5 / 17
『悪役令嬢』と『感謝の公爵令嬢』
感謝の力
しおりを挟む
「ディア、シンリー、外へ出る身支度をしてきなさい。領地の視察をするんだろう?」
「旦那様、すぐにして参ります」
「ディブロお父様、ありがとうございます」
「私はその間に馬車の準備をしておくから」
領地視察のために、あたしはシンリーに案内され、3Fにある外出用の広々としたドレスルームで着替えることとなった。
「ディアお嬢様ならどんな色もいいですが、青色はいかがでしょうか?」
「シンリーが選ぶなら、間違い無いね!!」
シンリーが選んでくれた青色のドレスへ着替えることなり、身支度を終える。
最後の身支度チェックとして、ドレスルームにある全身鏡で自分の顔を見る機会があった。
白色のリボン型のカチューシャ、青色のドレス、金色の髪のロングヘアー、青色の瞳、紛れもなく『セブン⭐︎プリンセス』で何度も見てきた『ディア•ベルンルック』だった。外見は完璧な美少女なのだが、憂鬱である。
「シンリーは、メイド服の格好でいくの?」
「ええ。私のようなメイドが主人に付き従って同行する事は珍しくありませんから」
「ちぇ…いつものシンリーも可愛いけど、オシャレをしたシンリーを見たかったなぁ」
桜色の髪をしたポニーテールの小柄な女の子がおしゃれをしたら、どうなるか?そんなの、答えは簡単、最強に決まっているのだ。
「その……ディアお嬢様がどうしてもと言うなら、またの機会にお見せしま……す」
「え?本当?絶対だよ?あたしが死ぬまでにね」
「ディアお嬢様は死なせませんし死にません。そんな悲しいこと言わないでください!!」
あたしの運命は『セブン⭐︎プリンセス』物語の既定路線上、もう決まっていて、覆すのは難しいと思う。それでも、ダメダメなあたしにそんな嬉しいことを言ってくれるシンリーと共にこの先何十年も歩みたいって心の底から願ってしまった。
ーーーー
「ディブロお父様、お待たせ致しました」
「ディア、よく似合っている」
シンリーの案内とともに3Fのドレスルームから退室して1Fへ降りて、屋敷を出ると、ディブロお父様が声をかけてくれた。
周囲を確認すると元気そうな赤茶色の馬2頭と黒塗りの大きな馬車があたしの前に停まっている。そして、馬車にはディブロお父様、その付近には鎧を着たディブロお父様を守る護衛の兵士達が隊列を組んで待っていた。
「お馬さん達、いつもディブロお父様を運んでくれてありがとう、今日はあたしもよろしくね?」
「「ヒヒーーン」」
まずは、お馬さん達に伝わるかは別として挨拶と感謝を伝えるため、前方の方へいるお馬さんの方へ移動して感謝を伝える。あたしの感謝が伝わったのか、大きな声でお馬さん達が鳴いた。
「おい、あれ…途端に馬達がやる気出したぞ」
「嘘だろ。あの2頭、いつもやるきないのに」
「そんなのあり得ねえって」
護衛の方々から変な声が聞こえたが、それは気にしないことにした。馬の様子を確認した後、ディブロお父様がいる馬車付近へと向かう。
「それでは、ディアとシンリーはこっちへ、周囲の護衛を固めろ」
「「「「「「はっ、ベルンルック公爵様!!」」」」」」
「皆様、いつも当家のために身体を張り守ってくれてありがとうございます!!信じてますから!!」
ディブロお父様が大きな声で命令を出し、彼が出した命令に対して、同じように大きな声を出して遂行する兵士達の様子を眺めていた。
その様子を見て、同時にこう思った。例えそれが仕事でも彼等のおかげで、あたしはここまで生きることができたんだと実感できた。
だから、あたしもディブロお父様や護衛の兵士の方々に負けないくらいの大きな声で、彼等に感謝を伝えることにした。
「うおおおお!!燃えてきたぁぁぁぁ」
「最優先護衛対象はディアお嬢様ぁぁぁぁ」
「絶対に死んでもディアお嬢様だけは守るぞお」
「あの方だけは死なせるなぁぁぁぁ」
あたしが感謝を送ったのが原因かわからないけど、周囲にいる護衛兵達の方々のやる気が漲ってくれたようで何よりだった。
ディブロお父様が、大きく肩を落としてしょぼんと落ち込んでいたが、気にしないことにした。
