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42. 精霊王の襲来
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少し時間が戻ります
(アーシャ視点)
シロムさんが目を覚まさない。身体の傷は治したのだけれど精神にかなりのダメージを負っている様だ。精神の傷は神力では治せないから静かに寝かしておくしか出来ない。でもシロムさんが頑張ってくれなかったらこの町は滅びていたかもしれない。シロムさん、気が弱くてヘタレだと思っていたけれど、やる時はやる人だったんだ。
シロムさんは心配だけど、父さまに私が無事なことを知らせないと、私を心配する余りバカなことを仕出かしかねない。ガニマール帝国が滅びたら大変だ。
精霊の巫女であるマーブルさんが、「責任をもってシロム様の介護をいたします」と言ってくれているし、ドラ吉も付いているから大丈夫だろう。シロムさんと同じく精神にダメージを負ってしまったジャニス皇女をドラ吉に託して、ひとり鉱山の町を飛び立った。
最速の弾道飛行で聖なる山に向かう。神域に近づくや否や父さまの念話が届く、やっぱり心配を掛けたのだろう。
<< このじゃじゃ馬娘! あれほど気を付ける様に言ったであろう。お前には人の身体という弱点があるのだから。>>
<< 父さま心配かけて御免なさい、反省しています。>>
<< ん? いやに殊勝ではないか。いったいどうしたのだ。>>
<< もちろん父さまの娘として恥かしい行動だったと反省したのよ。>>
<< そうかそうか、これを機会にアーシャも一人前の神として成長すれば良いがの。>>
<< そ、そうね。オホホホホ。>>
父さまの怒りを鎮めるために猫を被っているだけだというのはおくびにも出さない。
<< それにしてもシロムさんまで送り出すなんてやり過ぎよ。>>
<< 仕方なかろう、儂は動くことができん。だがそれを知っておると言う事は、あ奴は役に立ったのだな。 >>
<< 大変な活躍だったわよ。父さまの手落ちで町がひとつ滅びるところを救ってくれたのよ。>>
<< な、何!? 何があった? >>
それから父さまの作った龍脈から神気が漏れ出して、鉱山の虫が巨大化して町を襲ったことをネチネチと非難を込めて話す。やった! これで私の失敗から話が逸れた。
<< それは申し訳ないことをしたな。シロムにはそれなりの褒美を与えねばならんな。>>
<< もちろんよ。もっとも本人は褒美なんて望まないと思うけどね。そう言う人なの。>>
<< ほう、それはますます興味深いな。>>
<< シロムさんへの褒美は何が良いか、一緒に考えてみましょうよ。>>
この様にして、私は父さまの叱責を回避して、聖なる山にある懐かしの我家に戻ることができたのだった。
それから数日してドラ吉も神域に戻ってきた、もちろんジャニスを連れてだ。
「ここが聖なる山なのね。私ですら何か感じるわ、これが神気と言うものなの?」
これがジャニスの開口一番の言葉だ。普段は神気を感じないジャニスもここでは違うらしい。神気の濃度が桁違いだからだろうか。
「ようこそ神域へ、色々考えたのだけど、貴方には誰か他の兄妹が皇帝の地位を継ぐまでここで暮らしてもらうことにしたわ。ここなら誰とも連絡の取り様がないしね。それが貴方への罰よ。」
「了解よ、仕方ないわね。」
「そうと決まったら、早速あなたの部屋へ案内しましょうか。私の初めてのお客さまよ、歓迎するわ。」
だが、聖なる山の山腹に開いた洞窟の中にある我家向かって歩いている時、何か異様な気を感じた。神気に似た何か、でも父さまの神気と同じくらい強い。
<< アーシャ、厄介な客が来た様だ。>>
父さまの念話が入る。上を見ると父さまの張った結界を物ともせず、何人かの人影が空からこちらに降りて来るところだった。
人影は4人、私とジャニスがいる洞窟前の広場に向かって降りて来る。
「アキュリス兄さん!」
ジャニスが驚きの声を上げる。
「ジャニスか! 驚いたな。まったく我が妹ながら油断がならん。」
4人の内ひとりはジャニスの兄アキュリスか。と言う事はこの人達の狙いはジャニスが私を攫ったのと同じ、父さまを味方に付けることか。
