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聖騎士ロイ編
第9話 聖騎士、勇者を抱く(1/2)
しおりを挟む【時系列:第2話~第3話時点 / 視点:ロイ】
——————
突然だった。
ジークが、いつになく真剣な面持ちで俺の部屋を訪ねてきた。その表情に、「何かあったのだろうか」と心配になるが、頼られているのだと思うと、胸が暖かくなる。
けれど――
「俺……お前のこと、好きだ」
かけられた言葉の意味が、理解できなかった。
「え……?」
返せたのは、情けない間抜けな声だけ。思考が一瞬で凍りついた。
そして、何が起こったのかも分からぬうちに、唇に柔らかな感触が押し当てられていた。目の前には、伏せ目がちで震えるようなジークの瞳。
不意に、彼の長い睫毛が揺れ、次の瞬間――舌が滑り込んできた。
触れ合う粘膜の感触に、身体が強張る。
現実感が、まるでなかった。
なぜ俺は、ジークにキスされている?
“好き”って、どういう意味だ?
ジークが……俺を?
そんな、はずが――
ジークの唇が離れたとき、そこに浮かんでいたのは、熱を帯びた吐息と――どこか、覚悟を決めた瞳だった。
「俺、お前とセックスしたい。今すぐ、チンポ出して……俺の中に突っ込んでくれ……!」
……は?
チン――なんて????
呆然とする俺を置いて、ジークはしゃがみこみ、躊躇なく俺のズボンを下ろした。一瞬で露わになった自分のモノが、わずかに勃ち上がっているのが分かった。
やめろ。こんな状況で反応するな。
なのにジークは、なんの躊躇もなく、それを口に含んだ。
「っ……ジーク、やめっ……!?」
言葉とは裏腹に、腰が引けなかった。
温かい。
彼の唇が、俺の汚い部分に絡みついてくる。喉奥に触れるたび、身体が跳ねた。唾液でぐっしょり濡れた感触、舌のうねり、時折漏れるくぐもった声。
いつも隣にいて、共に剣を振るっていたジーク。
俺にとって唯一無二の存在――その彼が、今、俺の前で跪き、こんなにも淫らな行為をしているという現実。
そして――その最中、自分のモノが、徐々に膨張していくのが分かった。ジークの口内で、ぐいと圧が強くなる。ジークの頬は窮屈そうに引き攣れ、眉間にはかすかな皺が寄っていた。
それでも、彼は逃げなかった。喉奥で受け止めようとする健気な仕草。むしろ、さらに深く咥え込もうとする。
(やめろ……そんな顔、そんな姿、見せられたら……)
喉の奥が震える。自分が、彼を苦しめているという事実に、興奮と罪悪感がせめぎ合い――それでも、欲望が勝ってしまう。
最低だ。こんなの、最低だ。
けれど、抗えなかった。
「だ、だめだ……っ、ジークっ……!こんなの……!」
引き離さないといけない。だが、もう止められない。思考と理性が同時に崩れていく。
「っ、く――!」
絶頂が押し寄せ、すべてが弾けた。
吐き出した熱が、ジークの喉に押し込まれていく。彼は、ごくり、とそれを飲み下した。
……飲んだ?
あのジークが、俺のものを……?
愕然とする中、彼はどこか勝ち誇ったような顔でベッドに上がり、脚を開いて――
「ロイ……来て……♡」
そこにあったのは、淫らに濡れきった穴。ジークの指がそれを広げ、俺に見せつけてくる。
一瞬、目の前の光景を理解できなかった。
いや、理解はしていた。脳は現実を確かに認識している。けれど、それを“信じてはいけない”と、理性が警鐘を鳴らす。
これは、取り返しのつかない一線だ。
触れた瞬間、俺はもう聖騎士でいられなくなる。
それでも――どうしても、心が揺れる。
この声を、この目を、そしてこの身体を。
どうしても欲しいと思ってしまう自分がいる。
「……い、いいんだな?」
勝手に口から出た言葉。
誰に許可を取ろうとしているんだ。こんなこと、していいわけがない。
何かおかしい。
あのジークがこんな風になるはずがない。
魔物の錯乱魔法か、催淫魔法にかかっているとか――
何も分からない。
これは天国か、地獄か。
神が与えた試練なのか。
……いや、違う。
俺は信仰心で聖騎士になったわけじゃない。
“ジークの傍にいたい”――それだけの理由で、神に誓いを立てた。その報いが、いまここにあるのかもしれない。
そして、自分のブツがまた勃起しているのに気付いたとき、もう何もかもどうでもよくなっていた。
目の前で開かれたジークの“入口”が、ぬらぬらと艶めいて、俺を誘っていた。
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