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第十六章
再会
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「ここは・・・」
テンはリッキーを見つけ、アブヤマの死を告げると意識を失っていた。
「気が付いたか。ここは・・俺の家だ。
まぁ取り敢えずこれでも食え。」
このデスコードでベッドやソファーなどの家具が揃った立派な部屋にテンは驚いた。
「ありがとう。」
リッキーを探している数日間何も口にしていなかったテンだが、慌てる様子も見せずゆっくりと差し出されたパンを食べた。
「正直に言う。お前の持っていたマベラスはもうない。金に変えてこの生活を手に入れた。俺はお前を騙したんだ。すまない。」
そう言うとリッキーは部屋の奥から大きなカバンを持って来て開けると、その中には大量の札束が入っていた。
「お前が持っていた薬分はあるはずだ。」
マベラスを売り払って金を手に入れてからのリッキーは麻雀で大勝ちを繰り返し悠々自適に生活していた。
「あなたがこんな生活を送っている間に・・アブヤマさんは・・グスッ」
テンは泣きながら言った。
「アブヤマさんは・・あれから一人で私の元へ戻って来て一緒に逃げようと助けに来たんです。そしたら私の持っていた薬を取り返しにバーボさんが現れて・・」
「バーボ?誰だそいつは。」
「バーボさんの事は・・・私もよく知らないんです。ピルクルさんの側近である事くらいしか分かりません。」
「何かそいつの特徴は?」
「特徴は・・あっ・・アブヤマさんとバーボさんが戦っている最中にアブヤマさんがバーボさんの目を潰したんです。そうだ・・その後・・アブヤマさんが目の前で首を切られて・・」
悲惨な光景を思い出しテンは体を強張らせた。
そして、それを聞いたリッキーは目をギュッと閉じてうなだれる。
「アブヤマ・・すまない・・アブヤマ」
そう繰り返すとリッキーは顔を上げて何かを決意した様に話し出した。
「そのバーボって奴はお前のボスの手下なんだろ?そのボスの居場所を俺に教えろ。そこに行けばそいつも居るはずだ。・・・テン。今度こそ俺を信じてくれないか。この金を持ってお前の事も、俺の事にもケリをつける。」
「・・・でも危険よ。あの人普通じゃなかった。片目を潰されてもあの動き。・・それにアイツが落としたナイフで刺して逃げた時も・・笑ってた。異常よ・・・私の事をデーラとか言ったりして。」
「デーラ?・・・どこかで聞いた事あるような名前だな。・・まぁそれよりそいつは片目を潰されて刺されて負傷しているんだ。そんな奴に俺は負けん。それに絶対に許さん!」
テンにピルクルの居場所を聞くとリッキーは立ち上がった。
「お前はここに居ろ。ここなら安全だ。」
「リッキーさん。・・・」
金が詰まったカバンを持ちリッキーはピルクルの元へ向かった。
・・・数時間後・・・
「誰だお前は。何の様だ?」
鉄の扉にある小窓が開き男が聞いた。
「ピルクルに渡したいものがある。」
リッキーはそう言うと持っていたカバンを開けて見せた。
「お・・・おぅ。ちょっと待ってな。」
それをみると男は表情を変え小窓をパシャリと閉めた。
・・・数分後・・・
「入りな。」
さっきの男が扉を開けた。
「周りを見るな。まっすぐ前だけ見てろ。わかったな。」
「あぁ。」
薄暗い廊下を迷路の様に歩いていく。
「ここだ。」
そう言うと門番はどこかへ行った。
そして扉を開けて中に入ると、部屋の奥に大きな椅子に座る男がいた。
「お前がピルクルか。」
「いかにも私がピルクルですが、あなたは?」
「俺はリッキーだ。今日ここへ来たのはテンの事できた。」
「テン・・・テン・・あぁそう言えばそんな娘が居ましたねぇ。それで?」
「アイツが持っていたマベラスは全部金に変えてた。それを渡しに来た。だからもうアイツには関わらないと約束して欲しい。」
カバンを開け床に置きピルクルの方へと蹴り出した。
「・・・・ほう。良いでしょう。あの娘には関わらない事をお約束致しますよ。
それは良いとしても困った問題が起きましてねぇ。」
「困った問題?」
「何というか、その・・このマベラスの売買を知られてしまっては貴方をここから出す事が出来なくなってしまったのでね。」
「なるほどな。表向きの顔は正義のヒーロー様だからな。人をヤク漬けにした金でこんな生活をしてるなんてバレたらそりゃクックック。」
「ほう。笑っていられる余裕があるんですねぇ。気に入りましたよ。あの量を金したのも貴方なんでしょう。どうですか?ここで働きませんか?」
「・・・ここで?ガーーッハッハッハ。ほんと笑わせてくれるなピルクル。俺があの娘の様にお前の様な偽善者の手下になってヤクの売人に成り下がるとでも思ったかよ!これ以上笑わせられたら腹がよじれて死にそうだ。勘弁してくれガーーッハッハッハ。」
「・・・ググッ・・黙れ・・・黙れ!!おいバーボ!バーボはいるか!」
ピルクルが大きな体を震わせ怒鳴った。
すると奥の方からジャージを着た男がゆっくりと現れる。
