26 / 60
第3章 フラン辺境伯領
10 偽物の恋人
しおりを挟む
ガイア様は、私の事を汚いって思わないのかな?
唯一、褒めてもらってたらしいこの髪の毛だって、くすんだ黒になった。耳も、尻尾も黒い。
多分だけど、私は、白かったと思うんだ。
時々頭の中で、声がする。私の髪色をとても気に入っているみたいで、何度も褒めてくれた言葉が聞こえてくる。
と言っても音としてではなく、イメージとして浮かぶので、どんな声か分からない。
経験してきたこと?分からない記憶が甦っている気がする。
『綺麗だ。お前の白銀……いや月白の髪が、1番美しい。この髪飾りが、きっと誰よりも似合うのは、ユラだよ』
月白……の髪。私の唯一のいい所だった?多分それしか褒めるところがなかったんだ。
知らない所で、何も分からない場所で、優しくしていただいた。
とても、崇高な方で。まるで、ガイア様みたいだ。
────ガイア様は、ちょっと距離感が変だけど、多分……めちゃくちゃ優しい人だと思う。
あの方は、劣等種の私が傍にいること自体がありえないはずだっんだ。
だから、邪魔になって捨てられた?
お似合いの……方が?
駄目だ。よく分からない。
やはり髪飾りを探さないとだめだ。あれを見たら何かもっと分かる気がする。
一緒に探しに行って欲しいとか、望んでもいいのかな?
ガイア様は、実はすごい人のような気がする。お店での扱われ方が違うみたいだった。
それに、本当に綺麗な人。本当に目立つ人。
無表情かと思えば、優しく笑いかけられる。
嬉しいし、耳を触られると恥ずかしいのに心がぽかぽかしてしまう。
変なこともするけど。
は、恥ずかしいだけで、い、嫌では無いもの。
猫耳を隠すのに協力してくれるし、そ、そ、粗相も。こういうの普通だって汚くないって初めて言われたと思う。
ノラ猫のくせにって、匂いが変だってずっと影で言われていたのを思い出した。余所者。ノラ猫。その言葉をずっと言われてた。
汚い自分に胸が苦しくなる。本当に嫌じゃない?臭くないの?
ガイア様は、真っ黒でこんな汚い私の何がいいのだろう?
───猫が、好きって言ってたかも。
猫が好き…動物に嫌われる…って、だから?逃げない私が猫の変わりなのかも知れない。
だから、猫耳とか尻尾が気になるかな?それだけを触りたいだけなのかな?
きっと──私じゃなくても。他の獣人でずっと、綺麗な子きっといるよね?
でもこの世界の獣人は、奴隷にされている。奴隷……を買いたかったりするのかな?
私じゃなくても、お店に売ってるんだ。獣人は、酷い扱いを受けているけど、もしも、ガイア様に買って貰えたら優しく……されちゃうよね。
私じゃなくても、いい。
その言葉に、どうしようもない焦燥感がつのる。
どんどん不安になっていく。ばかだな。恋人の振りだった。
振りなのだからいつか期限が来るんだ。
ガイア様がいなかったら、今頃奴隷だった。
少しでも前情報が分かれば、気が楽になるかな?
いつか、奴隷に堕ちたとしても。
なら……どんなことを、させられるのか知っておくべきなのかもしれない。
体力は自信はない。
でも、素早さなら!ってなんの役に立つか分からない。
性奴隷……ってどんなことするんだろう?
髪飾りを探す事もだけど、奴隷の人達に会ってみたい。
相談しても良いのかな?
ガイア様の仕事もよく分かってないのに。わがまま言ったら嫌われるのかな?
嫌われたくない。
思わずガイア様の服を掴んだ。
振り向いたガイア様が、何故か困った様に笑う。
抱きかかえられる。
この瞬間が好き。すっぽり腕の中に収まるのが好き。
これ以上好きになってはいけない。だって偽物の恋人だから。
そうだよね。私は相応しくない。
ここは、私の世界じゃないから。
でも、姿が変わった私はどこに行けばいいのだろう?
