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19歳
しおりを挟む彼からの返信はない
自分で決めたことなのに
メールの音がするたびに
期待を込めて開く携帯
私はなんで
彼の事を待ってるんだろう
最近忙しいと言ってた彼は
半年以上飲みにはこない
誕生日以来会ってない
崇よりも彼の声を
顔を一度だけ触れたあの手を
私は待ってる
「俺たちさ、そろそろ同棲しない?」
携帯を見つめる私に
崇はそっとつぶやいた
同棲なんて
考えた事なかった
いや
崇との将来すら
今の私には見えてない
「…ちょっと考えさせて。ほら、私たちまだ付き合って1年経ってないし…」
答えはYesでいいはずなのに
なぜか私は濁した
こんなに愛してくれてる人に
私は何故向き合う事ができないんだろう
「おまえさ…」
ジッと見つめる崇
少しの沈黙
「なんでもない」
何かを言いかけた崇
何故か私は
崇が何を言いたかったのか
わかった気がした
「一年経ったらもう一度この話をしない?…ごめんね」
一体どんな意味の「ごめん」だろうか
自分に問いかける
謝ってしまうなんて
もうそれが
答えじゃない
「俺さ…」
再び崇は言葉を放つ
きっと気づいてる
私の気持ち
「……。髪の色変えようかなー、茶髪も飽きたし久々に黒くしてみようと思うんだけどどう思う?」
彼なりの優しさだろうか
それとも
言ってしまえば終わってしまう
この関係から目を伏せたかったのか
自分の髪に触れながら
いつもの笑顔で私に言った。
「……似合うと思うよ」
崇の優しさに甘えてしまう
彼を忘れようとしてるのに
結局中途半端な私を
崇は気づいてる
そして受け入れてくれてる
崇の髪に触れながら
初めて私からキスをした
背中に回された手の感触は
やっぱりどこか違和感を感じながら
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