「旦那様、すぐにして参ります」
「ディブロお父様、ありがとうございます」
「私はその間に馬車の準備をしておくから」
領地視察のために、あたしはシンリーに案内され、3Fにある外出用の広々としたドレスルームで着替えることとなった。
「ディアお嬢様ならどんな色もいいですが、青色はいかがでしょうか?」
「シンリーが選ぶなら、間違い無いね!!」
シンリーが選んでくれた青色のドレスへ着替えることなり、身支度を終える。
最後の身支度チェックとして、ドレスルームにある全身鏡で自分の顔を見る機会があった。
白色のリボン型のカチューシャ、青色のドレス、金色の髪のロングヘアー、青色の瞳、紛れもなく『セブン⭐︎プリンセス』で何度も見てきた『ディア•ベルンルック』だった。外見は完璧な美少女なのだが、憂鬱である。
「シンリーは、メイド服の格好でいくの?」
「ええ。私のようなメイドが主人に付き従って同行する事は珍しくありませんから」
「ちぇ…いつものシンリーも可愛いけど、オシャレをしたシンリーを見たかったなぁ」
桜色の髪をしたポニーテールの小柄な女の子がおしゃれをしたら、どうなるか?そんなの、答えは簡単、最強に決まっているのだ。
「その……ディアお嬢様がどうしてもと言うなら、またの機会にお見せしま……す」
「え?本当?絶対だよ?あたしが死ぬまでにね」
「ディアお嬢様は死なせませんし死にません。そんな悲しいこと言わないでください!!」
あたしの運命は『セブン⭐︎プリンセス』物語の既定路線上、もう決まっていて、覆すのは難しいと思う。それでも、ダメダメなあたしにそんな嬉しいことを言ってくれるシンリーと共にこの先何十年も歩みたいって心の底から願ってしまった。
ーーーー
「ディブロお父様、お待たせ致しました」
「ディア、よく似合っている」
シンリーの案内とともに3Fのドレスルームから退室して1Fへ降りて、屋敷を出ると、ディブロお父様が声をかけてくれた。
周囲を確認すると元気そうな赤茶色の馬2頭と黒塗りの大きな馬車があたしの前に停まっている。そして、馬車にはディブロお父様、その付近には鎧を着たディブロお父様を守る護衛の兵士達が隊列を組んで待っていた。
「お馬さん達、いつもディブロお父様を運んでくれてありがとう、今日はあたしもよろしくね?」
「「ヒヒーーン」」
まずは、お馬さん達に伝わるかは別として挨拶と感謝を伝えるため、前方の方へいるお馬さんの方へ移動して感謝を伝える。あたしの感謝が伝わったのか、大きな声でお馬さん達が鳴いた。
「おい、あれ…途端に馬達がやる気出したぞ」
「嘘だろ。あの2頭、いつもやるきないのに」
「そんなのあり得ねえって」
護衛の方々から変な声が聞こえたが、それは気にしないことにした。馬の様子を確認した後、ディブロお父様がいる馬車付近へと向かう。
「それでは、ディアとシンリーはこっちへ、周囲の護衛を固めろ」
「「「「「「はっ、ベルンルック公爵様!!」」」」」」
「皆様、いつも当家のために身体を張り守ってくれてありがとうございます!!信じてますから!!」
ディブロお父様が大きな声で命令を出し、彼が出した命令に対して、同じように大きな声を出して遂行する兵士達の様子を眺めていた。
その様子を見て、同時にこう思った。例えそれが仕事でも彼等のおかげで、あたしはここまで生きることができたんだと実感できた。
だから、あたしもディブロお父様や護衛の兵士の方々に負けないくらいの大きな声で、彼等に感謝を伝えることにした。
「うおおおお!!燃えてきたぁぁぁぁ」
「最優先護衛対象はディアお嬢様ぁぁぁぁ」
「絶対に死んでもディアお嬢様だけは守るぞお」
「あの方だけは死なせるなぁぁぁぁ」
あたしが感謝を送ったのが原因かわからないけど、周囲にいる護衛兵達の方々のやる気が漲ってくれたようで何よりだった。
ディブロお父様が、大きく肩を落としてしょぼんと落ち込んでいたが、気にしないことにした。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる