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61. レイスのマジョルカさん
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(シロム視点)
家に帰ると僕は自分の部屋に向かう。毎日宿題をしないと.....夏休みの終わりに徹夜すればなんとかなる量ではない。キルクール先生、恨みますよ。
< シロム殿、待って居ったぞ。>>
部屋の中では大きな鷹の姿をした精霊が机の上に留まっていた。精霊のアナクリムさんだ。僕は「またか....。」と心の中で呟く。精霊は実体化を解けば家の壁くらい通り抜けられるから、窓の鍵を締めていても意味が無い。
アナクリムさんは元々ウィンディーネ様の配下だった。ウィンディーネ様が意識を失ってからは一時的に精霊王様の直属になっていたが、ウィンディーネさんの復活とともに元に戻ったわけだ。
<< 人間よ、お主がウィンディーネ様を助けてくれたそうだな。人間に頭を下げるのは癪だが礼を言わねばなるまい。我らが主をよくぞ復活させてくれた。お主がウィンディーネ様の主人になったのなら我らは間接的にお主の配下となる。あの皇子とは話すらする気になれなかったが、同じ人間でもお主は皇子とは違う様だ。ウィンディーネ様もいたく気に入っておられる様だしな。願い事があれば言ってくれ大抵のことはやってやるぞ。>>
これがアナクリムさんが最初にこの部屋にやって来た時に口にした内容だ。もちろん願い事なんて無い。そう伝えたのだが、「それでは自分の気が済まぬ」と言って度々訪れては願い事を催促される。何か誰の迷惑にもならない様な願い事を考えてた方がよいかもしれない。
<< 今日はアナクリムさん。願い事は無いですよ。>>
<< 全くお主も頑固だな。まあ良い、今日はお主に会って欲しい者がいるので連れて来た。窓の外で待たせているが入れて良いか? >>
わざわざ外で待たせているのか? 2階の窓の外で待っていると言う事は間違いなく人ではないよな。それにしても、アナクリムさんが初めて来たときは断りもなく部屋の中で待っていたじゃないか。礼儀正しいのか正しくないのか理解に苦しむ。
<< ええ、良いですよ。>>
<< 窓の外の方、どうぞ入って下さい。>>
窓の外に念話で入る様に伝えると、壁を通り抜けて1人の少女が姿を現した。歳は僕と同じくらいだが、半透明で色はなく、まるで黒と白の絵の具だけで書いた人物画の様に身体のすべてがモノトーンだ。
<< レイス(幽霊)のマジョルカ殿だ。>>
<< ひ、ひぇ~ >>
レイスと聞いて腰を抜かした僕は、そのままベッドに倒れ込んだのを幸い、頭から布団をひっかぶった。
<< シロム殿、いくら何でもその態度は失礼であろう。>>
アナクリムさんが呆れたように伝えて来るが、そんなこと言われても怖いものは怖い。幽霊が怖いと言うのは人間の本能だ。
<< 私、帰ります。怖がらせて御免なさい。>>
(( 精霊様の紹介だから期待したけど、こんなヘタレに助けを求めても無駄よね。でもレイスと話が出来る人間がいると分かっただけでも収穫があったわ。もっと頼りになる人と出会えるかもしれない。))
レイスの少女は冷たい声でそう言った後静かになった。なんか変な副音声が付いていた気がするのは気のせいだろうか。しばらくして僕は恐る恐る布団から顔を出した。
<< シロム殿、マジョルカ殿は何者かに追われているらしい。助けを求めてここに来たのだ。誰かに相談するにも話の出来る人間には会えず、もう何か月もあちこちを彷徨っていたと言っておった。マジョルカ殿は元人間だからな、精霊の私より人間に相談した方が良いと思ってシロム殿を紹介したのだ。可哀そうだとは思わんのか? >>
そ、そんなこと言われてもレイスだよ、怖い物は怖い。でも....何か月も1人ぼっちでいたのか....きっとレイスも実体化を解いた精霊と同じで、普通の人には見えないのだろう。誰も自分を認識してくれない環境で過ごしていて、漸く人と話が出来るかと期待して僕に会いに来たらしい。それなのに僕は頭から布団を被って拒否してしまったのだ。ガッカリしただろうな....。もっとも僕じゃ何の助けにもならないだろうけど、アーシャ様なら相談に乗ってくれるかもしれない。