誰かの声がする。
『穢れたお前に戻る場所なんてないんだ。
お前は、奴隷に堕ちてしまえばいいんだ』
目の前が真っ黒になって、何も聞こえなくなったんだ。
唯一、褒めてもらってたらしいこの髪の毛だって、くすんだ黒になった。耳も、尻尾も黒い。
多分だけど、私は、白かったと思うんだ。
時々頭の中で、声がする。私の髪色をとても気に入っているみたいで、何度も褒めてくれた言葉が聞こえてくる。
と言っても音としてではなく、イメージとして浮かぶので、どんな声か分からない。
経験してきたこと?分からない記憶が甦っている気がする。
『綺麗だ。お前の白銀……いや月白の髪が、1番美しい。この髪飾りが、きっと誰よりも似合うのは、ユラだよ』
月白……の髪。私の唯一のいい所だった?多分それしか褒めるところがなかったんだ。
知らない所で、何も分からない場所で、優しくしていただいた。
とても、崇高な方で。まるで、ガイア様みたいだ。
────ガイア様は、ちょっと距離感が変だけど、多分……めちゃくちゃ優しい人だと思う。
あの方は、劣等種の私が傍にいること自体がありえないはずだっんだ。
だから、邪魔になって捨てられた?
お似合いの……方が?
駄目だ。よく分からない。
やはり髪飾りを探さないとだめだ。あれを見たら何かもっと分かる気がする。
一緒に探しに行って欲しいとか、望んでもいいのかな?
ガイア様は、実はすごい人のような気がする。お店での扱われ方が違うみたいだった。
それに、本当に綺麗な人。本当に目立つ人。
無表情かと思えば、優しく笑いかけられる。
嬉しいし、耳を触られると恥ずかしいのに心がぽかぽかしてしまう。
変なこともするけど。
は、恥ずかしいだけで、い、嫌では無いもの。
猫耳を隠すのに協力してくれるし、そ、そ、粗相も。こういうの普通だって汚くないって初めて言われたと思う。
ノラ猫のくせにって、匂いが変だってずっと影で言われていたのを思い出した。余所者。ノラ猫。その言葉をずっと言われてた。
汚い自分に胸が苦しくなる。本当に嫌じゃない?臭くないの?
ガイア様は、真っ黒でこんな汚い私の何がいいのだろう?
───猫が、好きって言ってたかも。
猫が好き…動物に嫌われる…って、だから?逃げない私が猫の変わりなのかも知れない。
だから、猫耳とか尻尾が気になるかな?それだけを触りたいだけなのかな?
きっと──私じゃなくても。他の獣人でずっと、綺麗な子きっといるよね?
でもこの世界の獣人は、奴隷にされている。奴隷……を買いたかったりするのかな?
私じゃなくても、お店に売ってるんだ。獣人は、酷い扱いを受けているけど、もしも、ガイア様に買って貰えたら優しく……されちゃうよね。
私じゃなくても、いい。
その言葉に、どうしようもない焦燥感がつのる。
どんどん不安になっていく。ばかだな。恋人の振りだった。
振りなのだからいつか期限が来るんだ。
ガイア様がいなかったら、今頃奴隷だった。
少しでも前情報が分かれば、気が楽になるかな?
いつか、奴隷に堕ちたとしても。
なら……どんなことを、させられるのか知っておくべきなのかもしれない。
体力は自信はない。
でも、素早さなら!ってなんの役に立つか分からない。
性奴隷……ってどんなことするんだろう?
髪飾りを探す事もだけど、奴隷の人達に会ってみたい。
相談しても良いのかな?
ガイア様の仕事もよく分かってないのに。わがまま言ったら嫌われるのかな?
嫌われたくない。
思わずガイア様の服を掴んだ。
振り向いたガイア様が、何故か困った様に笑う。
抱きかかえられる。
この瞬間が好き。すっぽり腕の中に収まるのが好き。
これ以上好きになってはいけない。だって偽物の恋人だから。
そうだよね。私は相応しくない。
ここは、私の世界じゃないから。
でも、姿が変わった私はどこに行けばいいのだろう?
誰かの声がする。
『穢れたお前に戻る場所なんてないんだ。
お前は、奴隷に堕ちてしまえばいいんだ』
目の前が真っ黒になって、何も聞こえなくなったんだ。
11
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる