自称平凡少年の異世界学園生活

木島綾太

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【七ノ章】日輪が示す道の先に

第一六五話 装備づくり、のちに侘び入れ

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 大霊桜だいれいおう観光の際に語られた、日輪の国アマテラス、ひいてはシノノメ家に遺恨を残した悲しき過去。
 オキナさんもカグヤも悲痛な思いを胸に抱え、それでもシノノメ家としての立場と日輪の国アマテラスの為にツラい記憶と向き合い、歩き続けている。精神の強い二人だ。

 加えて大神災おおかみのわざわいによる死刻病しこくびょうの影響から、祭事は年を置いて自粛していたというではないか。
 近年になって頻度を上げ、今年は四季家の順番を一周した上で節目の年……四季家が祭事に向ける気合いの強さ、方向性をヒシヒシと感じる。

 そんな人たちがアカツキ荘の為にと協力の姿勢を示してくれた。万全を尽くさねば無作法というもの。
 ひとしきりフヅキの寺社を見て回り、警備で重要な箇所の確認も済ませて。
 ホフミさん、フミヒラさんと別れてシノノメ家の屋敷に帰り、現状で出来る準備について考える。
 立地上の立ち回り、注意すべき場所、アカツキ荘の連携。
 どれも重要で大切……しかし何か、何か一押しが足りない……そうだ!

「全力で警備に当たれる最後の一手だ。皆が要望で出してくれた装備を作ってくるよ!」
「お前ただ鍛冶がしたいだけだろ。ウッキウキじゃねぇか」
「一人で放置してたら抑えが効かなそうだからついていくぞ」
「私は冒険者ギルドと分校へ依頼という形で申請できるように、オキナさんと書類をまとめておきます」
「では、私たちでクロトさんの作業を止められるように、監視として共用鍛冶場に行ってきます」
「やり過ぎたらユキが羽交い絞めにして持ってくるよ!」
「連れてくるじゃないの? 俺のこと物扱い?」

 アカツキ荘に共通する悲しい認識によって。
 学生組の全員に見張られながら鍛冶をおこなうことが確定してしまった。どうして……

 ◆◇◆◇◆

 部屋から持ってきた荷物と素材を背に、目指すは以前に地図で場所を確認していた共用の鍛冶場。
 冒険者や職人、物資を運搬するギルド職員など。種族を問わず散見され始めた街道を進み、見えてきたのは平べったい壺か、タジン鍋のような外見の建物。
 天辺に空いた煙突や噴出孔を分散させた箇所から、火花混じりの黒煙を噴き出す巨大建造物こそが共用鍛冶施設“カナウチ”だ。

 どうも“焔山ほむらやま”に似せて建てられているようで、屋根には雲や岩肌をイメージした塗装が施されていた。
 物資搬出用とは別の出入り口にいた受付職員に利用規約や使用上の注意、利用料を支払って中に入る。
 そうして俺たちを出迎えたのは──視界を照らす巨大炉と、鼓膜を震わせる金属音。何よりも強烈な、全身を突き抜ける熱風だった。

「「「あっづぅ……」」」

 周囲を見ると窓や扉を開放して換気されているようだが、すぐにじわっと汗が浮き出てきた。
 思わずぼやいた声がエリック、セリスと重なる。想像以上の熱量だ、これじゃまるでサウナだな……

「凄まじい熱気ですね。ユキ、平気ですか?」
「まほーで身体を冷やしてるから暑くないよ!」
「納涼祭の時も同じことしてたな……火属性の俺じゃできねぇマネだ」
「水の性質変化、苦手なんだよなぁ。どうにかならんかね?」
「身体の表面、皮膚を水の膜でコーティングしたらいいんじゃない? 薄く伸ばした水の層をのりで張り付けるみたいに、エンチャントの要領で」
「なるほど、その手があったか!」
「私も舞踊剣術の応用で身体を冷やせますが、限度がありますからね」
「純粋にキツいの俺とクロトだけかよ……」
「アカツキ荘の地下工房で慣れてるから別にどうってことないけど。施設の外に水飲み場があるみたいだし、水筒も持ってきたからちゃんと水分補給しなよ?」
「肝に銘じておくわ……」

