ。
セラフィーラさんは園児たちにも好かれそうだな、などと妄想しながら、公園を一周して段ボールテントまで戻ってきた。
「セラフィーラさん、そろそろ起きてくださ......」
テントの中は、既にもぬけの殻だった。
入れ違いになってしまったようだ。
「あれ?」
床に一つの羽根が落ちていた。風で飛ばされてきたのだろうか。
光沢があり、キラキラした珍しい羽根だったので、何気なく拾い上げてそのままテントを後にした。
セラフィーラさんは池のほとりで祈りを捧げていた。俺たちが再会した場所だ。
「おはようございます。セラフィーラさん。そこで何してるんですか?」
「はやとさん、おはようございます。今は池の中の神器のメンテナン......!!!」
セラフィーラさんの顔が赤くなってく。
「そ、それはどうしたのですか?」
セラフィーラさんは俺の手元を指差した。
「あーこれですか。さっきテントに落ちてたんですよ」
「いただいてもよいですか?」
「あーどうぞ」
「こちらで処分しておきますね!」
え、処分。
セラフィーラさんはそそくさと羽根をしまってしまった。
「では、朝ご飯にしましょう!」
何か大事な単語が聞こえた気がするが、勢いで押し切られてしまった。
◇
山田さんは既に出発してしまったようで、手書きのメモとお米と七輪が用意されていた。
ということで、二人で朝食を作る流れになった。
セラフィーラさんは乗り気だ。
俺もほとんど自炊はしたことないけれど、セラフィーラさんに作れるかが、心配だ。
爆発とかしないよな。
「では読み上げますね。えーと、【まず、そこにある七輪に炭を入れろ】」
「はい、入れました!」
セラフィーラさんは手際良く炭を入れた。
「【握り飯を作れ。崩れないように硬めにしろ】」
「おむすびですね! お任せください! 昨日の朝食の際に、山田様から教わったのです!」
俺が昨日ドタキャンした朝食はおにぎりだったらしい。
二人でおにぎりを量産した。
セラフィーラさんは「おむすびころころ、おむすびこ~。お池にはまって、さぁ大変♪」と摩訶不思議な歌を歌いながらおにぎりを握っていた。池にハマったら手遅れだろうに。
「次は、【炭に火をつけて、網の表面に油を塗れ】」
「解析、作成、最適化」
「あっ、チャッカマンがありますよ、ここに」
恐らく炎系の魔法を発動しようとしていた。ちょっと怖いので制止した。
「【握り飯を弱火で焦げ目がつくまで素焼きしろ】これ、焼きおにぎりですね」
「そのままでも美味しいのに焼いてしまうのですね」
セラフィーラさんは焼きおにぎりを乗せ、七輪をまじまじと見つめる。
「【ひっくり返して両面に焦げ目がついたら、醤油とみりんのタレを塗れ】」
「はい!」
まるで料理番組みたいだ。
ちなみに焦げ目のない状態で先にタレを塗ってしまうと、ボロボロ崩れてしまうらしいので要注意。
「とてもいい匂いがしてきました!」
焼きおにぎりの香りが食欲をそそる。
「【握り飯の全体をじっくり焦がしたら完成】」
「完成しました! 私が昨日食べたおむすびは、完全体ではなかったのですね」
焼くのはたぶんキャンプくらい。
外はカリカリ、中はふっくらの焼きおにぎりの出来上がり。
「できました!」
セラフィーラさんはひとしきり拍手していた。かわいい。
「それでは、いただきます」
「はい、いただきます」
二人で向かい合って合掌。
俺が望んでいた幸せが今ここにある。
「外のお焦げがカリッと香ばしくて美味しいです! 昨日のおむすびより食べ応えがあります」
「本当だ、うまい。ホームレスってことを忘れてキャンプ気分になりますね」
焼きすぎてしまったおむすびもあったが、味にばらつきが出て、食べ比べる楽しさがあった。
二人ともあっという間に焼きおにぎりを完食してしまった。
「では、そろそろコンビニバイトの面接に行ってきますね」
「いってらっしゃいませ。はやとさん、応援しています! 私は図書館での調査を継続しますね」
「では、お昼になったら再集合しましょう!」
カキモト建設は、戸籍がない関係で1ヶ月しか働くことができないので、早急に次の仕事を見つけなくてはいけない。
◇
俺は、昨夜買った履歴書を持参してバイト面接にやってきた。
一通りの質疑応答ののち、面接官が一言。
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