セーブして掘られてロードする 〜ドスケベ淫乱勇者・ジークの冒険譚〜

卯月ひすい

文字の大きさ
73 / 91
幕間

第28話 (3/3)

しおりを挟む

 宿屋に戻って、再び机の前に座る。

「……詰め替えはリスクが高すぎるな……」

 アホな聖騎士が間違って飲む危険性を考慮していなかった自分を呪う。というか、俺自身も割と不注意だから、うっかり口にしかねない。

「食べ物に混ぜて渡す案も……ダメだな。同じ危険性あるし」

「リオネルの飲み物に混入……? 教会の控室に侵入する……? いや、盗賊か俺は」

「……最終手段、口移し。って、絶対俺も飲むじゃん。頭イって死にそう」

 ノートに“口移し→死ぬかも”とメモしつつ、自分の脳がだんだん壊れてきている気がした。

 そんなとき、扉が開いて無遠慮な声が飛び込んできた。

「うーっす、勇者サマ~。明日、休息日だけどよォ……ん? なんだそのピンクの薬」

 うげぇっ! アッシュ!
 なんでこいつら、今日に限ってバンバン俺の部屋来るんだよッ!!!

「お、お前に関係ないだろ! 放っておいてくれ……!」

 あわてて薬瓶を隠そうとした俺を遮って、アッシュがにやりと笑いながらノートを覗き込む。

「なになに……『媚薬』ゥ?」

 うわ、めざとい! なんでこんなに察しがいいんだよ!
 頭良いからか! くそっ!

「あっはは! おまえガキかよ? そんなもんでどうにかなるなら、世の中苦労しねーんだよ!」

 なんだか既視感ある展開に、嫌な汗が背中を伝う。

「俺が試してやろうか?」

 するりと手から瓶が奪われる。俺は慌てに慌て、椅子から立ち上がった。

「やめろって! お前が飲んだら、耐性ぶっ飛んでヤバいんだよ!!!」
「あァ? なんだその必死っぷり。逆に気になるな。よし、飲むわ」
「バカか! お前の魔術回路まだ焦げてんだぞ! 下手すりゃ魂まで溶けるんだよ!!!」

 アッシュがへらへらと笑いながら、瓶の蓋に手をかける。

 あああああ、またか!!!

「ロードッ!!!!」

 再び、冒険の書を引っ掴み、時を巻き戻した。


***

「なんでだよッ……! なんで毎回、あいつらは迷わず飲むんだよっ!!」

 教会のロビーで叫ぶ俺に、またしても背後から静かな声が降ってきた。

「ジーク様……お加減でも……?」

 リオネル神官が、心底心配そうな顔でこちらを見ていた。

「もっ……問題無いです……! 失礼します……!」

 精一杯取り繕った笑顔で返事をし、逃げるように教会をあとにした。

 ……そう。
 全部、あなたのためなんですよ。
 この命がけのちんぽ聖戦は……!!!

 俺は、懐のガラス瓶の感触を確かめた。

(くそっ……これじゃ完全に、ちんぽのために時空を弄る狂人じゃないか……! でも、それでも……!)

 リオネル神官に、なんとかして飲ませてみせる。

 そして……絶対にちんぽを味わってみせるッ!


***

 翌朝、俺は教会の前に立っていた。

 重厚な扉を前にしても、作戦は未完成だ。正直、ノープランに近い。

 でも、行くしかない。
 今日が、リオネルちんぽ攻略戦・第一フェーズだ。

 とりあえずは下見。
 内部の様子を確認しつつ、あの神官様がどんなタイミングで水を飲むか、食事はどうしているか、薬品類の扱いはどうか……。

 様子を見て、いけそうなら媚薬を――いや、“信仰の一滴”を投入すればいい。無理なら今日は撤退。それだけだ。

 息を整え、俺はゆっくりと教会の扉に手をかけ――押し開けた。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談?本気?二人の結末は? 美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。 ※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

処理中です...