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第1章 惑星ルーテシア編
32. 別次元への逃亡
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「いや、戦いません。神々が束になっても勝てないですから。」
「そんな...。」
「でも、逃げることは出来きます。」
「逃げる? 神様だけで逃げ出すんですか? 人族はどうなるんですか? 見捨てるんですか!」
「そうではありません。銀河単位で超越者の管理下から逃げ出す計画です。」
「銀河単位??」
「銀河系単位でこの世界の更に下の次元に逃げ込みます。理論上は誰であろうとふたつの次元の壁を超えることはできません。私達が別の次元に移れば超越者は追って来れないはずです。」
「この計画を立てた神は、秘密裡に他の神々と連絡をとる方法を模索しました。念話による情報伝達は情報漏れの恐れがある上、リアルタイムでの打ち合わせが出来ません。そこで協力を求められたのが私達です。私達人族を瞬間移動で他の惑星に送り込めば神々と直接コンタクトを取れ、情報漏れの恐れも少ないです。多くの人族の協力を得て、その神はこの銀河系のほぼすべての神と連絡をとり、別次元へ移動することへの了承を取り付けました。ただひとり残っているのがトモミ様です。」
「私の了承がいるんですか?」
「もちろんです。あなたはこの惑星ルーテシアの神ですから。」
「分かりました。了承します。」
「ありがとうございます。ただ、トモミ様にお会いしたのはもうひとつ大事な目的があります。」
「なんでしょうか?」
「あなたの魂から上級神リリ様の魂を分離させていただきたいのです。」
???????? なに? この人何を言ってるんだろう。
「分からないですよね。説明いたしますのでもう少しお時間を頂きます。」
その後のお義父様の話を纏めると以下のようになる。
1. リリ様とは惑星ルーテシアや地球が属する銀河系を管理する上級神である。
2. 次元を移動するには上級神の力が必須であり、リリ様も次元移動計画に同意してくれている。
3. だが、超越者にどこからか情報が漏れたらしく、超越者がリリ様の捕獲に動いた。追い詰められたリリ様は前代未聞の行動に出た。自分の魂をこれから生まれようとする人間の魂に憑依させたのだ。当然、上級神であるリリ様が人間しかもその魂に憑依することはとんでもなく無理なことである。その為、魂のインターフェースを自ら曲げ魔力が流れない様にするとともに、自身の意識レベルを極限まで下げる必要があった。
と言うことらしい。もちろんリリ様に憑依された人間と言うのが私である。ほら見ろ、やっぱり私はただの人間だったじゃないか! という話は置いといて、どうしろと言うのだろう。リリ様は意識の無い状態らしく、話は出来ないらしい。
「この惑星に中級神が送り込んでくれた魔法陣があります。その魔法陣を使ってリリ様の魂に覚醒していただきます。」
それを聞いてピンときた。あの正体不明の魔法陣だ。
「それにしてもトモミ様を探し出すのには苦労しました。リリ様が憑依した魂が地球の人間として生まれたとまでは推測できたらしいのですが、長い時間と人手を掛けてリリ様が行方不明になられたころに生まれたすべての人間を調査しても見つからなかったらしいのです。
それを地球の神に報告したら、ひとりハルトと共に惑星ルーテシアに瞬間移動させたことがあることを思い出されたとか。惑星ルーテシアなら私が適任だろうということで、別の星域を担当していた私があわててこの惑星に送り込まれたわけです。それまで私もルーテシアも、私達の組織がリリ様を探していることを知らされていなかったので驚きましたよ。知っていたらトモミ様がこの惑星に来てルーテシアにお会いになった時点で問題は解決していたはずなのです。」
なんと、私は生まれたときから探されていたわけだ。
