エッセイ「正義とは」

エッセイ「正義とは」

　正義とはなんだろう？

　英語ではjusticeという。
　つまり白人にもその概念が存在するということだ。

　Siriに「正義」を尋ねると、

　「明治以降「義」に代わって使用され、倫理、合理性、法律、自然法、宗教、公正などに基づく道徳的な正しさに関する概念である」と教えてくれた。

　そして今、その「正義」が日本から消えようとしている。

　お笑いの天才と持ち上げられた「ダウンタウン」
　彼らが登場したことで確かにお笑いは変わった。

　悪い方に。
　ダウンタウンはお笑いを笑えないものに変えた。
　吉本興業に所属するお笑い芸人を裸にして叩いたり、ヘンな物を食べさせたり飲ませたりして大声で喚き散らす。
　それは芸ではない。
　ただの学生の醜悪な悪ふざけだ。

　後輩芸人たちは「売れているお笑い芸人」のダウンタウンを目指し、媚を売り、尻尾を振って忖度するようになった。

　ポスト・ダウンタウンの千鳥の芸風は正に「リトル・ダウンタウン」だ。
　常識外れなバカをする。そして変わった人を肴にして笑いを取ろうとする。
　私は大悟より、大悟に微妙に忖度するノブが好きではない。

　
　芸人のコンビ名も変わった。
　『銀シャリ』『笑い飯』『和牛』『霜降り明星』など、いつの間にか食べ物名が多くなった。


　「みんな凄い苦労をして芸人として成功したのよ。
　感動するわ」

　物凄い苦労をしている一般人なんて山程いる。
　逆に苦労も努力もしないで成功する人は稀だ。

　そしてカネと権力が集中するようになると、今度は反社会的行為が許され、放置され、隠蔽されてくるようになる。
　驚いたのはそんな松本人志を養護する子分芸人たちと吉本興業、そしてテレビ局の態度だ。

　「そんなんホテルにのこのこついて行く方が悪いんとちゃうの？」

　東野幸治は、

　「裁判になるから被害女性の方は松本さんへの誹謗中傷は辞めるべきだと思うんです。
　言いたいことがあれば裁判で証言すればいい」

　生放送で宣う劣悪さ。
　こんな人間をMCに起用するテレビ局の意図がわからない。

　この東野幸治は『博多華丸・大吉』の華丸に忖度し、華丸のグループに『華丸・白虎隊』と名付け、いい気になっている愚か者だ。
　彼は白虎隊の悲劇の歴史を侮辱した。

　今回の女性性被害事件は、恐らく松本人志だけではあるまい。
　相方の浜田雅功も、後輩芸人の幼児の服を脱がせて乳首を触って喜んでいたと報道されていた。
　事実かどうかは知らないが、色々な噂が飛び交っているようだ。
　
　カネと権力が出来ると、男は女に執着する。
　志村けん、加藤茶然り。そしてあの出川哲朗ですらもレイプ疑惑が報じられている。
　一体誰を信じればいいのだろう。

　男の努力の源泉は女だ。
　もっとモテたい、もっといい女とやりたい。
　芸能界も政界もその温床だ。
　テレビ局やプロダクション、広告代理店の有力者なら身に覚えはあるはずだ。
　もし俺がその立場にあれば当然それを期待するだろう。

　「いい女だなあ」とこっそり思うのは仕方がないとしても、実際にそれを実行に移してはいけない。
　それは犯罪だからだ。

　
　政界も酷いものだ。
　政治家ほどいい商売はない。
　だから自分のかわいい子供や孫に自分の跡を継がせたがる。
　
　「ここに空港をつくれ」
　「高速道路を通せ」
　「アメリカが郵便局のカネが欲しいって言っているから郵政民営化だ！」
　「検察が俺を捕まえるだと？　この偉大な王である俺をか？　人事は俺が握っているのにバカ野郎！　この身の程知らずが！」
　「テレビ局など俺の犬だ。政治ジャーナリストなどカネと地位を与えてやればいくらでも俺の言いなりだからな？　所詮アイツらも人なんだよ、カネと権力が好きな」

　これが現実である。
　自分たちのための利権誘導。カネは使い放題。
　有力政治家になれば国から支払われる歳費など微々たる物だ。
　私はそれを直に見てきた。

　そしてそんな暗殺された安倍晋三を税金で国葬にする愚か者たち。
　折角の長期政権で安倍晋三は日本に何を貢献した？
　物価は上がり、中小企業の従業員の賃金は下がり、安倍晋三を支持する金持ちだけを優遇した。
　日本からは自身の利益のために沢山の税金をロシアのプーチンやアメリカのトランプにばら撒いただけではないか？
　
　文春に狙われるのは殆どが安倍晋三の残党たちではないか？

　韓国統一教会、言論封鎖、裏金、警察、検察、各省庁への不当な圧力。
　赤木さんはなぜ死ななければならなかったのか？

　もし安倍晋三がまだ存命であれば、これらはすべて握り潰されていたかもしれない。

　田中角栄の金権政治が批判されたが角栄さんは私腹を肥やすためにカネ集めをしたわけではない。
　日本船舶振興会会長だった笹川良一氏も同じだ。彼らは国のために、弱い国民のためにカネを使った。
　笹川会長は贅沢を嫌った。
　中古住宅に住み、晩年になるまで新築の家には住まず、風呂の湯ですら50cmしか湯船に張らなかったという。
　そして遺産はすべて恵まれない人に寄付をして身内には残さなかったという。

　あのダイエーの創業者、中内功なかうちいさおが笹川良一に挨拶に訪れた時、

　「笹川先生、私もようやく資産が1,000億円になりましたよ」
　
　笹川は言ったそうだ。

　「それで？」

　カネは集め方ではないのだ、「何のために遣うのか？」が大切なのだ。

　派閥が問題なのではない、政治家の倫理観が問われているのだ。
　菅前総理は何をした？
　人気取りのためにデジタル庁だ？　ふざけるな！
　混乱だけを招いた安倍晋三のただの傀儡政権だったではないか！

　「総理になりたいだけの総理」


　私は余命宣告を受けている身ではあるが、最期まで「正義」を叫んで死にたい。

　美しい神の国。そんな日本であって欲しい。