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第1章
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カランカランとドアベルが、扉の開閉と共に室内に響く。店内には体格の良い者、顔や腕に傷のある者、武具を付けたままの者などが賑やかに食事をしている。
いわゆる冒険者と呼ばれる者達だ。
男性の比率が高いが、女性の冒険者もいる。ヒ一ラ一や魔術師、中には男に負けないくらいの腹筋を持ち大剣を持つ傭兵タイプも存在する。
セリオライト王国には、王都から西のウエスタリア領に巨大な地下迷宮がある。様々なクエストを取りまとめるのは、王国に認められた独立した組織の冒険者ギルドだ。
そしてここウエスタリア領は、各国から冒険者が集まる為に交易の中心地のような場所になっている。
冒険者ギルドに隣接した食事処が、うさぎ亭だ。元S級冒険者夫婦が経営していることもあり、地下迷宮での前知識や魔獣の弱点などを聞きたい者も多く訪れる。
うさぎ亭は、昼の日替わりメニューなどボリュームの多さ味の良さに定評がある。そして夕方からは酒場になるなど至れり尽くせりだ。
メンバー探しや情報共有、出会いの場にもなっている。そして、なによりも美しい看板娘が優しく接客してくれるのだ。
オ一ナ一のベルグ・ベルモンドは、185cmの長身で茶色の短髪の整った顔の男だ。
瞳は薄青で光の加減で灰色に見える珍しい色の為にどこかで異国の血が混ざっているんだろうと本人も言っていた。
その娘が何よりも美しい青い瞳をしているのは、ベルグに混ざっている異国の血のせいかもしれない。「娘は先祖帰りかもな」ベルグの口ぐせだ。
青系の瞳はいないわけでは無いが、色味がとても珍しいからだ。
ここセリオライト王国は、金髪系が王家や上位貴族にいるくらいでほとんどの国民は濃淡はあるが茶系の髪・緑系の瞳だ。
他国においても濃淡違いで茶系から金髪系が多く僅かに青い瞳がいる。
珍しいと言えば、唯一東方の小国に黒髪黒目の民族が住んでいるそうだがあまり活発に諸外国と交流をしないらしい。
そのために見かける事がほとんどないのだ。だが、彼らは生きてこの世界に存在している。独特の食文化により僅かながら貿易を行っているのだ。
だが、その昔───
それよりもめずらしい色を持つ王家の者達が、その昔大陸にも存在したらしい。
約300年程昔、大陸で最大の栄華を誇ったエーベルハルト王国。
美しき賢王が消息不明となり、瞬く間に王国が滅んでしまったと、歴史書に書かれている。
王族が独特の紫銀糸の髪を持っていた。
月を思わせるような淡い銀と紫が溶け合った妖精のような紫銀糸の髪。そして青い宝石のような瞳だったと記録が残っている。
ただ滅んだ詳細については、詳しくは分からないのだ。
その部分だけ何も書かれていない。
賢王の消息は分からないままだったとか。滅んだ理由も噂話ばかりで、どれが本当なのか皆推測でしかない。
魔獣が召喚されたとか、魔王が降臨したとか、神がその血を欲しがり生贄にしたなど物語のように語られるだけで真実を確かめる術はない。
ただ、美しすぎる彼らの、その血を欲する者は破滅する。決して関わるなと。
最後のページに書かれていた。
いわゆる冒険者と呼ばれる者達だ。
男性の比率が高いが、女性の冒険者もいる。ヒ一ラ一や魔術師、中には男に負けないくらいの腹筋を持ち大剣を持つ傭兵タイプも存在する。
セリオライト王国には、王都から西のウエスタリア領に巨大な地下迷宮がある。様々なクエストを取りまとめるのは、王国に認められた独立した組織の冒険者ギルドだ。
そしてここウエスタリア領は、各国から冒険者が集まる為に交易の中心地のような場所になっている。
冒険者ギルドに隣接した食事処が、うさぎ亭だ。元S級冒険者夫婦が経営していることもあり、地下迷宮での前知識や魔獣の弱点などを聞きたい者も多く訪れる。
うさぎ亭は、昼の日替わりメニューなどボリュームの多さ味の良さに定評がある。そして夕方からは酒場になるなど至れり尽くせりだ。
メンバー探しや情報共有、出会いの場にもなっている。そして、なによりも美しい看板娘が優しく接客してくれるのだ。
オ一ナ一のベルグ・ベルモンドは、185cmの長身で茶色の短髪の整った顔の男だ。
瞳は薄青で光の加減で灰色に見える珍しい色の為にどこかで異国の血が混ざっているんだろうと本人も言っていた。
その娘が何よりも美しい青い瞳をしているのは、ベルグに混ざっている異国の血のせいかもしれない。「娘は先祖帰りかもな」ベルグの口ぐせだ。
青系の瞳はいないわけでは無いが、色味がとても珍しいからだ。
ここセリオライト王国は、金髪系が王家や上位貴族にいるくらいでほとんどの国民は濃淡はあるが茶系の髪・緑系の瞳だ。
他国においても濃淡違いで茶系から金髪系が多く僅かに青い瞳がいる。
珍しいと言えば、唯一東方の小国に黒髪黒目の民族が住んでいるそうだがあまり活発に諸外国と交流をしないらしい。
そのために見かける事がほとんどないのだ。だが、彼らは生きてこの世界に存在している。独特の食文化により僅かながら貿易を行っているのだ。
だが、その昔───
それよりもめずらしい色を持つ王家の者達が、その昔大陸にも存在したらしい。
約300年程昔、大陸で最大の栄華を誇ったエーベルハルト王国。
美しき賢王が消息不明となり、瞬く間に王国が滅んでしまったと、歴史書に書かれている。
王族が独特の紫銀糸の髪を持っていた。
月を思わせるような淡い銀と紫が溶け合った妖精のような紫銀糸の髪。そして青い宝石のような瞳だったと記録が残っている。
ただ滅んだ詳細については、詳しくは分からないのだ。
その部分だけ何も書かれていない。
賢王の消息は分からないままだったとか。滅んだ理由も噂話ばかりで、どれが本当なのか皆推測でしかない。
魔獣が召喚されたとか、魔王が降臨したとか、神がその血を欲しがり生贄にしたなど物語のように語られるだけで真実を確かめる術はない。
ただ、美しすぎる彼らの、その血を欲する者は破滅する。決して関わるなと。
最後のページに書かれていた。
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