新米女神トモミの奮闘記

広野香盃

文字の大きさ
38 / 90
第1章 惑星ルーテシア編

34. 人外宣告

しおりを挟む
 「来ないわよ、だってこの惑星にはあなたがいるじゃない。」

 「いや、だって私ただの人間ですよ。」

 「私の魂を操作できるほどの力を持ってて、ただの人間のわけないじゃない。」

 「いや、それはリリ様の魂と繋がっていたから。」

 「そう、知らなかったのね。あなたに謝らないといけないわね。上級神が人間の魂に憑依するなんて初めてだから、人間の魂にどんな影響がでるか予測が付かなかったの。いくら超越者から隠れるためとはいえ、あなたの迷惑も考えず無茶をしてしまったわ。虚弱な人間の魂が30年以上強力な上級神の魂と一緒にいれば影響を受けないはずないのにね。」

 「えっ?」

 嫌な予感がする。

 「トモミさん、あなたの魂はこの数年で急激に進化したの、もはや人とは呼べないわね。とりあえず、亜神デミゴッドと言うことにしておきましょうか。」

 リリ様から、よもやの人外宣告を受けました。

 「それで他の神とも相談して、この惑星は引き続きあなたに任せることにしたわ。」

 「でも私で大丈夫なんですか? どの程度の力があるか自分でも分からないですよ。」

 「大丈夫よ、困ったことがあったら私が助力するから。任せてね。」

 なんと、この星の女神を続けることになった。まあ、この星が神不在となって滅びるよりは良いけれど。本当は、ハルちゃんと一緒に地球に帰れるかなって少し期待してたんだ。親友のマリコとも会えるかなって。

 「リリ様、私達の銀河は超越者から逃げられましたけど、他の銀河はどうなりますか?」

 「大丈夫、私達が成功したら他の銀河も後に続く手筈になっているの。超越者は今頃あわてているでしょうね。」

 「良かったです。」

 「ただ、それぞれ違う次元に逃げ込むことになっているから、他の銀河の神にはもう会えないけどね。万が一超越者が後を追ってきたときのことを考えて同じ次元に逃げない方が良いだろうとなったの。」

 そうか、ちゃんと考えていたんだな。まあ、私は他の銀河に知り合いはいないから直接は関係ないけれど。

 この後、リリ様はまだ神々との打ち合わせがあるからと帰って行った。結構飲んでいたが大丈夫だろうか。

 それから10日後、お義父様おとうさまが去る日がやって来た。ルーテシア様の元に帰るのだ。ハルちゃんとは最後までぎこちない関係だったけど、きっと時間が解決してくれると信じている。ちなみにお義父様おとうさまの瞬間移動は私が行う。責任重大である。
 リリ様にお願いしたら、「トモミならできるわよ」と軽く返された。まあ、出来るかもとは思う。
 
 当然ながらリリ様の魂が私から離れてからは、私の魔法の魔力供給元は私自身の魂である。実はこの状態で魔法を使用してみて、私の身体の魔力許容量の制限を回避する方法を見つけたのだ。話は簡単である。これから使用する魔法に使う魔力量ときっちり同じ量の魔力をタイミングを合わせて魂から身体に供給すれば良い。そうすれば身体から出て行く魔力量と身体に入ってくる魔力量が差引ゼロとなり、体内の魔力圧は上昇しない。
 これならどんな大魔法でも問題ない。いままで出来なかったのはリリ様の魂から供給される魔力の圧力が強すぎ、また他人(他神?)の魂ということもあり細かなコントロールが出来なかったためだ。その点、さすがは自分の魂である、自分の身体と同様に自由に動かせる。身体の魔力許容量の制限を回避できたことにより、魔法の威力はリリ様と一緒だった時よりむしろ増しているのだ。

 それでもである。惑星間の瞬間移動なんて初めての経験だ、うまく行くか心配するのは当然だと思うけど...。もう、困った時は助力してくれるって言ってたじゃん。私を買いかぶりすぎだよ、ついこないだまでただの人間だったんだよ。
 ルーテシア様から無事到着した旨の連絡があるまで心配でたまらなかったよ。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ
恋愛
母が亡くなってすぐに伯爵家へと来た愛人とその娘。 そこからは家族ごっこの毎日。 私が継ぐはずだった伯爵家。 花畑の住人の義妹が私の婚約者と仲良くなってしまったし、もういいよね? これからは母方の方で養女となり、魔法使いとなるよう頑張っていきますわ。 2025年に改編しました。 いつも通り、ふんわり設定です。 ブックマークに入れて頂けると私のテンションが成層圏を超えて月まで行ける気がします。m(._.)m Copyright©︎2020-まるねこ

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】

iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。 小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~

狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない! 隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。 わたし、もう王妃やめる! 政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。 離婚できないなら人間をやめるわ! 王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。 これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ! フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。 よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。 「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」 やめてえ!そんなところ撫でないで~! 夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――

処理中です...