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第2章 惑星カーニン編
15. 精霊の正体
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まずは、彗星が衝突しようとしている惑星の下級神に念話でこれから彗星の除去をする旨連絡する。それから除去予定の彗星にちょうど良い距離まで近づく。ロキさんは亜空間に入らずについて来てくれている。宇宙空間の方が居心地が良いのかもしれない。
少し彗星に近づいたところで、私は例によって両手の平の間に魔力を溜め始める、さすがにいつもの詠唱は封印だ(恥ずかしいからね)。
ちなみにこのやり方は私独自のもの。最初はそのまま破壊の魔法を使ったのだが威力が足りず、破壊の魔法を十数回繰り返してやっと除去に成功した。さすがに対象が大きすぎたのだ。親しくしている中級神様に相談したところ、あきれ顔で笑いながら説明してくれた。彗星や小惑星を破壊するのは中級神でも難しいらしい。なにも破壊する必要は無いのだと言う。要は惑星に衝突しなければ良いのだ。通常は何日か小惑星なり彗星なりを観測した結果から軌道を詳細に導き出し、どのタイミングでどの方向にどれだけの力を加えれば軌道がどれだけ変わるかを計算して、最小限の力を加えることで衝突を回避するらしい。
これを聞いて私は頭を抱えた。何日も観測する時間を掛けたくないのはもちろん、軌道の計算と聞いただけで諦めた(私は文科系なのです)。そこで考えたのが現在のやり方だ。一言でいうとまったくの力押し。子供の頃に視たアニメから思い付いた。魔力をそのまま対象に放出するのではなく、破壊魔法に使う魔力数回分を一旦溜めてから放出すれば威力が上がるのじゃないかと考えたのだ。例を上げると、瓦を床に置き上からパチンコ玉を1000個落とすとする。1個ずつ落としたとしたら1000回繰り返しても瓦にはヒビも入らないだろう。でも1000個のパチンコ玉を熱して溶かしひとつの金属の固まりにしてから落としたらどうだろう。パチンコ玉1個の重さは5.5グラム、1000個で5.5キログラムだ。これだけの重さの金属の固まりが落ちてきたら瓦も無事では済むまい。すなわち小さな攻撃を何回も繰り返すより、その魔力を一度の攻撃に集中する方がはるかに威力が増すのだ。
具体的なやり方としては、まず両手の平の間に魔力遮断結界を球形に張る。魔力遮断結界は内側からの魔力を遮断するが外側からの魔力は通す。だから球形の魔力遮断結界の外側から魔力を注げば魔力は球の内側に溜まり続けることになる。魔力を魔力遮断結界が耐えれるギリギリまで溜め続け一気に放出する。これによって魔法の威力を一気に十数倍に上げることが出来た。
今回も魔力を手の平の間に十分に溜め、彗星に向かい一気に放出する。彗星はその尾と呼ばれるガス部分を含めると惑星よりもはるかに巨大になることがあるが、本体は先端にあるコアと呼ばれる小さなものだ。もっとも全体に比べれば小さいということで直径数キロメートル、場合によっては数十キロメートルのこともある。これを一気に吹き飛ばす。ある意味快感である。宇宙空間は真空なので音がしない分迫力はないが。
「終わりましたよ」と言いながら後を振り向くと、あきれ顔のふたりがこちらを見ていた。
<< いや...あの威力はないじゃろう...。>>
<< ....同感です。>>
<< 大したことないですよ。やり方次第です。>>
と言うが信じてもらえない様だ。
その後はロキさんが「惑星の神には会いたくない」と言うので、念話で報告だけして、後ろ髪を引かれる思いで我家に引き返した。惑星の下級神に出して貰えるかもしれない料理が楽しみだったんだ。
我家に帰るとロキさんが念話で話しかけてきた。
<< トモミ殿、ふたりだけで話ができぬかの? >>
