【本編完結】イケメンの皆様、主人公はあちらですよ。

第1章 思い出した！

5

攻略対象
ブルックス王国第1王子

レグルス・ブルックス
金髪・ブルーの瞳。
サファイアブルーって言われる宝石眼だ。

こんな辺境に王子様が来た理由は───


そうだ、王城で呪いを受けたんだ。結構解呪が大変だとかで、フォレスト辺境伯領にある精霊の森に解呪を試しにきたんだ。
呪いが強すぎて弱める程度にしか出来なくて、学園に入学した頃はやさぐれてたんだっけ。

学園に入学した後のイベントで──主人公のスピカが、癒しの力で解呪して急接近するんだった。





流星群 Meteor Shower ～天からのギフト～

星の名前を持つ攻略対象と接触し、恋愛を成就する。とても王道な学園ものの話。

15になる年から３年間通う王立学園が舞台。

主人公スピカも星の名前で天真爛漫でみんなを癒す役割だ。
悪役──？誰かいたような？名前が思い出せない。

攻略対象は──

☆王子レグルス
☆宰相の息子カストル
☆騎士団長の息子ソレイユ
☆魔術師団長の息子シリウス
☆ 隣国の第2王子アルファルド

この5人……だったよね？
誰か抜けてる？

あってると思うんだけどな……？

それぞれ個性的でかっこいいんだ。ゲームじゃなくて小説だから、メインルートは王子様。
たしか、レグルス様はキス魔だったよね？まだお子様だからいつからそうなったんだろう？

だけど、後半はIfストーリーが書かれていた。
ルート別の結末があってスピカは誰とカップルになっても幸せになれたはず。

学園行事とか、イベント発生で危ない事もあるけど、それをメインカップルと他の攻略対象がサポートして乗り越えて行くんだよね。

想像の世界が、現実になった。
肉体に起こる痛みも心の傷も現実だ。

だったら怪我をする事を知っていて黙っているのは、何となく嫌だな。


怪我とか、痛い思いをさせたくない。邪魔しないように手伝えないかな？実技のイベントで起きる事故の怪我は結構流血したはず。

血は本当に嫌い。

その前に、小さな手助けをして、もし本当に強制力で何か起きるのか確認した方が良いよね？

とにかく、邪魔にならず近くにいれたらいいんだけれど。





前世の僕は、女の人が苦手だった。だから男の人の方が安心できたんだ。
でも同性へ、そんな気持ちを持つなんて、気持ち悪く思われそうで怖かった。クラスメイトに必要以上に関わらないようにした。
これ以上嫌われないように、目立たないように生きて来たんだ。

高校生になった時、性的な興味が出てきた。
勇気を出してとても人気だと言うBLの本を 初めて買った。
誰にも見つからないように、こっそり部屋で読んでた。

僕は所謂、腐男子だった。
リアルで恋愛する勇気も自信もなくて。
だから、想像の中だけが幸せの場所だったんだ。
高校生までしか分からない。ここで終わったんだろうな。


今の僕は、この世界で7年生きている事になる。
ここが、ルナぼくの生きて行く世界。

それなら学園に通うまでに、魔術をしっかり習いたい。
勉強も頑張って知識を沢山詰め込もう。うちの魔術騎士は、気配を消すのが上手だからそれも教わろう。


同性同士で堂々と自由に恋愛出来て、誰もそれを否定しない。

憧れの人達と同じ時間を過ごせる上に、幸せになるお手伝いが出来たら──最高。




レグルス殿下の解呪が少しでも早く出来るようにお手伝いしたい。
ストーリーの所々が思い出せないのは、きっとモブだからだね。

思い出したらなるべくメモしておこう。学園が始まるまでに対策を考えなきゃね。

それに攻略対象の人達って殿下を始め上位貴族だったから、ちゃんと交流出来たら、お父様達の役に立つかな？ちょっと打算的で卑怯かな。

それでも、僕の存在を認めてくれたらいいな。


早く熱が下がって欲しいな。
いっぱい準備しなきゃ！

みんなの役に立つように頑張るから。

ここにいてもいいですか？