<< あ、あの、アナクリムさん、マジョルカさんにもう一度会う事は出来ませんか。失礼な態度を取ったことを謝りたいです。>>
<< おお、話をしてくれる気になったか。それは上々。ならば儂が捜してこよう。なに、遠くに行ってはおるまい。>>
アナクリムさんはそう言うと、実体化を解いて窓ガラスをすり抜け外に出て言った。結構面倒見の良い人なのかもしれない。もっとも勝手に人の部屋に入って来るのには閉口するが....。
<< なあ、チーアル。レイスって何なんだ。>>
さっきから実体化を解いて空中に浮かんでいたチーアルが返事を返して来る。
<< 詳しくは知らないわよ。レイスは人間の魂から出来るから、同じ人間のシロムの方が良く知っているのじゃないの? 私が知っているのは人間が死ぬと、その魂は輪廻の流れに戻って生まれ変わるけれど、偶に輪廻の流れに戻らない魂がいること。そんな魂はほとんどが自然に消滅してしまうけど極まれに消滅しない魂も有って、それがレイスになるってことぐらいよ。>>
そうなんだ。じゃあレイスが死んだ人間というのは間違いじゃないんだ。それにしては、僕は生まれてこの方マジョルカさん以外のレイスを見たことが無い。死んだ人間の魂からレイスが生まれるなら、もっとたくさんいても良いのではないだろうか。
<< どこかにレイスの国があるのかな? レイスは生まれたらその国に行ってしまうので、この辺にはいないとか....。>>
<< そんな国聞いたことも無いわよ。それだけレイスになる魂が珍しいと言う事じゃない。大抵の魂は輪廻の流れに戻るもの。>>
<< それじゃ、どうして輪廻の流れに戻らない魂があるんだろう。>>
<< あのね、そんなこと精霊の私が知っているわけないじゃない。>>
ごもっとも。
だけど、翌日まで待ってもマジョルカさんは戻って来なかった。アナクリムさんの説得に応じず町を出て言ってしまったらしい。アーシャ様にも相談したが、流石に会ったこともないレイスの居場所を探し出すのは難しいらしい。悪い事をした。僕が怖がりで無かったら助けてあげられたかもしれないのに...。
家に帰ると僕は自分の部屋に向かう。毎日宿題をしないと.....夏休みの終わりに徹夜すればなんとかなる量ではない。キルクール先生、恨みますよ。
< シロム殿、待って居ったぞ。>>
部屋の中では大きな鷹の姿をした精霊が机の上に留まっていた。精霊のアナクリムさんだ。僕は「またか....。」と心の中で呟く。精霊は実体化を解けば家の壁くらい通り抜けられるから、窓の鍵を締めていても意味が無い。
アナクリムさんは元々ウィンディーネ様の配下だった。ウィンディーネ様が意識を失ってからは一時的に精霊王様の直属になっていたが、ウィンディーネさんの復活とともに元に戻ったわけだ。
<< 人間よ、お主がウィンディーネ様を助けてくれたそうだな。人間に頭を下げるのは癪だが礼を言わねばなるまい。我らが主をよくぞ復活させてくれた。お主がウィンディーネ様の主人になったのなら我らは間接的にお主の配下となる。あの皇子とは話すらする気になれなかったが、同じ人間でもお主は皇子とは違う様だ。ウィンディーネ様もいたく気に入っておられる様だしな。願い事があれば言ってくれ大抵のことはやってやるぞ。>>
これがアナクリムさんが最初にこの部屋にやって来た時に口にした内容だ。もちろん願い事なんて無い。そう伝えたのだが、「それでは自分の気が済まぬ」と言って度々訪れては願い事を催促される。何か誰の迷惑にもならない様な願い事を考えてた方がよいかもしれない。
<< 今日はアナクリムさん。願い事は無いですよ。>>
<< 全くお主も頑固だな。まあ良い、今日はお主に会って欲しい者がいるので連れて来た。窓の外で待たせているが入れて良いか? >>
わざわざ外で待たせているのか? 2階の窓の外で待っていると言う事は間違いなく人ではないよな。それにしても、アナクリムさんが初めて来たときは断りもなく部屋の中で待っていたじゃないか。礼儀正しいのか正しくないのか理解に苦しむ。
<< ええ、良いですよ。>>
<< 窓の外の方、どうぞ入って下さい。>>
