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第1章 惑星ルーテシア編
17. 出発
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出発の日、私とハルちゃんは冒険者の衣装を着て私の部屋にいた。人払いは済ませてある。冒険者の衣装といっても決まっているわけではない。ただ野外で動き回るのに適し、また野宿にも耐えられる服装となると結果として良く似た感じになる。下は男女共にパンツ、スカートは不可だ。上はポケットが沢山ついたジャケットが基本だ。私達は魔法使いの冒険者夫婦という設定なので、雰囲気を出すために魔法使い用の長い杖を持ち、さらにマントを羽織った。マントのフードを被れば顔ばれもしにくいだろうというのが理由だ。魔法で髪と目の色は変えているが、ハルちゃんも私も有名人なので気を付けないとね。特に王都はこの神殿から近いから、この前の地震騒ぎの時に私の顔を見た人がいる可能性がある。あとは護身用の短剣を腰に吊るし、荷物を詰めたリュックサックを背負えば完成だ。実はこのリュックサックはカモフラージュ用で、着替えなど軽い物しか入れていない。それ以外の荷物は私の収納魔法で亜空間に保管している。これは便利な魔法で亜空間に入れると時間も止まるので食料品も傷まない。一般の人でも使える魔法だが、その容量は魔力量によってまちまちだ、維持するにも魔力が必要なので、一時的に短時間使う人はいても、常用する人はあまりいないらしい。
ちなみに私の持っている魔法使い用の杖だが、魔法使いの雰囲気を出すため以外に目的がもうひとつある。私は周りの人を怖がらせない様に常時身体の周りに魔力遮断結界を張っているが、実はこの結界があると魔法が使えないことが判った。理由は簡単、私が発する魔力を結界が遮断してしまうのだ。そこでこの杖である。魔法使いの杖は魔力を通しやすい材質で出来ている。一方魔力遮断結界は魔力は遮断するが物質は透過する。従って、私が杖を結界の外まで突き出し、杖を通して魔力を放出すれば魔法が使えるわけだ。もちろん通常より魔法の威力は劣るが問題ない範囲だろう。
さて、準備が完了すると瞬間移動で王都近くの森の中に移動する。神殿から馬車で移動したら女神のお出かけがバレバレだからね。
森の中から近くの街道まで出て、そこから歩くことにする。距離としては3キロメートルくらいだ。運動不足気味の私には少々こたえた。
王都は高い城壁に囲まれている。その周りには畑が広がり農家が点在している。そういえば、今年の作物は今のところ平年並みに育っているとの報告を受けている。うまくいけば食料品の暴騰は避けれそうらしい。
城壁が近くなると、門には長い列が出来ていた。馬車の列と徒歩の人用の列がある。門も別々にあるようだ。もちろん私達はフードを目深にかぶって徒歩の人用の列に並ぶ。結構待たされるかもしれない。列には近郊の農家の人か、とれたての野菜を乗せた背負子を背負ったおばさん達が多くいる。たぶん王都で売る為に来ているのであろう。それ以外には私達の様な冒険者や商人なんかもいる様だ。
列に並んでいると周りの人の話し声が聞こえてくる。
「あんた神殿の町に行商に行ってたんだって? 新しい女神様は見れたかい?」
「いや、女神様は神殿の奥にお住みになっておられるからね。私達ではお目にかかれないよ。」
「でも神殿は今避難場所として開放されていると聞いたよ。」
「そうさ、2階まではね。女神様のいる3階にはだれも近づけないよ。」
「自称女神様の親衛隊の人達が階段の下で見張っていてね。怪しいやつは通してくれないのさ。俺なんか階段に近づくだけで睨まれたよ。」
「まあ、十分に怪しい顔をしているからね。」
「ひどいな。ゲルさんも人の事は言えないじゃないか。」
「あんたよりましだよ。」
