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42. 参謀になるトーマス
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(ケイト視点)
ソフィアとカラシンがオーガキングの命令で魔族の国の王都に引っ越して1週間ほど経った頃、意外な人物が我家を訪れた。先日カラシンの命を救い、ソフィアにクーデターへの協力を懇願していったトーマスだ。確かに、また来るとは言っていたけれど早すぎないか?
何かあったのかと尋ねる私に、トーマスはソフィリアーヌ様の居場所を尋ねて来る。
「ここには居ないわよ。オーガキングの命令で魔族の国の王都に行ったの。ここに居るとまた攫われる恐れがあるからね。」
と私が言うと。トーマスは少し安心したような顔をする。
「それは良かったです。」
と口にしてから、ここに来た理由を話してくれた。なんとクーデターを計画している組織でもソフィアを誘拐しようとしているらしい。トーマスは組織に嫌気がさして逃げ出して来たという。
「私も魔族の国の国民に成れないでしょうか。できればソフィリアーヌ様にお仕えしたいのですが。」
「魔族の国の国民になる件は村長に相談してみるわ。必要なら私が保証人になっても良いわよ。カラシンを助けてもらったしね。でもソフィアの家来は無理ね。あの子は家来なんて持たないわよ。」
「ケイトさん達はソフィリアーヌ様にお仕えしているのではないのですか?」
「違うわよ。私たちは仲間、上下関係は無いわ。だってソフィアが王女様だってことは本人ですら最近まで知らなかったしね。それからも関係は変わってないわよ。あの子は人に威張るのは苦手の様ね。まあ、だから私たちもソフィアが好きなんだけどね。」
「ソフィアちゃんは、王女様じゃなくても精霊王様の養女っス。魔族の国では元から偉かったっスよ。でも威張ったことなんかなかったっス。」
とマイケルが追加する。
「そうなんですね。でも困ったな。魔族の国の国民に成れたとしても仕事がなければ暮らしていけないですからね...。」
「それなら、私たちと一緒に薬草の仕事をしない? ちょうどソフィアとカラシンが居なくなったので人で不足で困っていたところなの。この家の部屋も余っているしね。」
それから私は自分達が行っている薬草販売について説明した。ソフィアの誘拐事件の件で用心しているのだろう。あれからしばらく商人達は開拓村にやって来ないが、しばらくして落ち着けば、きっと薬草は売れると考えていることも含めてだ。
「だから、今の内に森の薬草を採取して加工しておこうと思っているんだけど、人手が無くて困っていたところなの。」
トーマスが私たちの仲間になることを了承してくれたので、早速村長にトーマスが魔族の国の国民に成れないか相談に行った。村長は通信の魔道具でオーガキングと話をしていたが、私が保証人なら問題ないとの返事が返ってきたらしい。以外に私はオーガキングに信頼がある様だ。もっともソフィアの仲間だというのが大きいのだろうが。
村長の発行してくれた証明書を仮の身分証として、早速次の日から一緒に薬草の採取に出かける。トーマスは元冒険者だったので薬草採取の経験はあると言う。最も冒険者と言ってもA級だそうだ。どおりで強かったはずだ。階級が上がってからは薬草採取はしていなかったのでブランクが長いらしい。トーマスは「もう一度新人に戻ったつもりで覚えますよ。」と軽口を言いながら森に向かう。途中で護衛のオーガに魔族語で挨拶をしたら驚いていた。
「俺も魔族語を覚えないといけませんね。」
と言うので、私とマイケルで教えることにする。魔族の国の国民になるのだから話せた方が良いに決まっている。
だが、それからしばらくして大事件が起きた。宰相が魔族の国にやって来てオーガキングに詫びをいれただけでなく、ボルダール伯爵の領地が魔族の国に移譲されることになったらしい。これは私の商売にとっては一大事だ! 魔族領になるとなると、間違いなくボルダール伯爵の領地は大混乱になるだろう。多くの人達、少なくとも伯爵領の支配者階級だった貴族や金持ち達の多くが出て行くことになる。それはすなわち、薬師達から魔物の国の薬草を使った薬を高値で購入してくれていた顧客が居なくなると言う事だ。