 雑談しつつも割り当てられた作業場に到達。
 中央巨大炉の近場であり、一通りの鍛冶道具が壁に掛けられている。炉から金床、研磨機、鋳造の型取り器。作業用の大きな机と設備が並び、その上に持ってきた荷物を広げた。
 親方から譲り受けた愛用の金槌。火の粉や鉄片の跳ねから身体と目を防護する着流し、ゴーグル。
 ギルド直通の販売所から購入した上質な素材たち、各人の要望を元にエリックと協議し、形にした設計図の束。
 そして極めつけに……アカツキ荘から持ち込んできた錬金壺。

「今更だが、錬金壺って鍛冶仕事に使うのかい? 基本的に熱した鉱石を打って叩いて成形していくんだし、必要ないだろう?」
「本職の人はともかく、俺は鍛冶と錬金術、ルーン文字の付与を活用して作業速度を上げてるからね。使える技術を使わないと、三人分のオーダーメイドを半日で完成させられないよ」
「まあ、至言だな。内容はトンチキだが……ん? なんだこれ?」

 首を傾げるセリスの疑問に、ユキの足回りを採寸しながら答える。
 カグヤにも手伝ってもらいながらユキ専用脛当すねあてのサイズを計算していると、作業場を眺めていたエリックが声を上げた。

「どうしたの?」
「いや、この作業場、つーか炉の方にもあるんだが……なんか紙の札? みてぇなのが貼ってあってな。ルーン文字と似た言葉っぽいのが書かれてんだが、こいつは……」
「ああ、それは呪符じゅふというものです」
「呪符?」

 続けてカグヤの前腕部に定規、メジャーを用いてはかりながら聞き慣れない単語に問い返す。

「迷宮内の罠で見られる症状、状態異常などを意図的に引き出し、操り、自身の武器とする呪符師じゅふしが作り出した物です。ニルヴァーナや魔科の国グリモワールで言うところの《カースメイカー》というクラスに属します」
「カグヤの《サムライ》みたいな感じで名前が違うのか……というか、ルーン文字の付与と何が違うんだい?」
「ルーン文字は個人の能力や道具の性質に手を加えることが出来ますが、呪符は能力の抑制に行動阻害、それこそ迷宮の状態異常を誘発させる事に秀でているんです」
「ほほん、デバフとバステ特化なのね」

 カグヤの説明に納得しつつ、次いでセリスの要求している十字槍の構成を改めて考える。
 最近になって筋力が付いてきたって自慢してたから、少し重めの金属製にしようか。搦め手にも使えて、振り下ろせば重量でも押し切れそうな感じで。御旗みはた槍斧そうふに近い方が扱いやすいだろうし。

「炉や作業場に貼ってある呪符は……必要以上に温度が上昇しないように制限を掛けているようですね。恐らく、他の作業場も同じ符が貼ってあるのでしょう」
「作業する人の保護を目的としてるってことか。ってか、呪符が無ければもっとあっちぃのか、ここ……」
「炉、おっきいもんね」
「当たり前っちゃ当たり前か。んで、次の工程はどうするんだ?」
「ん? 炉の熱量を利用して錬金釜に素材を全部入れてルーン文字で合成して成形する」
「なんて?」

 いぶかしげなエリックの目線を背後に錬金釜へ素材を全投入。
 次に皆へ離れておくように伝えて、ゴーグルを掛けたら炉に向き合う。刻筆を取り出し、筆先で文字を描く。
 そして踊るような炎の熱を取り出し、錬金釜へ流し込む。音を立てて素材が溶け、熱と錬金壺に刻まれたルーン文字によって撹拌かくはんされ、形を変えていく。
 不純物は焼かれ、体積は減り、粘性の高い黄金色の合成加工用液体ヴァリアブル精製金属インゴットが姿を現した。

「こちら、俺が独自に開発した新素材となります。これはもう熱を持たない金属質の液体で、水飴みたいな感じで自分の手でこねくり回して武具を作れる優れモノなのです」
「…………あー、つまり、なんだ。自分の思い描いた武具を作れるってことか」
「原理とかはぶいて簡単に言えばその通り。魔力を込めてこねると柔らかさを変えれるし、細かい調整やエンチャントは後でも出来るから、まずはこれでユキの脛当てとカグヤの籠手、セリスの十字槍を作るよ」
「めっちゃ面白そうじゃん……!」
「ねっねっ! 早くやってみよ!?」
「そこはかとなく忌避感がありますが……何事も度胸ですね。頑張ります!」

