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第1章 惑星ルーテシア編
33. リリ様
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「リリ様ですか?」
<<そうです。ご迷惑をおかけしました。これからあなたの魂と私の魂を分離しますね。>>
そう言うと、魔法陣の上空にリリ様の巨大な魂が現れた。ウエディングドレスを着た私の姿だ。
<<この姿はトモミさんですね。驚きました。私の魂の形を変えることが出来たのですね。>>
「勝手なことをして申し訳ありませんでした。」
<< いえ、大丈夫です。この姿も気に入りました。>>
「リリ様、お初にお目にかかります。アダムと申します。」
<< ご苦労様です。次元移動計画の方ですね。準備は完了していますか。>>
「はい、完了しております。神々からの承認もトモミ様を含めすべていただいております。」
<< それでは、超越者の邪魔が入らない内に実施しましょう。トモミさん、今は時間がありません。ご挨拶とお詫びは後程させて頂きます。>>
と言うなり、リリ様の姿は掻き消えた。瞬間移動したのだろう。
しばらくそのまま待ったが何も起こらない。計画は実施できたのか不明だが、このままここに居ても仕方がない。一旦家に戻ろうと考え、恐ろしいことに気付いた。
「私、リリ様と分離されたんだから、ただの人間に戻ったんだよね。瞬間移動できないよね。」
ハルちゃんとお義父様も、そのことは考えてなかったらしく。顔を見合わせている。ここはモンスターが生息している大森林のど真ん中だ。ただの人間である私やハルちゃんが大森林を抜けて人間の住む領域まで戻れる可能性は低い。わずかな可能性を期待してお義父様を見る。
「いや、俺も大したことは出来ない。一応武器は持っているが...。」
と言いながら、銃の様なものを見せてくる。
その時、バキバキバキと木が倒れる音がした。何か大きなものがこちらに向かっている。ハルちゃんが私を庇う様に私の前に来る。
グォ~~~~!
とんでもない吠え声がする。背の高い木々の更に上に巨大な顔が見えた。ドラゴン???
私は反射的に杖を突き出した。破壊!と心の中で唱える。途端にドラゴンの頭部が吹き飛んだ。
「へっ?」
なんで、魔法が使えるの?
でも今の内だ。いつまで魔法が使えるのか解らない。私は急いで瞬間移動の魔法を使った。
何とかなった。
私達3人は無事に私の家に戻っていた。ホッとため息をついて、ハルちゃんに抱き着いた。今頃になって身体が震えてくる。
その日は、エリスさんが用意してくれていた夕食を食べながらお義父様と話をした。お義父様とルーテシア様の出会いの話とか、ハルちゃんが生まれたときの話とか興味深かった。だけど、相変わらずハルちゃんとお義父様の会話はぎこちない。時間が解決してくれると良いのだが。
とにかく、次元移動計画がうまく行ったのか分かるまで待とうと言うことになり。お義父様にも我が家に泊まっていただく。
翌日になったが、まだ何の連絡もない。うまく行けば、お義父様に上司である中級神から念話で連絡があるらしい。心配がつのるが、とりあえず朝食を食べに食堂に行く。
突然、ウエディングドレスを着た女性が現れた。太目の身体、身長は低い。私だ。というかリリ様の魂の姿だ。サイズが小さいけれど。
「成功したわよ。」
と女性が声を発した。
「リリ様ですよね?」
「そうよ。この姿をみればわかるでしょう。」
「でもサイズが違いますよ。」
「あっ、これはアバターだからね。私が作ったの。」
「リリ様、完全に成功したと考えてよろしいでしょうか?」
とお義父様が確認する。
「もう少しで超越者に見つかるところだったけど、なんとかなったわ。もう安心よ。」
緊張していたお義父様の表情が緩む。長年苦労したものね。ハルちゃんともそのために別れ別れになったんだし。
「父さん、おめでとう。」
とハルちゃんが言う。
「ありがとう。」
とお義父様。声がかすれて涙目になっている。
「こんな時は乾杯ですよ。リリ様も一緒にいかがですか?」
「いいわね! お酒を飲むなんて初めてだから興味がある。」
エリスさんに簡単なつまみを用意してもらい。エリスさんも巻き込んで乾杯した。私とリリ様とエリスさんはカルミのワイン、ハルちゃんとお義父様はドールドだ。
「乾杯~~!」
エリスさんはリリ様と私を交互に見ながらわけも分からずに乾杯に参加してくれた。ふたりとも同じ顔してるものね。リリ様はカルミのワインが気に入った様でお代わりを頼んでいる。
私は気になっていたことを質問した。
「リリ様。この惑星に私の後任の神様は来ていただけるのでしょうか?」
これが私が一番気になっていたことだ。神殿の地下にある自然災害防止用の魔道具は優秀だが、神が魔力をチャージする必要がある。私が人間に戻ってしまった今、代わりの神様が来なければ、この星はまた自然災害の脅威にさらされ滅亡への道をたどる可能性が高い。リリ様の魂を覚醒させるための魔法陣を使用後に破壊できなかったことから、自然災害が発生するまでそれほど時間は無いだろう。