「こちらに来ればルーテシアの協力が得られて、トモミ様を見つけるのも難しくないだろうと思っていたのですが、ルーテシアは他の惑星に異動になっているし、どれだけ探してもトモミ様は見つからないし、で暗礁に乗り上げた状態でした。そんな時に新しい女神が降臨したとの話を聞いたのです。もしやと思って、女神様の降臨宣言の場に参加しました。ひと目見て分かりました。あの輝きは下級神のものではありません。すぐに神殿に面会を申し込んだのですが拒否されてしまい。お会いするのが今日になってしまいました。」
なんとも苦労させてしまった様だ。でも何か私の所為じゃないという気がする。私は巻き込まれただけだ。すべてリリ様が悪い! と思っておこう。
「それにしても、神が人間の魂に憑依するなんて出来るんですか。」
「分かりません。前例がないので確かなことは何も分からないのです。申し訳ありません。」
さて、大体の話は分かった。いつ超越者の手が延びるか分からないとのことなので、急いで魔法陣の場所に瞬間移動する(いやぁ、破壊してなくてよかったよ)。もちろんハルちゃんも一緒だ。さっきから寡黙なのだけど、お義父様が亡くなったと嘘を教えられていたことがショックだったんだろうか。
魔法陣を起動するにはとてつもなく大量の魔力が必要とのことだ。魔法陣の下にはそのための巨大魔晶石が組み込まれているらしい。この星の魔力を吸い上げて蓄えているのだとか。この魔晶石が魔力を吸い上げたことにより、神殿地下にある自然災害防止用の魔道具の魔力が予定外に不足し自然災害が頻発したわけだ。
現在は魔力が満タンになったことにより、巨大魔晶石への魔力の吸い上げは止まっているが、魔法陣の起動に魔力が消費されれば吸い上げを再開するだろう。その場合、自然災害を防止する魔法陣に影響が出るのは明白である。巨大魔晶石に蓄えられた魔力を使わずに、私が魔法陣に直接魔力を供給することで起動できないか試してみたが駄目だった。私の身体の魔力許容量による制限の為である。仕方がない、リリ様がお目覚めになればこの魔法陣は用済みになるわけだから、事後に破壊すれば良いだろう。もったいない気がするけどね。
ひとりで中央に立ち魔法陣を起動する。ブーンという音がするだけで意外に静かだ。身体は何ともないが、心の底がゾクゾクする。
<<トモミさん>>
頭の中に声が聞こえた。
「そんな...。」
「でも、逃げることは出来きます。」
「逃げる? 神様だけで逃げ出すんですか? 人族はどうなるんですか? 見捨てるんですか!」
「そうではありません。銀河単位で超越者の管理下から逃げ出す計画です。」
「銀河単位??」
「銀河系単位でこの世界の更に下の次元に逃げ込みます。理論上は誰であろうとふたつの次元の壁を超えることはできません。私達が別の次元に移れば超越者は追って来れないはずです。」
「この計画を立てた神は、秘密裡に他の神々と連絡をとる方法を模索しました。念話による情報伝達は情報漏れの恐れがある上、リアルタイムでの打ち合わせが出来ません。そこで協力を求められたのが私達です。私達人族を瞬間移動で他の惑星に送り込めば神々と直接コンタクトを取れ、情報漏れの恐れも少ないです。多くの人族の協力を得て、その神はこの銀河系のほぼすべての神と連絡をとり、別次元へ移動することへの了承を取り付けました。ただひとり残っているのがトモミ様です。」
「私の了承がいるんですか?」
「もちろんです。あなたはこの惑星ルーテシアの神ですから。」
「分かりました。了承します。」
「ありがとうございます。ただ、トモミ様にお会いしたのはもうひとつ大事な目的があります。」
「なんでしょうか?」
「あなたの魂から上級神リリ様の魂を分離させていただきたいのです。」
???????? なに? この人何を言ってるんだろう。
「分からないですよね。説明いたしますのでもう少しお時間を頂きます。」
その後のお義父様の話を纏めると以下のようになる。
1. リリ様とは惑星ルーテシアや地球が属する銀河系を管理する上級神である。
2. 次元を移動するには上級神の力が必須であり、リリ様も次元移動計画に同意してくれている。
