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50 託宣
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エリア・ヤマトでは親戚の家に一泊し、午前中の弾道旅客機でエージャンに戻って来た。朝日が昇り始めた早朝の空に、シャッターの開く音が響く。カンザブロー・ヒトコトは玄関に入る前に、厄でも払い落とすかのように、一つ大きなため息をついた。
あの本はもったいなかった。百万払ってでも手に入れるべきだったろうか。いや、百万はいくら何でも高い。だがああいう本を扱っていれば、その事実だけで古本屋としての格が上がる。広告料だと思って払うべきだったかも知れない。まあこの店以外、他に古本屋など存在していないのに、格もへったくれもないのだが。
玄関を入り、店の奥へ進む。部屋の照明を点けて、カバンを置いて、ふと思い出した。
カバンを開くと、折りたたまれた着替えの上に、小さな黄色い花。それをつまみ上げて、カンザブローは首をひねった。あの墨染めの衣をまとった僧――まだそんな存在が生き残っているのだろうか――は、何を思ってこれを自分に渡したのだろう。まあ、受け取った自分も自分なのだけれど。
渡したのではないよ
カンザブローは部屋を見回した。誰も居ない。気のせいだな。
託したのだよ
もう一度部屋を見回す。やはり誰も居ない。いかんな、最近イロイロあり過ぎて、神経が過敏になっているのかも知れない。
ここの地下には北に走る水脈が流れているのだ
時間帯が悪い。いまは早朝、街が静かすぎる。聞こえもしない声を、脳の聴覚野が作り出してしまうに違いない。
後はワタイ一人で行ける
「誰だ」
思わずカンザブローはつぶやいてしまった。これ以上何も聞こえないでくれ、と思いながら。
運んでくれて、ありがとうな
カンザブローは目を開いた。照明の点いた天井。自分の部屋だ。体を起こすと、帰って来たときのままの服装。眠っていたのか? 確かに昨日はよく眠れなかったし、弾道旅客機は揺れたし、ずっと眠いまま帰ってきたのだが、倒れ込むほど眠かったろうか。
何か夢を見た気がする。どんな夢だったろう。思い出せない。
まあいい。カンザブローは気を取り直し、荷物を片付けようとカバンを開けた。そこには折りたたまれた着替えの上に、茶色く乾燥した、植物の残骸のような物が乗っていた。
壮麗な葬列は、沈痛な静寂の中、エリア・エージャンを周回した。ネプトニスの告別式の前に、その遺体を納めた棺を車に乗せて、葬送パレードを実施したのだ。モニターに映し出される人々はみな悲しみに暮れている。だが、それがすべてではあるまい。パンドラの管制室で3Jはそう思った。
「何だ、まるで王様の葬儀だな」
ケレケレもモニターを面白そうに見つめている。
「王様って何だ」
ズマが素朴な質問をする。何と言われてもな、という顔でケレケレが困っていると。
「国家というシステムの支配者だ」
ジンライが答える。
「人間による選択ではなく、神による選択を支配の根拠にするのが特徴と言える」
「……何言ってんのか、サッパリわかんねえよ」
ケレケレは笑った。
「よくわからん理由で、とにかく一番偉いとされている者の事、で良いのではないか」
「神の化身がそう言うのなら、そうなのだろう」
ジンライはうなずく。ズマは何となくムッとしたので、不満顔で黙っていた。そのとき。
「ねえねえ3J」
鈴を転がすような声が管制室に響いた。
「ジュピトル・ジュピトリスから通信が入ってるけど、どうする?」
3Jは一瞬考えるように間を置いたが、「出せ」と言った。
回線のつながった、プツッという小さな音。
「……や、やあ」
ジュピトルの声が聞こえた。
「音声回線しかつながらないんだね、ちょっと驚いた」
「何の用だ」
相変わらず感情のこもらぬ抑揚のない声で3Jはたずねた。ジュピトルは少し動揺したようだ。
「ああっ、いや、何って事はないんだけど、お礼が言いたくて」
「葬式はいいのか」
「え、うん。こっちはいま準備中。僕は特にする事もないし。て言うか、実感が湧かないんだ、全然。……あの、この間はありがとう」
「礼ならドラクルとプロミスに言え」
「そうだね、彼らにも今度会ったら、ちゃんとお礼が言いたいと思ってる。それで、その」
「何だ」
「ごめん、また僕は役に立たなかった」
映像回線はつながっていないが、おそらく頭を下げているのだろうな、と思わせる声だった。
「伝言までもらったのに、ごめん」
「伝言を聞いたのか」
「聞いた。『頭を使え、目を開け、腹を括れ』って」
「それで。おまえは頭を使ったのか。目を開いたのか。腹を括ったのか」
「そうしようとは思ったんだけど、どうしていいのかわからなかった」
「そのようだな」
3Jの声は、少し呆れているようにも思えた。
「頭が使えているのなら、謝ろうなどと思わなかったはずだ」
「……え?」
「誰がおまえに英雄になれと言った」
そして3Jは一気にこう話した。
「あのときおまえは何に頭を使うべきだったか。いかにすれば生き残れるかについてだ。あのときおまえは何に目を開くべきだったか。どこに生き残る道があるかについてだ。あのときおまえは何に腹を括るべきだったか。何を犠牲にして生き残るかについてだ。確かにおまえは碌な事をしていない。だが結果として生き残っている。謝るべき事は何もない」
そこまで言って、一つ息をつく。
「おまえに求められているのは、コマを動かし生き残る力だ。先頭に立って戦えなどとは誰も望んでいない。そのくらいは理解しろ」
「それは君も同じなんじゃ」
ぷっ、小さく吹き出したのはケレケレか。3Jは一瞬そちらをジロリとにらむ。
「俺はおまえとは違う。俺には俺の役回りがある。デルファイで生きる者にしかできない事がな」
しばしジュピトルは沈黙し、そしてつぶやいた。
「できればまた引きこもりたい気分だよ」
「そんな余裕はもうない」
「みたいだね。ミュルミドネスに届いてた記録は目を通した。急がないといけないんだよね」
「おまえの負担はこの先、否応なく増え続ける。それに耐えられずに折れれば、人類はそこで終わる。だからこそ、生き残る道を探せ。たとえ何を犠牲にしてもだ」
「理不尽だよ、それは」
「だがそこにしか道は残されていない。すべてはおまえ次第だ」
「……うん、何とか頑張ってみる」
すると3Jは、意外な事を言い出した。
「ならば、まずは葬式を頑張る事だ」
「え? 僕は別にやる事はないけど」
「ウラノスはそこまで間抜けではない」
そう言うと、3Jは通信を切った。
「?」
ジュピトルが首をかしげていると、部屋のドアがノックされ、黒い喪服のナーギニーが入って来た。
「ジュピトル様、これを」
手渡されたのは、折り畳まれた白い紙。いまどき紙なんて滅多に使わないのに。
「何、これ」
「はい、ウラノス様からです。本日の告別式、親族代表でジュピトル様に弔辞を読んでいただくという事で」
「……えーっ!」
そうか、そう来たか。いや、待てよ。そりゃそうか、普通そう来るよな。ああ、自分だけか、わかってなかったのは。そりゃあ間抜けって言われる訳だ。と、ジュピトルは一人思った。
デルファイの西、面積にして三割を占める天然林の奥深く、魔人ウッドマン・ジャックは習慣となっている散歩を楽しんでいた。今日は快晴、薄暗い森にも木漏れ日が差し込んでいる。
ジャックはふと立ち止まった。何かの気配を感じたのだ。だが敵意や殺気ではない。とても穏やかで心地の良い気配。周囲を見回し、オニクイカズラの群れを見つけた。そして、目をみはる。
オニクイカズラの蔓が伸びている。何本もの蔓が渦を巻くように伸び、円筒を形作っていた。その先に、キモノと言うのだろうか、青い空色の東洋風の服を着た、お下げ髪の女の子が座っていた。木漏れ日の中、森の香りを楽しむかのように。
襲いかかる蔓は一本もない。オニクイカズラの獰猛性は、ここでは一切見られなかった。
お下げ髪の女の子は、ジャックに気が付いた。ちょいちょい、と手招きをする。ジャックが近付くと、嬉しそうに言った。
「ワタイが見えるのであろ?」
「はてはて。もしかしてお嬢ちゃんは人間ではないのかな、と思うところなのだけれど」
「うむ。ワタイは人間ではないぞ」
ジャックは警戒した。いや、警戒しようと思ったのだが、できなかった。まったく悪意を感じなかったからだ。女の子は言う。
「ここは良い場所だな。清い水が流れている。気に入った。ワタイはここに住む事にする」
「いやいやいや」
ジャックは慌てた。
「そんな事を勝手に決められては困るのだね」
「良いではないか。ワタイが居ても邪魔にはならんぞ」
その太陽のような笑顔。ジャックは何故か強く出られない。
