78 / 102
77. ガニマール帝国へ
しおりを挟む
(シロム視点)
今までなら魔族がレイスを捕まえても(道義的にはともかく)生きている人間には何の悪影響もなかった。レイスに成るのは輪廻の流れに戻り損ねた魂で放って置いてもいずれは消滅してしまうのだ。
だが人工的にレイスを作り出すとなると話は別だ。人工レイスも亡くなった人の魂から作られる。何らかの方法で亡くなった人の魂が輪廻の流れに戻るのを妨げてレイスにしているのだろう。本来生まれ変わることが出来る魂を消滅させているわけだ、一刻も早く止めなければならない。
「精霊王様、魔族の人達はボルト皇子に会ったことはありません。ですが彼女達の教団の教祖となったコトラルという人間には魂の力を奪う技を伝えた様です。そのコトラルは2年前から行方不明になっています。ひょっとしたらボルト皇子に魂の力を奪う技を伝えたのはコトラルかもしれません。」
「その可能性は強いな。ボルステルスよ、この後どう動く?」
<< そうだな.... >>
「ボルト兄さんは戦争を起こすつもりよ。お願い、私を国に戻して頂戴。何としてでも防がないと。」
ジャニス皇女が聖なる山の神の話を遮る形で発言する。ジャニス皇女には聖なる山の神様の念話が聞こえないだろうから無理はないが冷や汗が出た。
「戦争だと? ジャニスよ、どうしてそう思う?」
精霊王様がジャニスに詰問する。
「だって、私がボルト兄さんの立場ならそうするもの。レイスを作るには人が死ぬ必要があるのでしょう。でも流石に理由もなく人が死んだら問題になる。だから病院に目を付けたわけね。病院ならわざわざ人を殺さなくても一定数の患者は亡くなるわ。でも病院で亡くなる人の数は多くはない。次の手段は戦争よ。戦争なら敵がどれだけ死んでも問題にならないわ。だから狙うのは自由に戦争を起こすことが出来る立場。ボルト兄さんは今頃ガイラス兄さんの様に皇位の簒奪を企てているところだと思う。ガイラス兄さんのクーデターを防いだのは先に皇位に付かれては邪魔だったからよ。」
<< 皆、聞いてくれ。ジャニスが言ったことはかなりの可能性がある。そこで今から私の考えを述べる。ジャニスにはアーシャから後で伝えてやってくれ。>>
聖なる山の神がそう断ってから話された内容は驚愕ものだった。僕の顔は蒼白になっていたと思う。
それから数日後、僕はウィンディーネ様の水球に乗ってガニマール帝国の皇都に向かっていた。僕と一緒に水球に乗っているのはチーアルにジャニス皇女、ジャニス皇女の希望でアーシャ様が探し出してくれた元ジャニス皇女の執事アニルさん。それに僕の精神世界に入ったレイスのマジョルカさんだ。アーシャ様は別の役目があるので同行されていない。
実は出発までにひとつ悲しいことがあった。あの後カニアールさんが消えてしまったのだ。カニアールさんはカリトラス大神が本物の神では無いと知り、そのためにカリトラス大神の指示によって自分は殺されたと思い込んでいた。自分が生涯を掛けて信じていたカリトラス大神に裏切られたこと、そのカリトラス大神を信じる様に巫女達を指導していたことが心残りで輪廻の流れに戻ることが出来なかったらしい。
それがカリトラス大神はカニアールさんが殺されたとは全く知らず、もちろんカニアールさんを殺すように指示したことも無いと分かった。すべては教祖のコトラルが独断でしたことだったのだ。レイスとは言え再びカニアールさんと話が出来たと感涙する魔族の姉妹たちを見てカニアールさんはそのまま消えて行った。聖なる山の神様が仰るには、魂だけの存在であるレイスのカニアールさんは元々不安定な存在であり、この世界に残っていた理由が消えたことでバランスが崩れたのだろうとのことだ。
マジョルカさんに僕の精神世界に入ってもらっているのはこのためだ。カニアールさんと同じレイスであるマジョルカさんはいつ消えてしまうか分からない運命だが、他人の身体とは言え身体や精神世界で防御していれば消滅する可能性はかなり低くなるらしい。
僕達に聖なる山の神から命じられた役目は、ジャニス皇女を皇位に付けることと、それによってボルト皇子の暴発を未然に防ぐことだ。
ジャニス皇女達正室の子供たちに皇帝から下された "聖なる山の神を味方に付けろ" という命令の期限はまだギリギリ来ていない。ジャニス皇女が期限までに皇都に戻って、命令通り聖なる山の神を味方に付けたと宣言し、それを皇帝陛下が信用すればジャニス皇女が後継者となる。
もちろん、その結果皇帝の目論見どおりガニマール帝国がカルロ教国に攻め込むことになれば今度こそガニマール帝国は滅亡することになるかもしれないが、ジャニス皇女にはカルロ教国だけでなくどの国とも戦争を始める気はない。要は皇帝を騙して速やかにジャニス皇女に皇位を譲らせればよいわけだ。
アニルさんには魔族やレイスのことまでは話していないが、ジャニス皇女が皇位に付けると聞いて全面強力を約束してくれた。
あとはマジョルカさんだ、実は今回の作戦の成否はマジョルカさんに掛かっていると言っても過言ではない。
食事や睡眠も水球の中で取るという強行軍で、僕達は皇都に急ぐ。皇帝がジャニス皇女に下した命令の期限まであと数日しか残っていないのだ。そして遂にガニマール帝国の皇都が見えて来た時、僕は緊張の余りウィンディーネ様に頼んで緊急着陸してもらった。流石に水球の中で用を足すわけには行かない。
皇都に入ると、ジャニスが所長を務める魔道具研究所の庭に一旦着陸する。ここで別行動予定のアニルさんを降ろした後、ジャニス皇女は職員達の歓迎の言葉に手を振って応えながら再び飛び立った。
このまま皇帝のいる宮殿に乗り付ける予定だ。ここからはウィンディーネ様とチーアルにも僕の精神世界に入ってもらった。カルロ教国の神官様の様にひょっとしたらガニマール帝国にも精霊やレイスを見ることが出来る人がいるかもしれないからだ。
水球が宮殿の中庭に着陸すると、早速沢山の兵士達に囲まれた。水球に向かって槍を構えて警戒していた兵士達だが、中に乗っているのがジャニス皇女だと分かると槍を立てて一斉に敬礼した。どうやらジャニス皇女の顔は兵士達の間にも知れ渡っている様だ。
僕とジャニス皇女が水球から地面に降り立つと、一際立派な鎧を付けた兵士が前に進み出てジャニス皇女の前で跪いた。
今までなら魔族がレイスを捕まえても(道義的にはともかく)生きている人間には何の悪影響もなかった。レイスに成るのは輪廻の流れに戻り損ねた魂で放って置いてもいずれは消滅してしまうのだ。
だが人工的にレイスを作り出すとなると話は別だ。人工レイスも亡くなった人の魂から作られる。何らかの方法で亡くなった人の魂が輪廻の流れに戻るのを妨げてレイスにしているのだろう。本来生まれ変わることが出来る魂を消滅させているわけだ、一刻も早く止めなければならない。
「精霊王様、魔族の人達はボルト皇子に会ったことはありません。ですが彼女達の教団の教祖となったコトラルという人間には魂の力を奪う技を伝えた様です。そのコトラルは2年前から行方不明になっています。ひょっとしたらボルト皇子に魂の力を奪う技を伝えたのはコトラルかもしれません。」
「その可能性は強いな。ボルステルスよ、この後どう動く?」
<< そうだな.... >>
「ボルト兄さんは戦争を起こすつもりよ。お願い、私を国に戻して頂戴。何としてでも防がないと。」
ジャニス皇女が聖なる山の神の話を遮る形で発言する。ジャニス皇女には聖なる山の神様の念話が聞こえないだろうから無理はないが冷や汗が出た。
「戦争だと? ジャニスよ、どうしてそう思う?」
精霊王様がジャニスに詰問する。
「だって、私がボルト兄さんの立場ならそうするもの。レイスを作るには人が死ぬ必要があるのでしょう。でも流石に理由もなく人が死んだら問題になる。だから病院に目を付けたわけね。病院ならわざわざ人を殺さなくても一定数の患者は亡くなるわ。でも病院で亡くなる人の数は多くはない。次の手段は戦争よ。戦争なら敵がどれだけ死んでも問題にならないわ。だから狙うのは自由に戦争を起こすことが出来る立場。ボルト兄さんは今頃ガイラス兄さんの様に皇位の簒奪を企てているところだと思う。ガイラス兄さんのクーデターを防いだのは先に皇位に付かれては邪魔だったからよ。」
<< 皆、聞いてくれ。ジャニスが言ったことはかなりの可能性がある。そこで今から私の考えを述べる。ジャニスにはアーシャから後で伝えてやってくれ。>>
聖なる山の神がそう断ってから話された内容は驚愕ものだった。僕の顔は蒼白になっていたと思う。
それから数日後、僕はウィンディーネ様の水球に乗ってガニマール帝国の皇都に向かっていた。僕と一緒に水球に乗っているのはチーアルにジャニス皇女、ジャニス皇女の希望でアーシャ様が探し出してくれた元ジャニス皇女の執事アニルさん。それに僕の精神世界に入ったレイスのマジョルカさんだ。アーシャ様は別の役目があるので同行されていない。
実は出発までにひとつ悲しいことがあった。あの後カニアールさんが消えてしまったのだ。カニアールさんはカリトラス大神が本物の神では無いと知り、そのためにカリトラス大神の指示によって自分は殺されたと思い込んでいた。自分が生涯を掛けて信じていたカリトラス大神に裏切られたこと、そのカリトラス大神を信じる様に巫女達を指導していたことが心残りで輪廻の流れに戻ることが出来なかったらしい。
それがカリトラス大神はカニアールさんが殺されたとは全く知らず、もちろんカニアールさんを殺すように指示したことも無いと分かった。すべては教祖のコトラルが独断でしたことだったのだ。レイスとは言え再びカニアールさんと話が出来たと感涙する魔族の姉妹たちを見てカニアールさんはそのまま消えて行った。聖なる山の神様が仰るには、魂だけの存在であるレイスのカニアールさんは元々不安定な存在であり、この世界に残っていた理由が消えたことでバランスが崩れたのだろうとのことだ。