「謙遜しなくても良いさ。そういえば俺の知り合いで女神様に会ったってやつがいるよ。」
「そうかい。どんなお方だって?」
「いや良く見られなかったそうだ。神殿にいたら突然女神様が目の前を通って行かれたんだって。」
「目の前を通ったのに見れなかったのかい?」
「それがね、不思議なことに、女神様が近づいてくるだけで身体が震えてどうしても顔を上げれなかったんだって。」
「そんなことがあるのかねえ。」
「まあ、本当かどうかは自分の目で確かめないとな。」
この前神官長と聖女様との挨拶に謁見室まで行ったときだな。良かった顔は見られていなかった様だ。と考えていると、
「あんたらも神殿の町から来たのかい?」
突然おばさんに話しかけられた。たしかゲルさんって呼ばれてたっけ。
「どうして分かるんですか?」
「そりゃ、徒歩の旅人となれば神殿の町からだからね。他の町は馬車でないと遠すぎるさ。」
なるほど、もっともだ。
「ええ、私達は旅の冒険者ですが、ここに来る前は神殿の町にいました。」
とハルちゃんが答える。
「そうなのかい。女神様は見たかい。」
「いえ、残念ながら私たちも見られなかったです。 ひと目見てみたかったですけどね。」
「そうだよね、この前の地震の時はものすごい奇跡をお示しになったって話だものね。ただ女神様のお姿については、メイドの恰好をしておられたとか、巨人だったとか色々な噂があってね。中には裸だったっていう話まであるのさ。人の噂って当てにならないってことさね。」
ごめんなさい、その噂はすべて真実です。冷や汗を流しながら適当に相槌を打っていると、門に近づいてきた。
門の横には兵士が立っていて、中に入る人の身分証を確認している。少々傲慢な感じで、命令口調で私達の前の人に詰問している。前の人が回答すると満足したのか、「よし、行け。」と王都に入ることを了承した。
次は私達の番だ。 私達は上着の内ポケットから王様に用意してもらった身分証を取り出した。
ちなみに身分証では私の名前はタチハ、ハルちゃんはタカシとした。これは私の旧姓タチバナとハルちゃんの地球で使用していた姓タカハシからとった。
兵士にふたりの身分証を渡す。兵士は私達の身分証を受け取り、書かれている名前を見た途端表情が変わった。
まずい、偽物であることがバレた? 緊張していると、兵士はサッと私達に敬礼した。
「タカシ様、タチハ様、お役目ご苦労様です。どうぞお入りください。」
明らかに私達の前に並んでいた人への態度と違う。ゲルさんが何者? という疑いの目で私達を見ている。
私達は門を通り王都の中にはいると、ゲルさんの検問が終わる前に急いで次の曲がり角を曲り視界から隠れた。
ちなみに私の持っている魔法使い用の杖だが、魔法使いの雰囲気を出すため以外に目的がもうひとつある。私は周りの人を怖がらせない様に常時身体の周りに魔力遮断結界を張っているが、実はこの結界があると魔法が使えないことが判った。理由は簡単、私が発する魔力を結界が遮断してしまうのだ。そこでこの杖である。魔法使いの杖は魔力を通しやすい材質で出来ている。一方魔力遮断結界は魔力は遮断するが物質は透過する。従って、私が杖を結界の外まで突き出し、杖を通して魔力を放出すれば魔法が使えるわけだ。もちろん通常より魔法の威力は劣るが問題ない範囲だろう。
さて、準備が完了すると瞬間移動で王都近くの森の中に移動する。神殿から馬車で移動したら女神のお出かけがバレバレだからね。
森の中から近くの街道まで出て、そこから歩くことにする。距離としては3キロメートルくらいだ。運動不足気味の私には少々こたえた。
王都は高い城壁に囲まれている。その周りには畑が広がり農家が点在している。そういえば、今年の作物は今のところ平年並みに育っているとの報告を受けている。うまくいけば食料品の暴騰は避けれそうらしい。