<< 分かりました。ちょっと待って下さいね。>>
私は少し用事があるので自分の部屋に居る旨伝えて退席する。ドリスさんはこの後夕食の調理を手伝ってくれると言っていたから私が居なくても大丈夫だろう。この星の言語は頭に入れて置いたしね。
自室に入るとロキさんが亜空間から現れた。ソファーに座る様に促すが、立って(というより宙に浮いて)いる方が良いらしい。仕方ないので私も立ったままで話をする。
<< それでお話とは? >>
<< うむ、実はトモミ殿に我々精霊のことで相談があっての。>>
<< 我々とおっしゃると言うことは、精霊様はロキさんひとりではないのですね。>>
<< そう、ひとりではない。だいたい1万くらいおるかの。>>
<< 1万人ですか! 皆さんロキさんくらい魔力が強いんですか? >>
<< そうじゃの、トモミ殿に魔力が強いかと聞かれると困るが、皆わしと同じくらいゃ。>>
<< 皆さんどこにおられるのですか? >>
ロキさんくらい魔力が強い精霊が1万人!!! そんな馬鹿な! 魔力を感知できないはずはないのに。
<< 皆、宇宙空間で亜空間に隠れておる。>>
なるほど亜空間か。ロキさんの亜空間は魔力を完全に遮断しているものな。きっとそれで今まで存在が分からなかったんだ。
<< 我々も聞きたかったのだ、お主たちは何者なのかとな? もっとも先ほどドリスからだいたいのことは聞いたが。 >>
<< へっ、私達ですか? ドリスさんから聞いた?>>
<< 宇宙空間に突然現れたお主たちの正体を知りたかったのじゃよ。>>
突然現れた? 私達が? この人何言ってんだろう??? と考えて突然思い当った。
<< も、もしかして精霊様ってこの次元にもとから住んでいた方達ですか??? >>
<< そうじゃ。ある時我々の宇宙に突然お主たちが銀河と呼んでおる巨大な物質の固まりが現れた。それは肝をつぶしたぞ。幸い銀河が現れたのが我々のいたところから離れていたのと、咄嗟に亜空間に隠れたので被害はなかったがな。>>
え~~~!!! である。何もない。誰もいないと思っていたこの次元にも先住者が居たのだ。
<< そ、それは大変ご迷惑をおかけしました。>>
少し彗星に近づいたところで、私は例によって両手の平の間に魔力を溜め始める、さすがにいつもの詠唱は封印だ(恥ずかしいからね)。
ちなみにこのやり方は私独自のもの。最初はそのまま破壊の魔法を使ったのだが威力が足りず、破壊の魔法を十数回繰り返してやっと除去に成功した。さすがに対象が大きすぎたのだ。親しくしている中級神様に相談したところ、あきれ顔で笑いながら説明してくれた。彗星や小惑星を破壊するのは中級神でも難しいらしい。なにも破壊する必要は無いのだと言う。要は惑星に衝突しなければ良いのだ。通常は何日か小惑星なり彗星なりを観測した結果から軌道を詳細に導き出し、どのタイミングでどの方向にどれだけの力を加えれば軌道がどれだけ変わるかを計算して、最小限の力を加えることで衝突を回避するらしい。
これを聞いて私は頭を抱えた。何日も観測する時間を掛けたくないのはもちろん、軌道の計算と聞いただけで諦めた(私は文科系なのです)。そこで考えたのが現在のやり方だ。一言でいうとまったくの力押し。子供の頃に視たアニメから思い付いた。魔力をそのまま対象に放出するのではなく、破壊魔法に使う魔力数回分を一旦溜めてから放出すれば威力が上がるのじゃないかと考えたのだ。例を上げると、瓦を床に置き上からパチンコ玉を1000個落とすとする。1個ずつ落としたとしたら1000回繰り返しても瓦にはヒビも入らないだろう。でも1000個のパチンコ玉を熱して溶かしひとつの金属の固まりにしてから落としたらどうだろう。パチンコ玉1個の重さは5.5グラム、1000個で5.5キログラムだ。これだけの重さの金属の固まりが落ちてきたら瓦も無事では済むまい。すなわち小さな攻撃を何回も繰り返すより、その魔力を一度の攻撃に集中する方がはるかに威力が増すのだ。