「クックック。くると思って待ってたぞ。・・・・・ミライ!!」
テンはリッキーを見つけ、アブヤマの死を告げると意識を失っていた。
「気が付いたか。ここは・・俺の家だ。
まぁ取り敢えずこれでも食え。」
このデスコードでベッドやソファーなどの家具が揃った立派な部屋にテンは驚いた。
「ありがとう。」
リッキーを探している数日間何も口にしていなかったテンだが、慌てる様子も見せずゆっくりと差し出されたパンを食べた。
「正直に言う。お前の持っていたマベラスはもうない。金に変えてこの生活を手に入れた。俺はお前を騙したんだ。すまない。」
そう言うとリッキーは部屋の奥から大きなカバンを持って来て開けると、その中には大量の札束が入っていた。
「お前が持っていた薬分はあるはずだ。」
マベラスを売り払って金を手に入れてからのリッキーは麻雀で大勝ちを繰り返し悠々自適に生活していた。
「あなたがこんな生活を送っている間に・・アブヤマさんは・・グスッ」
テンは泣きながら言った。
「アブヤマさんは・・あれから一人で私の元へ戻って来て一緒に逃げようと助けに来たんです。そしたら私の持っていた薬を取り返しにバーボさんが現れて・・」
「バーボ?誰だそいつは。」
「バーボさんの事は・・・私もよく知らないんです。ピルクルさんの側近である事くらいしか分かりません。」
「何かそいつの特徴は?」
「特徴は・・あっ・・アブヤマさんとバーボさんが戦っている最中にアブヤマさんがバーボさんの目を潰したんです。そうだ・・その後・・アブヤマさんが目の前で首を切られて・・」
悲惨な光景を思い出しテンは体を強張らせた。
そして、それを聞いたリッキーは目をギュッと閉じてうなだれる。
「アブヤマ・・すまない・・アブヤマ」
そう繰り返すとリッキーは顔を上げて何かを決意した様に話し出した。
「そのバーボって奴はお前のボスの手下なんだろ?そのボスの居場所を俺に教えろ。そこに行けばそいつも居るはずだ。・・・テン。今度こそ俺を信じてくれないか。この金を持ってお前の事も、俺の事にもケリをつける。」
「・・・でも危険よ。あの人普通じゃなかった。片目を潰されてもあの動き。・・それにアイツが落としたナイフで刺して逃げた時も・・笑ってた。異常よ・・・私の事をデーラとか言ったりして。」
「デーラ?・・・どこかで聞いた事あるような名前だな。・・まぁそれよりそいつは片目を潰されて刺されて負傷しているんだ。そんな奴に俺は負けん。それに絶対に許さん!」
テンにピルクルの居場所を聞くとリッキーは立ち上がった。
「お前はここに居ろ。ここなら安全だ。」
「リッキーさん。・・・」
金が詰まったカバンを持ちリッキーはピルクルの元へ向かった。
・・・数時間後・・・
「誰だお前は。何の様だ?」
鉄の扉にある小窓が開き男が聞いた。
「ピルクルに渡したいものがある。」
リッキーはそう言うと持っていたカバンを開けて見せた。
「お・・・おぅ。ちょっと待ってな。」
それをみると男は表情を変え小窓をパシャリと閉めた。
・・・数分後・・・
「入りな。」
さっきの男が扉を開けた。
「周りを見るな。まっすぐ前だけ見てろ。わかったな。」
「あぁ。」
薄暗い廊下を迷路の様に歩いていく。
「ここだ。」
そう言うと門番はどこかへ行った。
そして扉を開けて中に入ると、部屋の奥に大きな椅子に座る男がいた。
「お前がピルクルか。」
「いかにも私がピルクルですが、あなたは?」
「俺はリッキーだ。今日ここへ来たのはテンの事できた。」
「テン・・・テン・・あぁそう言えばそんな娘が居ましたねぇ。それで?」
「アイツが持っていたマベラスは全部金に変えてた。それを渡しに来た。だからもうアイツには関わらないと約束して欲しい。」
カバンを開け床に置きピルクルの方へと蹴り出した。
「・・・・ほう。良いでしょう。あの娘には関わらない事をお約束致しますよ。
それは良いとしても困った問題が起きましてねぇ。」
「困った問題?」
「何というか、その・・このマベラスの売買を知られてしまっては貴方をここから出す事が出来なくなってしまったのでね。」
「なるほどな。表向きの顔は正義のヒーロー様だからな。人をヤク漬けにした金でこんな生活をしてるなんてバレたらそりゃクックック。」
「ほう。笑っていられる余裕があるんですねぇ。気に入りましたよ。あの量を金したのも貴方なんでしょう。どうですか?ここで働きませんか?」
「・・・ここで?ガーーッハッハッハ。ほんと笑わせてくれるなピルクル。俺があの娘の様にお前の様な偽善者の手下になってヤクの売人に成り下がるとでも思ったかよ!これ以上笑わせられたら腹がよじれて死にそうだ。勘弁してくれガーーッハッハッハ。」
「・・・ググッ・・黙れ・・・黙れ!!おいバーボ!バーボはいるか!」
ピルクルが大きな体を震わせ怒鳴った。
すると奥の方からジャージを着た男がゆっくりと現れる。
「クックック。くると思って待ってたぞ。・・・・・ミライ!!」
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