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急に大ピンチ!やっぱりエロは必要ですか?
34:仕事をしよう!と思ったら襲われました。物理的に。【2】
しおりを挟む私は必死でバーナードの欲望を舐めた。
口に入れ、刺激をする。
やったことないし、どうすればヨくなるとかわかんない。
だいたい、こんな死にそうなのに、
こんな状態なのに……できるわけない。
そう思ったけど、
バーナードはきちんと反応してくれた。
私の唾液と涙の成分のおかげかもしれない。
もしくは『私の中に欲望を押し込める』の私の中の解釈が
口の中、という意味もアリだったからかもしれないが。
バーナードの欲望が反応し、
硬く勃ちあがるの同時に、
体から流れていた血が止まった。
よかった。
出血死は免れたかもしれない。
バーナードのモノは、ほんとに大きくて。
こんな状態でなければ絶対に怯んでた。
でも、反応してくれてよかったと本気で思う。
以前、生存本能で、動物は死にかけたら発情するとか
そんなことを聞いたことがあるけど、
バーナードもそうだったのかも。
いやいや、死にかけてたらって、
そんなの死んだら大変だし。
私は首を振って思考を追い出した。
考えたら、理性が芽生えたら、何もできなくなる。
あとは、これを…入れればいいのよね。
私はバーナードの傷に触れないように気を付けながら
バーナードの体の上に乗った。
「……ユ…ウ?」
かすれるような声がする。
バーナードの目の焦点が、初めて私に合った。
「大丈夫。
絶対に…助ける…から」
自分から、男性のモノなんて受け入れたことない。
でも、やる。
絶対に、やる。
自分でお尻の双丘を開いて、
私はバーナードの欲望に触れる。
脅えるな!
大丈夫、と言い聞かせていると、
こぽ、っと音がして、私の秘穴から何かがこぼれた。
甘い香りがする。
あぁ、これも女神ちゃんの祝福だ、と思った。
行為をしやすいようにしてくれるんだ。
いらないけど、あってよかった女神の祝福。
……字あまり。
もうどうにでもなれ!
私は、一気に体重を落として、バーナードを受け入れた。
あまりの圧迫感に、叫ばなかった自分を褒めてあげたい。
でも。
「…う…ぅっ」
バーナードのうめくような声に、
私は乱暴にし過ぎたかと後悔する。
ゆっくりと私は動いた。
苦しかったけど、そんなの関係ない。
もしかしたら、こういうことを続けて
気持ちよくなるとか、そんなのがあるかもしれないけど。
今の私には、そんなことは、どうでも良くて。
幸い、女神ちゃんの祝福で痛みはない。
怪我もしてないと思う。
そうだ。
どんなに激しい行為でも怪我しない、みたいな
そんな祝福も貰ってたはずだ。
……便利ね、祝福って。
そんなことを思って、
でも、必要になる機会がない方が絶対に良いわけで。
圧迫感と苦しさと。
バーナードの熱い欲望の塊と。
いろんなものを忘れたくて、
私は取り留めもないことを考え、そして動く。
私は今、ただ、バーナードを絶頂に導くだけ。
私の感情は、どうでもいい。
私の中でバーナードの欲望は確実に硬く、
大きくなっている。
そして。
私が動くたび、バーナードの欲望を締め付けるたび、
バーナードの傷口は塞がっていく。
奇跡だと思った。
女神の奇跡だ。
必死で私は体を上下に揺さぶり、
バーナードの精を出させる。
大きな体が震え、呻き、そしてようやく
バーナードは精を吐き出した。
熱いそれを体内で受けた時、
私は力尽きて、バーナードの体の上に倒れた。
胸が重なり、呼吸がままならない。
弾みででバーナードの欲望が体から抜け、
こぽり、と、秘穴からバーナードの名残と
私の祝福の蜜が零れ落ちるのを感じる。
バーナードを見ると、
眠っているかのように目を閉じていた。
でも心臓は動いている。
大丈夫だ。
私はバーナードの胸の上で上半身を重ねたまま
少しの間、心臓の聞いていた。
安心した。
バーナードは生きてる。
バーナードの体は大きくて、
私の身長は、彼の胸当たりまでしかない。
なので、立っている時はいつも私は
バーナードの顔を見ることができず、顔を見て
話をしたいときは、太い腕を掴んでバーナードの顔を覗き込んだ。