<< 今日は、聖なる山の神ボルステルス。久しぶりね。>>
<< 久しぶりだな、精霊王アートウィキ。会いたくはなかったがな、どうせ碌な用ではあるまい。>>
精霊王! 父さまと同格の力を持つ相手だ。父さまとは昔から仲が悪いらしい。4人の内一番大きな女の人が精霊王の様だ。白を基調とした豪華なドレスを着込み、髪は燃える様な赤色の巻き毛、目は緑、肌は褐色。若く見えるが精霊の年齢を外見から判断するのは無理だ。
(アーシャ視点)
シロムさんが目を覚まさない。身体の傷は治したのだけれど精神にかなりのダメージを負っている様だ。精神の傷は神力では治せないから静かに寝かしておくしか出来ない。でもシロムさんが頑張ってくれなかったらこの町は滅びていたかもしれない。シロムさん、気が弱くてヘタレだと思っていたけれど、やる時はやる人だったんだ。
シロムさんは心配だけど、父さまに私が無事なことを知らせないと、私を心配する余りバカなことを仕出かしかねない。ガニマール帝国が滅びたら大変だ。
精霊の巫女であるマーブルさんが、「責任をもってシロム様の介護をいたします」と言ってくれているし、ドラ吉も付いているから大丈夫だろう。シロムさんと同じく精神にダメージを負ってしまったジャニス皇女をドラ吉に託して、ひとり鉱山の町を飛び立った。
最速の弾道飛行で聖なる山に向かう。神域に近づくや否や父さまの念話が届く、やっぱり心配を掛けたのだろう。
<< このじゃじゃ馬娘! あれほど気を付ける様に言ったであろう。お前には人の身体という弱点があるのだから。>>
<< 父さま心配かけて御免なさい、反省しています。>>
<< ん? いやに殊勝ではないか。いったいどうしたのだ。>>
<< もちろん父さまの娘として恥かしい行動だったと反省したのよ。>>
<< そうかそうか、これを機会にアーシャも一人前の神として成長すれば良いがの。>>
<< そ、そうね。オホホホホ。>>
父さまの怒りを鎮めるために猫を被っているだけだというのはおくびにも出さない。
<< それにしてもシロムさんまで送り出すなんてやり過ぎよ。>>
<< 仕方なかろう、儂は動くことができん。だがそれを知っておると言う事は、あ奴は役に立ったのだな。 >>
<< 大変な活躍だったわよ。父さまの手落ちで町がひとつ滅びるところを救ってくれたのよ。>>
<< な、何!? 何があった? >>
それから父さまの作った龍脈から神気が漏れ出して、鉱山の虫が巨大化して町を襲ったことをネチネチと非難を込めて話す。やった! これで私の失敗から話が逸れた。
<< それは申し訳ないことをしたな。シロムにはそれなりの褒美を与えねばならんな。>>
<< もちろんよ。もっとも本人は褒美なんて望まないと思うけどね。そう言う人なの。>>
<< ほう、それはますます興味深いな。>>
<< シロムさんへの褒美は何が良いか、一緒に考えてみましょうよ。>>
この様にして、私は父さまの叱責を回避して、聖なる山にある懐かしの我家に戻ることができたのだった。
それから数日してドラ吉も神域に戻ってきた、もちろんジャニスを連れてだ。
「ここが聖なる山なのね。私ですら何か感じるわ、これが神気と言うものなの?」
これがジャニスの開口一番の言葉だ。普段は神気を感じないジャニスもここでは違うらしい。神気の濃度が桁違いだからだろうか。
「ようこそ神域へ、色々考えたのだけど、貴方には誰か他の兄妹が皇帝の地位を継ぐまでここで暮らしてもらうことにしたわ。ここなら誰とも連絡の取り様がないしね。それが貴方への罰よ。」
「了解よ、仕方ないわね。」
「そうと決まったら、早速あなたの部屋へ案内しましょうか。私の初めてのお客さまよ、歓迎するわ。」
だが、聖なる山の山腹に開いた洞窟の中にある我家向かって歩いている時、何か異様な気を感じた。神気に似た何か、でも父さまの神気と同じくらい強い。
<< アーシャ、厄介な客が来た様だ。>>
父さまの念話が入る。上を見ると父さまの張った結界を物ともせず、何人かの人影が空からこちらに降りて来るところだった。
人影は4人、私とジャニスがいる洞窟前の広場に向かって降りて来る。
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