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第6章 学園編☆1年生
1初登校
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入学式とその翌日も休んでしまった。
とても、気まずい。
担任は、クロス・アルデバラン先生だ。名前が長いからクロスでいいよって言われてドキドキしている。
そんなの呼べるわけないです。無理です。これ以上目立ちたくないです。
休んだ分の説明は、レグルス様が丁寧に教えてくれた。まだ本格的な授業が無かったので一安心。
S.1.2.3の4クラス×3学年。寮は3つ程あって学年別。上級生が下位貴族や平民特待生に絡んだりさせない為の配慮みたい。
今年レグルス様が入寮される事で貴賓エリアは増設されたのだ。3年間同じ寮で過ごし卒業後次の新入生が入寮してくる。だから、この寮は、シリウス様とダレン兄様のいた寮になる。
学園へは邸から通うのも全く問題ない。全寮制ではないから。それなのに、レグルス様が態々入寮したのは、将来自由の利かなくなる身を学生時代だけでもと、陛下の後押しもあったから。
お父様曰く陛下は、昔はよく王城を抜け出してたらしい。
殿下の弟や隣国の高位貴族の入寮も今後見込んでいるので、増設には不満は出てないみたい。
いつもは通学するであろう高位貴族も数名入寮している。もしかしたら、途中退寮する可能性もあるけれど……殿下と近づきたいのはヒシヒシと感じている。
だって、なんでお前みたいなのが!って視線を感じるから。ただフォレスト家と聞くと納得してもらえるらしい有り難い。
本当に父上や兄様のおかげ。
クラスメートには、スピカ!他のみんなもSクラスだ。成績、魔力量、魔術の技術面などを考慮されている特別クラス。僕は、ギリギリ1クラスと思っていたから本当に驚いた。
Sクラスに僕が入れたのは、きっと加護を付けてくれた精霊達のおかげだと思う。これで、攻略対象者とスピカの恋を目撃できるかな?
それにしても勉強は殿下達についていけるか不安。こればっかりは、しっかり頑張ってお兄様達に恥じない様にしよう。将来文官を目指すんだから。
入学式のイベントは……無かったよね?代わりのイベントが起きるといいな。
天候はどうしようもないけど、スピカどうしたんだろう?誰かと出会えた?
僕、あの時レグルス様が来てくれて嬉しかったけど……喜んじゃダメだった。
熱が出ると誰かに側にいて欲しくなるし、雷は怖いままなんて、少しの雷なら防音の魔術をすぐ使えるようにならなきゃ。いつまで経っても1人立ち出来ないなんて駄目だ。
邪魔にならないように気をつけよう。
そう思うのに。ものすごく、すご~く、目立つ集団。視線が痛い。
だって、金髪の殿下。銀髪のシス兄様。紺色のカストル様に赤髪のソレイユ様。さすが、小説仕様……
いやでも目立つよ。皆背が高い集団だから余計に目立つ、チビモブの僕。本当に引き立て役だなって思う。ごめんさい。きっと、他のクラスメートだって僕じゃ納得しないよね。
教室に入って席に案内される。
教室は階段状になっていて前の生徒の頭で前が見えないなんて事が起きない。
先生から丸見えだ。逆に後ろからは、生徒の不審な動きも丸見えになる。
だから窓際の1番後ろの席がレグルス様。
護衛のシス兄様が斜め後ろに立つ。
何故か、レグルス様の横が僕。
前にカストル様。その横はソレイユ様でガッチリと殿下を護っている。
肝心のスピカは?あ、今教室に入って来た。こちらを見て頭を下げて──可愛い。
こっちに歩いて来るかと思ったら、すぐ席につく。
「えっなんで?」
対角線で1番前の入り口側に誰かクラスメートと並んで座る。ピンク色の綺麗な髪をサイドに纏めている。後ろ姿でもキラキラのエフェクトがかかって見える。
でも、スピカと殿下って隣同士じゃ無かった??
確かに後ろの方が警護しやすい気がする。それでも授業が始まる前とか、スピカに話しかけられる場面も多かった気がするけど。
学園が始まって3日目だし、イベントが起きなかったならスピカからは近寄れないのかもしれない。
それに護衛ってそうだよね。
見た目モブでも、僕も護衛の1人だもの側につくのは当たり前。足元にフェル様用の籠まであるよ。
僕の立場で、殿下にスピカと仲良くなれって言えない。そんな事したら、他の人達も紹介しろって言って来るはず……それは駄目だ。
軽率な発言に気をつけながら、2人の交流を促して仲良くなるキッカケ何かないかな?