マジョルカさんに僕の精神世界に入ってもらっているのはこのためだ。カニアールさんと同じレイスであるマジョルカさんはいつ消えてしまうか分からない運命だが、他人の身体とは言え身体や精神世界で防御していれば消滅する可能性はかなり低くなるらしい。
僕達に聖なる山の神から命じられた役目は、ジャニス皇女を皇位に付けることと、それによってボルト皇子の暴発を未然に防ぐことだ。
ジャニス皇女達正室の子供たちに皇帝から下された "聖なる山の神を味方に付けろ" という命令の期限はまだギリギリ来ていない。ジャニス皇女が期限までに皇都に戻って、命令通り聖なる山の神を味方に付けたと宣言し、それを皇帝陛下が信用すればジャニス皇女が後継者となる。
もちろん、その結果皇帝の目論見どおりガニマール帝国がカルロ教国に攻め込むことになれば今度こそガニマール帝国は滅亡することになるかもしれないが、ジャニス皇女にはカルロ教国だけでなくどの国とも戦争を始める気はない。要は皇帝を騙して速やかにジャニス皇女に皇位を譲らせればよいわけだ。
アニルさんには魔族やレイスのことまでは話していないが、ジャニス皇女が皇位に付けると聞いて全面強力を約束してくれた。
あとはマジョルカさんだ、実は今回の作戦の成否はマジョルカさんに掛かっていると言っても過言ではない。
食事や睡眠も水球の中で取るという強行軍で、僕達は皇都に急ぐ。皇帝がジャニス皇女に下した命令の期限まであと数日しか残っていないのだ。そして遂にガニマール帝国の皇都が見えて来た時、僕は緊張の余りウィンディーネ様に頼んで緊急着陸してもらった。流石に水球の中で用を足すわけには行かない。
皇都に入ると、ジャニスが所長を務める魔道具研究所の庭に一旦着陸する。ここで別行動予定のアニルさんを降ろした後、ジャニス皇女は職員達の歓迎の言葉に手を振って応えながら再び飛び立った。
このまま皇帝のいる宮殿に乗り付ける予定だ。ここからはウィンディーネ様とチーアルにも僕の精神世界に入ってもらった。カルロ教国の神官様の様にひょっとしたらガニマール帝国にも精霊やレイスを見ることが出来る人がいるかもしれないからだ。
水球が宮殿の中庭に着陸すると、早速沢山の兵士達に囲まれた。水球に向かって槍を構えて警戒していた兵士達だが、中に乗っているのがジャニス皇女だと分かると槍を立てて一斉に敬礼した。どうやらジャニス皇女の顔は兵士達の間にも知れ渡っている様だ。
僕とジャニス皇女が水球から地面に降り立つと、一際立派な鎧を付けた兵士が前に進み出てジャニス皇女の前で跪いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
『悪役令嬢』は始めません!
月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。
突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。
と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。
アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。
ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。
そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。
アデリシアはレンの提案に飛び付いた。
そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。
そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが――
※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。
王子様とずっと一緒にいる方法
秋月真鳥
恋愛
五歳のわたくし、フィーネは姉と共に王宮へ。
そこで出会ったのは、襲われていた六歳の王太子殿下。
「フィーネ・エルネスト、助太刀します! お覚悟ー!」
身長を超える大剣で暗殺者を一掃したら、王子様の学友になっちゃった!
「フィーネ嬢、わたしと過ごしませんか?」
「王子様と一緒にいられるの!?」
毎日お茶して、一緒にお勉強して。
姉の恋の応援もして。
王子様は優しくて賢くて、まるで絵本の王子様みたい。
でも、王子様はいつか誰かと結婚してしまう。
そうしたら、わたくしは王子様のそばにいられなくなっちゃうの……?
「ずっとわたしと一緒にいる方法があると言ったら、フィーネ嬢はどうしますか?」
え? ずっと一緒にいられる方法があるの!?
――これは、五歳で出会った二人が、時間をかけて育む初恋の物語。
彼女はまだ「恋」を知らない。けれど、彼はもう決めている――。
※貧乏子爵家の天真爛漫少女×策略王子の、ほのぼのラブコメです。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる