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ネズミの話 1章
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ネズミは、小汚いオンボロアパートの一室にいた。
言っておくが彼は金がないわけではない。ネット犯罪で稼いだ金は、
ある程度たまっている。
と言うか、普通のサラリーマン世帯の人が見たらうらやましく思うくらいの額が、
ネズミのネット口座には存在していた。
しかしネズミは、どうしてかこのオンボロアパートの六畳1K畳敷きの部屋を
とても気にいっていた。
今も、部屋の真ん中に置かれた、その部屋には似つかわしくない木目一枚板の
高価なテーブルの上でノートパソコンを開き、客から依頼された相手企業の
機密情報のボックスに侵入していた。
その秘密のボックスの中で、まだ世に出ていない新商品の企画案のデータを
次々と自分のパソコンのフォルダにコピーしていきながら、
ネズミはずり落ちてきた長袖Tシャツの左手の袖をまくり上げた。
ネズミが着ているそのTシャツは、誰がどう見ても本人とは
サイズが合っていない、だぶだぶのものだ。
しかし、ネズミはいつもこのサイズの服を着ていた。
ネズミと会った事のある口の悪い奴らは、
「ネットの世界では天才だが、ファッションに関しては服のサイズも分からない」
とか
「盗んだものを着てるからサイズが違うんだろう」なんて陰口を叩いていたが、
当のネズミ自身は、言いたい奴には言わせとけ、というスタンスで、そんな事など
気にもしていなかった。
この何枚もあるだぶだぶのシャツは、実はネズミの物ではない。
大切な友人のものだ。
ネズミのこれまでの人生で、友人と呼ぶにふさわしい人間は、
彼たった一人なのだから。
ネズミは、身体が細くて、運動が苦手な子供だった。
子供の世界で生き残るには、大人の世界よりも大変な時がある。
自分を含めて周りは寛容さを持ち合わせていない生き物ばかりなので、
「コイツ弱い」とか「コイツつまんない」とか「コイツダサい」とかで、
あっと言う間にグループや友人関係からはじかれる。
子供の価値基準は、勉強か運動か面白いかしか無いのだから仕方がない。
そして、子供の世界で最も尊重される基準は、美しいか醜いか、である。
見た目が不快か快か。とも言うが。
運悪く、ネズミは、美しくはなくて見た目が不快な方の子供だった。
だから余計に周りの人間の優越感を刺激したのかもしれない。
幼い時から、誰もが最初はネズミを受け入れてくれる。そして、日がたつごとに
徐々に距離を取っていく。
幼いネズミは、どうしてみんながどんどん離れていくのか分からなかったが、
まあ今日行けばみんな仲良くしてくれるだろうと期待して行ったある日、
誰もネズミのそばに近寄らなくなってしまう。
幼稚園、小学校、中学校、とネズミはこのパターンを何度も繰り返していた。
そういうわけでネズミは、誰も自分の知り合いのいない高校に進んだ時、
もう周囲の人間に、仲良くなってもらおうとか親しくなってもらおうとかいう
過度な期待をする事をやめようと心に誓った。
ネズミの友達は、父からおさがりでもらったノートパソコンだった。
ネットの世界は楽しかった。
ネズミが分からない事はなんでも教えてくれるし、調べれば調べるほど
いろんな世界の情報が分かる。
中学校二年生でそのおさがりパソコンをもらってから、毎日学校から帰るとすぐに
机の上でパソコンを開き、自分の中で産まれた「もっと知りたい」という
欲望のままに、ネットの世界を泳ぎ回った。
なぜネズミというネームにしたのか。そんなに難しくは無い。
ネットの世界で使う名前が必要だった時、右手で握っているものに
目が行っただけだ。
街の中で、どぶや床下をコソコソ走り回るネズミは、ネットの中でコソコソ
鍵をあけて忍び込んでいる自分とそっくりだと思った。
時として、厳重な鍵のかかった扉で固く閉ざされた中に、大切な情報が入っている
時もあった。
鍵を開けるのに必要なのは、根気と時間と様々な手段だ。
ネズミにとっては時間などいくらでもあった。
周りの中学生が部活や友達や勉強や恋愛で忙しい中、ネズミには誰にも
邪魔されずにどっぷりと鍵開けに集中する時間があった。
いや、時間だけがあった。と言う方が正しいのか。
ネットの世界では、ネズミをバカにする者はいない。
むしろどんな鍵もこじ開けてハッキングするネズミは、ネット民の間では
