短編集

世界が輝く （ラブコメ？）

　あなたがいない世界なんて考えられない。
　あなたがいるだけで、私の世界は鮮明になり輝き出す。

　お似合いです、とたまたま入ったショップで言われて、あの時は思わず照れてしまった。
　あなたが好きだということが一瞬でバレてしまったように思えて、私は照れて何も言えなかった。

　あれは一目惚れだった。
　あなたを初めて見たとき、私の世界を変えてしまう、そんな予感がした。
　きっと運命だったのだ。

　好きだから、なるべくずっと一緒にいるようにした。
　初めて家に連れて行った時は、緊張した。
　お母さんが「あら、似合ってるわね」と言うから真っ赤になってしまった。
　今じゃもう慣れたけれど。

　一緒にいるところを初めて友達に見られた時は、なんて言われるか少し不安だった。
　だけども皆んな「似合ってる」と言ってくれるから、やっぱり私たちは運命だったのだと思った。

　あなたがいないと、私の世界は涙でにじんだようになってしまう。
　あなたと出会う前は私はどう生きていたのか、もう思い出せない。

　あなたがいてこそ私の視界は鮮やかになり、はっきりと輪郭を持ち始める。
　
　私の持ち物の中でもいっとうお気に入りのあなた。

　店頭で見て、これだ！と一目惚れしたのだ。

　買ってすぐに着けて帰った。
　初めて着けたから、変かなとすごく緊張した。
　家に帰ってきた私を見て、お母さんは言った。

「あら、似合ってるわね。その眼鏡」