城壁が近くなると、門には長い列が出来ていた。馬車の列と徒歩の人用の列がある。門も別々にあるようだ。もちろん私達はフードを目深にかぶって徒歩の人用の列に並ぶ。結構待たされるかもしれない。列には近郊の農家の人か、とれたての野菜を乗せた背負子を背負ったおばさん達が多くいる。たぶん王都で売る為に来ているのであろう。それ以外には私達の様な冒険者や商人なんかもいる様だ。
列に並んでいると周りの人の話し声が聞こえてくる。
「あんた神殿の町に行商に行ってたんだって? 新しい女神様は見れたかい?」
「いや、女神様は神殿の奥にお住みになっておられるからね。私達ではお目にかかれないよ。」
「でも神殿は今避難場所として開放されていると聞いたよ。」
「そうさ、2階まではね。女神様のいる3階にはだれも近づけないよ。」
「自称女神様の親衛隊の人達が階段の下で見張っていてね。怪しいやつは通してくれないのさ。俺なんか階段に近づくだけで睨まれたよ。」
「まあ、十分に怪しい顔をしているからね。」
「ひどいな。ゲルさんも人の事は言えないじゃないか。」
「あんたよりましだよ。」
「謙遜しなくても良いさ。そういえば俺の知り合いで女神様に会ったってやつがいるよ。」
「そうかい。どんなお方だって?」
「いや良く見られなかったそうだ。神殿にいたら突然女神様が目の前を通って行かれたんだって。」
「目の前を通ったのに見れなかったのかい?」
「それがね、不思議なことに、女神様が近づいてくるだけで身体が震えてどうしても顔を上げれなかったんだって。」
「そんなことがあるのかねえ。」
「まあ、本当かどうかは自分の目で確かめないとな。」
この前神官長と聖女様との挨拶に謁見室まで行ったときだな。良かった顔は見られていなかった様だ。と考えていると、
「あんたらも神殿の町から来たのかい?」
突然おばさんに話しかけられた。たしかゲルさんって呼ばれてたっけ。
「どうして分かるんですか?」
「そりゃ、徒歩の旅人となれば神殿の町からだからね。他の町は馬車でないと遠すぎるさ。」
なるほど、もっともだ。
「ええ、私達は旅の冒険者ですが、ここに来る前は神殿の町にいました。」
とハルちゃんが答える。
「そうなのかい。女神様は見たかい。」
「いえ、残念ながら私たちも見られなかったです。 ひと目見てみたかったですけどね。」
「そうだよね、この前の地震の時はものすごい奇跡をお示しになったって話だものね。ただ女神様のお姿については、メイドの恰好をしておられたとか、巨人だったとか色々な噂があってね。中には裸だったっていう話まであるのさ。人の噂って当てにならないってことさね。」
ごめんなさい、その噂はすべて真実です。冷や汗を流しながら適当に相槌を打っていると、門に近づいてきた。
門の横には兵士が立っていて、中に入る人の身分証を確認している。少々傲慢な感じで、命令口調で私達の前の人に詰問している。前の人が回答すると満足したのか、「よし、行け。」と王都に入ることを了承した。
次は私達の番だ。 私達は上着の内ポケットから王様に用意してもらった身分証を取り出した。
ちなみに身分証では私の名前はタチハ、ハルちゃんはタカシとした。これは私の旧姓タチバナとハルちゃんの地球で使用していた姓タカハシからとった。
兵士にふたりの身分証を渡す。兵士は私達の身分証を受け取り、書かれている名前を見た途端表情が変わった。
まずい、偽物であることがバレた? 緊張していると、兵士はサッと私達に敬礼した。
「タカシ様、タチハ様、お役目ご苦労様です。どうぞお入りください。」
明らかに私達の前に並んでいた人への態度と違う。ゲルさんが何者? という疑いの目で私達を見ている。
私達は門を通り王都の中にはいると、ゲルさんの検問が終わる前に急いで次の曲がり角を曲り視界から隠れた。
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