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エッセイ『洗脳されてますよ』

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 膝上スカートの清楚な女子アナさんと、真面目で誠実そうな男性アナウンサーやナレーターが、さも正しいことのように連日報道されるテレビのニュース番組。

 「何を報道したいか?」

 既にシナリオは出来ているのである。
 街頭インタビューや記者会見では、都合の良い部分だけを切り取り、継ぎ接ぎをする。

 政府に対する抗議デモは撮影しても報道はしない。
 より民衆を煽る可能性があるからだ。
 それは現政権にマイナスになる。

 安倍晋三の街頭演説に抗議する国民に対して、ヤクザや警察がそれを妨害、鎮圧しているところは決して撮影をしても報道はしないのである。
 なぜ?
 
     安倍晋三が権力の強い総理大臣だったから


 安倍晋三の国葬も同じである。偉大な政治家であったと誇張してそれを伝え、無能で権力大好きの前総理、菅のくだらない見え透いた弔事。
 韓国統一教会も核心の議員は深堀りせず、雑魚ばかりを取り上げ、テレビがいかに公平な正義の味方なのかを強調する。

 ジャニーズや吉本興業、大手広告代理店や自民党に対する忖度。そして繰り返される隠蔽。
 性加害などは松本人志だけではないはずだ。
 個人や中小のマスコミの告発は黙殺して問題にもしない。
 身内にその問題が以前から内在しているからだ。
 
 不良外国人は取り上げず、「いい外国人」ばかりを映す。
 イモトや出川の海外ロケに登場して来る外国人はごく一部だ。
 殆どの外人は日本を舐めている。

 「平和ボケして物価が安く、サービス満点。
 しかも日本ではチップがいらない。
 英語すら話せない民族。
 女に声を掛ければ簡単について来る。
 とても親切で治安も最高に良い。
 落とし物もちゃんと手元に戻って来る。
 メシも旨い。おまけに個人の意志がないバカ。
 優秀な軍人はいても核兵器すらない。日本は天国だよ」

 東京見物に来ている外国人は、

 「アジア人はみんな同じ顔をしているわね? それに老人ばかり」

 だと言って笑っているのだ。


 私は仕事柄、世界三十数カ国を訪れたが、白人の日本人に対する評価はかなり低かった。
 日本は興味がない国だった。
 だがアラブやドイツなど、イギリスやアメリカと戦った国では歓迎された。

 「日本人は偉大だ。あんなに小さい国がアメリカを相手に戦うなんて」

 そして日本はそのアメリカにこてんぱんにされ、今も裏では占領が続いている。
 彼らは頭がいい。最大与党の自民党とテレビ局をカネで操っている。

 それが証拠に原爆投下などのアメリカの残虐さを報じることは極めて少ない。

 「原爆投下があったから日本は平和で自由な国になることが出来た」

 そう思わせている。
 そしてどんどん日本にカネを出させている。
 それなのに国連の常任理事国にすらなれない。
 駐留米軍の殆どの費用を日本に出させ、ウクライナへの莫大な援助、いらない粗悪な兵器を売り付けられ、いつ破綻するかもわからないアメリカ国債を売り付け、簡単に下ろすことも出来ない。

 スポーツ番組は国民に人気があるからやっているのではない。
 人気を呷っているのだ。

 「今日の大谷翔平さんは・・・」

 それを報じることで国民を政治から遠ざけているのだ。


 テレビは国民を洗脳している。操りやすいように。
 世論はテレビが作っているといっても過言ではない。

   
       今 これが流行っていますよ
       自民党は国民のためにがんばっています
       NHKの受信料は公正に遣われています


 騙されてはいけない。
 低俗なグルメ番組、吉本興業主体の下衆なバラエティ。
 アホな世間知らずのコメンテーターたちが言いたい放題の出鱈目な報道番組。
 ドラマは出演料の安い、大手プロダクションから押し付けられた、ろくに演技も出来ない薄っぺらな若手で演じられる人気のある漫画の原作ばかり。

 テレビは簡単に見ることが出来る。そして無意識に頭に入って来る。
 いちばん恐ろしいのは人間から考えるチカラを奪い、間違った考え方を植え付ける、テレビは「悪魔の装置」だということだ。


 今、若者のテレビ離れが加速しているという。
 ある意味それはいいことなのかもしれない。

 テレビは今も、大本営発表を続けている。
 
 
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