具体的なやり方としては、まず両手の平の間に魔力遮断結界を球形に張る。魔力遮断結界は内側からの魔力を遮断するが外側からの魔力は通す。だから球形の魔力遮断結界の外側から魔力を注げば魔力は球の内側に溜まり続けることになる。魔力を魔力遮断結界が耐えれるギリギリまで溜め続け一気に放出する。これによって魔法の威力を一気に十数倍に上げることが出来た。
今回も魔力を手の平の間に十分に溜め、彗星に向かい一気に放出する。彗星はその尾と呼ばれるガス部分を含めると惑星よりもはるかに巨大になることがあるが、本体は先端にあるコアと呼ばれる小さなものだ。もっとも全体に比べれば小さいということで直径数キロメートル、場合によっては数十キロメートルのこともある。これを一気に吹き飛ばす。ある意味快感である。宇宙空間は真空なので音がしない分迫力はないが。
「終わりましたよ」と言いながら後を振り向くと、あきれ顔のふたりがこちらを見ていた。
<< いや...あの威力はないじゃろう...。>>
<< ....同感です。>>
<< 大したことないですよ。やり方次第です。>>
と言うが信じてもらえない様だ。
その後はロキさんが「惑星の神には会いたくない」と言うので、念話で報告だけして、後ろ髪を引かれる思いで我家に引き返した。惑星の下級神に出して貰えるかもしれない料理が楽しみだったんだ。
我家に帰るとロキさんが念話で話しかけてきた。
<< トモミ殿、ふたりだけで話ができぬかの? >>
<< 分かりました。ちょっと待って下さいね。>>
私は少し用事があるので自分の部屋に居る旨伝えて退席する。ドリスさんはこの後夕食の調理を手伝ってくれると言っていたから私が居なくても大丈夫だろう。この星の言語は頭に入れて置いたしね。
自室に入るとロキさんが亜空間から現れた。ソファーに座る様に促すが、立って(というより宙に浮いて)いる方が良いらしい。仕方ないので私も立ったままで話をする。
<< それでお話とは? >>
<< うむ、実はトモミ殿に我々精霊のことで相談があっての。>>
<< 我々とおっしゃると言うことは、精霊様はロキさんひとりではないのですね。>>
<< そう、ひとりではない。だいたい1万くらいおるかの。>>
<< 1万人ですか! 皆さんロキさんくらい魔力が強いんですか? >>
<< そうじゃの、トモミ殿に魔力が強いかと聞かれると困るが、皆わしと同じくらいゃ。>>
<< 皆さんどこにおられるのですか? >>
ロキさんくらい魔力が強い精霊が1万人!!! そんな馬鹿な! 魔力を感知できないはずはないのに。
<< 皆、宇宙空間で亜空間に隠れておる。>>
なるほど亜空間か。ロキさんの亜空間は魔力を完全に遮断しているものな。きっとそれで今まで存在が分からなかったんだ。
<< 我々も聞きたかったのだ、お主たちは何者なのかとな? もっとも先ほどドリスからだいたいのことは聞いたが。 >>
<< へっ、私達ですか? ドリスさんから聞いた?>>
<< 宇宙空間に突然現れたお主たちの正体を知りたかったのじゃよ。>>
突然現れた? 私達が? この人何言ってんだろう??? と考えて突然思い当った。
<< も、もしかして精霊様ってこの次元にもとから住んでいた方達ですか??? >>
<< そうじゃ。ある時我々の宇宙に突然お主たちが銀河と呼んでおる巨大な物質の固まりが現れた。それは肝をつぶしたぞ。幸い銀河が現れたのが我々のいたところから離れていたのと、咄嗟に亜空間に隠れたので被害はなかったがな。>>
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<< そ、それは大変ご迷惑をおかけしました。>>
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