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10、集団転移事件3
しおりを挟む異世界に来て3日目の朝、外が騒がしい。
宿舎の周囲を兵士が取り囲んでいる。
私の張った結界はまだ大丈夫なようだ。
結界の内外で神殿の関係者と兵士がにらみ合っている。
大神官様がやってきて帝国は私たちを神様の代理人に引き渡すつもりがないようだと伝えてきた。
何が何でも悪魔の討伐に私たちを使うつもりなのだろう。
そんなのは国の指導者が先頭に立って自分たちでやってよ。
しばらくすると皇妃がやってきて魅了を使ったが効果がないよ。
結界に魅了無効化の魔法を付与しておいた。
大神官様がやってきて使徒様の来るのが早まりそうだと伝えてくれた。
みんな少ない荷物を持って入り口近くの廊下に整列している。
兵が集まっているのに近づいて来ないのが何故かわからず、皆、戸惑っている。
そして遠くの方で騒がしくなってきたよ。
強い魔力の流れを感じる。
私が知っているような魔力だ。
でもこんなに強くはなかったはず?
まさか!
騒ぎは徐々にこちらに近づいて来た。
4人女性が行く手を塞ごうとする兵士や騎士を排除しながらこちらに近づいて来る。
女性?
いやあれは人間ではない。
人間そっくりだけどロボット。
オートマタともいうのかな。
彼女らの後ろには装甲車、そして2台のバス、最後尾にも装甲車。
どれも日本で見るものだ。
見た瞬間、助けが来たのを実感したよ。
みんなもそうだよね。
車両の周囲ではゴーレムが周囲を警戒している。
一団は結界を壊すことなく潜り抜け、宿舎の入り口に到着した。
そして先頭の装甲車から降りてきたのは思った通り見知った人物だった。
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