3. だが、超越者にどこからか情報が漏れたらしく、超越者がリリ様の捕獲に動いた。追い詰められたリリ様は前代未聞の行動に出た。自分の魂をこれから生まれようとする人間の魂に憑依させたのだ。当然、上級神であるリリ様が人間しかもその魂に憑依することはとんでもなく無理なことである。その為、魂のインターフェースを自ら曲げ魔力が流れない様にするとともに、自身の意識レベルを極限まで下げる必要があった。
と言うことらしい。もちろんリリ様に憑依された人間と言うのが私である。ほら見ろ、やっぱり私はただの人間だったじゃないか! という話は置いといて、どうしろと言うのだろう。リリ様は意識の無い状態らしく、話は出来ないらしい。
「この惑星に中級神が送り込んでくれた魔法陣があります。その魔法陣を使ってリリ様の魂に覚醒していただきます。」
それを聞いてピンときた。あの正体不明の魔法陣だ。
「それにしてもトモミ様を探し出すのには苦労しました。リリ様が憑依した魂が地球の人間として生まれたとまでは推測できたらしいのですが、長い時間と人手を掛けてリリ様が行方不明になられたころに生まれたすべての人間を調査しても見つからなかったらしいのです。
それを地球の神に報告したら、ひとりハルトと共に惑星ルーテシアに瞬間移動させたことがあることを思い出されたとか。惑星ルーテシアなら私が適任だろうということで、別の星域を担当していた私があわててこの惑星に送り込まれたわけです。それまで私もルーテシアも、私達の組織がリリ様を探していることを知らされていなかったので驚きましたよ。知っていたらトモミ様がこの惑星に来てルーテシアにお会いになった時点で問題は解決していたはずなのです。」
なんと、私は生まれたときから探されていたわけだ。
「こちらに来ればルーテシアの協力が得られて、トモミ様を見つけるのも難しくないだろうと思っていたのですが、ルーテシアは他の惑星に異動になっているし、どれだけ探してもトモミ様は見つからないし、で暗礁に乗り上げた状態でした。そんな時に新しい女神が降臨したとの話を聞いたのです。もしやと思って、女神様の降臨宣言の場に参加しました。ひと目見て分かりました。あの輝きは下級神のものではありません。すぐに神殿に面会を申し込んだのですが拒否されてしまい。お会いするのが今日になってしまいました。」
なんとも苦労させてしまった様だ。でも何か私の所為じゃないという気がする。私は巻き込まれただけだ。すべてリリ様が悪い! と思っておこう。
「それにしても、神が人間の魂に憑依するなんて出来るんですか。」
「分かりません。前例がないので確かなことは何も分からないのです。申し訳ありません。」
さて、大体の話は分かった。いつ超越者の手が延びるか分からないとのことなので、急いで魔法陣の場所に瞬間移動する(いやぁ、破壊してなくてよかったよ)。もちろんハルちゃんも一緒だ。さっきから寡黙なのだけど、お義父様が亡くなったと嘘を教えられていたことがショックだったんだろうか。
魔法陣を起動するにはとてつもなく大量の魔力が必要とのことだ。魔法陣の下にはそのための巨大魔晶石が組み込まれているらしい。この星の魔力を吸い上げて蓄えているのだとか。この魔晶石が魔力を吸い上げたことにより、神殿地下にある自然災害防止用の魔道具の魔力が予定外に不足し自然災害が頻発したわけだ。
現在は魔力が満タンになったことにより、巨大魔晶石への魔力の吸い上げは止まっているが、魔法陣の起動に魔力が消費されれば吸い上げを再開するだろう。その場合、自然災害を防止する魔法陣に影響が出るのは明白である。巨大魔晶石に蓄えられた魔力を使わずに、私が魔法陣に直接魔力を供給することで起動できないか試してみたが駄目だった。私の身体の魔力許容量による制限の為である。仕方がない、リリ様がお目覚めになればこの魔法陣は用済みになるわけだから、事後に破壊すれば良いだろう。もったいない気がするけどね。
ひとりで中央に立ち魔法陣を起動する。ブーンという音がするだけで意外に静かだ。身体は何ともないが、心の底がゾクゾクする。
<<トモミさん>>
頭の中に声が聞こえた。
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