【本編完結】イケメンの皆様、主人公はあちらですよ。

Shizukuru

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その後のetc…

If クロスと猫とくじ引きと②

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人は簡単に死んでしまう。
あの子は、まだ若かった。ずいぶんと綺麗な魂をしていた。
なら、やり直しの機会を貰った場合に幸せになる確率は他の者よりきっといいはずだ。

「間接的とはいえ、うちの猫を助けたせいで事故に巻き込まれた様なものだ。そこは加味してやるべきだ」
落ち着かない。誰かに任せていいものか?なら、どうする?

傷付けられてきたのだろう。君の好きな世界へ生まれ変われるように導いてやりたい。

扉のナビゲーターに、頼むか?いや……待て、俺がナビゲーターになればいいんじゃないか?そうだ。俺は冥王に散々貸しがある。あの子が幸せになるのを見届けるまでの時間くらい自由をもらっても、いいだろう?
だが、きっと条件をつけてくるだろうな。
まあ、クリア出来そうだが……嫌がるだろうな。

「ニャーニャニャ♪♪♪」すりすりと足元に寄ってくる。
「──お前もそう思うだろ?なんせ、お前の命の恩人なんだ。ナビゲーターになるなら、結構な時間がかかってしまうな。貸しがあるとは言え、俺の身代わりがいる」

視線の先のあいぼうの尻尾がピンっと立った。

危険を察知したのか、ソロリソロリと距離をとり始める。ガシッと、首根っこを捕まえた。
「逃がさないよ。ほら、身代わり出さないとアイツ煩いだろ?」
魔力を渡すと、人型になる。

「いやー、冥王きらいー!」ジタバタと暴れ始めた。
──だろうな。メルは冥王のお気に入りだ。

メルが行くのが、1番いいんだよ。しやすいし。お前を助けた子の転生先も見届けたい。それとも、恩を仇で返すのか?」

「そ、それは、やだ。あの子がいなかったら…取り込まれてた」

黒霧は、禍々しくて相当やばい物にしかみえなかった。

「あれは、禍々しいものの塊に見えたな。人間界は、魔力が弱まるから……あれが異界に逃げている可能性もあるし。とりあえず、消えたが……消滅したかどうか確認取れてないままと言うのも嫌な感じがする。
あの子の魂が狙わるかも知れない。守る意味でも様子をみたいんだ。長くなる時は、色々任せたいし」

「ええ~?一緒に行きたいですぅ」
前髪が長くて目が隠れている。後は肩より長く伸びていて、黒髪はボサボサだ。
本当にお前はもう少しきちんとしろ。

「メル。冥王は、お前の金目が好きなんだぞ?ほら」
ポンと、頭を触るとサラサラの髪になる。前髪をサイドに分けておでこを出させるとクリクリの金目が見えた。

「うー。だって、すぐ耳を触ろうとするし……可愛い可愛いってきもっ」

いかついくせに可愛いものが好きだからな、あの人。



「お前がヘマしたのもあの子を事故に巻き込む事に繋がったのは否定出来ない。事務的なフォローは頼むな。休みの時は、見に来てもいいから、な?」

ブーブー文句は、言っているが…気にはなっているんだろう。
じっと見ていたら、諦めて頷いた。

「でも絶対、冥王の秘書官とか嫌です!クロス様付きは、辞めませんからね!それに僕だって、あの子のそばが良い!めちゃくちゃ、浄化される感じがしてゴロゴロしたくなったもの」

うっとりとした顔をして、今にものどを鳴らしそうだ。

「とにかく冥王に会いに行き、扉へと急ぐぞ」

すぐに猫の姿に戻り、俺の肩に登って来た。

あの子を早く見つけなければ…あの子にとって、次の世界が優しいものであるように。

出来るなら、そばにいて幸せになるように見届けてあげたい。

あんなのいい理由わけがない。

寂しそうに、見知らぬ俺の手を取ってそのまま逝ってしまった。

自分の命を簡単に投げ出すなんて。出来るなら、俺が護ってやりたいよ。











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