顧客がいないのに薬師達が魔物の森の薬草を買いに来るわけが無い。もちろんボルダール伯爵領以外の貴族に売ることは出来るだろうが、新しい販路を開拓するには時間が掛かる。それ以前に薬師達自身が魔族領に住むのを怖がって出て行く可能性もある。少なくとも混乱が落ち着くまで商売は出来ないと思った方が良いだろう。それに、もし魔族領に残る薬師が居るとしたら、その薬師も魔族の国の国民になると言う事だ、国民なら魔物の森で薬草を採取するのは自由だ、私達の競争相手になる。「くそ、宰相め、余計なことを!」と思わず毒ついた。
そんな時に、久々にジョン隊長が開拓村にやって来た。魔族の国に一番近いマルトの町にいて、人間の国の情報をオーガキングに伝えていたのだが、マルトの町どころか広大なボルダール伯爵領全体が魔族領になったのでお役御免ということらしい。
だが、トーマスを尋ねてやって来たジョン隊長の話を聞いて跳び上がるほど驚いた。なんとボルダール伯爵領がオーガキングの直轄領となり、ジョン隊長がオーガキングに代わって領地を統治する領主代行官に命じられたのでトーマスに参謀として手伝って欲しいと言うのだ。
「頼む。助けると思って引き受けてくれ。俺に領主の仕事が出来るわけがない、お前だけが頼りなんだ。長年の付き合いのよしみで頼む。」
と深々とトーマスに頭を下げるジョン隊長。どうやらふたりは昔からの知り合いらしい。トーマスがこちらを向いて、「引き受けて良いですか?」と尋ねて来るので、「もちろん」と答えた。こんな良い就職先を先の見えない商売のために断らせるわけに行かないだろう。
ジョン隊長とトーマスを見送った後、私とマイケルは自分達の身の振り方で悩んだ。ここに留まっても当面商売は出来そうにない。カラシンとソフィアの元に行くこともできるが、向こうでだって商売が出来ないというのは同じだ。ただ養ってもらうだけの生活など性に合わない。一方でボルダール伯爵領が魔族領になったことで、領内の冒険者ギルドは閉鎖となった様だ。冒険者の仕事も出来ないとなると八方塞がりだ。
幸いなことに、ライルへの薬草販売でたんまり稼がせてもらった。半分はカラシンとソフィアに渡したけれど、それでも懐に余裕はある。しばらく休日と決め込んでいたが、ある日村長を通じて仕事のオファーが来た。オファーはふたつ、ひとつは魔族領となった旧ボルダール伯爵領の治安を守る兵士となること。新しい魔族領では冒険者達を兵士として採用することにしたらしい。それともうひとつは、身分証を発行するために村や町を巡るラミア達一行の通訳。ジョン隊長はすべての住民に身分証を発行するまで、人間の国との交易を準備が整っていないことを理由に一時的に中止すると決めた。人間の国の間者達の活動を最小限に抑えるのが目的らしい。身分証が未配布の状態では誰が魔族の国の国民で、誰が人間の国から来た商人か見分けが付かない。交易の為に多くの商人が入って来ると、その分ライルみたいな間者も入り込み易いからだ。問題なく交易を再開するためにも身分証の発行は急務だが、言葉の通じないラミア達をそのまま送り出せばトラブルになるのが目に見える。片言でも良いから魔族語を話せるものを通訳に付けたいらしい。
私達の薬草の商売と同じで、村が行っていた人間の国との交易も閑古鳥が鳴いている状況だ。今まで交易の仕事を担当していた村人は魔族語を話せる人が多いから、ラミア一行の通訳として働く人が多いらしい。
私達も通訳をすることにした。兵士も安定職として魅力的なのだが、身分証の発行が完了したら人間の国との交易を再開するらしいから、通訳の方が私達にとっては都合が良い。ここが踏ん張りどころだ! まだまだ薬草の商売を諦めるには早すぎる。
ソフィアとカラシンがオーガキングの命令で魔族の国の王都に引っ越して1週間ほど経った頃、意外な人物が我家を訪れた。先日カラシンの命を救い、ソフィアにクーデターへの協力を懇願していったトーマスだ。確かに、また来るとは言っていたけれど早すぎないか?
