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第1話
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給料を貰った日の金曜日、俺たち三人はここ、スナック『プチ・ボヌール』に集合する。
レイラは35歳独身。紗栄子は47歳のシングルマザーで子供は今年、成人式を迎える。
そして俺は65歳の年金暮らしの爺さんだった。
レイラはカラオケに熱中し、紗栄子と俺はただ酒を飲み、タバコをふかしている。
特別何を話すでもなく、俺と紗栄子はレイラの歌をBGMにただ酒を飲んでいた。
倖田來未を歌い終えるとレイラは満足そうに着席し、ママからもらったおしぼりで手を拭き、ハイボールに手をつけた。
「あー、美味しいー。スッキリしたあ」
「気が済んだ?」
「取り敢えず休憩」
「レイラは歌が上手いからな? 古着屋の店長なんか辞めて歌手になればいいのにな?」
「そんなに甘くないわよ。それにもう歳だし」
「35歳で歳? それじゃあ私はババアじゃないの」
「紗栄ちゃんは若く見えるわよ。私のお姉ちゃんだもん」
「アンタだっていつかは歳を取るのよ」
レイラは不倫をしていた。
「あの男はダメよ。早く別れなさい、アンタに何もしてくれないじゃないの?」
「この前はファミレスで1,380円のチーズ・ハンバーグセットをご馳走してくれたもん」
「高校生か?」
「金額じゃないのよ、私がチーズ・ハンバーグが好きだからそれで奢ってくれたんだから」
「そしてアンタはお金をせびられカラダを差し出すというわけね?
バカじゃないの」
「止めてよね、そういう言い方するの」
「早く別れてちゃんとした結婚しなさいよ」
「紗栄ちゃんに言われても説得力がないんですけど」
「私は結婚に失敗した経験者だから言うのよ。カネのない男はダメ」
いつも俺たちはそんな同じ話をしていた
惚れた腫れたなど、所詮は虚しい時間潰しであることをレイラはまだ知らない
恋は人を盲目にする
レイラは35歳独身。紗栄子は47歳のシングルマザーで子供は今年、成人式を迎える。
そして俺は65歳の年金暮らしの爺さんだった。
レイラはカラオケに熱中し、紗栄子と俺はただ酒を飲み、タバコをふかしている。
特別何を話すでもなく、俺と紗栄子はレイラの歌をBGMにただ酒を飲んでいた。
倖田來未を歌い終えるとレイラは満足そうに着席し、ママからもらったおしぼりで手を拭き、ハイボールに手をつけた。
「あー、美味しいー。スッキリしたあ」
「気が済んだ?」
「取り敢えず休憩」
「レイラは歌が上手いからな? 古着屋の店長なんか辞めて歌手になればいいのにな?」
「そんなに甘くないわよ。それにもう歳だし」
「35歳で歳? それじゃあ私はババアじゃないの」
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「あの男はダメよ。早く別れなさい、アンタに何もしてくれないじゃないの?」
「この前はファミレスで1,380円のチーズ・ハンバーグセットをご馳走してくれたもん」
「高校生か?」
「金額じゃないのよ、私がチーズ・ハンバーグが好きだからそれで奢ってくれたんだから」
「そしてアンタはお金をせびられカラダを差し出すというわけね?
バカじゃないの」
「止めてよね、そういう言い方するの」
「早く別れてちゃんとした結婚しなさいよ」
「紗栄ちゃんに言われても説得力がないんですけど」
「私は結婚に失敗した経験者だから言うのよ。カネのない男はダメ」
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