迷子になって異世界へ行きました

kenzo

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冒険者に私はなる!!

初依頼を受けよう

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昨日は疾風の皆さんにご飯をご馳走になった。
大変美味しゅう御座いました。
って言うか皆、食べる食べる!
私はこれでも大食いクイーン、ブラックホールの異名を取っていたのに、そんな私に負けず劣らず何て意外な所でライバル出現したわね。
しかも皆お酒を浴びる様に飲むし。
私は未成年だから飲まなかったけどね。
この国では15才で成人になるから飲めるらしいけど、私はあくまでも日本人!日本人の法律を遵守しますです。
と言っても昔、チョコっとだけ口にした事があるけど、一瞬で意識が飛んで記憶を失くしたわ。
どうも私は体質的にお酒は合わない見たい。
望にももう飲むなって真剣に注意されたしね。

歓迎会の後は、私はギルドの宿に入った。
四畳半って所かな、狭かった。
まぁ銀貨1枚、千円と考えるとこんな物かな。
ベッドは固かったけど確りと休めた。

朝起きてラジオ体操をしたかったけど場所が無いから諦めるしかなかった。
そして今私はギルド内の飲食エリアで朝御飯を食べて落ち着いたところ。
これから2階に張り出されている依頼書を見に行きます。
ちなみに疾風の皆さんは数日はお休みだそうです。

2階に上がり全体を見渡す。
広いワンフロア丸々依頼受付の様だ。
そして凄い混んでいる。
ラッシュ時間なんだろう。
壁には星が描かれていて、その下に何枚もの紙が貼り出されている。
アレが依頼書のようね。
良く見ると、四角い部屋の三辺の壁に其々星1の壁、星2の壁、星3の壁となっている。
そしてフロアには背の高い衝立が立っており、其々が星4の衝立、星5の衝立、星6の衝立となっている。
尚、星7以上は直接受付で受けるとか。

私は星1の壁に向かった。
星無しは見習い訓練生の様な物で規定の依頼数を受ければ星1になる。
実質的には星1が最低ランクと言う事になる。

『掃除』『荷運び』『修繕』依頼は多岐に渡るが殆どが街中の仕事が多い。
でもそれらは見る間に無くなって行く。
主に子供達の手によって。
瞬く間に無くなって行く様を呆然と見ていると誰も取らない依頼が数枚あった。
どうやら手が届かない様だ。
遠慮無く其を頂いた。

『薬草園の畑作りの手伝い(依頼者トーマス):銀貨2枚』

依頼書を持って受付に並んだ。
並んだ星1~3用の受付、3列ある。
それでも数が多い分並んでいる列は其なりに長い。
だけど星の少ない依頼は簡単なせいか次々と捌かれて行って、それ程待たずに私の順番が廻ってきた。

「はい、次の人」
「はい、お願いします」
テーブルに依頼書とギルドカードを置いた。
手順は昨日、アンさんに聞いている。
「ハルカさんですね」
「はい」
「トーマス様の薬草園へ行き畑作りのお手伝いをする内容、銀貨2枚、間違い無いですか」
「はい」
「では依頼書の此処にサインをお願いします」
「はい」
受付の人の指した場所にサインをする。
それを確認した受付の人がその下にサインを記入した。
「では依頼を達成されましたらコチラヘ依頼者様のサインを頂いて下さい」
「はい、分かりました」
「トーマス様の薬草園の場所は分かりますか」
「すみません、分かりません」
「北門を出て街道を西に向かって歩いて下さい。右手側を見ながら30分程歩きますと『トーマス薬草園』と立札が有ります。そこを訪ねて下さい」
ふむふむ。インプット完了。
「分かりました」
「あと、ハルカさんは星無しの様なので注意しておきますが、くれぐれも森には入らないで下さい」
「はい、忠告有難う御座います」
「いえ、それでは頑張って下さい」
「はい」
私は受付を離れギルドを後にした。


ギルドの前を通る大通りを北門に向かって歩き出す。
まだ朝とはいえ人通りは其なりに多く時折通過する馬車が通行の邪魔をする。
そう言えば昨日も馬車を見掛けたけど車は見ないわね?
Co2削減意識が高いのね!感心だわ!
そういえば宿にもギルドにもエアコンとか電気製品を見掛けなかった。
そうかこの国はエコ先進国なのね。
素晴らしいわ!私も見習わなくては!

あ!門が見えてきた。
あれ?・・・『南門』?って書いてる?
「・・・あの、お早う御座います」
門番さんに確めて見よう。
「お早うさん、外出かい」
「すみません、つかぬことをお伺いしますが、ここは南門ですか?」
「?ああ、見ての通り南門だが?」
「では北門は?」
「北門は反対側だ」
やってしまったわ!
「失礼しました」
「お、おお」
気を持ち直して出発だーーー!
・・・
・・・
・・・
ふう、やっと門が見えてきた!
結構歩いたものね。
「あれ、嬢ちゃんまた来たのか?」
「あれ、先程の門番さん?って事は?」
「うん、南門だな」
「ですよねー」
ハ、ハリキって行ってみよう!
・・・
・・・
・・・
あ、門が見えてきた!
うん、明らかにさっきとは違う門だわ!
「すみません、ここは北門ですか」
「はぁ?ここは領主館だ!用の無い者は去れ」
「失礼しました」
・・・
「あの、ここは北門ですか?」
「儂の家じゃ!」
・・・
「北門ですか?」
「屋台だよ」
・・・
「北門ですか?」
「嬢ちゃん、また来たのか!ここは南門だよ」
・・・
「北門ですか?」
「な訳あるか!ここは宿屋だよ!」
「あれ?ロイさん?どうして北門に?」
「だから、宿屋だって言ってんだろ」
「て事は此処が皆さんの宿ですか?」
「ああ、所でハルカは依頼か?」
「依頼主の所へ向かうところ」
「で、北門へ行きたいと?」
「そだね」
「でも辿り着けないと?」
「そだね」
「やっぱりハルカって方向音痴だったんだな」
「お恥ずかしながら」
「はぁ~、仕方ねーなー、連れてってやるよ」
「いいの?休みなのに」
「いいよ!大して時間も掛からんし」
「有難う!」
「助かったわ、このまま一生北門を探して彷徨うのかと思っちゃった」
「どんな人生だよ」
先を歩き出したロイさんの後を急いで付いていった。
・・・
大通りを二人で歩いていると突然ロイさんが足を止めた。
「ここがギルドだ」
「分かってるわよ、それくらい」
私をバカにしているのかしら、昨日も今朝も来たんだから。
「黙って聞け」
そう言うとロイさんはギルドのドアを背にして立った。
「良いか、良く聞け!ギルドのドアを背にして立って、大通りを左に真っ直ぐ行けば北門だ。そして逆に右に行けば南門だ」
そう言い其々の方向を指指した。
「成る程、て事はあっちが北門ね」
ロイさんが指した方を私も指した。
「そう言う事だ。良し行くぞ」
そして私達は再び北門へ向かった。


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