何かあったのかと尋ねる私に、トーマスはソフィリアーヌ様の居場所を尋ねて来る。
「ここには居ないわよ。オーガキングの命令で魔族の国の王都に行ったの。ここに居るとまた攫われる恐れがあるからね。」
と私が言うと。トーマスは少し安心したような顔をする。
「それは良かったです。」
と口にしてから、ここに来た理由を話してくれた。なんとクーデターを計画している組織でもソフィアを誘拐しようとしているらしい。トーマスは組織に嫌気がさして逃げ出して来たという。
「私も魔族の国の国民に成れないでしょうか。できればソフィリアーヌ様にお仕えしたいのですが。」
「魔族の国の国民になる件は村長に相談してみるわ。必要なら私が保証人になっても良いわよ。カラシンを助けてもらったしね。でもソフィアの家来は無理ね。あの子は家来なんて持たないわよ。」
「ケイトさん達はソフィリアーヌ様にお仕えしているのではないのですか?」
「違うわよ。私たちは仲間、上下関係は無いわ。だってソフィアが王女様だってことは本人ですら最近まで知らなかったしね。それからも関係は変わってないわよ。あの子は人に威張るのは苦手の様ね。まあ、だから私たちもソフィアが好きなんだけどね。」
「ソフィアちゃんは、王女様じゃなくても精霊王様の養女っス。魔族の国では元から偉かったっスよ。でも威張ったことなんかなかったっス。」
とマイケルが追加する。
「そうなんですね。でも困ったな。魔族の国の国民に成れたとしても仕事がなければ暮らしていけないですからね...。」
「それなら、私たちと一緒に薬草の仕事をしない? ちょうどソフィアとカラシンが居なくなったので人で不足で困っていたところなの。この家の部屋も余っているしね。」
それから私は自分達が行っている薬草販売について説明した。ソフィアの誘拐事件の件で用心しているのだろう。あれからしばらく商人達は開拓村にやって来ないが、しばらくして落ち着けば、きっと薬草は売れると考えていることも含めてだ。
「だから、今の内に森の薬草を採取して加工しておこうと思っているんだけど、人手が無くて困っていたところなの。」
トーマスが私たちの仲間になることを了承してくれたので、早速村長にトーマスが魔族の国の国民に成れないか相談に行った。村長は通信の魔道具でオーガキングと話をしていたが、私が保証人なら問題ないとの返事が返ってきたらしい。以外に私はオーガキングに信頼がある様だ。もっともソフィアの仲間だというのが大きいのだろうが。
村長の発行してくれた証明書を仮の身分証として、早速次の日から一緒に薬草の採取に出かける。トーマスは元冒険者だったので薬草採取の経験はあると言う。最も冒険者と言ってもA級だそうだ。どおりで強かったはずだ。階級が上がってからは薬草採取はしていなかったのでブランクが長いらしい。トーマスは「もう一度新人に戻ったつもりで覚えますよ。」と軽口を言いながら森に向かう。途中で護衛のオーガに魔族語で挨拶をしたら驚いていた。
「俺も魔族語を覚えないといけませんね。」
と言うので、私とマイケルで教えることにする。魔族の国の国民になるのだから話せた方が良いに決まっている。
だが、それからしばらくして大事件が起きた。宰相が魔族の国にやって来てオーガキングに詫びをいれただけでなく、ボルダール伯爵の領地が魔族の国に移譲されることになったらしい。これは私の商売にとっては一大事だ! 魔族領になるとなると、間違いなくボルダール伯爵の領地は大混乱になるだろう。多くの人達、少なくとも伯爵領の支配者階級だった貴族や金持ち達の多くが出て行くことになる。それはすなわち、薬師達から魔物の国の薬草を使った薬を高値で購入してくれていた顧客が居なくなると言う事だ。
