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(何故こうなったのかしら……)
ブリュンヒルト・ミネッテ侯爵令嬢から目を付けられたため、昼休みに図書館で本を借り、放課後は教室でしばらく本を読んでから、時間ギリギリまで図書館で過ごすようにしたのだ。これでヴィルヘルム王子と顔を合わせることもなく、令嬢たちの不興を買うこともなく、心おきなく読書タイムを過ごせるはずだった。
それなのに、現在ジーナの向かいにはヴィルヘルムとシストが一つ席を空けた状態で座っている。
「アドラス・デロイドの著作を読んだか?その本の著者とは異なるが、彼の理論は実に興味深いぞ」
「……それは存じ上げませんでしたわ。ご教授頂きありがとうございます」
シストの言葉に少し興味を引かれたものの、ジーナは静かに本を読みたいのだ。読書の最中に話しかけないで欲しい。もっとも読書中以外でも話しかけて欲しくはないのだが。
「おや、その著者のものであれば図書館に蔵書はないかもしれないね。今度持ってきてあげよう。ジーナ嬢の意見を聞いてみたい」
ヴィルヘルムの発言を流すことはできず、ジーナは断腸の思いで本から顔を上げた。ヴィルヘルム越しにこちらを睨んでいる令嬢たちが見える。気づいていないのか、いつものことだと気にしていないのか分からないが、ジーナにとっては迷惑極まりない。
「殿下のお手を煩わせるなど恐れ多いことですわ。それに私のような者の意見などお耳汚しでしかありませんので、どうかご容赦くださいませ」
淡々とした口調と表情を心掛けながら伝えれば、ヴィルヘルムは困ったような、それでいてどこか嬉しそうな表情を浮かべる。
(どうして、そんな顔をするのよ!)
社交辞令的な笑みを浮かべれば媚びていると非難され、困った表情を浮かべればあざといと陰口を叩かれ、仏頂面を浮かべれば不敬だと糾弾されるのだ。
もはやジーナがどんな振る舞いをしても彼らが構ってくる限り難癖を付けられることは避けられないのだが、目の前の二人は何故かそれを理解してくれないらしい。
「それならば、我が家に招待しよう。それなりに蔵書量はあるからアドラス・デロイド以外にも興味がある本があれば貸してやってもいい」
シストの提案は魅力的で、だからこそ承諾できない状況が恨めしい。それを分かっていながら言っているのであれば嫌がらせだが、どうやらこの侯爵令息は他人の心の機微に鈍感なようなのだ。
「せっかくのお心遣いですが、家の手伝いがございますので申し訳ございません」
貴重な蔵書が並ぶ侯爵家の書庫を想像してしまい、読書欲が高まったジーナは残念な気持ちを出さないように努めながらも断りの文句を口にする。
それに対して、シストは不満そうな表情をしながらも口に出さずに、小さく肩を竦めた。
会話自体はそこまで多くないものの、間違えられない緊張感に毎回綱渡りをしているような気分だ。静かに本が読みたいだけなのにと心の中で嘆息しつつ、ジーナはすぐにまた本に没頭するのだった。
(まあ、こうなるわよね)
高位にあたる令嬢から直接指摘されたにもかかわらず、態度を改めるどころか王子と侯爵令息二人と親しくしているのだ。親切なご忠告は陰口へと変わり、嫌がらせがエスカレートするのは当然だった。
机の中にはぐっしょりと濡れた教科書やノートが押し込まれていて、ジーナは胸の痛みを覚えた。特待生として学用品は支給されるが無限ではないし、貴重な知識が詰め込まれた教科書をこんな風に汚されてしまったことが悲しくてやるせない。
よれてしまった紙は元に戻らないが、完全に乾かして丁寧にページを引き剥がせば使えるかもしれない。一縷の望みに賭けて、ジーナは慎重に教科書を抱えて屋上へと向かった。
「ジーナ嬢」
よりによってというタイミングでシストから声を掛けられた。元を辿れば原因はシストの態度にあるのだが、本人が意図していないのだから責めるわけにもいかない。
「……申し訳ございません。少し急いでおりますので」
「その教科書は……何があった?」
ジーナの言葉など全く意に介さず、自分の疑問を優先させるあたり貴族様だなと呆れ半分、感心半分に思った。
「水に濡らしてしまったので、乾かしたいのです」