 続々と錬金釜に手を入れてすくい出した液体ヴァリアブル精製金属インゴットをこねていく。
 確かな重量感と肌に貼りつくでもない感触。
 食べられない異質なパン種に八面相しながらも、図画工作に精を出す小学生のように夢中なまま武具を作っていく。
 ユキの脛当ては見た目を具足に近づけて、厚みを持たせた上で無骨に。
 カグヤの籠手は何度も折り曲げたインゴット平たく伸ばし、層を持つ構造に。
 セリスの槍は鋳造の型取り器を利用して大まかな形に固定し、金床に乗せて穂先を鋭利に叩いていく。
 エリックの補助もあって、作業開始から一時間ちょっとで三人分のオーダーメイド品が完成した。

「後は最後に、液体化させてるルーン文字を消して……少し待てば色が変化して、黄金色の部分が無くなればそのまま固着されるから、あとは待機しとこう」
「しかし、いっつも鉱石を叩いてる姿しか見てなかったから驚いたねぇ……こんな加工品を発明してたとは」
「今回は時間をかけれねぇから、時短目的で液体ヴァリアブル精製金属インゴットを使っただけなんだろ?」
「そうだね。言い換えれば型を取る必要のない鋳造品を作る用途の物だけど、量産される武具より色んな素材が混ざってるから強度や耐久性はバッチリあるよ」
「なかなか刺激的で楽しい時間でした……!」
「料理づくりみたいだったね!」

 乗り気でなかったカグヤも作っていく内に表情が明るくなり、満足そうに頷いた。
 打ち明けてくれたのは嬉しいけど、死刻病しこくびょうに関して仄暗い気持ちや恐怖を抱いてたからね。程よく薄れたみたいで何よりだ。

「しっかし、熱中し過ぎて喉が渇いちまったよ……ちょいと水を飲んでこようかね」
「水筒も空だしな、俺も行くわ。クロトはどうする?」
「作成した武具を経過観察して“刻筆”で付与作業しなくちゃいけないから、この場を離れられない」
「でしたら私たちで水を汲んできます」
「待っててね、にぃに!」

 作業場からぞろぞろと出ていった四人を見送って、鈍色の金属光沢を放ちつつある武具に筆を走らせる。
 耐久性、軽量化、鋭利化……後は湿気とか熱伝導対策にカグヤとユキの物には緩衝材、革、ベルトと留め具で縫い付けていけば完了である。

「おい」

 セリスの槍も革を巻いていけばいいか、と。諸々の道具を手元に置いて取り掛かっていたら、作業場の入り口から聞き覚えのある声がした。
 顔を向ければ、そこに立っていたのはコクウ家の娘、マチさんだ。なんでここにいるんだ……?

「こんにちは。午前中ぶりですねぇ、どうかしました?」
「貴殿が連れた幼子に愛用の武具を破壊されたのでな。“カナウチ”に修繕を依頼しに来たところ、貴殿の仲間を見かけた」
「そこから居場所を特定して覗き見に来た、と。良い趣味してますね」
「妙な勘繰りはよせ。ただ……時季じき御殿ごてんでの無礼を、謝罪しに来ただけだ」

 外套の上から、ユキに殴られた箇所を撫でるマチさんは殊勝な態度を見せた。

「意外ですね。コクウ家のことですから、話し合いする気なんて毛頭無いと思ってましたよ」
「父が潔癖症なのでな。奴の前ではそういう態度を取らざるを得なかったんだ。……こうは言っても、貴殿が敵意を隠さない理由も理解できる。本当にすまなかった」
「そうですか。まあ、謝罪は受け取っておきますよ。一応、あとで周知されると思いますが大霊桜だいれいおう・神器展覧の祭事に関してはフヅキ家の方と行動するので、安心してください」
「教えていただき感謝する。では、またな」

 必要なやり取りだけを交わして、マチさんは去っていった。
 互いに歩み寄るにはファーストコンタクトが最悪過ぎたせいで、そっけない態度を取ってしまった……しかしシュカさんと比べたら理性的で、話が通じる人らしい。
 予想外な発見を得られたな……作業場に戻ってきたアカツキ荘の皆と水を飲みながら、マチさんとの出会いを話して。
 納得の出来栄えとなった武具類と片付けた道具を抱えて。
 俺たちは“カナウチ”から出た涼しい外気に心地良さを感じながら、シノノメ家へ帰宅するのだった。
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