神の娘は上機嫌 ~ ヘタレ預言者は静かに暮らしたい - 付き合わされるこちらの身にもなって下さい ~

広野香盃

文字の大きさ
11 / 102

10. 神官様はお見通し

しおりを挟む
(シロム視点)

「お早う、シロムさん。」

 とカリーナが声を掛けてくる。彼女の声を聞くといつもホッとする。

「遅刻ギリギリよ、もっと余裕を持って行動すべきだわ。神官になったら遅刻なんて許されないわよ。」

「御免」

カーナに謝って急いで席に着いた途端、1時間目の授業開始を告げる鐘がなった。危ない所だった。

 だけど時間になったのにキルクール先生がやって来ない。先生は昨日御使いみつかい様の姿を見てから神殿に出向いたままだ。何かあったんだろうかと4人で顔を見合わせた時、廊下をバタバタと走る音がしてキルクール先生が教室に飛び込んできた。

「皆さんお早うございます。遅くなってごめんなさい。」

走って来たのだろう、息を切らしながら謝るキルクール先生。いつも冷静でクールな先生が今日は興奮している様に見える。

「先生どうかしたんですか?」
 
「朝からちょっとした事件があって。そうそう、そのことで皆さんに連絡しておくことがあります。御使いみつかい様についての極秘情報です。本来なら神官だけの秘匿事項ですが皆さんには特別に許可が出ました。ただし、たとえご家族にも口外は厳禁です。約束出来ますか?」

カーナの質問にそう答えてからキルクール先生は僕達の顔を見回した。皆が頷くと続きを口にする。

「昨日、神殿から『御使いみつかい様がこの町にお越しになっている可能性がある』と発表しましたが、これは皆さんも聞いていますよね。」

「でも先生、御使いみつかい様は昨日確かに門の方向に飛んで行かれましたけど、そのまま門を飛び越えてガニマール帝国を懲らしめに行かれた可能性はありませんか?」

とカーナが疑問を口にする。

「その可能性は低いのです。昨日トマル村から戻った神官達から神の気には気付かなかったとの報告がありました。トマル村はこの町とガニマール帝国の間にあります。もしトマル村の上空を御使いみつかい様が通過されたのなら神官達が気付かなかったはずがありません。となれば、御使いみつかい様はこの町とトマル村の間のどこかで地上に降りられたことになります。この町とトマル村の間に御使いみつかい様が目的とされるような場所は無いことを考えると、門の外で地表に降りられ門を通ってこの町に入られたのではと言うのが神官の総意です。」

「それじゃ、やっぱり御使いみつかい様はこの町に居られるんですね!」

マークが嬉しそうに叫んだ。だがキルクール先生はそれに答えず話を続ける。

「そしてもうひとつ、お越しになっておられるのは御使いみつかい様以上のお方かもしれません。」

クラスメイト全員が「えっ!」と言う顔をする。僕も驚いた。神官様達はどこまで知っているのか? 

「先生、御使いみつかい様以上のお方と言いますと?」

「皆さんもご存じの様に、私達が献上した食事は翌朝に使われた食器類が返却されます。ですが昨日献上した食事は昼食と夕食が手付かずでした。この様なことは初めてです。」

「それが御使いみつかい様と関係するのですか?」

「昨日、御使いみつかい様が聖なる山からこちらに飛んでこられたのは昼前でした。もし、この町に来られた方が私達が献上する食事を召し上がっておられる方だとすれば、朝食のみ食され昼食と夕食が手付かずだったことの説明が付きます。

 もしそうだとすると、そのお方は300年前に神がカルロ様と契約を結ぶきっかけになり、それ以降私達がお捧げする供物をご利用いただいているお方と言う事になります。聖なる山の神ご本人もしくは神と非常に親しいお方の可能性が高いです。

 私達がお捧げしている衣服は若い女性の物です。サイズから言って、そのお方は恐らくあなた達と同じくらいの年齢の少女の姿ではないかと考えています。」

「先生、少女のお姿だと分かっていて、昨日門から入られたおおよその時間も分かるのであれば、特定することも出来るのではないですか?」

「そうかもしれませんね。マーク君は御使いみつかい様にお会いしたいですか?」

「もちろんです。お会いして感謝の気持ちをお伝えしたいです。」

「 「私も!」 」

とカーナとカリーナが唱和する。

「あなた達の気持ちは良く分かります。私も全く同じ気持ちです。ですが、あなた達には御使いみつかい様との接触を禁止します。一切です。御使いみつかい様をお探しすることも禁止です。昨日門を通ってこの町へ入った人達の記録は既に神殿の機密庫に運び込んであります。神官長の許可が無ければ閲覧できません。」

