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ノービス
キサラギ ハルト
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僕こと如月春樹は日本人であり異世界人である。
僕は一年ほど前この世界に迷い込んだ。
迷い込む前にたわいもない会話を誰かとした気もするのだが良く思い出せない。
実は見た目道理の年齢でもない。
死んだ覚えはないので転生というわけでもないのだろうが若返ってこの世界にいる。
いや、ただ若返った訳ではない。
前の世界では身の丈を超えるようなジャンプなどできなかった。
岩を砕くような拳を振るうことはできなかった。
魔力と言うものを認識して操ることもできなかった。
でも今はそれができる、その答えはしばらくした後親方に連れられて行った神ステイシアを信仰する教会が発行の聖書に載っていた。
答えとは『ステータス』と言われる力である。
ステータスには大まかに分けて三つの項目がある。
一つ目は『職業』
剣士、魔術師、弓師、格闘家、騎士、神官、鍛冶師、薬師、商人などがある。
職業は基礎ポテンシャルを司りスキルの覚えやすさにも関わるらしい。
二つ目は『スキル』
剣技レベル1、火魔法レベル1、鍛冶レベル1、調薬レベル1など
レベルが高いほど強い技が使えるらしい。
三つ目は『加護』
これに関しては神からの贈り物又は力ある者から授けられることがあるとだけ載っていた。
ちなみに僕のステータスはこうだ。
ハルキ キサラギ
職業ノービス
スキル 生活魔法レベル0、鍛冶レベル0、調薬レベル0
加護 良く見える目、言語理解、健康体
この世界においてノービスは見習いを指す。
全職業へと続く始まりの職業である。
あの後工房を強制的に回復薬を仕入れて来いと追い出され、薬師であるイル婆ちゃんの家へとやってきていた。
「…イル婆ちゃん聞いてくれよ」
手ごたえはあった間違いなく会心の出来だった、なのにダメだと言われてしまった。
掻い摘んで今日の出来事を話す。
「ランツの坊やも言い方があるだろうにのぅ?」
「?」
何やら物知り顔でそんなことを言うイル婆ちゃん
「帰ったら説明してくれるじゃろうからちゃんと話をしなさい」
「うん?」
棚にしまわれた瓶をひぃふぅみぃと数えて、イル婆ちゃんの指が止まる
「おや?頼まれてた数に足りんのぅ、そうじゃハル坊ちょっとお手伝いせんか?」
そういって渡された籠にはポーションの材料である薬草が入っていた。
「…この材料だと初級回復薬だよね?」
「ランツの坊やからは、十本頼まれておったのだがすまんが在庫が四つしかない、今日はもう魔力切れじゃから追加は作れん、こちらの不手際じゃし作れたらタダでええぞ、ランツの坊やには内緒で六本分のお代は駄賃にもらってしまえ」
悪い顔をしてるなイル婆ちゃん。
まぁそういうことならばと作業へ入る。
魔法薬と言う物に興味があった僕は良く婆ちゃんの手伝いをしていたのでこのぐらいなら朝飯前だ。
調薬は基本は抽出、濃縮、調合の三つからなる。
薬草の持つ効力の高い部分を抽出、圧縮濃縮し効きめを上げ、できた物をバランス良く正しく調合すれば完成だ。
今回は何度も作った事のある初級回復薬、失敗はありえない。
サクサクっと作ってしまう。
「できたよイル婆ちゃん」
「…ありゃ?六本分の材料のつもりだったのに十本作っちまったのかい」
フフフ、手慣れたレシピならば抽出にはちょっとした自信があるのだ。
前に他の人が魔法薬を抽出している所を見たが魔力操作が雑すぎて素材を無駄にしまくっていた。勿体ないと思わず声を上げそうになってしまったぐらいだ。
「ふむ、ちゃんと初級回復薬になっとるし問題ないじゃろ、多く作れた分も代金はいらないから約束通り持って帰りなさい」
そう言ってイル婆ちゃんの御墨付をもらい、合計十四本の初級回復薬を受け取り、約束通り4本分の代金だけを払う。
「じゃあ、ありがとうございました」
「…多い分には問題ないじゃろうしのぅ頑張るのじゃ」
「?」
振り返り様に婆ちゃんが何か言ったような気がしたがよく聞き取れなかった。