顧客がいないのに薬師達が魔物の森の薬草を買いに来るわけが無い。もちろんボルダール伯爵領以外の貴族に売ることは出来るだろうが、新しい販路を開拓するには時間が掛かる。それ以前に薬師達自身が魔族領に住むのを怖がって出て行く可能性もある。少なくとも混乱が落ち着くまで商売は出来ないと思った方が良いだろう。それに、もし魔族領に残る薬師が居るとしたら、その薬師も魔族の国の国民になると言う事だ、国民なら魔物の森で薬草を採取するのは自由だ、私達の競争相手になる。「くそ、宰相め、余計なことを!」と思わず毒ついた。
そんな時に、久々にジョン隊長が開拓村にやって来た。魔族の国に一番近いマルトの町にいて、人間の国の情報をオーガキングに伝えていたのだが、マルトの町どころか広大なボルダール伯爵領全体が魔族領になったのでお役御免ということらしい。
だが、トーマスを尋ねてやって来たジョン隊長の話を聞いて跳び上がるほど驚いた。なんとボルダール伯爵領がオーガキングの直轄領となり、ジョン隊長がオーガキングに代わって領地を統治する領主代行官に命じられたのでトーマスに参謀として手伝って欲しいと言うのだ。
「頼む。助けると思って引き受けてくれ。俺に領主の仕事が出来るわけがない、お前だけが頼りなんだ。長年の付き合いのよしみで頼む。」
と深々とトーマスに頭を下げるジョン隊長。どうやらふたりは昔からの知り合いらしい。トーマスがこちらを向いて、「引き受けて良いですか?」と尋ねて来るので、「もちろん」と答えた。こんな良い就職先を先の見えない商売のために断らせるわけに行かないだろう。
ジョン隊長とトーマスを見送った後、私とマイケルは自分達の身の振り方で悩んだ。ここに留まっても当面商売は出来そうにない。カラシンとソフィアの元に行くこともできるが、向こうでだって商売が出来ないというのは同じだ。ただ養ってもらうだけの生活など性に合わない。一方でボルダール伯爵領が魔族領になったことで、領内の冒険者ギルドは閉鎖となった様だ。冒険者の仕事も出来ないとなると八方塞がりだ。
幸いなことに、ライルへの薬草販売でたんまり稼がせてもらった。半分はカラシンとソフィアに渡したけれど、それでも懐に余裕はある。しばらく休日と決め込んでいたが、ある日村長を通じて仕事のオファーが来た。オファーはふたつ、ひとつは魔族領となった旧ボルダール伯爵領の治安を守る兵士となること。新しい魔族領では冒険者達を兵士として採用することにしたらしい。それともうひとつは、身分証を発行するために村や町を巡るラミア達一行の通訳。ジョン隊長はすべての住民に身分証を発行するまで、人間の国との交易を準備が整っていないことを理由に一時的に中止すると決めた。人間の国の間者達の活動を最小限に抑えるのが目的らしい。身分証が未配布の状態では誰が魔族の国の国民で、誰が人間の国から来た商人か見分けが付かない。交易の為に多くの商人が入って来ると、その分ライルみたいな間者も入り込み易いからだ。問題なく交易を再開するためにも身分証の発行は急務だが、言葉の通じないラミア達をそのまま送り出せばトラブルになるのが目に見える。片言でも良いから魔族語を話せるものを通訳に付けたいらしい。
私達の薬草の商売と同じで、村が行っていた人間の国との交易も閑古鳥が鳴いている状況だ。今まで交易の仕事を担当していた村人は魔族語を話せる人が多いから、ラミア一行の通訳として働く人が多いらしい。
私達も通訳をすることにした。兵士も安定職として魅力的なのだが、身分証の発行が完了したら人間の国との交易を再開するらしいから、通訳の方が私達にとっては都合が良い。ここが踏ん張りどころだ! まだまだ薬草の商売を諦めるには早すぎる。
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