<<そうです。ご迷惑をおかけしました。これからあなたの魂と私の魂を分離しますね。>>
そう言うと、魔法陣の上空にリリ様の巨大な魂が現れた。ウエディングドレスを着た私の姿だ。
<<この姿はトモミさんですね。驚きました。私の魂の形を変えることが出来たのですね。>>
「勝手なことをして申し訳ありませんでした。」
<< いえ、大丈夫です。この姿も気に入りました。>>
「リリ様、お初にお目にかかります。アダムと申します。」
<< ご苦労様です。次元移動計画の方ですね。準備は完了していますか。>>
「はい、完了しております。神々からの承認もトモミ様を含めすべていただいております。」
<< それでは、超越者の邪魔が入らない内に実施しましょう。トモミさん、今は時間がありません。ご挨拶とお詫びは後程させて頂きます。>>
と言うなり、リリ様の姿は掻き消えた。瞬間移動したのだろう。
しばらくそのまま待ったが何も起こらない。計画は実施できたのか不明だが、このままここに居ても仕方がない。一旦家に戻ろうと考え、恐ろしいことに気付いた。
「私、リリ様と分離されたんだから、ただの人間に戻ったんだよね。瞬間移動できないよね。」
ハルちゃんとお義父様も、そのことは考えてなかったらしく。顔を見合わせている。ここはモンスターが生息している大森林のど真ん中だ。ただの人間である私やハルちゃんが大森林を抜けて人間の住む領域まで戻れる可能性は低い。わずかな可能性を期待してお義父様を見る。
「いや、俺も大したことは出来ない。一応武器は持っているが...。」
と言いながら、銃の様なものを見せてくる。
その時、バキバキバキと木が倒れる音がした。何か大きなものがこちらに向かっている。ハルちゃんが私を庇う様に私の前に来る。
グォ~~~~!
とんでもない吠え声がする。背の高い木々の更に上に巨大な顔が見えた。ドラゴン???
私は反射的に杖を突き出した。破壊!と心の中で唱える。途端にドラゴンの頭部が吹き飛んだ。
「へっ?」
なんで、魔法が使えるの?
でも今の内だ。いつまで魔法が使えるのか解らない。私は急いで瞬間移動の魔法を使った。
何とかなった。
私達3人は無事に私の家に戻っていた。ホッとため息をついて、ハルちゃんに抱き着いた。今頃になって身体が震えてくる。
その日は、エリスさんが用意してくれていた夕食を食べながらお義父様と話をした。お義父様とルーテシア様の出会いの話とか、ハルちゃんが生まれたときの話とか興味深かった。だけど、相変わらずハルちゃんとお義父様の会話はぎこちない。時間が解決してくれると良いのだが。
とにかく、次元移動計画がうまく行ったのか分かるまで待とうと言うことになり。お義父様にも我が家に泊まっていただく。
翌日になったが、まだ何の連絡もない。うまく行けば、お義父様に上司である中級神から念話で連絡があるらしい。心配がつのるが、とりあえず朝食を食べに食堂に行く。
突然、ウエディングドレスを着た女性が現れた。太目の身体、身長は低い。私だ。というかリリ様の魂の姿だ。サイズが小さいけれど。
「成功したわよ。」
と女性が声を発した。
「リリ様ですよね?」
「そうよ。この姿をみればわかるでしょう。」
「でもサイズが違いますよ。」
「あっ、これはアバターだからね。私が作ったの。」
「リリ様、完全に成功したと考えてよろしいでしょうか?」
とお義父様が確認する。
「もう少しで超越者に見つかるところだったけど、なんとかなったわ。もう安心よ。」
緊張していたお義父様の表情が緩む。長年苦労したものね。ハルちゃんともそのために別れ別れになったんだし。
「父さん、おめでとう。」
とハルちゃんが言う。
「ありがとう。」
とお義父様。声がかすれて涙目になっている。
「こんな時は乾杯ですよ。リリ様も一緒にいかがですか?」
「いいわね! お酒を飲むなんて初めてだから興味がある。」
エリスさんに簡単なつまみを用意してもらい。エリスさんも巻き込んで乾杯した。私とリリ様とエリスさんはカルミのワイン、ハルちゃんとお義父様はドールドだ。
「乾杯~~!」
エリスさんはリリ様と私を交互に見ながらわけも分からずに乾杯に参加してくれた。ふたりとも同じ顔してるものね。リリ様はカルミのワインが気に入った様でお代わりを頼んでいる。
私は気になっていたことを質問した。
「リリ様。この惑星に私の後任の神様は来ていただけるのでしょうか?」
これが私が一番気になっていたことだ。神殿の地下にある自然災害防止用の魔道具は優秀だが、神が魔力をチャージする必要がある。私が人間に戻ってしまった今、代わりの神様が来なければ、この星はまた自然災害の脅威にさらされ滅亡への道をたどる可能性が高い。リリ様の魂を覚醒させるための魔法陣を使用後に破壊できなかったことから、自然災害が発生するまでそれほど時間は無いだろう。
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