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第13話 小さな情報屋
しおりを挟むゴラムたちは、世界中に点在するヴェールの影の拠点を一つずつ探すことにした。サウザン王子やイストリア国王、ほかの国にも協力してもらい、探したが、他国の拠点には、痕跡らしきものは無かった。あとはエルドランド国内の数か所を残すのみの状況になっていた。
「北の廃墟の城が怪しいな。あそこにまずは行ってみよう。」
ゴラムの提案で、廃墟の城に向かうことになった。
以前は、黒い魔法使いーダークウィザードーが住んでいたその城は、
変わらぬ不気味さで佇んでいた。門をくぐると重苦しく纏わりつくような空気感で体が重く感じる。
城の中に足を踏み入れると、禍々しい空気がさらに体を重くする。
「よし、2階の王の間に行くぞ。」
ゴラムが重い口を開き、正面の大階段を一歩ずつ上がっていく。
王の間の重厚感のある扉は、前に立つだけで威圧感に気おされそうになる。
ゴラムは重い扉を押し開けた。
ピュー!
何かが目の前を飛んで行った。
シュー!
空中をぐるっと回って、ゴラムたちの目の前に何かが飛んでくる。
「こんばんは!みなさん。」
その何かは、空中にピタッと停止し、話しかけてきた。
頭には二本の角、蝙蝠のような羽を生やし、先が矢印のようになった長い尻尾が生えている。
「デモ助!」
ミカが口を開いた。
「ミカエル様!ご無沙汰しております!」
デモ助がミカにお辞儀をした。
「ミカ、こいつは知り合いなのか?」
ゴラムが呆気にとられて言った。
「こいつは、ミニデーモンのデモ助。わらわの部下じゃ。」
ミカが言うと、デモ助は「以後お見知りおきを」と言って、ゴラムたちにお辞儀をした。
「デモ助、なんでお前はここにいるんじゃ?」
「ミカエル様たちがここに向かってるのを見かけたので、ついてきました!」
「お前の助けなど必要ないが?」
「魔王様!そんなひどいこと言わないでください!情報もあるんですから。」
「情報だと!早く教えろ!」
ゴラムがミカとデモ助の会話に割って入る。
「まあまあ、そんなにがっつかないで。」
「早く教えろ!」
ゴラムがデモ助の両頬をつまんで伸ばす。
「イテテ、わかりましたよ。よく聞いてくださいよ。」
デモ助は、腕組みするとゆっくりと話し出した。
「魔神についての情報です。皆さん知っての通り、魔神は2年ほど前に転生者ケンタ一行に倒されました。でも、なぜ生きているのか?不思議じゃないですか?」
「そうじゃな、あの時、魔神が消えるのをわらわも見ていた。」
「ミカエル様、魔神は人間に紛れ込んでいるという話はご存じですよね。」
「うむ。」
「実は、魔神はケンタ様が倒した者だけではなかったんです。」
「それは、どういうことじゃ?」
「魔神は、人間の世界ーエルドランドーに分身を紛れ込ませていたんです。」
「つまり、その分身の方が、まだ生きているということじゃな?」
「そういうことです。」
ミカとデモ助の話に全員が息を飲んだ。
「その分身は、人間に化けているのか?」
ゴラムが聞いた。
「そうです。今は人間の姿のはず。ただし、魔力も以前より弱まっているはずです。なんせ、片割れを殺されたんですから。」
デモ助が言う。
「でも、その人間に化けた魔神をどうやって探せばいいの?」
アンヌが聞く。
「鍵を握っているのは、深淵の鍵です。鍵だけに。ナンチャッテ。」
デモ助の言葉を無視してキャスが言った。
「深淵の鍵!今はケンタたちが保管してるはず。」
「よし、ケンタのところに行こう!」
ゴラムがさっさと行こうとする。
「ちょっと、待って!」
デモ助がゴラムたちの前に飛んで行って、邪魔をする。
「邪魔だ、どいてくれ。」
ゴラムが言うと、
「まだ、続きがあるんですよ!」
デモ助が怒り気味に言う。
「続きってなんだ?」
「深淵の鍵は、古代人の末裔が使わないと、その効果を発揮しないんです。」
「・・・リリアか、出来れば巻き込みたくなかったが。」
「深淵の鍵は魔人の場所を指し示します。でも、そのためには、古代人の末裔が必要。そういうことです。」
「わかった。ありがとう、デモ助。」
ゴラムたちは、城を後にして、ミルド村に向かった。
馬車に乗り込み、ゴラムが手綱を持って出発した、その時。
「いやー、この馬車は乗り心地、最悪ですね。」
小さい丸っこいものが勝手についてきた。
「デモ助!なんで、乗ってるの?」
アンヌが驚いて声を上げた。
「おいらも皆さんのお役に立ちたいんですよ!」
デモ助が言う。
ゴラムは半分呆れていった。
「いいだろう。デモ助も連れて行ってやろう。」
「ありがとうございます!ゴラムの親分!」
「お、親分…?」
こうして、ゴラムに子分ができた。
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