「 「 「えぇぇぇ~~~~~」 」 」

と言う声が重なる。

「先生、どうしてですか? 」

「理由は簡単です。御使いみつかい様は明らかに正体を隠そうとされています。それが御使いみつかい様のご意思であるならば私達はそれに逆らってはなりません。これは神官長のご命令でもあります。私達神官も御使いみつかい様を探索したり接触したりしません。御使いみつかい様にはこの町でご自由に行動していただきます。このことを伝えたのも皆さんは神気を感じることが出来るからです。神気を辿って御使いみつかい様にご迷惑をお掛けしては大変ですからね。」

「ですので、もし皆さんの誰かがすでに御使いみつかい様とお会いしているのであれば、御使いみつかい様に神殿の決定をお伝えしてください。私達は決して御使いみつかい様の邪魔は致しませんと。」

 流石は神官様達だ。一目だけでもアーシャ様にお会いしたいだろうに自制してくれている。これはアーシャ様には朗報だろう、帰ったらご報告しないと。

「それでは授業を始めましょうか。今日は昨日中断した供物の変遷の続きから始めます。残念なことに、カルロ様がこの地に住み始められてから最初の50年くらいについては詳しい記録が残っていません。カルロ様達遊牧民は文字で記録を残すことに熱心では無かった様です。記録が残り始めたのはカルロ様の定住地に遊牧民以外の人々が加わってからになります。カルロ様の語られたことや当時の神の奇跡についてはもちろん記録として残っていますが、これらはカルロ様の死後何十年も経ってから伝わっていた言い伝えを記したもので、どこまで信頼できるかについては意見が分かれるところです。従って初期の供物の記載ついては信憑性が疑われている部分もあります。」

「では、カルロ様は人と人とが話すように自由に神と話をされたと言うのも本当では無いのですか?」

「それは本当だと私達は信じています。でなければあれほどの奇跡をお示しになることはできなかったでしょう。ですが、それはあくまで状況証拠でしかありません、証明することは出来ないのです。

 話を戻しますね。神がカルロ様に最初にお命じになられた供物は日々の食事と女性用の衣服でした。言い伝えを纏めた記録では、この衣服は成人女性の物だったとありますが、これも初期の記録の信憑性が疑われている理由でもあります。なぜなら先ほどお話した様に現在献上している衣服は少女用の物で成人女性の物ではないからです。」

 僕達は初めて聞く話に静まり返った。神官であるキルクール先生がカルロ様の伝記の信憑性を言い出すなど開いた口が塞がらない思いだが、僕達が神官候補生だからこそ話してくれたのだろう。

「信憑性が担保され始めた頃の記録にはさらに驚くことが書かれています。カルロ様がこの地に来られてから50年くらい経った時代のものです。当時、神に献上していた服は2~3歳の女児用だったのです。この記述を疑う者もいますが、この時代の記録からは執筆者についても分かっていて記録の信憑性はかなりあると考えられています。すなわち今この町に来られている御使いみつかい様は、当時その様なお姿だったということです。」

「カルロ様のご遺言で10年に1度2種類のサイズの服を献上し、神が選ばれた方のサイズをその後献上することになっています。その様にして、服のサイズは何十年かに1回くらいの割合で大きくなってきました。神ご自身がご成長されているのか、もしくはどなたか大切なお方を育てておられると考えるのが自然でしょう。」

「きっと神域では時間がゆっくりと流れているんだわ。だからご成長もゆっくりなのよ。のんびりと過ごせるところなんでしょうね.....私も行ってみたい。」

カリーナがうっとりとした表情で呟く。

 1時限目の授業が終わり休憩時間になると、クラスメイト達は当然の様に御使いみつかい様の話題で盛り上がった。

御使いみつかい様にお会いするどころかお探しすることも禁止だなんて横暴よ。神様は神官だけのものじゃないわ。」

カーナが強い口調で意見を述べる。

「でも神官様達も御使いみつかい様にはお会いにならないのよね。別に独り占めしているわけではないと思うけど。」

「それはそうだけど......。お会いしたいじゃない。」

御使いみつかい様の邪魔をするなと言うくらいなら、最初から御使いみつかい様がこの町に居らっしゃるなんて発表しなければ良かったのに。そうでなければ私はガニマール帝国に向かわれたと思い込んでいたと思う。」

「その理由は少しわかる気がするよ。御使いみつかい様には町に良い印象を持っていただきたいじゃないか。御使いみつかい様がいらっしゃるという話を流せば、町の皆が気を付けると思うんだ。進んで通りの掃除をしてくれるかもしれないし。つまらないことで喧嘩なんかしなくなるだろう。夜中に酔っぱらって騒ぐのも控えめになるかもしれないよ。」

