ソウサクスルカイダン

山口五日

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ポール男

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 近所の一時停止の道路標識がついている白いポールのとある噂について、男子中学生二人は話していた。

 雨の日の夕方。白いポールに身体を密着させて、くるくる回る中年男性がいるという噂。

 彼らは本当にそのような人がいるのかと、面白がって見に行くことにした。

 雨が降った日の放課後、二人はその噂されてるポールへと向かった。

 ポールには確かに誰かが身体を密着させてくるくる回っている。

 本当にいるぞと二人は笑い合っていたが、その人物がはっきり見えるほど近付いて、二人は言葉を失った。

 ポールには確かに中年男性が身体を密着させてくるくる回っている。

 だが、その中年男性は普通じゃなかった。胴体部分の肉を抉りながらポールに身体を食い込ませていたのだ。そして血を撒き散らし、骨や内臓が飛び出した状態でくるくると回っている。

 そこでは昔、雨の降る日の夕方に、大型トラックに中年男性が撥ねられて死亡した交通事故があった。

 そして撥ねられた時点で死亡していたそうだが、撥ね飛ばされた衝撃で、白いポールに身体が食い込んだ。そして、その撥ねられた勢いでしばらくくるくるとポールを軸に、彼の身体は回っていたという。 
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