「怪盗ネズミ小僧」と呼ばれ、尊敬の眼差しを向けられていた。
そんな生活を送っていた高校生のネズミに、ネット仲間のペンギンから、
あるゲーム会社のシステムに侵入して新作ゲームの情報を教えて欲しい。
と依頼が着た。
そのゲーム会社は出来たばかりの新興な会社だが、
出す新作が必ず話題になるので、目ざといゲームマニアには注目され始めて
いたのだ。
そして、新作ゲームの内容がネット上で発表されるまで全く情報が洩れてこない、
秘密主義的な会社でもあった。
パソコンの画面に出た報酬額を見ると、必ずそれに一万円を足した額でどうかと
返信を返す。
鍵のこじ開けを最初にやり始めた頃は依頼主に言われたままの額で引き受けて
いたが、全てが相手の思い通りというのも何か納得できない所があって、
一度一万円を足した額でどうかと聞いてみたら、以外とあっさりとOKされた。
高校生のネズミにとって一万円は高額だったが、そうは思っていない大人も
いるのだとその時初めて知った。
でも、そこからさらに増額して要求するような度胸はネズミには無かった。
ネズミは、そのゲーム会社の鍵を開ける作業に没頭した。
学校には行っている時間以外は全てを鍵開け作業に費やした。
時には、学校をずる休みして一日中その会社の鍵開けに没頭したりもした。
しかし、様々なアタックも悉く跳ね返されてしまう。
アタックしては跳ね返されるを繰り返しているうちに、だんだんネズミの中に
焦りや苛立ちが産まれてきていた。
なんとかしないと「怪盗ネズミ小僧」という自分の看板が崩れていってしまうかも
しれない。
ある日、学校から帰ってきていつものようにパソコンを開くと、掲示板が大騒ぎで
荒れていた。
何事かとコメを読み進めていくと、あのゲーム会社の鍵を開けた人間が出たらしい。
信じられない。誰だ?
どうやらそいつは「サムライ」という通り名の人物らしい。
ネズミの鼓動が速くなった。
天才だ怪盗だとネット界でちやほやされた自分がどうしても破れなかった鍵を、
脇から出てきてさっさと開けたヤツがいる。
掲示板では「もうネズミの時代は終わった」だの「ネズミは穴に引っ込んだ」だの
無責任なギャラリーが思うままなことを書きだしている。
ネズミは好き勝手に文字が産まれている画面を凝視した。
マズイぞこれは。非常にマズイ。今までここで積み上げた自分のプライドの危機だ。
言っておくが彼は金がないわけではない。ネット犯罪で稼いだ金は、
ある程度たまっている。
と言うか、普通のサラリーマン世帯の人が見たらうらやましく思うくらいの額が、
ネズミのネット口座には存在していた。
しかしネズミは、どうしてかこのオンボロアパートの六畳1K畳敷きの部屋を
とても気にいっていた。
今も、部屋の真ん中に置かれた、その部屋には似つかわしくない木目一枚板の
高価なテーブルの上でノートパソコンを開き、客から依頼された相手企業の
機密情報のボックスに侵入していた。
その秘密のボックスの中で、まだ世に出ていない新商品の企画案のデータを
次々と自分のパソコンのフォルダにコピーしていきながら、
ネズミはずり落ちてきた長袖Tシャツの左手の袖をまくり上げた。
ネズミが着ているそのTシャツは、誰がどう見ても本人とは
サイズが合っていない、だぶだぶのものだ。
しかし、ネズミはいつもこのサイズの服を着ていた。
ネズミと会った事のある口の悪い奴らは、
「ネットの世界では天才だが、ファッションに関しては服のサイズも分からない」
とか
「盗んだものを着てるからサイズが違うんだろう」なんて陰口を叩いていたが、
当のネズミ自身は、言いたい奴には言わせとけ、というスタンスで、そんな事など
気にもしていなかった。
この何枚もあるだぶだぶのシャツは、実はネズミの物ではない。
大切な友人のものだ。
ネズミのこれまでの人生で、友人と呼ぶにふさわしい人間は、
彼たった一人なのだから。
ネズミは、身体が細くて、運動が苦手な子供だった。
子供の世界で生き残るには、大人の世界よりも大変な時がある。
自分を含めて周りは寛容さを持ち合わせていない生き物ばかりなので、
「コイツ弱い」とか「コイツつまんない」とか「コイツダサい」とかで、
あっと言う間にグループや友人関係からはじかれる。
子供の価値基準は、勉強か運動か面白いかしか無いのだから仕方がない。
そして、子供の世界で最も尊重される基準は、美しいか醜いか、である。
見た目が不快か快か。とも言うが。
