神の娘は上機嫌 ~ ヘタレ預言者は静かに暮らしたい - 付き合わされるこちらの身にもなって下さい ~

広野香盃

文字の大きさ
37 / 102

36. 虫退治

しおりを挟む
(シロム視点)


「キャーーーーーーッ、シロム様!」

 狭いトンネルを抜けてアルガ様の祭壇のある大空間に出た途端、アルムさんが悲鳴を上げた。なにせチーアルによる荒っぽい移動の為に、洞窟の壁に当たって何度も手足を擦りむき、頭にいくつものたんこぶを作っての登場だったからだ。擦りむいた手足だけでなく、頭からも血が流れている様だ。ひとつひとつの傷は大したことはないが、全身から血を流している人間が目の前に現れたらショックだろう。

「大丈夫です。大した怪我ではありません。それより町に危険が迫っています。アルムさんは直ちに避難してください。そうだ、アルムさんだけでなく町の人全員が避難しないと....。」

「私の事よりシロムさんの手当てが先です。マーブルさんのお宅に戻りましょう。」

「シロム様、何事ですか?」

「虫です! 巨大な虫の大群が鉱山からこの町に迫っています。すでに沢山の人が殺されました。

「虫....ですか?」

「人間ほどもある大きな虫です。逃げないと危険です。大至急地上に戻ります。」

「畏まりました。」

 マーブルさんを先頭に地上への道を急ぐ。本当は先に飛んで行きたいが、この鍾乳洞は迷路のようになっているから道に迷ったらアウトだ。チーアルに教えてもらいたくても知性が低下しているのか的確な返事は返ってこない。先ほどの狭いトンネルも入るときは怪我しなかったから、戻りで怪我をしたのは僕がチーアルをうまくコントロールできていないと言う事だろう。

 マーブルさんの家に戻り最上階に駆けあがって窓から外を覗く。夜中だが町のあちこちで火災が起きておりその光りで以外に明るい。残念ながらすでに避難を呼びかけるタイミングは過ぎてしまった様だ。悲鳴があちらこちらから上がっているが、意外にも沢山の人達が虫に立ち向かっており、しかも善戦している様だ。もっとも多勢に無勢だからやられるのは時間の問題だろう。アルガ様の妖精も戦ってくれているがそれでも分が悪い。

 それにどうやら町の一番奥にあるこの屋敷にも虫が迫って来ている様だ。暗くてよく見えないが近くでも人々が虫と戦っている声がする。

「くそったれ! 硬くて剣が刺さらねえ。」
「お前! 剣なんか役に立たねえぞ。楔を打ち込むでっかいハンマーを持って来い。思いっきり殴れば頭を潰せる。」
「わ、分かった。」

 剣では戦えないのか? 僕達は護身用の短剣しか持っていない。心細いけどマーク達には逃げるか隠れるかしてもらった方が良さそうだ。ひとりで戦う....そう考えた途端恐怖に身震いする。そうだ! 僕には味方がいる。ドラゴニウスさんだ。ドラゴニウスさんが一緒に戦ってくれれば心強い。

「マーブルさん、この家に窓がなくて虫に侵入されにくい部屋はありませんか?」

「それなら、地下にある食糧貯蔵庫が良いかもしれません。」

「それなら、そこに隠れていてください。マーク、このふたりを頼むよ。剣では戦えないと誰かが叫んでいたから気を付けて。」

「シロムはどうするんだ。」

「僕は虫を退治して来る。」

「ひとりで大丈夫なのか?」

 無理です、出来ませんと言いたいが、この中で戦えるのは僕だけだ。

「大丈夫。ドラゴニウスさんに助けてもらう。」

「分かった。気を付けろよ。」

 その言葉を聞いて、僕は窓から町に飛び出した。もちろん妖精に運んでもらってだ。全身がガタガタ震えている。昔から虫は嫌いなんだ。普通の虫を見るだけで鳥肌が立つのに、今から相手にするのは人間並みに大きな虫だという。少なくともドラゴニウスさんと一緒でないと怖くて無理だ。

 僕はドラゴニウスさんの居る森の方角に向かう。町では沢山の人がハンマーを持って巨大な虫と対峙している。あんな大きなハンマーを振り回せるなんてすごい力だ。そう言えばこの町は腕っぷしだけには自信のある人が多いと宿の女将さんが言っていた。鉱夫は力が無いと勤まらないのだろう。

 目の前でひとりが屋根の上にいた蜘蛛に飛びつかれた。不味い! 夢中でチーアルの妖精にお願いすると一斉に蜘蛛に向かう。僕まで一緒だ。

「ぎゃーーーーーー」

 迫りくる蜘蛛の姿に思わず悲鳴を上げた、だが僕に先行していた妖精達が蜘蛛に激突すると蜘蛛は一瞬でバラバラになって弾き飛ばされた。蜘蛛の体液がもろに僕に降りかかってくる。酸っぱい物が喉にこみあげて来て、たまらず地面に降り立ち胃の中の物をぶちまけた。