腕を引くと、いつも驚いたような顔をして
優しく笑う。
そんな彼の笑顔をまた見れるという事実に、
私は胸が熱くなった。
涙が落ちる。
でも、ずっと感傷に浸っているわけにはいかない。
まだ戦いは続いているのだ。
大きく息を吐き、私はバーナードに服を着せ、
じぶんも身支度をした。
必死だったとはいえ、ものすごいことを
してしまった自覚はある。
それに、下着がどろどろで、気持ち悪い。
でも、生きている。
それを考えたら、すべてが些細なことだ。
私は金聖騎士団の皆のことを考えた。
屈強なバーナードがこんな傷を負ったのだ。
あとの皆は無事だろうか。
グガっ!と大きな音がした。
何かと思ったら、あの黒い何かが、いきなり横から倒れてきた。
叫ばず、とっさにバーナードの体を守ったのは褒めてもらいたい。
バーナードに覆いかぶさり、私は状況を確かめる。
バーナードと一緒には逃げられない。
でも、こいつの狙いが私だけなら…。
「ユウ!」
カーティスの声がして、安堵する間もなく
ヴァレリアン、スタンリーが私の前に立った。
ケインもエルヴィンも無事だった。
全員血だらけで、満身創痍の状態だったけど
でも、生きてた。
「無事でよかった。
結界が、消えた、気配がしたから」
カーティスの息は上がっていて、
肩から流れるた血が指先にまで流れていた。
私は素直に謝った。
「ごめんなさい、バーナードが倒れてたから…」
「そうか」
カーティスは視線を黒いヤツに向けたまま頷く。
黒いヤツは、ちっとも弱ってないように見えた。
皆はこんなに傷ついているのに。
バーナードなんて、死にそうだったのに。
理不尽だと思った。
女神ちゃん、ほんとにこんな世界を創りたかったの?
なんか、バグってんじゃないの!?
イライラする。
なんでだろ。
今迄、こんなに怒りを感じたことなど、ない。
今迄私には大切なものなど、何もなかった。
誰にも心を開かず、大切なものなど作ることなく、
一人で生きてきた。
施設の仲間は大切だったけど、
あの子たちは家族だ。
私は施設の子たち以上に大切なものなど無いと思っていた。
それこそ、自分の命より大事なものなんてないって。
作れるはずないって思ってた。
でも違った。
この世界に来て私は初めて、大切にされることを知った。
大切にしたいと思うものができた。
その【初めてできた大切なもの】をヤツは、壊そうとしている。
胸が苦しい。
心臓がバクバク言って、血がどくどく押し出されて。
その中の<魔力>が溢れそうだ。
胸を押さえると、さっき感じた違和感…女神ちゃんの加護が
私のあふれる<魔力>に押し流されるのを感じた。
そうだ。
こうすればよかったんだ。
無理に自分のものにしなくても、
ぜんぶ、こうやって流して、自分の中に取り込めばよかったんだ。
違和感も、魔力も。
全部食べてしまえば、全部、私自身のものになる。
肉も野菜もお菓子も、お腹に入ったら全部一緒ってやつだ。
加護が私の<魔力>に混ざり、体を駆け巡る。
そして、それらが体内を一周したとき、
私は<女神の祝福>を受けた。
いや、<女神の祝福のすべて>を受け入れた。
体が光る。
自分から発する光に、まぶしいぐらいだ。
全員が、私を振り返った。
ヤツですら、私を見た。
どうだ、まぶしいだろう。
「あんたなんか、消えちゃえー!!」
女神の光で、いなくなっちゃえ!
叫んだ。
夢中で。
私の大切な人たちを傷つけるなんて許さない。
私のやっと見つけた大切な場所を、
取り上げるなんて許さない。
やっと、やっと。
私は自分から「ここにいたい」と思える場所を
手に入れたのに。
「消ーえーろー!!」
必死で叫んで腕を伸ばし、
体から出る光を、ヤツにぶつける。
…イメージをしたら、本当にできた。
ヤツは、耳をふさぎたくなるような声を挙げ、消えた。
「はは、本気ですげぇ」
その場にいる全員が呆然とする中、
ヴァレリアンの声がした。
うん、ほんと、すげぇ。
女神ちゃん、あなた本当に神様だわ。
<できない妹>扱いしてごめんよ、なんて思いつつ、
私はそのまま気を失った。
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