運悪く、ネズミは、美しくはなくて見た目が不快な方の子供だった。
だから余計に周りの人間の優越感を刺激したのかもしれない。
幼い時から、誰もが最初はネズミを受け入れてくれる。そして、日がたつごとに
徐々に距離を取っていく。
幼いネズミは、どうしてみんながどんどん離れていくのか分からなかったが、
まあ今日行けばみんな仲良くしてくれるだろうと期待して行ったある日、
誰もネズミのそばに近寄らなくなってしまう。
幼稚園、小学校、中学校、とネズミはこのパターンを何度も繰り返していた。
そういうわけでネズミは、誰も自分の知り合いのいない高校に進んだ時、
もう周囲の人間に、仲良くなってもらおうとか親しくなってもらおうとかいう
過度な期待をする事をやめようと心に誓った。
ネズミの友達は、父からおさがりでもらったノートパソコンだった。
ネットの世界は楽しかった。
ネズミが分からない事はなんでも教えてくれるし、調べれば調べるほど
いろんな世界の情報が分かる。
中学校二年生でそのおさがりパソコンをもらってから、毎日学校から帰るとすぐに
机の上でパソコンを開き、自分の中で産まれた「もっと知りたい」という
欲望のままに、ネットの世界を泳ぎ回った。
なぜネズミというネームにしたのか。そんなに難しくは無い。
ネットの世界で使う名前が必要だった時、右手で握っているものに
目が行っただけだ。
街の中で、どぶや床下をコソコソ走り回るネズミは、ネットの中でコソコソ
鍵をあけて忍び込んでいる自分とそっくりだと思った。
時として、厳重な鍵のかかった扉で固く閉ざされた中に、大切な情報が入っている
時もあった。
鍵を開けるのに必要なのは、根気と時間と様々な手段だ。
ネズミにとっては時間などいくらでもあった。
周りの中学生が部活や友達や勉強や恋愛で忙しい中、ネズミには誰にも
邪魔されずにどっぷりと鍵開けに集中する時間があった。
いや、時間だけがあった。と言う方が正しいのか。
ネットの世界では、ネズミをバカにする者はいない。
むしろどんな鍵もこじ開けてハッキングするネズミは、ネット民の間では
「怪盗ネズミ小僧」と呼ばれ、尊敬の眼差しを向けられていた。
そんな生活を送っていた高校生のネズミに、ネット仲間のペンギンから、
あるゲーム会社のシステムに侵入して新作ゲームの情報を教えて欲しい。
と依頼が着た。
そのゲーム会社は出来たばかりの新興な会社だが、
出す新作が必ず話題になるので、目ざといゲームマニアには注目され始めて
いたのだ。
そして、新作ゲームの内容がネット上で発表されるまで全く情報が洩れてこない、
秘密主義的な会社でもあった。
パソコンの画面に出た報酬額を見ると、必ずそれに一万円を足した額でどうかと
返信を返す。
鍵のこじ開けを最初にやり始めた頃は依頼主に言われたままの額で引き受けて
いたが、全てが相手の思い通りというのも何か納得できない所があって、
一度一万円を足した額でどうかと聞いてみたら、以外とあっさりとOKされた。
高校生のネズミにとって一万円は高額だったが、そうは思っていない大人も
いるのだとその時初めて知った。
でも、そこからさらに増額して要求するような度胸はネズミには無かった。
ネズミは、そのゲーム会社の鍵を開ける作業に没頭した。
学校には行っている時間以外は全てを鍵開け作業に費やした。
時には、学校をずる休みして一日中その会社の鍵開けに没頭したりもした。
しかし、様々なアタックも悉く跳ね返されてしまう。
アタックしては跳ね返されるを繰り返しているうちに、だんだんネズミの中に
焦りや苛立ちが産まれてきていた。
なんとかしないと「怪盗ネズミ小僧」という自分の看板が崩れていってしまうかも
しれない。
ある日、学校から帰ってきていつものようにパソコンを開くと、掲示板が大騒ぎで
荒れていた。
何事かとコメを読み進めていくと、あのゲーム会社の鍵を開けた人間が出たらしい。
信じられない。誰だ?
どうやらそいつは「サムライ」という通り名の人物らしい。
ネズミの鼓動が速くなった。
天才だ怪盗だとネット界でちやほやされた自分がどうしても破れなかった鍵を、
脇から出てきてさっさと開けたヤツがいる。
掲示板では「もうネズミの時代は終わった」だの「ネズミは穴に引っ込んだ」だの
無責任なギャラリーが思うままなことを書きだしている。
ネズミは好き勝手に文字が産まれている画面を凝視した。
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