「大丈夫か? ありがとうな、助かったぜ。」

 逞しい男の人が声を掛けて来る。たぶん僕が助けた人だろう。口が利ける状態ではない僕はジェスチャーで答え、再度飛び立った。流石に恥ずかしい。

 でもすぐに恥かしいなどと言っていられる状態ではなくなった。助けないといけない人はいくらでもいる。その内にチーアルの記憶から戦い方を学んだ。妖精には5種類あるらしい、緑の土の妖精、白の風の妖精、赤の火の妖精、青の水の妖精、そして黒の闇の妖精。この5種がグループとなって戦うのが一番強いとチーアルの記憶が教えてくれる。どうやらアルガ様の妖精達も同様に5人グループで虫を攻撃している様だ。チーアルは闇の精霊だから分解して生じた妖精も闇が一番多い。5人グループを作るのに余った闇の妖精は僕の手元に置いて、残りの妖精にはすべて出撃してもらう。

 僕は妖精のグループ毎に戦いを指示する。妖精は知性が低いとチーアルが言っていたが、それでも大雑把な指示を与えれば後はやってくれる。これなら複数の虫を同時に攻撃出来る。

 僕が助けた人達は、最初何が起きたのか分からない様だったが、その内僕に注目が集まり始めた。確かに僕がターゲットを指さすだけで目標の虫が弾け飛ぶのだ。妖精は普通の人には見えないから、すべて僕がやっていると誤解するだろう。でも正直その時はそんなことを考えている余裕もなかった。なにせ攻撃する妖精達の視界がそのまま心に伝わって来るのだ。大写しになった虫の頭部や、飛散する体液、飛び散る沢山の足。吐き気を堪えるだけで必死だ。ドラゴニウスさんを呼びに行くことすら忘れていた。

 突然、町の外で空から巨大な炎が地面に向かって放たれた。沢山の虫が焼かれているのが見える。

<< ドラゴニウスさん! >>

 流石ドラゴニウスさん、何も言わなくても助けに来てくれたのだ。助かった....と安堵が心を支配する。だけどドラゴニウスさんから届いた念話は安心できるものでは無かった。

<< シロムか? 何が起こった? いや、話は後だな。とにかくこの虫どもを退治しなければならん。儂は町の外にいる虫を殺す。町の中はお前に任せるぞ。町の中で儂が攻撃すれば人間達を巻き込むからな。>>

 町の中に入り込んだ虫は僕達人間で何とかしろと言う事だ。仕方がない、ドラゴニウスさんがいればこれ以上町に入り込むことは無いだろう。

 結局、それからも必死の戦いが続くが、ドラゴニウスさんのお陰で新たに町に入り込む虫がいないから、少しずつ数が減って来た。町の人達も頑張っているし、アルガ様の妖精の活躍もすごい。

 何とかなりそうかなと考えた時、僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。アルムさんだ! こちらに駆け寄って来る。

「シロム様! マーク様が大変です、百足の毒にやられました。」

 恐れていたことが起きた様だ。アルムさんをつれて屋敷の食糧貯蔵庫に入ると、マークが床に横たわっていた。アルムさんは僕を探して走り回っていたらしい。虫が溢れる町を走り回っていたと言う事か!

「マーク!」

「食糧貯蔵庫に避難する途中で襲われてしまって、マーク様は私達を助けようと戦って下さったのです。百足に咬まれてからかなり時間が経っています。急がないと....。」

 急いでマークに駆け寄るが、そこで最悪の事実に気付く。もう預言者の杖は使えない。更にチーアルの記憶によると、チーアルやアルガ様にも人間の治療は出来ない。

 マークの顔色は土気色で放って置けば手遅れになるのは間違いない。僕は無力感に打たれその場に座り込んだ。

「シロム様。お早く! マークさんが死んでしまいます。」

 アルムさんが必死に叫ぶ。

「御免、僕にはどうしようもない。」

「そんな.....」

 それを聞いてアルムさんも床の上に座り込む。

「シロム様、マークさんは私達を助けるために戦って......。何とかなりませんか?」

「分かってる。マークはそんな奴なんだ.....。」

 ぽろぽろと涙が零れた。くそ! 何か! 何か手はないか.....そうだ! ドラゴニウスさんだ! アルガ様には無理でもドラゴニウスさんならマークを回復させることが出来るかもしれない! 確信はないがここでマークの死を待つより100倍ましだ。

「マークは必ず助けます。」

僕はそう言ってマークを抱え上げた。体格の良いマークは重いがそんなことを言っている場合ではない。

「チーアル、お願い!」

 僕はマークを連れて再び飛び立つ。目指すはドラゴニウスさんが戦っているであろう町の外、鉱山の方向だ。

 近づくにつれドラゴニウスさんが戦っている姿が見えて来る。暗闇の中でドラゴニウスさんが吐き出す炎が地面の上を町の方向に進む無数とも見える虫達を薙ぎ払う。1回で何十匹もの虫が焼き尽くされている。流石だ! ドラゴニウスさんの力ならマークを助けられるかもと心に希望の灯が灯る。

<< ドラゴニウスさん、お願ですマークを助けて下さい。百足の毒にやられました。>>

<< 何! シロム、杖は使えんのか? 儂には出来んぞ。>>

 ドラゴニウスさんの無慈悲な念話が届く。これでゲームセットかと思った時。

<< ドラ吉~~~~~~。あれ? シロムさんも? >>

 この念話はアーシャ様! 