たぶん、じっとスピカを見つめていたんだろう。
振り返ったカストル様が僕を見た。
「気になる奴でもいるの?」
そう聞いてきた。
とても、気まずい。
担任は、クロス・アルデバラン先生だ。名前が長いからクロスでいいよって言われてドキドキしている。
そんなの呼べるわけないです。無理です。これ以上目立ちたくないです。
休んだ分の説明は、レグルス様が丁寧に教えてくれた。まだ本格的な授業が無かったので一安心。
S.1.2.3の4クラス×3学年。寮は3つ程あって学年別。上級生が下位貴族や平民特待生に絡んだりさせない為の配慮みたい。
今年レグルス様が入寮される事で貴賓エリアは増設されたのだ。3年間同じ寮で過ごし卒業後次の新入生が入寮してくる。だから、この寮は、シリウス様とダレン兄様のいた寮になる。
学園へは邸から通うのも全く問題ない。全寮制ではないから。それなのに、レグルス様が態々入寮したのは、将来自由の利かなくなる身を学生時代だけでもと、陛下の後押しもあったから。
お父様曰く陛下は、昔はよく王城を抜け出してたらしい。
殿下の弟や隣国の高位貴族の入寮も今後見込んでいるので、増設には不満は出てないみたい。
いつもは通学するであろう高位貴族も数名入寮している。もしかしたら、途中退寮する可能性もあるけれど……殿下と近づきたいのはヒシヒシと感じている。
だって、なんでお前みたいなのが!って視線を感じるから。ただフォレスト家と聞くと納得してもらえるらしい有り難い。
本当に父上や兄様のおかげ。
クラスメートには、スピカ!他のみんなもSクラスだ。成績、魔力量、魔術の技術面などを考慮されている特別クラス。僕は、ギリギリ1クラスと思っていたから本当に驚いた。
Sクラスに僕が入れたのは、きっと加護を付けてくれた精霊達のおかげだと思う。これで、攻略対象者とスピカの恋を目撃できるかな?
それにしても勉強は殿下達についていけるか不安。こればっかりは、しっかり頑張ってお兄様達に恥じない様にしよう。将来文官を目指すんだから。
入学式のイベントは……無かったよね?代わりのイベントが起きるといいな。
天候はどうしようもないけど、スピカどうしたんだろう?誰かと出会えた?
僕、あの時レグルス様が来てくれて嬉しかったけど……喜んじゃダメだった。
熱が出ると誰かに側にいて欲しくなるし、雷は怖いままなんて、少しの雷なら防音の魔術をすぐ使えるようにならなきゃ。いつまで経っても1人立ち出来ないなんて駄目だ。
邪魔にならないように気をつけよう。
そう思うのに。ものすごく、すご~く、目立つ集団。視線が痛い。
だって、金髪の殿下。銀髪のシス兄様。紺色のカストル様に赤髪のソレイユ様。さすが、小説仕様……
いやでも目立つよ。皆背が高い集団だから余計に目立つ、チビモブの僕。本当に引き立て役だなって思う。ごめんさい。きっと、他のクラスメートだって僕じゃ納得しないよね。
教室に入って席に案内される。
教室は階段状になっていて前の生徒の頭で前が見えないなんて事が起きない。
先生から丸見えだ。逆に後ろからは、生徒の不審な動きも丸見えになる。
だから窓際の1番後ろの席がレグルス様。
護衛のシス兄様が斜め後ろに立つ。
何故か、レグルス様の横が僕。
前にカストル様。その横はソレイユ様でガッチリと殿下を護っている。
肝心のスピカは?あ、今教室に入って来た。こちらを見て頭を下げて──可愛い。
こっちに歩いて来るかと思ったら、すぐ席につく。
「えっなんで?」
対角線で1番前の入り口側に誰かクラスメートと並んで座る。ピンク色の綺麗な髪をサイドに纏めている。後ろ姿でもキラキラのエフェクトがかかって見える。
でも、スピカと殿下って隣同士じゃ無かった??
確かに後ろの方が警護しやすい気がする。それでも授業が始まる前とか、スピカに話しかけられる場面も多かった気がするけど。
学園が始まって3日目だし、イベントが起きなかったならスピカからは近寄れないのかもしれない。
それに護衛ってそうだよね。
見た目モブでも、僕も護衛の1人だもの側につくのは当たり前。足元にフェル様用の籠まであるよ。
僕の立場で、殿下にスピカと仲良くなれって言えない。そんな事したら、他の人達も紹介しろって言って来るはず……それは駄目だ。
軽率な発言に気をつけながら、2人の交流を促して仲良くなるキッカケ何かないかな?
たぶん、じっとスピカを見つめていたんだろう。
振り返ったカストル様が僕を見た。
「気になる奴でもいるの?」
そう聞いてきた。
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