だから邪魔をしないで欲しいと心の中で思いながら伝えれば、シストは目を細め冷ややかな雰囲気を帯びる。
「低俗なことを……。それをよこせ。新しい物を準備してやる」
「いえ、大丈夫です。ラトルテ侯爵令息様にそのようなことをしていただく必要はございませんわ」
新しい教科書をシストに用意してもらったと知られれば、さらに嫌がらせを受けることになるだろう。正直なところ放置してくれるのが一番なのだが、彼はジーナと議論することを楽しんでいる。
ヴィルヘルムもシストも物珍しさからジーナを構っているだけで、そこに恋愛感情のようなものはないのだが、令嬢たちにはそれが分からない。
(そもそも声を掛けられること自体がステータスとして考えられているのよね。どうせそのうち飽きるからと放置してくれれば良いのに)
身分の高さだけではなく、二人に悪意がないことも邪険にしづらい理由の一つだったが、これ以上嫌がらせとなるとジーナとしても許容できないし、後見人にも迷惑を掛ける可能性が高い。
「最初に助けて頂いた時にも申し上げましたが、ご令嬢方に要らぬ反感を買ってしまいますので、関わらないでいただきたいのです」
「……俺が誰と話すかは自由だろう。嫌がらせをした犯人は見つけ出し相応の償いをさせるし、今後はなるべく俺が傍にいて――」
熱を帯びてきたシストの声を遮るように、ジーナは声を上げた。非礼は承知だが、それ以上言わせるのはまずいと思ったのだ。
「ラトルテ侯爵令息様、正直に申し上げまして私は一人で静かに過ごしたいのです。お心遣いには感謝しておりますわ」
毅然とした口調で伝えれば、シストは愕然とした表情を浮かべ何かを言いかけたが、ジーナに背を向けるとそのまま立ち去った。その様子に罪悪感を覚えたが、建前上は平等とは言え学園の外に出れば貴族と平民という身分差は歴然であるため、静観せずにもっと早く伝えるべきだったのだ。
(そうすればお互いに嫌な気持ちにならずに済んだのに……)
一時的なものだと軽く考えてしまったことをジーナは反省した。
「最近どうして図書館に来なくなっただろうか?」
ヴィルヘルムの従者に声を掛けられたジーナは、王族専用の特別室に呼ばれた。穏やかな声音だが、どこか不機嫌そうな雰囲気を感じる。
「王立図書館を利用しておりますので」
先日十六歳となり、ジーナはスカルバ男爵の後見のもと無事に利用証を手に入れることができた。学園からは少し距離があり、家に戻るのにも遠回りになるが数多の本に囲まれた静かな環境で本を読める幸福の前には些細なことだ。
ジーナの回答にヴィルヘルムの雰囲気が僅かに和らぐ。
「そうか。でも時々は学園内の図書館も利用してくれると嬉しいな。君のような生徒の話を聞くことは私にとっても学ぶことが多いからね」
「平民の話ということでしたら、三年生のトマス様のほうが適任かと存じます」
平民の特待生はジーナだけではない。二年生にはいないが、三年生のトマスは近年勢いをつけている商会の次男坊だ。学生ながら実家の手伝いも行っているため、交友関係も広く、社交的な性格らしい。
本を読むことしか頭にないジーナよりも、一般庶民の意見はもちろん商人としての視点など機知に富んだ会話を交わすことが出来るだろう。
「……彼と親しくなれば王族が一つの商会を優遇しているように捉えられる可能性がある」
「恐れながら申し上げますと、私はスカルバ男爵の後見を得ております。私と接点が増えれば誤解をされかねませんので、トマス様と同様に扱っていただければ幸甚ですわ」
ジーナの返答にヴィルヘルムは目を瞠ったが、すぐに表情を消して静かな声で告げた。
「分かった。もう下がっていい」
「失礼いたします」
扉の前に控えていた従者の視線が険しいものへと変わっていたが、ジーナは素知らぬ振りをして一礼した。王族からの要望は命令に等しいにもかかわらず、代案を提示したとはいえ断ったのだから仕方がない。
その結果、ヴィルヘルムもシストもジーナの前に姿を見せることがほとんどなくなった。
平民という異物ではあるものの、ようやく空気のように目立たない静かな学園生活が戻ってきたと安堵したのだが、それは嵐の前の静けさに過ぎなかったことをジーナはすぐに思い知らされることになる。
ブリュンヒルト・ミネッテ侯爵令嬢から目を付けられたため、昼休みに図書館で本を借り、放課後は教室でしばらく本を読んでから、時間ギリギリまで図書館で過ごすようにしたのだ。これでヴィルヘルム王子と顔を合わせることもなく、令嬢たちの不興を買うこともなく、心おきなく読書タイムを過ごせるはずだった。
それなのに、現在ジーナの向かいにはヴィルヘルムとシストが一つ席を空けた状態で座っている。
「アドラス・デロイドの著作を読んだか?その本の著者とは異なるが、彼の理論は実に興味深いぞ」
「……それは存じ上げませんでしたわ。ご教授頂きありがとうございます」
シストの言葉に少し興味を引かれたものの、ジーナは静かに本を読みたいのだ。読書の最中に話しかけないで欲しい。もっとも読書中以外でも話しかけて欲しくはないのだが。
「おや、その著者のものであれば図書館に蔵書はないかもしれないね。今度持ってきてあげよう。ジーナ嬢の意見を聞いてみたい」
ヴィルヘルムの発言を流すことはできず、ジーナは断腸の思いで本から顔を上げた。ヴィルヘルム越しにこちらを睨んでいる令嬢たちが見える。気づいていないのか、いつものことだと気にしていないのか分からないが、ジーナにとっては迷惑極まりない。
「殿下のお手を煩わせるなど恐れ多いことですわ。それに私のような者の意見などお耳汚しでしかありませんので、どうかご容赦くださいませ」
淡々とした口調と表情を心掛けながら伝えれば、ヴィルヘルムは困ったような、それでいてどこか嬉しそうな表情を浮かべる。
(どうして、そんな顔をするのよ!)
社交辞令的な笑みを浮かべれば媚びていると非難され、困った表情を浮かべればあざといと陰口を叩かれ、仏頂面を浮かべれば不敬だと糾弾されるのだ。
もはやジーナがどんな振る舞いをしても彼らが構ってくる限り難癖を付けられることは避けられないのだが、目の前の二人は何故かそれを理解してくれないらしい。
「それならば、我が家に招待しよう。それなりに蔵書量はあるからアドラス・デロイド以外にも興味がある本があれば貸してやってもいい」
シストの提案は魅力的で、だからこそ承諾できない状況が恨めしい。それを分かっていながら言っているのであれば嫌がらせだが、どうやらこの侯爵令息は他人の心の機微に鈍感なようなのだ。
「せっかくのお心遣いですが、家の手伝いがございますので申し訳ございません」
貴重な蔵書が並ぶ侯爵家の書庫を想像してしまい、読書欲が高まったジーナは残念な気持ちを出さないように努めながらも断りの文句を口にする。
それに対して、シストは不満そうな表情をしながらも口に出さずに、小さく肩を竦めた。
会話自体はそこまで多くないものの、間違えられない緊張感に毎回綱渡りをしているような気分だ。静かに本が読みたいだけなのにと心の中で嘆息しつつ、ジーナはすぐにまた本に没頭するのだった。
(まあ、こうなるわよね)
高位にあたる令嬢から直接指摘されたにもかかわらず、態度を改めるどころか王子と侯爵令息二人と親しくしているのだ。親切なご忠告は陰口へと変わり、嫌がらせがエスカレートするのは当然だった。
机の中にはぐっしょりと濡れた教科書やノートが押し込まれていて、ジーナは胸の痛みを覚えた。特待生として学用品は支給されるが無限ではないし、貴重な知識が詰め込まれた教科書をこんな風に汚されてしまったことが悲しくてやるせない。
よれてしまった紙は元に戻らないが、完全に乾かして丁寧にページを引き剥がせば使えるかもしれない。一縷の望みに賭けて、ジーナは慎重に教科書を抱えて屋上へと向かった。
「ジーナ嬢」
よりによってというタイミングでシストから声を掛けられた。元を辿れば原因はシストの態度にあるのだが、本人が意図していないのだから責めるわけにもいかない。
「……申し訳ございません。少し急いでおりますので」
「その教科書は……何があった?」
ジーナの言葉など全く意に介さず、自分の疑問を優先させるあたり貴族様だなと呆れ半分、感心半分に思った。
「水に濡らしてしまったので、乾かしたいのです」
だから邪魔をしないで欲しいと心の中で思いながら伝えれば、シストは目を細め冷ややかな雰囲気を帯びる。