<< アーシャ様! 助けて下さい! マークが、マークが死んでしまいます。>>

<< 何ですって! >>

 その念話届いた途端。マークの身体が金色に輝いた。アーシャ様の神力だ! そしてアーシャさまのお姿が見えて来る頃にはマークは完全に回復していた。嬉しくてもう一度涙が出た。

「マーク、良かった.....。」

「なんだよ、涙なんか流して。おわっ! 飛んでるのかよ! 落とさないでくれよ。」

 その後ドラゴニウスさんにマークを乗せてもらう。マークも僕に抱かかえられた状態でアーシャ様にご体面するのは嫌だろう。

<< ドラ吉、シロムさん、一体何があったの? >>

 すぐ傍まで来たアーシャ様はスミカと同じ年くらいの少女を連れている、というかぐったりした少女を抱きかかえていた。こちらもアーシャ様に何があったのかお伺いしたいが、確かにこの状況を何とかすることが先だろう。

「む、虫です。鉱山から虫が湧いたのです。虫の群れです。神気が原因です、龍脈が....。坑道が貫いて.....。」

 という要領を得ない僕の説明をマークが補足してくれる。我慢強く説明を聞いてくださったアーシャ様は頷いた。

「分かった。ここは私が何とかする。皆は少し離れていて、それとこの子をお願い。」

 そう言って女の子を僕に渡す。僕とドラゴニウスさんはマーブルさんの屋敷へ引き返すことにした。ドラゴニウスさんが来たら騒ぎになるかもしれないが、僕の傍に残ってもらっているチーアルの妖精達だけではマークと女の子のふたりを運ぶのは無理だ。それにすでにこの騒ぎだ、ドラゴンを見て驚いたとしても直ぐに飛び去ってもらったら何とかなるだろう。

<< ドラゴニウスさん、アーシャ様おひとりで大丈夫でしょうか? >>

<< 心配するな、アーシャ様のお力は儂などとは比べ物にならん。まあ見ておるが良い。>>

 ドラゴニウスさんがそう言った途端、背後が真っ赤に光った。振り返ると空に巨大な炎の竜巻が延びていた。そして虫達が次々に竜巻に飲み込まれて焼かれてゆく。

「すごい.....。」

 思わず呟いた。正に神のなせる業だ。町の外にいた虫達を易々と飲み込んだ竜巻は今度は町の上空に移動した。そしてどういう訳か、虫だけが竜巻に吸い寄せられてゆく。人間や妖精には何の影響もない。町の人達は上空を通ってゆく炎の竜巻を唖然とした表情で眺めているだけだ。

<< この辺がアーシャ様のすごい所だ。儂と違って神力を及ぼす対象を細かく絞り込むことがお出来になる。>>

<< ドラゴニウスさんも十分すごいです。そう言えば、アーシャ様は "ドラ吉"と呼んでおられましたね。>>

 そう言った途端、ドラゴニウスさんの目が怒りに燃える。

<< もう一度その名を口にしたら許さんぞ! その名を口にして良いのはアーシャ様だけじゃ。>>

 当然の事ながらドラゴニウスさんに睨まれた僕は震え上がった。

<< も、も、申し訳ありません。お、お許しを。2度と言いません。>>

<< 分かれば良い。あれは儂の一生一代の不覚じゃ。幼きアーシャ様が儂の名を口にするのが難しそうなので、ついその名を言ってしまったのじゃ。>>

 な、なるほど。ドラゴニウスさんも苦労している様だ。

 マーブルさん宅に戻り、僕達は庭に降下する。すぐにアルムさんとマーブルさんが家から飛び出して来た。

「シロム様! マーク様を助けることができたのですね。」

 地面に降りるなり抱き着いて来るアルムさん。アルムさんの良い匂いを嗅ぐと安心してその場に座り込んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~

namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。 かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。 海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。 そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。 それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。 そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。 対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。 「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」 アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。 ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。 やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。 揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。

看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎ 倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。 栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。 「責任、取って?」 噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。 手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。 けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。 看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。 それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

『悪役令嬢』は始めません!

月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。 突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。 と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。 アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。 ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。 そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。 アデリシアはレンの提案に飛び付いた。 そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。 そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが―― ※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。

王子様とずっと一緒にいる方法

秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。 そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。 「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」 身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった! 「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」 「王子様と一緒にいられるの!?」 毎日お茶して、一緒にお勉強して。 姉の恋の応援もして。 王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。 でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。 そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……? 「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」 え? ずっと一緒にいられる方法があるの!? ――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。 彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。 ※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

処理中です...