僕が首をかしげているとにこやかに手を振ってくれていた。
僕は一年ほど前この世界に迷い込んだ。
迷い込む前にたわいもない会話を誰かとした気もするのだが良く思い出せない。
実は見た目道理の年齢でもない。
死んだ覚えはないので転生というわけでもないのだろうが若返ってこの世界にいる。
いや、ただ若返った訳ではない。
前の世界では身の丈を超えるようなジャンプなどできなかった。
岩を砕くような拳を振るうことはできなかった。
魔力と言うものを認識して操ることもできなかった。
でも今はそれができる、その答えはしばらくした後親方に連れられて行った神ステイシアを信仰する教会が発行の聖書に載っていた。
答えとは『ステータス』と言われる力である。
ステータスには大まかに分けて三つの項目がある。
一つ目は『職業』
剣士、魔術師、弓師、格闘家、騎士、神官、鍛冶師、薬師、商人などがある。
職業は基礎ポテンシャルを司りスキルの覚えやすさにも関わるらしい。
二つ目は『スキル』
剣技レベル1、火魔法レベル1、鍛冶レベル1、調薬レベル1など
レベルが高いほど強い技が使えるらしい。
三つ目は『加護』
これに関しては神からの贈り物又は力ある者から授けられることがあるとだけ載っていた。
ちなみに僕のステータスはこうだ。
ハルキ キサラギ
職業ノービス
スキル 生活魔法レベル0、鍛冶レベル0、調薬レベル0
加護 良く見える目、言語理解、健康体
この世界においてノービスは見習いを指す。
全職業へと続く始まりの職業である。
あの後工房を強制的に回復薬を仕入れて来いと追い出され、薬師であるイル婆ちゃんの家へとやってきていた。
「…イル婆ちゃん聞いてくれよ」
手ごたえはあった間違いなく会心の出来だった、なのにダメだと言われてしまった。
掻い摘んで今日の出来事を話す。
「ランツの坊やも言い方があるだろうにのぅ?」
「?」
何やら物知り顔でそんなことを言うイル婆ちゃん
「帰ったら説明してくれるじゃろうからちゃんと話をしなさい」
「うん?」
棚にしまわれた瓶をひぃふぅみぃと数えて、イル婆ちゃんの指が止まる
「おや?頼まれてた数に足りんのぅ、そうじゃハル坊ちょっとお手伝いせんか?」
そういって渡された籠にはポーションの材料である薬草が入っていた。
「…この材料だと初級回復薬だよね?」
「ランツの坊やからは、十本頼まれておったのだがすまんが在庫が四つしかない、今日はもう魔力切れじゃから追加は作れん、こちらの不手際じゃし作れたらタダでええぞ、ランツの坊やには内緒で六本分のお代は駄賃にもらってしまえ」
悪い顔をしてるなイル婆ちゃん。
まぁそういうことならばと作業へ入る。
魔法薬と言う物に興味があった僕は良く婆ちゃんの手伝いをしていたのでこのぐらいなら朝飯前だ。
調薬は基本は抽出、濃縮、調合の三つからなる。
薬草の持つ効力の高い部分を抽出、圧縮濃縮し効きめを上げ、できた物をバランス良く正しく調合すれば完成だ。
今回は何度も作った事のある初級回復薬、失敗はありえない。
サクサクっと作ってしまう。
「できたよイル婆ちゃん」
「…ありゃ?六本分の材料のつもりだったのに十本作っちまったのかい」
フフフ、手慣れたレシピならば抽出にはちょっとした自信があるのだ。
前に他の人が魔法薬を抽出している所を見たが魔力操作が雑すぎて素材を無駄にしまくっていた。勿体ないと思わず声を上げそうになってしまったぐらいだ。
「ふむ、ちゃんと初級回復薬になっとるし問題ないじゃろ、多く作れた分も代金はいらないから約束通り持って帰りなさい」
そう言ってイル婆ちゃんの御墨付をもらい、合計十四本の初級回復薬を受け取り、約束通り4本分の代金だけを払う。
「じゃあ、ありがとうございました」
「…多い分には問題ないじゃろうしのぅ頑張るのじゃ」
「?」
振り返り様に婆ちゃんが何か言ったような気がしたがよく聞き取れなかった。
僕が首をかしげているとにこやかに手を振ってくれていた。
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