「なるほどね、やっぱり大人はずるいわ。」

「世の中そんなもんだって。それより俺はキルクール先生の言っていたことが気に掛かるな。まるで俺達の誰かが既に御使いみつかい様にお会いしている様な言い方をしてなかったか?」

「まさか!? マークの勘違いよ。」

「そうか? シロムも御使いみつかい様をお探ししたりしてないよな。」

「し、してないよ。」

探しはしていない。気が付いたら僕の家にいただけです。




(アーシャ視点)

 仕事が始まるまで部屋でのんびりしていたら、シロムさんから念話が届いた。本人は気付いていない様だが、無意識に念話を発してしまったらしい。どうやら授業中にびっくりすることがあった様だ。盗み聞きするのは悪いかなと思ったが、私に関することなので聞いてしまった。神官達は結構私のことを把握している様だ。私の邪魔はしないと宣言したことと言い中々優秀な人達だ。ありがとう神官達。その代わりこの国への加護はしっかりするからね。

 それにしても町の中央にある学校から入り口近くにある二葉亭まで念話が届くなんて、シロムさんは神力が高いのか? いや、そんな感じは受けなかった。神力が強いのでなければ私との親和性が高いんだ! 

 これはすごいかも......。これならシロムさんが神殿の供物の間に入れば確実に神域にいる私と話が出来る。あの部屋は念話が繋がりやすい仕組みになっているからな。そうなればシロムさんは神官ではなくカルロさんみたいに預言者と呼ばれることになるだろう。

 今の神官達は念話を送っても言葉を聞き取ってくれない。私が送ったイメージは神がお与えになった幻として、イメージの意味を一生懸命解釈してくれるけど、頓珍漢な解釈も多い。一度かわいらしい服が欲しいと伝えようとして、服と一緒にかわいらしい動物(リスや小鳥)のイメージを送ったのだが。供物として献上されたのは沢山のリスと鳥の死体だった。おそらく私がそれらを食べたいと思っていると解釈したのだろう。あの時は思わず町を滅ぼしそうになったよ.......とうさまが止めてくれなかったら危ない所だった。

 シロムさんが預言者になればそんな不自由な生活からおさらばできる! いや、だめだ。シロムさんはそんな目立つ立場に成ることを望まないだろう。神官になることすら躊躇しているのだから.........。いやいや、簡単にあきらめるな私! すべては私の快適な生活のため、大望のためには少々の犠牲(シロムさん)は止むを得ないのだ。大丈夫、どんなに大変な役職でも慣れれば何とかなるよ。立場が人を作るって言うじゃない。とりあえずはシロムさんに警戒させてはいけない。うまく誘導しないと。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~

namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。 かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。 海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。 そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。 それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。 そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。 対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。 「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」 アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。 ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。 やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。 揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。

看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎ 倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。 栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。 「責任、取って?」 噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。 手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。 けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。 看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。 それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界最底辺職だった俺、実は全スキルに適性Sだった件~追放されたので田舎でスローライフしてたら、気づいたら英雄扱いされてた~

えりぽん
ファンタジー
最底辺職「雑用士」として勇者パーティーを支えていたレオンは、ある日突然「無能」と罵られ追放される。 だがその瞬間、封印されていた全スキルの適性が覚醒。 田舎でのんびり生きるつもりが、いつの間にか魔物を絶滅させ、王女を救い、国を動かす存在に――? 本人まったく自覚なし。にもかかわらず、世界が勝手に彼を「伝説」と呼びはじめる。 ざまぁ有り、ハーレム有り、そして無自覚最強。 誰にも止められない勘違い英雄譚が、いま動き出す。

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

完結·異世界転生したらアザラシ? でした〜白いモフモフでイケメン騎士たちに拾われましたが、前世の知識で医療チートしています〜

恋愛
ネットでアザラシを見ることが癒しだった主人公。 だが、気が付くと知らない場所で、自分がアザラシになっていた。 自分が誰か分からず、記憶が曖昧な中、個性的なイケメン騎士たちに拾われる。 しかし、騎士たちは冬の女神の愛おし子を探している最中で…… ※小説家になろう、Nolaノベルにも投稿しています ※完結まで毎日投稿します

『悪役令嬢』は始めません!

月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。 突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。 と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。 アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。 ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。 そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。 アデリシアはレンの提案に飛び付いた。 そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。 そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが―― ※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。

王子様とずっと一緒にいる方法

秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。 そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。 「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」 身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった! 「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」 「王子様と一緒にいられるの!?」 毎日お茶して、一緒にお勉強して。 姉の恋の応援もして。 王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。 でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。 そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……? 「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」 え? ずっと一緒にいられる方法があるの!? ――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。 彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。 ※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

処理中です...