【完結・R18】「いらない子」が『エロの金字塔』世界で溺愛され世界を救う、そんな話

たたら

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獣人の国

277:私のからだ、私の世界

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 マイクは下着の上から
何度も私の樹幹に触れ、
息が感じるほど近くに顔を寄せる。

恥ずかしくて仕方がなくて、
私は膝をガクガク言わせた。

「あぁ、申し訳ございません。
あまりにもユウさまが可愛らしくて」

マイクは私の様子に気が付くと、
私の腰に手を添えた。

そして下着に手を掛けたが
すぐに脱がされると思ったのに、
マイクの手は動かない。

「ユウさま、もう少し味わいたいのですが
お許しを頂けますか?」

意味が分からずに頷くと、
マイクは、では、と舌を出した。

え?と思う前に、マイクは
下着の上から私の樹幹を舐め始めた。

丁寧に、愛撫をするように。

もともと、薄い生地の下着だったので
マイクの唾液と、私の樹幹から出る蜜で
あっという間に、それは。

私の樹幹は、布地を張り付けた状態で
昂る状態を露にした。

「ユウさま、ご覧ください。
これがユウさまの興奮されたお姿です」

そんなことを言われても
直視なんかできない。

「怖いですか?」

と聞かれて、恥ずかしい、と答える。

するとマイクは目の前で
自分も服を脱ぎ捨てた。

「私も同じです、ユウさま。
ユウさまの前では私はすぐに
このような状態になってしまう」

確かにマイクの欲棒はすでに
昂ぶり、勢いよく上を向いていた。

「では、次はこのようになった場合
どうすればいいのかを
お教えいたしますね」

マイクはそう言うと、
私の下着をずらして指をすべりこませる。

「このように、優しく握ったり、
先端に触れたり……ユウさまもやってみますか?」

「え? さ、さわる……?」

勇くんの樹幹を?!

「はい、大丈夫ですよ」

マイクが私の指を樹幹に導く。

私の下着を脱がさなかったのは、
私の抵抗感を少なくするためだろう。

恐る恐る指先で布地の上から触れ、
マイクに言われるまま
下着の中に指を入れる。

……熱く、固い。

今更だけれど、
本当に、今更なんだけど。

驚いた。

でもそうか、と思った。

私はこの体を勇くんのものだから、と
いつも遠慮していたけれど。

この熱も、固さも。
それは私が感じているものだ。

そう、なんだ。

不意に、そう思った。

この世界は、私の世界で。
この体は、私のものだ。

視界がクリアになったかのように
私はそのことを、急に理解した。

今まで何に遠慮して、
何に脅えていたのだろう。

私の意識が変わったことに気が付いたのか
マイクが「では、脱いでみましょう」と
笑顔で言う。

「ユウさま、どうぞ」

え? 私が脱ぐの? 自分で?

いや、自分で脱げるけれど。
でも、こんな時はいつもマイクが
脱がしてくれたのに。

そう思ってマイクを見たけれど
マイクの期待をした目を見て私は口を閉ざした。

マイクは私が
マイクに肌を晒すところを見たいのだと思ったからだ。

快楽に。
『祝福』に流されるのではなく、
自分の意志でマイクとこうしていることを
示して欲しいのだろう。

そして私も。
そうしなければならないと思った。

私がこの世界で、
マイクと一緒に生きていくという
決意をした証として。

えい!と私が下着を脱ぐと
マイクはとても嬉しそうな顔をした。

そして私の樹幹に頬ずりするような素振りをする。

「もっと味わいたいのですが、
ここでは風邪を引いてしまいますね」

マイクはそう言い立ち上がると、
私を浴槽へと連れて行く。

体に湯を掛けてくれたが、
先ほど、中途半端に触れたせいか
私の樹幹は痛いほど熱くなっていて
湯がかかっただけでも
声が出そうになる。

「先にお身体を洗いましょうか」

そう言われたけれど、
私は首を振った。

そんなことより、
この樹幹を何とかしたい。

「では湯に浸かりましょうか」

きっとマイクは知っていて
意地悪をしているのだと思った。

今までそんなこと、したこと無かったのに。

自然に唇を尖らせてマイクを見ると
マイクは私の唇に指先を乗せた。

「申し訳ありません。
ユウさまがあまりにもお可愛らしいので」

マイクはそう言い、私の樹幹に触れた。

「熱を吐き出す方法をお伝えしますので
一緒にやりましょう」

マイクは私を湯殿用の椅子に座らせる。

背もたれはないけれど、
壁のすぐそばで、背を向けて座ったので
少し体を傾ければ壁が身体を支えてくれそうだ。

「さぁ、ユウさま」

マイクは手を、
私の手に重ねるようにして誘導する。

そして固く勃ち上がり始めた私の樹幹を
包み込むように、触れた。

「こうして……優しく握って」

耳元で聞こえるマイクの声が甘くて
くらくらする。

「ゆっくり擦って……ほら
ユウさまの蜜が出てきましたね、
キモチイイのでしょう?」

大きな手と自分の手が重なって、
樹幹を扱いていく。

恥ずかしくて、キモチイイになって。
手が蜜でぐちゃぐちゃになってきて。

手のひらから伝わる樹幹の
生々しい固さと、熱に。
そして手の動きに呼応するような
快感に、私はまさにこれが
私の体なのだと、さらに実感した。

あぁ。


誰に遠慮するのでもなく、
私は私として、この世界に存在しているのだ。

『祝福』は発動しない。
快感に溺れて、流されるのでもない。

私はこうして、自分の意志で触れ、
そしてこの体で。

私の体で、マイクを求めているのだ。














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