「低俗なことを……。それをよこせ。新しい物を準備してやる」
「いえ、大丈夫です。ラトルテ侯爵令息様にそのようなことをしていただく必要はございませんわ」
新しい教科書をシストに用意してもらったと知られれば、さらに嫌がらせを受けることになるだろう。正直なところ放置してくれるのが一番なのだが、彼はジーナと議論することを楽しんでいる。
ヴィルヘルムもシストも物珍しさからジーナを構っているだけで、そこに恋愛感情のようなものはないのだが、令嬢たちにはそれが分からない。
(そもそも声を掛けられること自体がステータスとして考えられているのよね。どうせそのうち飽きるからと放置してくれれば良いのに)
身分の高さだけではなく、二人に悪意がないことも邪険にしづらい理由の一つだったが、これ以上嫌がらせとなるとジーナとしても許容できないし、後見人にも迷惑を掛ける可能性が高い。
「最初に助けて頂いた時にも申し上げましたが、ご令嬢方に要らぬ反感を買ってしまいますので、関わらないでいただきたいのです」
「……俺が誰と話すかは自由だろう。嫌がらせをした犯人は見つけ出し相応の償いをさせるし、今後はなるべく俺が傍にいて――」
熱を帯びてきたシストの声を遮るように、ジーナは声を上げた。非礼は承知だが、それ以上言わせるのはまずいと思ったのだ。
「ラトルテ侯爵令息様、正直に申し上げまして私は一人で静かに過ごしたいのです。お心遣いには感謝しておりますわ」
毅然とした口調で伝えれば、シストは愕然とした表情を浮かべ何かを言いかけたが、ジーナに背を向けるとそのまま立ち去った。その様子に罪悪感を覚えたが、建前上は平等とは言え学園の外に出れば貴族と平民という身分差は歴然であるため、静観せずにもっと早く伝えるべきだったのだ。
(そうすればお互いに嫌な気持ちにならずに済んだのに……)
一時的なものだと軽く考えてしまったことをジーナは反省した。
「最近どうして図書館に来なくなっただろうか?」
ヴィルヘルムの従者に声を掛けられたジーナは、王族専用の特別室に呼ばれた。穏やかな声音だが、どこか不機嫌そうな雰囲気を感じる。
「王立図書館を利用しておりますので」
先日十六歳となり、ジーナはスカルバ男爵の後見のもと無事に利用証を手に入れることができた。学園からは少し距離があり、家に戻るのにも遠回りになるが数多の本に囲まれた静かな環境で本を読める幸福の前には些細なことだ。
ジーナの回答にヴィルヘルムの雰囲気が僅かに和らぐ。
「そうか。でも時々は学園内の図書館も利用してくれると嬉しいな。君のような生徒の話を聞くことは私にとっても学ぶことが多いからね」
「平民の話ということでしたら、三年生のトマス様のほうが適任かと存じます」
平民の特待生はジーナだけではない。二年生にはいないが、三年生のトマスは近年勢いをつけている商会の次男坊だ。学生ながら実家の手伝いも行っているため、交友関係も広く、社交的な性格らしい。
本を読むことしか頭にないジーナよりも、一般庶民の意見はもちろん商人としての視点など機知に富んだ会話を交わすことが出来るだろう。
「……彼と親しくなれば王族が一つの商会を優遇しているように捉えられる可能性がある」
「恐れながら申し上げますと、私はスカルバ男爵の後見を得ております。私と接点が増えれば誤解をされかねませんので、トマス様と同様に扱っていただければ幸甚ですわ」
ジーナの返答にヴィルヘルムは目を瞠ったが、すぐに表情を消して静かな声で告げた。
「分かった。もう下がっていい」
「失礼いたします」
扉の前に控えていた従者の視線が険しいものへと変わっていたが、ジーナは素知らぬ振りをして一礼した。王族からの要望は命令に等しいにもかかわらず、代案を提示したとはいえ断ったのだから仕方がない。
その結果、ヴィルヘルムもシストもジーナの前に姿を見せることがほとんどなくなった。
平民という異物ではあるものの、ようやく空気のように目立たない静かな学園生活が戻ってきたと安堵したのだが、それは嵐の前の静けさに過ぎなかったことをジーナはすぐに思い知らされることになる。
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