窓の外に念話で入る様に伝えると、壁を通り抜けて1人の少女が姿を現した。歳は僕と同じくらいだが、半透明で色はなく、まるで黒と白の絵の具だけで書いた人物画の様に身体のすべてがモノトーンだ。
<< レイス(幽霊)のマジョルカ殿だ。>>
<< ひ、ひぇ~ >>
レイスと聞いて腰を抜かした僕は、そのままベッドに倒れ込んだのを幸い、頭から布団をひっかぶった。
<< シロム殿、いくら何でもその態度は失礼であろう。>>
アナクリムさんが呆れたように伝えて来るが、そんなこと言われても怖いものは怖い。幽霊が怖いと言うのは人間の本能だ。
<< 私、帰ります。怖がらせて御免なさい。>>
(( 精霊様の紹介だから期待したけど、こんなヘタレに助けを求めても無駄よね。でもレイスと話が出来る人間がいると分かっただけでも収穫があったわ。もっと頼りになる人と出会えるかもしれない。))
レイスの少女は冷たい声でそう言った後静かになった。なんか変な副音声が付いていた気がするのは気のせいだろうか。しばらくして僕は恐る恐る布団から顔を出した。
<< シロム殿、マジョルカ殿は何者かに追われているらしい。助けを求めてここに来たのだ。誰かに相談するにも話の出来る人間には会えず、もう何か月もあちこちを彷徨っていたと言っておった。マジョルカ殿は元人間だからな、精霊の私より人間に相談した方が良いと思ってシロム殿を紹介したのだ。可哀そうだとは思わんのか? >>
そ、そんなこと言われてもレイスだよ、怖い物は怖い。でも....何か月も1人ぼっちでいたのか....きっとレイスも実体化を解いた精霊と同じで、普通の人には見えないのだろう。誰も自分を認識してくれない環境で過ごしていて、漸く人と話が出来るかと期待して僕に会いに来たらしい。それなのに僕は頭から布団を被って拒否してしまったのだ。ガッカリしただろうな....。もっとも僕じゃ何の助けにもならないだろうけど、アーシャ様なら相談に乗ってくれるかもしれない。
<< あ、あの、アナクリムさん、マジョルカさんにもう一度会う事は出来ませんか。失礼な態度を取ったことを謝りたいです。>>
<< おお、話をしてくれる気になったか。それは上々。ならば儂が捜してこよう。なに、遠くに行ってはおるまい。>>
アナクリムさんはそう言うと、実体化を解いて窓ガラスをすり抜け外に出て言った。結構面倒見の良い人なのかもしれない。もっとも勝手に人の部屋に入って来るのには閉口するが....。
<< なあ、チーアル。レイスって何なんだ。>>
さっきから実体化を解いて空中に浮かんでいたチーアルが返事を返して来る。
<< 詳しくは知らないわよ。レイスは人間の魂から出来るから、同じ人間のシロムの方が良く知っているのじゃないの? 私が知っているのは人間が死ぬと、その魂は輪廻の流れに戻って生まれ変わるけれど、偶に輪廻の流れに戻らない魂がいること。そんな魂はほとんどが自然に消滅してしまうけど極まれに消滅しない魂も有って、それがレイスになるってことぐらいよ。>>
そうなんだ。じゃあレイスが死んだ人間というのは間違いじゃないんだ。それにしては、僕は生まれてこの方マジョルカさん以外のレイスを見たことが無い。死んだ人間の魂からレイスが生まれるなら、もっとたくさんいても良いのではないだろうか。
<< どこかにレイスの国があるのかな? レイスは生まれたらその国に行ってしまうので、この辺にはいないとか....。>>
<< そんな国聞いたことも無いわよ。それだけレイスになる魂が珍しいと言う事じゃない。大抵の魂は輪廻の流れに戻るもの。>>
<< それじゃ、どうして輪廻の流れに戻らない魂があるんだろう。>>
<< あのね、そんなこと精霊の私が知っているわけないじゃない。>>
ごもっとも。
だけど、翌日まで待ってもマジョルカさんは戻って来なかった。アナクリムさんの説得に応じず町を出て言ってしまったらしい。アーシャ様にも相談したが、流石に会ったこともないレイスの居場所を探し出すのは難しいらしい。悪い事をした。僕が怖がりで無かったら助けてあげられたかもしれないのに...。
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