「お嬢ちゃんは、いったい何者なのだね」
女の子は言った。それを告げる事が心底嬉しいという顔で。
「ワタイは、さら。水の神だ」
ウッドマン・ジャックは、託宣を受けた。
あの本はもったいなかった。百万払ってでも手に入れるべきだったろうか。いや、百万はいくら何でも高い。だがああいう本を扱っていれば、その事実だけで古本屋としての格が上がる。広告料だと思って払うべきだったかも知れない。まあこの店以外、他に古本屋など存在していないのに、格もへったくれもないのだが。
玄関を入り、店の奥へ進む。部屋の照明を点けて、カバンを置いて、ふと思い出した。
カバンを開くと、折りたたまれた着替えの上に、小さな黄色い花。それをつまみ上げて、カンザブローは首をひねった。あの墨染めの衣をまとった僧――まだそんな存在が生き残っているのだろうか――は、何を思ってこれを自分に渡したのだろう。まあ、受け取った自分も自分なのだけれど。
渡したのではないよ
カンザブローは部屋を見回した。誰も居ない。気のせいだな。
託したのだよ
もう一度部屋を見回す。やはり誰も居ない。いかんな、最近イロイロあり過ぎて、神経が過敏になっているのかも知れない。
ここの地下には北に走る水脈が流れているのだ
時間帯が悪い。いまは早朝、街が静かすぎる。聞こえもしない声を、脳の聴覚野が作り出してしまうに違いない。
後はワタイ一人で行ける
「誰だ」
思わずカンザブローはつぶやいてしまった。これ以上何も聞こえないでくれ、と思いながら。
運んでくれて、ありがとうな
カンザブローは目を開いた。照明の点いた天井。自分の部屋だ。体を起こすと、帰って来たときのままの服装。眠っていたのか? 確かに昨日はよく眠れなかったし、弾道旅客機は揺れたし、ずっと眠いまま帰ってきたのだが、倒れ込むほど眠かったろうか。
何か夢を見た気がする。どんな夢だったろう。思い出せない。
まあいい。カンザブローは気を取り直し、荷物を片付けようとカバンを開けた。そこには折りたたまれた着替えの上に、茶色く乾燥した、植物の残骸のような物が乗っていた。
壮麗な葬列は、沈痛な静寂の中、エリア・エージャンを周回した。ネプトニスの告別式の前に、その遺体を納めた棺を車に乗せて、葬送パレードを実施したのだ。モニターに映し出される人々はみな悲しみに暮れている。だが、それがすべてではあるまい。パンドラの管制室で3Jはそう思った。
「何だ、まるで王様の葬儀だな」
ケレケレもモニターを面白そうに見つめている。
「王様って何だ」
ズマが素朴な質問をする。何と言われてもな、という顔でケレケレが困っていると。
「国家というシステムの支配者だ」
ジンライが答える。
「人間による選択ではなく、神による選択を支配の根拠にするのが特徴と言える」
「……何言ってんのか、サッパリわかんねえよ」
ケレケレは笑った。
「よくわからん理由で、とにかく一番偉いとされている者の事、で良いのではないか」
「神の化身がそう言うのなら、そうなのだろう」
ジンライはうなずく。ズマは何となくムッとしたので、不満顔で黙っていた。そのとき。
「ねえねえ3J」
鈴を転がすような声が管制室に響いた。
「ジュピトル・ジュピトリスから通信が入ってるけど、どうする?」
3Jは一瞬考えるように間を置いたが、「出せ」と言った。
回線のつながった、プツッという小さな音。
「……や、やあ」
ジュピトルの声が聞こえた。
「音声回線しかつながらないんだね、ちょっと驚いた」
「何の用だ」
相変わらず感情のこもらぬ抑揚のない声で3Jはたずねた。ジュピトルは少し動揺したようだ。
「ああっ、いや、何って事はないんだけど、お礼が言いたくて」
「葬式はいいのか」
「え、うん。こっちはいま準備中。僕は特にする事もないし。て言うか、実感が湧かないんだ、全然。……あの、この間はありがとう」
「礼ならドラクルとプロミスに言え」
「そうだね、彼らにも今度会ったら、ちゃんとお礼が言いたいと思ってる。それで、その」
「何だ」
「ごめん、また僕は役に立たなかった」
映像回線はつながっていないが、おそらく頭を下げているのだろうな、と思わせる声だった。
「伝言までもらったのに、ごめん」
「伝言を聞いたのか」
「聞いた。『頭を使え、目を開け、腹を括れ』って」
「それで。おまえは頭を使ったのか。目を開いたのか。腹を括ったのか」
