【本編完結】絶対零度の王子様をうっかり溶かしちゃってた件。

Shizukuru

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第2章☆今世の過去編

2.青い瞳の王子様

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side サフィア・ヴァーミリオン


「王子殿下です!第2王子殿下が無事に誕生されました!!」

王宮に歓声が湧き上がり、喜びに包まれる。


王宮内で陛下の執務補佐にあたっていたジェイスが、安堵の表情を見せる。
「無事にお生まれになったのだな。これで、陛下も安心してをこなしてくれるだろう。」

いくら、女神の恩恵を与えられても、男が出産するのだ、女性達よりも難産になりやすい。

そのため、夫夫の場合は、子を1人だけしか望まない者が多い。特に父側は。

恩恵──を与えられると言う事はそれだけ愛情が深いのだから。
伴侶を失いたくないのだ。

「ジェイス、そんな事をいっていいの?」

まだ、膨らみきってはいない自身の腹をさすりながら、ジト目で最愛の人を見つめる。

「すぐに、王妃の所や、アルバート殿下の所でサボるから皺寄せが来るんだよ。そのせいで、サフィアだって2人目妊娠中に手伝わされている。」
書類を重要度の高い順に振り分けながら、話しかけてくる。

うんうん。仕事の手を止めない所は流石だな。

「でもさ。ちょっとは、動いたほうが安産なんだって王宮医も言ってただろう?安定期に入ってるし、産月までまだ2か月は先だ。大丈夫だよ。」

レオンは、アルバート殿下と遊ばせている方が気持ち的にも楽なのだ。護衛も巻き込んで楽しんでいるはずだし。可愛いけど、一日中育児って言うのが毎日だと疲弊してしまうんだよね。

明日か明後日にでも、第2王子殿下に会わせてもらおう。なんて思っていた。

前陛下は、すでに離宮に移っているのだ。陛下の歳の離れた弟であるハリス王子が10の歳まで公務を続けていた。
産後度々体調をくずす王妃の為に、王位を予定より早めて継承させた。

若くして、国王陛下になってしまったエドワード陛下が息抜きしたいのも仕方ないだろう。それに出産なのだから最愛を見護るのも当たり前だ。

外が騒がしくなってドアのノック音も激しい。

「た、大変です。至急、サフィア様とジェイス様を呼んでくるようにと陛下のご命令です。」

何かあったんだ。王子の命に関わる事か?

「ジェイス、手をかせ。」
ジェイスの手を握り、陛下の顔を思い浮かべる。
「妊娠してるのに、転移は駄目だ。サフィア!」



転移を使って、移動した先には、産まれたばかりの王子を抱きしめて泣いている王妃。
その横で肩を抱き寄せている陛下。


「お子様に何かあったのですか?」

「瞳が、青なんだ。」


王家の男子は、金髪翠眼…みどりの瞳が生まれると言われている。エメラルドの瞳と称される美しい瞳。

「私は!私は!不貞などしていません。疑っておいでなのですか!」

出産後の身体に負担がかかり過ぎる。
「まずは、休んで下さい。」

「嫌だ!私が寝ている間にこの子に何かするつもりだろう!」

「何故?第2王子に何かしたら、私達の首が飛びますよ。」

「だ…って。皆、不貞したのではと。」

「エドワード陛下は、金髪翠眼です。アルバート殿下も。王弟のハリス様も。
ですが、ノエル・ガルシア王妃は、青の瞳です。

ノエル様の血が濃かったのでは?

きっと例外もありますよ?

きっと、3人、4人、5人産んだら、色の違う子だって生まれるのでは?

王家が特別と思っていただけで、試すには、男の身体ではそんなに産めないから。」

ノエル様の前に傅く。

「──女神の恩恵は、真に愛し合う2人に与えられる。
きっと、意味があるのです。お2人のお子として生まれてきた。
疑ってなど、いません。」

ノエル様が涙を流しながら、王子を抱きしめる。


ホッとしたのも束の間、急激な腹痛。

思わず、手を床についた。


「サフィア?」
ジェイスの声が聞こえる。


不味い、転移でかなり魔力が持っていかれた。ただでさえ、妊娠中は魔力を取られて不安定になるのに。

「く、」
目が回る。視界はぼやけて、嫌な汗が流れる。


「──ジェイ、ス。
頼む。この子だけでも助け…て。」

「サフィア!」
ジェイス、お願い。この子を助けて。心音が弱くなっている。このままじゃ、駄目だ。


「まさか、陣痛?そんな、まだ早すぎる。」

「陛下…申し訳ありま、せん。」動く事が出来ない。

「え?エドワード、この子…それに、これは魔力?」

王子の魔力が膨れ上がる。
呼ばれている?
誰が?

お腹の…子?

「ノエ、ル王妃様…王子を、抱かせてください…」

それを察したノエル様が王子を抱かせようと側に寄る。

ジェイスが背中側から支えてくれている。王子を抱き寄せると魔力が溢れ出て包み込まれる。

陣痛は、止められそうにない。
だけど、弱っていた心音が力強く
その魔力に応える。

「王妃さま、王子は…我が子を助けて下さるようです。」

痛みの波が押し寄せては引く。その感覚が短くなっていく。意識を保てそうにない。
「ジェイ、ス。もしも、の時は。お願い──」

「サフィア!!しっかりしろ!」
そのまま、意識を手離した。



青い瞳の王子は、この子の為に存在するのではないか?その魔力がさらに溢れていく。

ああ、この子は、きっと助かる。



















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