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呪樹に囚われた従者/その夜の話
最終話
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朝。
永海はぱちっと目を覚ます。
眠気は無く、視界はクリアで意識もハッキリとしている。
「…………?」
手をついて、体を起こす。
敏感さも火照りも気怠さもなく、体が軽い。
でもなんだろう、下腹部に違和感がある程度で。
「永海、入るぞ。」
声がしたと思い襖を見ると、天定が入ってきて胸が大きく跳ねて顔が真っ赤になってしまった。
「奥方殿が永海に、と作ってくれたぞ。」
確かに天定の手には、白い握り飯5個を乗せた盆がある。
「あ、ああ……。……ありがと。」
「体調はどうだ?顔がまだ赤いようだが…。」
握り飯を受け取る際に天定から質問を受けたが、永海は全身全霊で否定した。
「いや!全然っ!全然なんともねぇ!元気よ元気!ほら、この通り!!」
「そうか、なら良い。」
オーバーリアクションにも感じられるその反応に、天定は「朝から元気だな」と笑う。
天定は様子見がてら雑談でもしようかと思っていたが、医者がやって来たと言われ、医者と入れ替わりですぐに退室する。
医師は昨日の症状が綺麗に消えていることに驚いたが、「きっと毒気が全部体外へ出たのだろう」と完治を告げる。
医師が退室した後、1人になって考えた。
昨夜のアレは、きっと自分の思い過ごしでも何でもない。
俺は、天定にーーーーー……。
次々と思い出してくると、心臓がバクバクと煩くなる。
そんな彼の元に、主は再びやってきた。
思ったより長居をしてしまったことに天定は、これ以上はお店の人たちに迷惑を掛けられないと考えた。
永海の体調もすっかり良くなったことで、2人は身支度を済ませると皆に挨拶を済ませ、街を後にする。
「な、なぁ天定…。」
広い草原を歩いていると、永海が先を進む天定に声をかけた。
「お、俺……さ。お前に、その……変なこと…頼んじまった…よな?だから、その……つまり、えーーっと……。」
モヤモヤとした気持ちをどうにかしたかったのと、何より天定とこれからどのように接していけば良いのか分からなくなり、足を止めて「ごめん…」と謝る。
天定も数歩先に進んだところで足を止めると、心境から後ろを振り返ることができなかった。
「その……えぇっと………。」
なんと言えば良いのか分からずに口籠もる天定。
きっと返事に困っているのだろうと肩を落とす永海。
でも天定の言葉は、永海の不安などの負の気持ちを吹き飛ばすものだった。
「わ、私以外の者に……抱けとか…絶対に言わないでくれ。」
小さな声だったが、天定の言葉は永海にしっかりと届く。
よくよく天定を見たら、耳先まで真っ赤になっている天定が天定らしいと思ってしまい、永海は普段の様子に完全に戻った。
「あったりまえだろ!俺が天定しか頼れねぇの知ってんだろうが!」
ヤンチャな笑いで天定の背中に掌でバンッ!と勢いよく叩いた後、晴れ晴れと、しかも所々に生える木々の影伝いに瞬間移動しながらどんどん先へ進む。
「……ったく。」
天定はそんな彼を、笑いながら追いかけた。
-了-
永海はぱちっと目を覚ます。
眠気は無く、視界はクリアで意識もハッキリとしている。
「…………?」
手をついて、体を起こす。
敏感さも火照りも気怠さもなく、体が軽い。
でもなんだろう、下腹部に違和感がある程度で。
「永海、入るぞ。」
声がしたと思い襖を見ると、天定が入ってきて胸が大きく跳ねて顔が真っ赤になってしまった。
「奥方殿が永海に、と作ってくれたぞ。」
確かに天定の手には、白い握り飯5個を乗せた盆がある。
「あ、ああ……。……ありがと。」
「体調はどうだ?顔がまだ赤いようだが…。」
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「いや!全然っ!全然なんともねぇ!元気よ元気!ほら、この通り!!」
「そうか、なら良い。」
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医師は昨日の症状が綺麗に消えていることに驚いたが、「きっと毒気が全部体外へ出たのだろう」と完治を告げる。
医師が退室した後、1人になって考えた。
昨夜のアレは、きっと自分の思い過ごしでも何でもない。
俺は、天定にーーーーー……。
次々と思い出してくると、心臓がバクバクと煩くなる。
そんな彼の元に、主は再びやってきた。
思ったより長居をしてしまったことに天定は、これ以上はお店の人たちに迷惑を掛けられないと考えた。
永海の体調もすっかり良くなったことで、2人は身支度を済ませると皆に挨拶を済ませ、街を後にする。
「な、なぁ天定…。」
広い草原を歩いていると、永海が先を進む天定に声をかけた。
「お、俺……さ。お前に、その……変なこと…頼んじまった…よな?だから、その……つまり、えーーっと……。」
モヤモヤとした気持ちをどうにかしたかったのと、何より天定とこれからどのように接していけば良いのか分からなくなり、足を止めて「ごめん…」と謝る。
天定も数歩先に進んだところで足を止めると、心境から後ろを振り返ることができなかった。
「その……えぇっと………。」
なんと言えば良いのか分からずに口籠もる天定。
きっと返事に困っているのだろうと肩を落とす永海。
でも天定の言葉は、永海の不安などの負の気持ちを吹き飛ばすものだった。
「わ、私以外の者に……抱けとか…絶対に言わないでくれ。」
小さな声だったが、天定の言葉は永海にしっかりと届く。
よくよく天定を見たら、耳先まで真っ赤になっている天定が天定らしいと思ってしまい、永海は普段の様子に完全に戻った。
「あったりまえだろ!俺が天定しか頼れねぇの知ってんだろうが!」
ヤンチャな笑いで天定の背中に掌でバンッ!と勢いよく叩いた後、晴れ晴れと、しかも所々に生える木々の影伝いに瞬間移動しながらどんどん先へ進む。
「……ったく。」
天定はそんな彼を、笑いながら追いかけた。
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