「そうしようとは思ったんだけど、どうしていいのかわからなかった」
「そのようだな」
3Jの声は、少し呆れているようにも思えた。
「頭が使えているのなら、謝ろうなどと思わなかったはずだ」
「……え?」
「誰がおまえに英雄になれと言った」
そして3Jは一気にこう話した。
「あのときおまえは何に頭を使うべきだったか。いかにすれば生き残れるかについてだ。あのときおまえは何に目を開くべきだったか。どこに生き残る道があるかについてだ。あのときおまえは何に腹を括るべきだったか。何を犠牲にして生き残るかについてだ。確かにおまえは碌な事をしていない。だが結果として生き残っている。謝るべき事は何もない」
そこまで言って、一つ息をつく。
「おまえに求められているのは、コマを動かし生き残る力だ。先頭に立って戦えなどとは誰も望んでいない。そのくらいは理解しろ」
「それは君も同じなんじゃ」
ぷっ、小さく吹き出したのはケレケレか。3Jは一瞬そちらをジロリとにらむ。
「俺はおまえとは違う。俺には俺の役回りがある。デルファイで生きる者にしかできない事がな」
しばしジュピトルは沈黙し、そしてつぶやいた。
「できればまた引きこもりたい気分だよ」
「そんな余裕はもうない」
「みたいだね。ミュルミドネスに届いてた記録は目を通した。急がないといけないんだよね」
「おまえの負担はこの先、否応なく増え続ける。それに耐えられずに折れれば、人類はそこで終わる。だからこそ、生き残る道を探せ。たとえ何を犠牲にしてもだ」
「理不尽だよ、それは」
「だがそこにしか道は残されていない。すべてはおまえ次第だ」
「……うん、何とか頑張ってみる」
すると3Jは、意外な事を言い出した。
「ならば、まずは葬式を頑張る事だ」
「え? 僕は別にやる事はないけど」
「ウラノスはそこまで間抜けではない」
そう言うと、3Jは通信を切った。
「?」
ジュピトルが首をかしげていると、部屋のドアがノックされ、黒い喪服のナーギニーが入って来た。
「ジュピトル様、これを」
手渡されたのは、折り畳まれた白い紙。いまどき紙なんて滅多に使わないのに。
「何、これ」
「はい、ウラノス様からです。本日の告別式、親族代表でジュピトル様に弔辞を読んでいただくという事で」
「……えーっ!」
そうか、そう来たか。いや、待てよ。そりゃそうか、普通そう来るよな。ああ、自分だけか、わかってなかったのは。そりゃあ間抜けって言われる訳だ。と、ジュピトルは一人思った。
デルファイの西、面積にして三割を占める天然林の奥深く、魔人ウッドマン・ジャックは習慣となっている散歩を楽しんでいた。今日は快晴、薄暗い森にも木漏れ日が差し込んでいる。
ジャックはふと立ち止まった。何かの気配を感じたのだ。だが敵意や殺気ではない。とても穏やかで心地の良い気配。周囲を見回し、オニクイカズラの群れを見つけた。そして、目をみはる。
オニクイカズラの蔓が伸びている。何本もの蔓が渦を巻くように伸び、円筒を形作っていた。その先に、キモノと言うのだろうか、青い空色の東洋風の服を着た、お下げ髪の女の子が座っていた。木漏れ日の中、森の香りを楽しむかのように。
襲いかかる蔓は一本もない。オニクイカズラの獰猛性は、ここでは一切見られなかった。
お下げ髪の女の子は、ジャックに気が付いた。ちょいちょい、と手招きをする。ジャックが近付くと、嬉しそうに言った。
「ワタイが見えるのであろ?」
「はてはて。もしかしてお嬢ちゃんは人間ではないのかな、と思うところなのだけれど」
「うむ。ワタイは人間ではないぞ」
ジャックは警戒した。いや、警戒しようと思ったのだが、できなかった。まったく悪意を感じなかったからだ。女の子は言う。
「ここは良い場所だな。清い水が流れている。気に入った。ワタイはここに住む事にする」
「いやいやいや」
ジャックは慌てた。
「そんな事を勝手に決められては困るのだね」
「良いではないか。ワタイが居ても邪魔にはならんぞ」
その太陽のような笑顔。ジャックは何故か強く出られない。
「お嬢ちゃんは、いったい何者なのだね」
女の子は言った。それを告げる事が心底嬉しいという顔で。
「ワタイは、さら。水の神だ」
ウッドマン・ジャックは、託宣を受けた。
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